ここは、『シュレインダーの剣』の第4話が書いてあります。


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[第4話]『永えの呪い




「...何処にいるの?」
....オレは....?...
「...『愛』【あい】...何処...ねぇ...。」
愛...ッ?!..止めろ....
「...そこに...そこにいるんだねッ!!」
....止めろッ!!止めるんだぁーーッ!!!
「...あっぁあ゛ーーーッ?!!?」
.....オレが.....もっと.....
「...愛...愛ぃいいーーーっ!!」
...憎い...殺してやる....
「...殺してやる...。」
....全てを...が憎い....
「...全て....殺してやるッ!!」
『殺してやるッッッ!!!!』



・『勝吉』は、傷付いた二人を
『ランダハント』から少し離れた
廃虚と化した教会に連れ運ぶと、そこに
あったベットにゆっくりと二人を
寝かせ、額の汗を拭いながら
側にあった椅子に座った。
辛くも全滅の危機を脱し事無きを得た
二人であったが、その代償は、大きかった。
『少年』は、『剣』【爪】を破壊された事で
精神的なダメージを負い自我を失い
深い眠りに就いた様に
一向に意識を取り戻す気配が
感じられなかったのだ...だが、ダメージの
少なかった『リンコ』は、不意に意識を戻し
ベットから上半身を起き上がらせると
慌てて、
「『将』将はッッ!?」
そう叫んだ。
すると、そう大声を出した事によって
さっきの攻撃で受けた腹部に鈍い
痛みを感じ、その箇所を右手で
抑え必死に痛みに耐えながら
辺りを見回し少年を捜した。
それを見て勝吉は、落ち着いた
口調で、リンコに
「目が覚めたんだねぇ〜お姉ちゃんっ
良かった〜、...あッ!お兄ちゃんは、
大ジョブだよぉ〜。ほらぁ〜。」
そう言うとリンコの横のベットを
指差して少年の姿を確認させてから
自分が運んでここまで連れて来た事
等を説明した。
「...そう...君が...何は、兎もあれ、
有り難う...あの状況で君がアタイ達
を助けてくれなかったら...きっと...。」
説明を聞いて勝吉に助けて貰った
お礼をするとリンコは、下をうつ向き
ながら、少年の安否を気遣い
側に歩み寄り、何やらうなされて
必死に何かを掴もうと片手を真上に
伸ばしている少年を見ると
徐に彼女は、その手を取り
優しく握りしめた。
「...爪が...こんなにボロボロに...
なってしまって...アタイは、将の力に
なれなかったね...。」
そうリンコは、手を握りながら言った。
力になれなかった事の悔しさに
苛立ち唇を噛みしめ、一滴
の涙を頬を伝い、握っていた少年の手に
こぼした....。



・その頃ランダハントを
完全に支配した『玄武軍』
【ゲンブ】の軍団長『ミゼル』は、
ある余興を考えつき、住人達
全員をさっきの広場の噴水の前に
集めて兵士でまた取り囲むと
「...住人の皆さん...私は、面白い
ゲームを考えつきましたよ...。」
そう言ってわざと住人達の前を
歩きながらクスクスッと笑うと続けて、
「...貴方達の命は、さきほどの
少年達に懸かっています...彼らが
これから、『2時間以内』に私の前に
姿を見せなければ...そうですねぇ...
『1分』過ぎるごとに、一人づつ惨殺して
いきましょうか...勿論2時間以内に
ここに彼らが来れば...貴方達を解放し
この街から『ゲンブ』が出て行く事を
約束しましょう...。」
こう言って、住人達をまた眺め
歩きながら
「...そうそう、彼らを貴方達が捜し出し
捕まえて来ても...イイんですよ...。」
そう言うと、噴水横のベンチに腰を
掛けて、兵士達に命令し
住民達の囲いを解いた。
当然の様にそれを聞き、囲いから
解放された住人達は、自分達が殺されまいと
狂った様に、少年達を捜し始めた...。
全ての住民が少年捜しに出払うと
軍の幹部クラスの亀獣人がミゼルに向かい
「良いのですか?ミゼル様...
あのような公約をして...。」
そう言ってミゼルの顔を覗いた
すると、ミゼルは、その幹部に
「...フフフッ...誰が手放すモノか...
こんな豊かな街を...勘違いしているのさ
彼らは、...私は、ねぇ...嘘が嫌いなんだ
だから解放すると言ったらするさ...
しかし...すぐにまた支配するのだよ...
この意味が解るかね?」
そう言うと、部下に持ってこさせた
赤ワインとクラッカーを口にして、
笑いながら時が過ぎるのを待った。
「...クククッ...果たして『将』...
君は、彼らを殺す事が出来るのかな?
見せて貰うよ...君があの方と同じ
『剣』を使う者として何処まで
進化するのか...。」



