【ガレリアンズ:アッシュ】 |
《With love me》-ラスト・リゾート- (2002/7/30/Tuesday) 『リオン』は『パット』の操縦する “エアビーグル”で『アッシュ』の 根城たる“濃縮ウラン精製工場”へ 『リリア』を連れ去った『ロメロ』に 誘われ進む、これが彼奴の言う 余興であると知った上で... 「・・・パット・・前に 此処には予備の薬があると言っていたよね?」 「ごめんよ・・リオン、薬の装備されていた “エアビーグル”はあいつが 使って持っていってしまったんだ・・。 だから、もしソコにロメロの乗っていた エアビーグルがあれば回収出来ると思う・・。」 「そうか、いや・・・。 それだけ解れば良いんだ・・きっと・・。 (これが、ボクの最後の戦いになるだろうから・・。)」 数分後、彼らを乗せたエアビーグルは 暗雲立ち込め放電現象が巻き起こる 濃縮ウラン精製工場へと辿り着いた 「外は前よりも増して酷い放射能だよ! リリア博士は・・この中を防護服も 無しで連れ出されたのかな?! くそっっ!!心配だよ!俺がしっかりしていたら!!!」 操縦席の窓ガラスから左方向に 今の今まで動いていたであろう エアビーグルが置きざられていたのをリオンは 発見したところでパットへ何を言い掛ける 「・・・・パット。」 「どうしたの?リオン???」 暫しの沈黙の後、 「・・いや、何でもないんだ・・・ 後は頼むよ・・・。」 彼は言い掛けた言葉を濁した...。 「・・ねぇ・・・どうしてそんな 寂しい顔をするのさ? ・・帰って・・・帰って来るよね・・? リオン・・・!?」 微笑みを残しハッチへ手を掛けた リオンの後ろ姿から何かを読み取った パットは必死に声をあげた 「・・・何故、そんな事を聞くんだい?」 ある種の確信なのだろうか、パットの表情に 何かを垣間見た彼は呟いた 「・・だって、そんな・・・そんな・・・ そんな顔で悲しい笑い方するから・・変だよ・・・。 リオン・・・あんたは!!」 「ーーーーパット・・・・。」 不意に彼の声を塞ぐ様にリオンは語る 「本当のボクは、もうずっと前に死んだのさ ・・・今、こうしているのは ボクがリオンであった頃の面影なんだよ・・・。 でも、お蔭で・・・キミや『キャス』 そして、またリリアと出会えた・・有り難う 感謝してるよ・・。」 「リオン!!!!!答えて!!! 帰って来るんだよね!?!」 我を忘れて叫ぶパット、そして 「ここで全てを終わりにする ・・・それだけだ。」 真っ直ぐ前を見てハッチを開け放ったリオンは 飛び降りて振り返らず場を後にした...。 「・・これが奴が乗っていた エアビーグルか・・。」 『にゅるりっっっにゅるる...!!!』 操縦席に触れたリオンは滴る オイルを目にする 「オイル・・そうか、そう言う事か・・。 確かここに薬がある筈だ・・・。 [バスタノール]を含めて各種揃っている ・・・これで最後まで持つだろう。」 ロメロの末路を感じ取ったリオンは それ以上何も発せず荷物置き場より 各種の薬を補給し自らの身体へ打ち込み 最終決戦地へ足を踏み込ませた!!!! 《With love me》-アナザー・ドリーム- (2002/7/31/Wednesday) 『ブシュゥッッッッッゥウウッッン!!!!』 「くっ・・はぁはぁはぁ・・・。 (最後まで・・持ってくれよ!!)」 全ての薬を体内へ注入した後、彼は 肉体の限界を知りながら敢えてまったく 少しも手を緩めずに情け容赦無く 立ちはだかった2匹の巨体を鮮血で染め上げた 「貴様らに対して容赦はしない・・・ 全てを消滅させる・・・!!!」 