【ガレリアンズ:アッシュ】 |
《White ASH》-アディッティク- (2002/8/3/Saturday) 『リオン』は『リリア』を抱き抱えながら 怒りに身を震わせていた... 「・・・『アッシュ』・・もう 貴方の思い通りにはさせない・・。 私は・・・機械の人形になって生きるなら 人として死ぬ事を望むわ・・。」 だがそんな彼を包み込む様な、口付けが 彼女より送られ...微笑を残し瞼を閉じた {ふん・・哀れなモノだな・・・。 人間とやらの傲慢なプライドだな ・・まぁいいさ、オレはこの下にいる・・・ 来るんだろ?リオン・・待っているぞ!!} “濃縮ウラン精製工場”の中で長時間いたら リオンとて放射能に殺られてしまうだろう リリアは只の人間だ、しかも 「・・リリア!!! まだ・・・微かに息がある・・。」 防護服すら身に纏っていない...それがどれだけ 致命的な弊害を身体へ引き起こすか {・・・リオン!博士は見つかったの?!} 「『パット』!!・・・そうだ! パット、リリアは確保した・・だけど ボクはアッシュを追わなくてはならない! だから、最下層まで来てくれ・・無理を言っているのは 承知だ・・頼む。」 微かな心音を耳にした彼はタイミング良く 入ったパットの通信を受け取り “エレインの端末”へ、リリアを頼むと伝えた {・・・解ったよ・・・大丈夫、リオン ・・生きて戻ってね。} その後、彼は扉を出て直ぐ近くの壁へと 掛けられていた防護服をリリアの身体に 手遅れだと知りつつも 纏わせると...最後の笑みを送った...。 “DT核融合炉”までは、少しも距離が無かった 只、階段を降りた先でそれは漠然とした 銀色の間にポツンっと存在していたのだ 「・・・決着を付けよう・・。」 彼奴自身とも言えるコンピュータが音声を発する {この核融合炉は外から破壊する事は出来ない ・・・端末へアクセスしろ・・・そこが お前とオレの決戦の舞台だ!!} 既に初撃は放っていた、しかし傷一つ付かず 逆に反響して自分へ跳ね返って来ていたのだ 「[ナルコン][レッド]・・・それだけじゃない ・・リリアが開発した薬にも 免疫と言うか・・耐久性を備えているのか・・。」 出現した端末へ彼は静かに手の平を乗せた {そうだ・・・それでいい・・それで、な?} 「ぅ・・・うぉおおおぉぉっっっっっ!!!」 きっと最後のダイブとなるだろう、彼は この時、少しだけ今までの出来事を 思い浮かべた...まるでワンシーン、 ワンシーンが映画の様に流れて行く...そして 『バシュアァァァァァッァァッッッ!!!!』 「よく来たな・・・リオン・・・ククククッッ!! ハーーーッゥハッハッハッハッ!!! 生命維持装置を付けずにお前は身体を離れた ・・・それは即ち、肉体の死を意味する。」 白銀の世界にアッシュが出現する!!!! 「あぁ、解っている。」 「今ごろは・・・屍が・・・そこに 転がっているだろうよ?」 ニヤニヤと笑みを浮かべながらアッシュは 彼へとそう告げた、しかし 「これを望んでいたんだろう? リリアの言葉で全てが理解出来たよ・・。」 リオンは意を返さない 「・・・この時を・・・あぁ、待っていたさ? どうだ?今のお前なら理解出来るだろう?! 肉体と言う不純なシステムを放棄し オレと同じく純粋となって今なら!! もう帰る世界は無い!オレと共に生きて従え!!!!」 「断る・・・・。」 更に彼は彼奴をキッパリと否定し 明らかな悲しみを魅せた...。 《White ASH》-ラストパラダイス- (2002/8/4/Sunday) 「何故だ!?・・・もうお前に、 お前が戻る場所は何もないんだぞ?!」 冷静な態度が一変し『アッシュ』は 困惑めいた声を上げた 「ボクは悲しみを見すぎた・・・。 『バードマン』・・『レインハート』 『リタ』・・・・そして、『カイン』 みんな、愁いを残して死んでいった・・。 『スパイダー』を含め彼らも・・・ みんな、死んだ・・ボクらの悲しみがアッシュ・・・ キミらを生み出しこの終わらない憎しみの 連鎖を続けている・・。」 「だから・・・・・なんだと言うんだ!!」 『リオン』の言葉に彼奴は脅すな様な口調で言い放つ 「ボクは・・・この鎖を断ち切りたい・・・!! だから、キミを破壊する!!!これ以上の 悲しみを見るのは・・もう沢山だ!」 今度は彼が自分へ誓うかのごとく 叫び、白銀世界のアッシュに手の平を向けた!! 「愚かだな・・・なら、お前のデータは もうこの電脳空間には不要となった・・・。 この“ノイズガン”で除去し、破壊する!!」 一瞬早く彼奴のテレポートが 発動し彼の[ナルコン]は空を切って 彼方へと飛び去ってしまう 「また・・あれを放つ気か!!」 以前の闘いで学んだモーションにより アッシュの次の行動は完璧な程 理解していたが、今のリオンはあの時の ひ弱な彼では無い 「・・・・データ世界の死と・・・肉体の死で ・・・お前と言う存在は消え去る! はぁぁぁっっっ『拡散レーザー』!!!」 『ぶしゃぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁっっっっ!!!!!!』 前回を増しての拡散される波動弾の数は 圧倒的で何も比にならない 「・・・・[シールド]は無意識の 拒絶する力、だからボクは・・・。 