ASH=FROST【RV】


:to be another mind

世界の敵へ・・・。




ーアナタは自分の影を担(にな)う、もう1人の自分が居るとしたら・・・どうしますか?ー

・同世界で存在する3人はどうして
此処へ、居ると思いますか?

・ドッペルゲンガーは相手ですか?
それとも自分では無いと確信出来ますか?
未来と過去が繋がったら、アナタには
何が見えると思いますか?

・アナタの存在価値は意味のあるモノですか?
意義を感じて生きていたいですか?
生かして貰いたいですか?

・影と明があるように、アナタ以外が
本来は表なのだとしたら・・・どうしますか?





貞操

視察

壷毒

乱舞

生贄

孤高



VULGAR…
(ALL of 2003/9/15/Monday)





貞操

・とある大学の、別館の一角に在る研究室。
そこが俺の支配下・・・・だった。
過去型なのには幾つかの理由がある
だが、それは追々ゆっくり話そう・・。
それは、目覚めの悪い昼下がりから
口を開けていたのだと思う・・・俺を誘う様に。
「おい、研究動向・・しっかりと
見張っていただろうな?」
俺の乾いた声へ反応する木偶共の1人。
「はい!レポートに纏(まと)めておきました。」
何時も通りの毎日だ、俺はこの研究所を
力で1年前・・・締め上げた、そして手にした。
「よし、ついでだ・・お前
何か飲物買って来いよ?勿論、ゴチな。」
2年となった今、部下と呼べる人間も
数が順調に増えた・・・。

・俺が奴へ命令し、遣いで出してから
数秒しか経っていない筈だ
「あん?随分と早ェえじゃねーの。」
しかし、誰かの気配と物音が
真後ろから聴こえ伝わって来た、だが
振り返らんとするも目の前の
立て鏡が映し出した者を見てゴクリっと
唾液を飲み込み、止めた。

いや、正確には振り返る事を恐怖したからだ。
「・・・おぃ、ふざけるなよ?!」
怒声を浴びせても奴は怯まない
それどころか、醜悪な笑みを俺へ向け
・・・・・恐いか?この俺が。
まるで、念話のごとく直接
頭の中へと声を送り込んで来たのだ・・・
「いい加減、冗談はよせ・・・“江藤(えとう)”!!!」
俺はまだ夢の中であると、その場では
信じよう努(つと)めた。

・叫び声が場へ響き渡る、と同時に
「どっ・・どうしたんっスか?!!」
扉が開き、奴が脅えながら姿を現した。
「あっ・・・あぁ、今・・・いや何でもねぇ。」
言える筈がねぇ、俺は奴から
飲物を受け取ると冷や汗をかいた
身体からコレを拭うべくシャワーを
浴びんと薄暗い外へ出て行った・・。



視察

・まだ夢見心地なのか?
それとも、俺自体がどうかしているのか?
「・・・。」
俺は、ノズルより溢れる水を止めると
タオルを腰へ巻き、プラスチックの
安いベンチに腰を掛けた。
「・・糞ッ!!!!!!!!!
むしゃくしゃする・・・誰でもイイ殴りテェえ・・。」
俺の中に眠る熱い凶暴な獣は
また俺の身体を蝕み
のた打ち回っている・・・・・。

・ロッカーを徐に殴りつけ、俺は正気を保つ。
「・・・恐怖・・・。」
自分で自分が許せなかったのだろうか?
「今更、家に戻った所で
・・・・・・何の意味がある?」
いや違う、アレは・・・あの鏡で
笑みを浮かべていたアレは紛れもなく、俺。
小さいタオルを頭へ乗せて
俺は下着を履き始めた、既に横で
もう独りの自分を感じながら。

・薄明かりで姿はぼやけている、だが
俺の真横に奴は居る。
「・・・・・昔の幻覚にしては手が込んでいやがるじゃねーか?」
姿を見ず俺は苛付いた口調で叫ぶ、すると
「暴れたいんだろう?」
奴は普通に会話を放って腕を伸ばして来た。
「それはテメェをぶっ殺しても
・・・良いって事か?」
肩へ手先が触れんとした、ソレを
俺は振り払い、正面へ顔を向け
同時に拳をニヤけたそいつの顔面へブチ込んだ。


壷毒

・拳が触れたか、触れないか?の瞬間だった
「・・・存分に持て余していた力を奮(ふる)うと良い。」
俺の身体は目映い発光体と化し消え去った。
「・・・・・なんだ?」
そう感じた筈、いや実際に俺の身体は
掻き消えた筈だった・・・しかし
「奴は・・ッ!!!」
俺は生きていた、そして場はさっきまでと
同じく静寂を保っていた。

・俺は周囲を見渡しながら
洗面台へ足を進め、そこで気付く
「鎧・・・なのか?」
その異質な自分の姿に・・。
[がひゅあっ〜〜?]
と、同時で獣の遠吠えが背後から響き渡る!!
「なんだぁッ・・・?!!
つーか、おぃ・・・・何だテメェは!!」
それは、俺の身長よりも
遥かに大きく重量もありそうな
[ぶるぅうっっゴブルルルゥウッッ!!!!!!]
正に獣(けだもの)だった。

