【ガレリアンズ:アッシュ】 |
《Who are you?》-フェイクスター- (2002/7/6/Saturday) 一旦2階へ戻った『リオン』は『リリア』の指示を受けるがまま 確かゲルで何人も侵入が不可能となっていた筈の “システム開発室”へと足を伸ばした 「リリア・・起動させたよ・・・。 ボクはこれから『キャス』に弾薬を 渡しに行くから・・・。 それまでに解析を頼むよ・・・!」 {解ったわ・・・。} “エレインの端末”で通信を終えた 少年は頼まれていた弾薬を運ばんと “総合事務局”を通り再び “武器弾薬庫”を通り抜け彼女の下へ 向かわんとするの、だが.... 『ぱしゅあぁぁっっぱしゅしゅっっっ!!!!』 「・・・うっっうっっぐあぁぁぁっっっ?!!! ああああっっっっ・・・なっ・・・ なんだ・・・何が起こって!?!」 突如!!まるで、あるのデータ世界で 同じことを繰り返していた時に受けた 電撃の様な、しかし書き込まれているのとは また別の鋭い痛みを覚える …おん・・・リ・・・お願い・・・もどっ… フラッシュバックし目の前が光で包まれる するとそこには信じられない光景が 次々と脳裏へ解放されて行く!!! 「だっ・・・ダメです!!! もうフロア3も占拠されかけている!! 一旦引きましょう!」 爆音と怒声が交じり混沌が場を覆い尽くしている 「ぎゃぁぁぁっっ!!! まだっ・・まだ死にたくなぃよぉおお!!」 四肢がもがれ、鮮血が内壁を染め上げ 綺麗な真紅の絵画を描く 「ぐあぁっっげふぁっ!?! 頭がいたぃいいっっひぃいっっ!? おっ俺の腕が腕がぁあああああぁぁぁぁっ!!」 狂った叫び声もちらほら聴こえ 阿鼻叫喚の構図が露となっていた 「・・・お前達は下がれ・・・。 最終隔壁を締めるんだ!!!!」 そんな中でも甲斐甲斐しく戦う 彼女は彼がいるまったくのその場で 部下達を退避させ自分だけが残ると 「しっ・・・しかし、キャス隊長! それでは貴方がーーーー」 「後から・・・必ず・・・向かう 安心しろ・・・それから、リリア博士を 死んでも守れ・・あいつが帰ってくるまで、な?」 何故か笑みをこぼし兵士の一人へ そう命じ、最後の隔離壁をロックさせた 「さぁ、貴様らの相手はあたしが しよう・・・なぁ〜に、簡単な話しさ・・。 一緒に死んで地獄へ行ってくれ?」 命を賭した行為、そしてーーーーー {キャスぅううううううううううううっっっっ!!!!!! いやぁぁっそんなの、そんなの!!!! 帰ってきて!!!帰って来てよぉお!!!!! ねぇねぇっっっっ!りおおおおおおっっっん!!!!!} 監視カメラの映像と通信で知った 彼女の悲しい絶叫、後... 『ドキュアァァァッァァァァァァァァァッッッッ!!!!!!!!!!!』 大爆発が武器庫内部で巻き起こった!!!!!!!! 《Who are you?》-スクリーム・ハウル- (2002/7/7/Sunday) 「・・・どいつもこいつも・・。 まったく、だらしないねぇ・・・・!! けど、此処であたしがヤらなきゃ・・・誰が あいつの大事な子を守れるって言うんだい? その約束を・・・!!! (皮肉だね・・・好きに人ってのは・・本当に こう・・・届かないもんなのかねぇ・・ねぇ ・・『リオン』・・。)」 放射能汚染を受けていた『キャス』は 自分の命がもう残りわずかである事を 熟知していた、そんな中でも [しゃははははああぁぁっ!!!! はやぃとこ楽になっちまえぇよぉおお!!!] 