『がひゅーーーーーっっっん!!!!』 轟音が響き彼を乗せたエレベーターは 地下へ降りて行く、やがて 「ガハハハハハハハハハッッっ!!! 本当に来やがったなぁ!?『リオン』!! 間抜けだぜ?!お前はよぉ!?!」 “セキュリティフロア”へ辿り着いた リオンの眼に『リリア』を羽交い締めとし 動きを奪ってマシンガンを突き付けていた 『ロメロ』の姿が飛び込む 「貴様ぁぁっっ!!!」 「させるかよぉ〜、少し遊ぼうぜ・・? この女の命を賭けたゲームだ!!」 「・・うっ・・・助けて・・リオン・・。」 彼女は誰が見ても放射能汚染が酷く 衰弱し切っていた、リオンの怒りで大気が 震える中で男はゲームを提案する!! 「ぅおおおっっっ!!!」 『どきゃきゃきゃきゃきゃきゃっっっっん!!!!』 リオンが力を使わんとする前にロメロの弾丸が 放たれ一瞬の隙を見て男は“制御事務室”へ逃げ込む 「ひゃはははははっっっ!!! りぉおぉぉっっっっん!!!! お前によぉ〜このリリアが助けられるのかぁっ?!」 即座に後を追い駆けるリオン、しかし 「何処だ!!・・・ーーーーー」 ロメロは奥地へ逃走し不意うちを 当てんと潜んでいた、だが 「なんてよぉ・・・今更・・言うと思ったか? ・・・・貴様にはっっ絶えがたい 死を持って償わせてやる!!!!」 『どぎゃぎゃぎゃぎゃっっめこめこめこっっここ!!!!!』 動きを全て知覚していたリオンは 髪を逆立て凄まじい内情を物語る姿を 隔壁を打ち砕き、現し右手を向けた 「ひっっひィイッッ!?!!! てめぇっっそれ以上近寄るんじゃねっぇえっっ!!?! この女がぁぁっどうなってもいいのかぁぁっ!?! (ひっひぃいっっ・・・何なんだよコイツ壁を破壊したのか? この鋼鉄製の壁を?!!)」 「リオン!!・・・私に構わないで! このクズを叩き潰して!!!!」 すると、とっさにリリアを前へ突き出した時 リオンが見せた少しの躊躇の間、 『ドギャァァァッァアッッッッン!!!!』 彼の足元には手投弾が投げられ瞬時に爆発する!!!! 「・・・何処までも・・下種が!!」 怒髪天へ登る勢いのリオンを 誘導するかの様に欺け笑うと共に メッセージを残した男を追跡せんと 「ひゃははははははぁぁっっ!!!! りぉおおっっっん!!!この女の命が欲しかったらよぉ〜 “廃棄ウラン貯蔵庫”まで来い! 早くしねぇとぉお死んじまうぜぇっ?!!」 彼は床下を灼熱で溶かしドロドロにして 「スッとろい事してたらどの道 手遅れになっちまう・・・。 はぁぁっっっっっ!!!!!」 突き進んで行く、そして彼の無意識の才能である [シールド]は極端なまでに進化し 全ての攻撃を無効とした!!!!! 《With love me》-トレモロ- (2002/8/1/Thursday) 鋼鉄の鉄板を幾重も溶かし突き進んだ先に そこはあった、以前『アッシュ』の攻撃の前で ボロボロとなった重奏の隔離壁 「・・・前の様な小細工は ボクにはもう通じない事を解っているな? ・・・はぁぁっっっ!!!」 それすらも破壊し奥地へ足を踏み入れたリオンが そこで見たものは床下へ投げ出された『リリア』と うすら笑いを浮かべる『ロメロ』の姿だった 「うははははっ・・・どうして ワタシが裏切ったのか?知りたいかぃ?! なぁ〜〜〜〜『りぉおおおお』ーーーー」 『ドシュパァァァァァッッッッッン!!!!!』 「てめぇの臭ぇ口から漂う 言葉なんぞ・・・聴いてられねぇよ・・・。 糞野郎が・・死ね!!!」 