・猪のごとき身なりを持つ獣は
俺が気付いた事も構わず突進し、確実に
殺意を持って襲いかかって来やがった!
「クッ・・くそっがぁっ!!」
あんなモノで直撃を受けたら
俺の身体なんぞ一溜りも無い、しかし
[ンブルゥウァアッッッッ!!!]
やけに冷静に俺は思い返せていた
今の俺の姿と、奴の言葉を・・・。



乱舞

・奇妙な音を立てて俺の右腕は
巨大な砲筒へと変化して行く。
「また・・・俺は、独りか
ケッ・・・・・だからぁ、どうしたぁっ!!」
こみ上げる凶暴な何かに
任せるまま俺は右腕を猪へ向け叫ぶ、すると
[ギャううぁぁおビヒャあぁっっ!!?!!]
轟音と共に完全な武装と化した右腕が
砲撃を行い、激しい閃光を散らし
何かを射出し、敵を砕いた、そして
「俺は・・・どうなったんだ?」
その瞬間、一閃で左腕へ刻まれた
狼の様な紋章を俺は眼にしていた・・・。

・俺は、直ぐに新たな気配を感じた。
「・・最初にしては中々だった・・・。」
もう1人の俺だ、思わず振り向き様に殴り掛かる
「うぉおおっっっ!!」
手応えが無い、しかも先と同じく俺の姿は・・・。
「夢・・・だったのか?」
鏡へ朝日で照らし出された俺の姿は
元の、下着を履いただけのままだった
そこに鎧の様な物体は存在していない。

・これが俺の初めての遭遇だ、それ以上でも
それ以下でも無い、しかし紛れもない現実。
「テメェゎぁぁうぜぇッッッッ!!!!」
徐々にではあったが、俺はこの暴力の支配する
新世界へ馴染み、闘い方も覚えた・・・
今、新しい獲物を狩っている最中だ
[ゲブふぁっにゃっ!?]
相手の喉元をかっ切っり始末すると、それが
襲っていた針ネズミへ眼を向けた。



生贄

・「脅えている?・・テメェやる気ねぇのか!」
逃げようとする鼠を捕らえ馬乗りになり
俺は叫ぶ、この世界では油断が即、死に繋がる
だから微塵の不注意も許されねぇ・・。
「・・・・何だ?抵抗しやがらねぇ・・・。」
しかし、無抵抗な奴を始末しても
何等愉しくねぇ・・・俺の中の奴は強い獲物を欲する。

・そいつを放り出し、俺は新たな獣を求め
狩りへと出掛けた・・・
・・・もっと、もっと“力”が必要だ・・。
この学園全体が俺の狩り場なのだ!!

・まだ、校舎内部から強い気配がする
「・・殺気まんまんか。」
同時に硝子が砕ける高音と遠吠えが聴こえた
「奴もハント中だったのか?ククッ・・。」
獲物を捕らえてノボセ上がっている獣を
シトメル為、俺はゆっくりと階段を降りて行った。



孤高

・豹か・・申し分無い獲物だ、俺は
[ヮォオオオオッッッッン!!!]
喚き声を上げる針ネズミを
始末せんとしていた隙を狙い
[・・ウジュウウッ・・・。]
邪魔な鼠を押し退けて、首を
[グルルルルッッッ!!!]
装備した武器で、引き裂く
「テメェの方が獲物だぜ!!
・・・『ハイヴリット・オベリスク』!!!」

しまった技の砲撃が近すぎる、それに
奴の身体からエネルギーの解放が始まる!!
爆風が辺りを包み込み、もう1匹も
「しまった・・巻き込んじまったか・・。」
校舎の内部へと吹っ飛んで光となって消えた。

「チッ・・白けちまった・・・・。」
空が白み、向こうでも夜が明ける
俺の中の凶暴な獣は寝静まった様だ・・・。





VULGER…

・まるで夢なのだ、だから俺は戦える、が何処かで
現実にあるモノとも考えてはいる、が・・・な?
「“裕希(ゆうき)”さーっっん!!
昨日の実験レポ終わりましたぜぇー!」
これで、俺は俺である境界を保てるのだ。
「そこへ置いておけ、汗を流してくる。」
だが・・この時はまだ知るよしも無かった・・・。

俺が恐れた俺との関わりが他人の
運命すら大きく巻き込んでいる事に・・。
「・・・何、この眼鏡汗かいて慌てて・・いやがんだ?」
臭(にお)いそうな程、汗で滲んだ白衣を着た男が
足早に俺の横を通り過ぎ、擦れ違う時
俺は思わず、そうボソっと呟いた
「あれは・・・夢だ!!もうヒトリなんて・・・。」
すると奴はブツブツとそう言い残し
顔を青くして、門を潜り抜け出て行った。

・アイツを・・・少なからず俺は
奴を何処かで・・・いや、まさかな?
同じ大学に居れば、顔を知らない筈がない。
「・・さぁ、夜に向けて何か喰わなきゃな・・・。」
俺はこの、たぎる血脈へと注ぐ
燃料になるべき、喰らうべく物の事
只、それだけを冷水を浴びながら考えて
自然と笑みをこぼしていた・・・。



生き残りを賭けた闘いは人知れず始まっていた・・・。
{to be continued,for if than.}



テメェを守れるのは・・・テメェだけだッ!!


世界の敵の最初へ・・・。



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