貴様を拒絶する・・・!!」 しかし、その中でリオンは無傷で 彼奴を悲しそうな瞳で見つめた 「オレのレーザーを防ぐまでに 成長するとはな・・少々、厄介ではあるが 面白い・・・・では、これならば・・どうだ? こおぉぁぁああああっぁぁぁっっっ!!!! ・・・我が体内の『ウラン弾放出』!!」 ニヤリと笑みをこぼしリオンへ 両腕を向けた彼奴は自らの身体に蓄積された 青白いウランを分子として吐き出した後ーーーー 「・・・・・アッシュ・・・・・。 キミは・・・。」 物凄い勢いで物質化し弾丸として彼へ繰り放つ!!! まったく避ける動作は見せなかった 「はぁはぁはぁはぁ・・・殺ったか?」 流石に体力の消耗が激しい技だった為 息を切らし首を上げるアッシュの目の前には 「・・・アッシュ、キミの中にも 悲しみが存在する・・・。 だから、キミは世界を怨むんだ・・・。」 リオンの姿があった、ただずむ様に... 「はっ?!・・・貴様イツの間に!!? ・・・『アトミックレーザー』ぁぁっ!!!」 火炎の[レッド]よりワンランク上の それを背後の彼へ繰り出し更なる 連続攻撃を行わんとするの、だが 「・・・[D-フェロン]で一時的に 真空状態の壁を創った・・・。 燃えるものが無ければ、ボクには届かない。」 既にアッシュの深い何かを理解したリオンにとっては 彼奴の行動は赤子の手を捻るだけだった...。 《White ΑSH》-ゲイン- (2002/8/5/Monday) 「そこまで・・・そこまで成長していたとはな ・・正直、驚いたぞ? だが・・・・この世界で、オレは無敵だ!!」 全ての攻撃が覆され無効化される事に 何か喜びすら感じる『アッシュ』は 自らの体内物質を凝縮させて穿つ 白き螺旋の柱を足元より出現させーーーー 「こっ・・これは?!! (しまった・・・[シールド]が触れた箇所が 半壊している・・自分の命を削る程 ・・レーザーを凝縮しているのか?!)」 〜次の瞬間!!!!〜 「あっっっっハッハッハッハッ!!!! これは防御不可能だ・・・なんせ、“ノイズガン”の 大本だからな、アレよりは威力は下がるが・・・ ゆっくり痛ぶるには丁度良い!!」 『ダギャァァァァァァッッッ!!!!』 直線上にこれを重ねて繰り出し 『リオン』から逃げ場を奪って繰り責める!!! 「くっっ・・・アッシュ!!! キミの作製行程を『リリア』も見ていた ・・・だから、キミの事を・・・ キミが本当に必要だったものをボクは 最後に理解出来たんだ!!」 「黙れ、此処は・・・聖戦の場だぞ? ・・・・口を開く暇があるのなら オレを壊せばいい!!」 閃光が辺りを包み込み白銀の世界を まったくのホワイトアウト状態にしてしまう 「・・・・・・・キミはだだをこねて 泣いている子供だ、只の・・!!」 〜その時!!!〜 『ずぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぁぁっっん!!!!』 放電現象が巻き起こり周囲を照らしていた レーザー全てを掻き消す!! 「くっあぁっ?!! これは・・・[ブレインカノン]とやらか!?」 暫く身体の痺れがアッシュを襲う 「レーザーは、何も特殊な物質じゃない だから・・安定性を奪えば簡単に 防げる、貴様の敗北だ・・アッシュ!」 『ずばしゅあぁ!!!ずばしゃぁぁっ!!!!』 「がっ!?!ぐあぁぁぁっ!!!」 そして、リオンの声の方向から光の矢が 繰り出されアッシュの身体を貫いた...。 《White ASH》-アストラル- (2002/8/6/Tuesday) 「ばっ・・・馬鹿な?! このオレが・・・ぐっっ・・痛みを 感じていると言うのか?!!」 膝を付き崩れ落ちた『アッシュ』は 流れる血液の滴りを拭う 「・・淋しかったんだろう? 苦しかった・・・それが 『リリア』にも解ったんだ。」 近付かんとする『リオン』を 避ける様に足取りもおぼつかないまま 移動し、やがて彼のこの言葉を耳にした時 動きを止めて振り返った...。 「くっ・・・ふざけるな!!! このオレがそんな事を思うわけがない!」 空白の数秒の後、彼奴は吐き捨てる様に 叫ぶと力の副作用なのか、揺らぐ身体を 引きずりながら再び距離を置かんとする 「・・・もうやめるんだ!! アッシュ!キミは、もうボクには勝てない!!!」 だが、無限空間は既にアッシュの 意識下には存在していなかった... 「・・おっっぅうおおおぉぉぉっっっ!!! オレは・・・ーーーっっあぁぁっ!! (オレは・・・本当はーーーーーー)」 {アナタ一人だけ・・・幸せになる気なの?} リオンの声へ次第に惹かれて行く アッシュの脳裏へ見知った声が流れた.... 「どうしたんだ・・・?!! アッシュ・・・キミが寂しいのなら ボクが・・・っっこれは?!!」 これを皮切りに突如!!彼奴は立ち尽くしたまま 苦しみ悶え発狂する!! やがて、アッシュに変化が起きる 彼が歩み寄らんとしたーーーー 〜その時!!!〜 『ぐにゃにゃぁぁりっっっっっ!!!!』 {もぉ一度ぉ〜もう一度・・ チャンスをくれよぉ〜〜〜あっしゅうぅう!!!} 「がぁっ!?!がぁぁっ何だこれは!?!」 彼奴の顔が歪み、そこから悲愴に満ちた 『パラノ』の顔が喚きながら出現した!!!! |