ニタリっと口元を動かした男が声を上げたーーー 〜その瞬間!!!!〜 「ーーーっっがぁぁぁぁぁああっっ!?! よくも・・こんな・・・このワタシに ひどぃ・・・酷い事をーーーーー」 「喋るな!!!って、言ってんだよ? 毒虫が・・・てめぇはもう人間でもなんでもねぇ 只のカスとなって消え去れ。」 具現化した[シールド]を刃とした絶対切断が ロメロの首を一閃し、跳ねた!!!! 「・・かっふぁっ・・・くははははは!!! 無駄だ、無駄なんだよぉお!!!! 俺はよぉ〜〜〜不死身なんだぁっっぜぇっっ!! 本体なんぞ直ぐにアッシュに創って貰えるのさ!? 奴を捕らえて自爆してやる!」 ロメロの跳ねられた首はカッと 目を見開き、叫ぶとリリアへ歩み寄らんとした リオンを身体部位に羽交い締めとさせる!!...の、だが 〜次の瞬間!!!!〜 『ドグシャァァァァァァッッ!!!!』 「命令を出しているのは中枢の頭だ・・ てめぇを砕きゃぁよぉ〜 ・・・・必然的に身体も動かなくなるんだよなぁっっ!!」 少年の靴底で男の首が影に隠れ 「かっぎゃぁぁぁぁっっ!?!! ヤメテ・・・やめてぇぇっっっくれぇぁぁっぁぁぁッッ!!?」 物凄い力で踏み潰された!!!! 「・・・『レム』もそうだったぜ・・ 中身はサイボーグになっちまってたからな ・・・まぁ、てめぇの間抜けさは 最初から気に喰わなかったが・・。 それよりも、リリア!!」 男の首を叩き潰した少年は床下の彼女を 抱き起こす、そして彼は選択を迫られる...。 《With love me》-アナタノミライ- (2002/8/2/Friday) 「『リリア』!『リリア』!!!」 彼は彼女の身体を抱き起こし 意識を失いつつあった、それを呼び戻さんとする 「・・・・うっ・・・あっっ・・・ 『リオン』・・・リオンなのね・・ここは?」 どうにか意識を取り戻したリリアは 自分の記憶が曖昧になっている事で 呟きながら、目の前の真実へしがみつく 「再処理工場施設の真下・・・ 奴のいる場所だ・・。」 そんな、束の間の再会すらも打ち砕かんと 言うのか、その昔...彼奴と相対した場所から 光が洩れてソリッド・ビジョンが出現する...。 勿論、それはーーーーー {よぉ・・・リオン? 余興は楽しめたかな??フフッ・・!!} 「『アッシュ』ぅうううううっっっ!!!!!」 彼奴の姿だった、そして誘うかのごとく 地下への入り口がゆっくりと開き “DT核融合炉”への道を解放した...後、 {おっと・・・オレはこの先に居る 逃げも隠れもしないぜ? そして、貴様らに最後の提案をやろう・・。} 「はぁはぁ・・・あっ・・しゅ・・・!!?」 アッシュはとある最終審判をリオンへ伝えた...。 「今更何を言ってーーー」 {何れにせよ、そのリリアは放射能を 浴びすぎた・・現代医学では どんな治療を施そうとも・・・けして 生き延びる術は、ないだろう・・しかし、だ あのクズの様な男・・・確か、『ロメロ』とか 言ったか?・・クククッ仲間の兵士が 強化改造されたのにも関わらず、 命乞いの為に肉体まで売り渡した・・あの男の様に ・・・機械の身体を得れば、生き延びる事が出来るぞ?} 「ーーーっっ・・・!!」 そう、それは服従しろ!!っと言う 絶対の命令だった...だがしかし 「・・・そして、貴方は寂しいから リオンを仲間に引き入れるのね? ・・・ごふぉっ・・・リオン、悩まないで 私は私だから・・・私は貴方の知っている ・・・リリア・・・よ?」 彼女はこれを拒否し、悲しそうな顔を向ける リオンへ...力の限りの口付けを見舞った...。 |