任務を全うし、彼との約束を果たさんとして 切り札へと手を掛けていたのだ 「・・下種共が・・・・さぁ、集まったね? おいで・・・あたしが抱き締めてあげる 『母なる天使の抱擁』【エンジェル・ジェイルロック】 っとでも名付けようか、ね?」 周囲をわざと敵へ開け与え囲ませた 彼女は一斉で飛びかからんとする 奴らへ向かい静かにそう言い放つと、全身へ 仕掛けた手投弾のコントロールボタンを 押し、わざとその場で自爆し、弾薬を誘発させ “武器庫”にて大爆発を引き起こす!!!! 『ドドゴオオオオォォォォオオオォォッッッン!!!!!』 まるで天を引き裂く程の怒声とも思える 巨大な音が響き渡り安らかな顔を キャスが爆炎の中で浮かべていた所で映像は途切れた 「はぁはぁはぁはぁ・・・・。 なっ・・なんだったんだ? ・・・今のは・・・白昼夢でも・・ ボクは見ていたんだろうか・・・。」 小刻みに何故か震える身体は どうしてもそれが夢、幻だとは思えず 一頻(ひとしき)り悩んだ後、キャスへ 真相を聞き出しに向かった …お願い・・・お願いよ・・ リオン、眼を醒ましてリオン!!!!!… 「・・・酷く・・悲しい・・・・夢・・ ・・キャス?・・おい!!キャス!!!?」 その画像の後、直ぐにリリアの絶叫が 聴こえた様な気がした {解析が・・終わったわ・・・。} しかし、この世界のリリアは極めて冷静に 役割を果たしリオンを“ハイパースリープルーム”まで 呼び寄せ苦労を労った...。 「いやな・・・いやな、モノを見たんだ・・。」 キャスが“医務室”に居なかった事を 疑問視したリオンは重い口を開いた 「どんな、どんなモノだったの? ・・・気が楽になるわ・・良かったら話して、ね?」 さっき見た映像がどうしても 頭から離れず困惑させるのだ!っと 「・・・嫌な夢を見たんだ・・。 敵がゲートを突破して ・・・それを倒そうとして、キャスが死んだ・・。」 この世界とまるで別の世界の出来事かの... 「そう・・悲しい夢ね、そして・・・ 本当の姿ね・・・ふふっ。」 不意にリリアの表情が激しく歪む 「・・・リリア??? どう言う事だ・・・何がおかしい?」 「あなたが見たのは本当に夢なの・・・?」 そして思いもよらぬ言葉を放ち彼を惑わせる...。 《Who are you?》-バニッシュメント- (2002/7/8/Monday) 「何を・・・『リリア』どうしたんだい? 少し疲れているんじゃないのかい?」 『リオン』はキョトンっとした 顔で暫し沈黙してしたが、やがて彼女が これまで戦ってきた日々を思い 優しい笑みと声を掛ける...しかし、 「この世界は・・・・。 あなたの本当に知っている世界ナノ? くすすすっ・・・私と、貴方のいる 世界は本当に同じモノなのかしら? もしかしたら貴方の夢が現実で、ここが 現実ではないのかも知れない ・・そう考えた事はないの?」 打って変わってリリアは顔を歪めながら 彼を追い詰める様に続けた 「なんだって? ・・・突然、何を言い出すんだリリア?」 「夢か・・これが現実か、なんて 誰にも解らない事よ・・・。」 髪をかきあげた時のその仕草が 何処かで見覚えがあった...そう、 「リリア・・・いや、キミは・・!!!」 「あなたは、本当に道化ね?リオン。」 真実を認めたくなかった自分を貫く 一筋の閃光、彼女はリリアではないと言う確信が 彼女の正体を浮き彫りにした!!! 「貴様はっっっっあぁぁっっ!!!! 貴様は・・『ニトロ』か?!!」 冷淡な笑みを浮かべながら彼女が クルリっと身体を回転させると 「くっす・・・クスクス・・。 あなた、漸く気付いたの? どうかしているんじゃないかしら。」 