↓下ニ増エテ行キマス↓
【Death,Fortune 生Kill】
(2/25/日曜日)
…“午後9時53分56秒”…僕は死んだ…。
その5分前、...僕は誰かと電話をしていた....。
「じゃあ、またね...。」
{ブツッ!!...プーップーッ!!!}
その10分前、...僕は洗面台で歯を磨いていた...。
「今日は....疲れた...。」
何に疲れていたのか...僕は知っていても
口にはしたくない....その30分前、
「ははっ、そうだね〜どこか...か。」
「ぅん、そう、どっか、行きたいね。」
...僕は最終電車の時間に気付きキミと別れた...
あの時、引き留められていれば...いや、
時刻に気付かなければ...。
「15分か...ギリギリだな...。」
15分前、...僕は電車の中で時計を見ながら
少し前の会話を噛みしめていた...。
実感は無いが虚無感は存在し僕を包み込む...。
「僕が支払えるモノは...ーーー」
あぁ、少し解ってきていた...。
「それでは...良い夢を...。」
次第にそれは実感経て僕を呼び戻す...
“他人の夢”...僕がこの命で手にした幸せな
他人の夢...僕は生命と引き替えに一年の
夢を見続けていた...。
「お目覚めですね...。」
暗転の後、真っ白な世界へと僕は引きずり込まれた。
「...僕はまだ動いている...。」
足元に映し出された風景は見た事ある
そう...今までの僕の部屋だった...そこには
元気で動き回る僕の...いや、他人の姿が
存在していた...。
「如何(いかが)でしたか?
お望みの生活は望めたでしょうか?」
小太りな少年が僕に感想を求める...。
「あぁ...最高の一年だった...。」
何故か涙が止まらずに溢れ出していた...
本来僕の有るべき場所から逃れる為に
僕は残り少ない命を売り払い、幸福を手にした...。
「満足された様で大変光栄Death,...が、
感傷途中にすいません...。
時間Death,お迎えですよ?」
少年の声に併せて巨大な禍々しい門が
僕の目の前に出現した...。
「え?...僕は?!!」
動揺した僕に笑みをこぼし彼は言う
「貴方は他者の夢を命で競り落とした...。
だからそれなりの他者の運命すらも
トレース(真似る)するのDeath,。」
僕が地獄に堕ちるのだ....と...。
「いやだぁぁっぁっっ!!?!」
『バタァァッッッン!!!』
「それでは、貴方には回避を...。」
最後の瞬間...門に突き落とされるその前に
僕は、見慣れぬ後ろ姿だが...見覚えのある
ソレを見て全てを漸く理解した...。
「良かった〜、夢売って!!」
「ふふっ、貴方はこれでもう寿命まで
果てる事はないでしょう...永遠に...。」
死の運命を僕に押し付けた男の売った夢を
僕は命を糧に手にし、同時に死んだ...
そう、やはり僕は“午後9時53分56秒”に
死んでいたのだ…。
【Death,Fortune 虚Low】
(2/26/月曜日)
【がたんごとん!!がたんごとん!!!】
白昼夢...これは...いえ、私は解っている...。
ーBefore seven day'sー
「遊園地に今度行こう!!!」
「え?」
不機嫌そうな私を宥(なだ)めるように
彼は呟き背後から手を回す...
「嫌...かい?」
少しの間の後(のち)私は頬を赤らめ頷(うなず)く。
「でも、貴方コースター系、乗れないんじゃー」
私の声を遮りあの人は唇を重ねた...。
-Today's-
{今日、午前9時半頃…}
耳の中がザワザワする...何も聴きたくない...。
「...そんなハズがない...。」
でも心臓の鼓動だけは何処までも私を追いかけ
縛り付けてゆく...。
「...約束...してたもんな。」
私が声に誘われ開いた瞳に飛び込んで
来たのはあいつの姿だった...。
「嘘...貴方は事...。」
そうよ、そうよね?...私の期待を裏切る
ハズがないもの...だって貴方は夢を叶えなきゃ...。
「行こう!!遊園地へ!!!」
はかない時間は過ぎるのが早く
彼との思い出が一つまた一つと増えて行った...。
「時間Death,よ?」
不意に小太りな少年がヒョコっと私達の前に
姿を現しこの夢を終わらせて...え?...夢???
暗転した白い世界で私は彼と対時する...。
「...有り難う...俺の夢...買ってくれて...。」
「...ぅん...ぅん...。」
私は涙が止まらなかった...現実を受け止められずに
自殺を志願した私が買った事故死してしまった...
彼の最後の夢...一緒に遊園地に...。
「これで貴方はこれからも生きて
行けるでしょう...只...。」
彼を胸に生きて行ける、でも...
あぁ、そうだった...私はーーー
「ちょっと待って...いやぁ...止めーーー」
「毎度有り難う御座いました...。」
彼に関する全ての記憶を代価に彼の最後の
夢を手にし、偽りの一日を手にしたんだった...。
『何レ死ヌ』
『』
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