・「...アタイは、...闘わなきゃ...ッ
あの亀の『セトル・クエスター』と!!」
リンコは、完全に腹部の痛みが治まると
そう叫んで、鞭を腰のバックルから
取り出し、両手にしっかりと握り締めると
外に出て行こうとする...だが、
「ダメだよぉ〜お姉ちゃんッ!!」
そう言って扉の前に立ち塞がる勝吉
に阻まれてしまった。
「...退きなさい!!」
勝吉を見てすぐにリンコは、そう叫ぶ。
押し切って外に出ようとするリンコに
「お姉ちゃんが、出て行っても
きっと勝てないよ...
それに殺されちゃうよぉ〜!!」
そう言って外に出て行くのを
必死に勝吉が止めると、
「...君は、...正直な子ね...
確かに実力の差は、明白だわ...
でもねッ...それでも少しでも...
勝てる可能性が有るなら...
アタイは、それに懸けてみたいの...
例えそれが無駄な足掻きでもね....。」
そう言ってリンコは、両手の
鞭をきつくぎゅっと、握り締めた。
「...お兄ちゃんの力になりたいんだね...
でもね、このままお姉ちゃんが
闘いに行って気付いた時に居なかったら
きっとお兄ちゃん悲しむよ...
それに死んじゃったらもっとッ!!」
勝吉は、必死にそう言って
リンコを引き留め、またベットに
座らせると、とにかく少年が意識を
戻し、気が付くまで
待たせる事に成功した。



・「...オレの『剣』が壊れた...。」
その頃少年は、自己精神の
世界をさ迷いながら
もう一度何故、自分が闘うのか...
そして、何故『ファング・オブ・キング』
を探し続けているのか...それら全てを
模索する為に記憶の糸を紐解いてゆく...。

『過去の記憶が少年を取り巻く....
全ての謎をこれから解いてゆくだろう...
だが、全てが解かれ、それらの真実を
知った後...残るモノは...。』



【時は、遡り『9年前』....】

・『将』は、まだ10歳の子供であった。
将の一家の住む街では、
『爪の傷跡』による被害も無く
平和に家族三人で暮らしていた...。
少し前まで、猿から進化した獣人の人間は、
蔑視されて迫害されてきたが
前時代の『セトル・クエスター』達を
その優れた科学力で次々と打ち倒した事に
よって他の獣人達からも認められ
今のように差別が無くなったのである。
将の隣の家には、兄弟のように育った
女の子『愛』が、同じく三人家族で
生活していた、将と愛は
お互い意識する事無く牽かれ合って
いた...時には、ケンカをする事も
あったがイイ関係を持ち続けていた...。
二人の両親は、共に人間で
結構有名な科学者達だった、元々
4人が開発した装置を使いこの街
の危機を救った事からその功績を認められ
此処に住まわせて貰っていたのだ。
このまま平和な日々が続き既に
あの熾烈を極めたセトル・クエスター達
との戦いなど忘れて生きてゆける...
筈だった...。



だが、非常にも運命の日は、刻一刻と
訪れようとしていた...。

・今日は、良く晴れていた日で
僕と愛のお父さんとお母さんは、研究所
に『幻影送出制御装置』
【ホログラム・マスター】
の調子が悪いと、管理していた獣人に
言われて様子を見に行っていたんだ。
僕達は、家にいても面白くないので
街の隅にあるお花畑に遊びに行ったんだ。
そこに着くと愛は、喜んで
沢山のお花の中を縦横無尽に
駆け回っていた。
だから僕も一緒に走って遊んで
いたんだ、暫くしてお花畑の
中央に愛は、座り込むと
「ねぇ将...お花の冠を創って
あげるわねッちょっと待っててねっ。」
そう言って僕の為に
花飾りを創り始めていたから僕も、
珍しくて可愛い花でも探して愛に
プレゼントしようと辺りを
探し回っていたんだ...。
探している最中にふと僕が街の
方を見ると...
「ーーーっ愛ッ!!あれ僕達の街が!!」
街から突然火がの手が上がって
家とか...いっぱい燃えていたのが
見えたので、すぐに愛にそれを伝えに
愛の下へと走るとそこには....。



・「...愛!!街がッ!!」
愛の下にそう叫びながら走ってゆく
と、そこには、お父さん位の背の
お兄さんが愛とお話しをしていたんだ。
「へぇ...そうか、じゃあ、そのお友達
は、近くに...」
愛と話していたお兄ちゃんは、
走り寄る僕を見付けると
「...君がそうか...なるほど...
良さそうだよ...クククッ。」
そうやって不気味に笑うと愛から
離れて僕に近寄って来きて...
「...こんにちは...僕は、ライオン
の獣人...名前は、そうだな...
皆からは、こう呼ばれているなぁ、
『ファング・オブ・キング』と...
宜しくね...。」
そう僕に自己紹介をしてくれた...。

これが『将』と『ファング・オブ・キング』
との初めての出会いだった...。

[第4話] 永えの呪い 終

to be continued...



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