ラバースーツへ身を包んだ長髪の女性が その姿を静かに現した.... 「ふざけるなよ・・・ニトロ!! ボクに幻なんか見せて!」 「種明かし・・・してあげましょうか? ・・・幻だと思う? 本当は知っていたんでしょうね・・・。 話しは簡単よ、あなたが見た映像は リリアからのテレパシーだったの。」 怒声をあげるリオンへ冷酷な笑みを 浮かべながら彼女は淡々とこれまで 出来事の謎を解明させて行く 「生粋の超能力者であったリリアの力・・・か、 ・・・キャスは本当に死んでしまったんだな・・。」 「さぁ?・・・わたしには 興味のない事だから・・自分の目で 確かめて?地獄でね。」 「・・・---ーーー〜〜〜をぉおおおっっ!!!」 「ふふっ・・・あの子の脳から6年前 ウィルスプログラムが読み取られた時、テレパシー能力も 完全に消滅したとばかり思っていたのに ・・・少しでも疑いがあればデータ世界は 崩れてしまう・・・油断したわ。」 物凄い形相でニトロを睨み付ける リオンの眼は、言いたい事を物語っていた 「ボクを・・・戻せ・・現実世界へ!!!!」 「現実?現実ってなぁっっにぃ? ・・・あなたが現実だと思っている世界 本当の現実だと、だから誰が言えるの? こだわることなんかないのよ・・。」 それは狂気だった、冷徹の中の笑みは 醜く歪み彼を威圧する...。 《Who are you?》-ディスペンド- (2002/7/9/Tuesday) 「『キャス』が死んでも・・・『リリア』が死んでも 世界が滅んでも・・・わたしが あなたの望むエデンを・・世界を創って あげるわよ?但しーーーーー その脳味噌の中のウィルスプログラムを 除去させてくれたら、ね・・・良いでしょう。」 まるで言う事を聞かない子供へ語り掛ける様な 『ニトロ』だが、その瞳へと 優しさが宿る事は無かった.... 「うせろ・・・ボクは そんな事を望んではいない!!!!」 これを一蹴する『リオン』は 両手に電撃を貯蓄させて行く、そしてーーーー 〜次の瞬間!!!〜 「何も望まない? ・・・クススッッ・・・・・ そう、なら絶望がお似合いね・・・ もう良いわ、死にーーーーーーー」 ニトロの発言を遮り引導を渡さんと 強力な電撃を繰り出した!!! 『バギャギャギャギャギャギャギャァッッッン!!!!!!』 「[ブレインカノン]ッッッ!!」 「くっ・・・アハハハハハハッッッ 何、ムキになっているのよ? 此処を破壊したからって、あなたの言う 現実世界には帰れないわよ? ・・・ほらぁ、あなたの望む崩壊した 未来の世界を再現してあげたの・・喜びなさい。」 どこまでのリオンを嘲笑う ニトロへ下された雷の裁きは 周辺機器を破壊しただけで留まり 新たなステージが出現する 「・・・死をもって・・。 全てを償え・・・!!」 激しい怒りが自分の範疇にある 全てを破壊する、しかし 「良いわよ・・いくら破壊しても ・・・此処はわたしの世界。 わたしの意志でここを掌握しているの ・・・・白銀の光の中で死になさい?」 それを見ても漠然とした 言葉を放ち、指を鳴らす、すると 「エリアの1つ1つを・・・各々が 支配しているのか? そして、ここは貴様のフィールドと言うわけか。」 そこは白色の世界となって硝子のごとく 砕かれた空間が再び再構築された...。 「お喋りは良くないわ・・。 命を懸けてわたしを退屈させないように踊りなさい?」 火炎を操りしニトロは距離を取った後、両手に火炎弾を 作り上げ開戦の始まりを告げるかのごとく これをリオンへと向かい勢い良く投げ放つ!!!! |