ここは、『シュレインダーの剣』の第8話前編が書いてあります。


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[第8話]『シュレインダーの剣再び』前編





「...もう一時間四十分近くが過ぎたわ...
...でも目が覚めないし...このまま
あの亀の『セトル・クエスター』が
なにも仕掛けてこないはずがない...
勝吉』キミには悪いけどこれ以上は、
アタイ...もうこのままじっとしている
事なんか出来ない!!」
「まっ!待ってって...お姉ちゃん!!」
「もうイイよ...元々、剣が折られた
』がいたところでどうにか
なる問題でもないんだもの...!!」
「...お前よりマシだろ?...」
「お兄ちゃん!!?」
「しょっ!?将!!」



・ベットから徐に立ち上がった
少年は、窓から外の様子を眺めると
「...オレをお前が運んでくれたのか?...」
勝吉に声を掛ける...すると、突然の
出来事に驚きつつも
「そうだよッ!お兄ちゃん!!
もぉ起きて大丈夫なの?!」
返事を返した勝吉に
「...あぁ、大丈夫だ...それより
すまなかったな...この借りは
今すぐに返すから待ってな...。」
そう軽く礼を言うと、直ぐに街人が
群がる外へ出て行こうとする...が、
「待ちなさいよ!!」
リンコ』に声を掛けられ
足を止めた少年は、彼女に向かい
「...何だまだ居たのか?...。」
「んっぁっあぁ!?!」
サラッとそう言い放った。
それを聞いて激昂して少年に
鞭で襲い掛かりそうになる腹部の
鈍痛の漸く治まったリンコだったが、
意識を失っていた時の
苦しそうな少年の寝顔を思い出して
怒るに怒れなくなる...
「とっ...とにかく...アタイは、君を
待っていたんだから...ついて行くわよ。
もう剣も壊れてるんだから!!」
「...。」
そして、更にリンコは
少年にそう叫ぶと共に教会の出入口を
目指して歩き出した。



・「あぁ〜待って待って!!
僕も行くよ〜、いいでしょ?」
「...勝手にしろ...。」
二人の後を追って勝吉は、教会の
扉を開け放ち外に飛び出して行った。
「おぃ居たぞ!!」
「ーーッッ!!捕まえろ!!」
外に出て行った3人を見るなり
凄まじい勢いで武器を持ち襲いかかって
来る街の人々を見て慌てながらリンコは、
「なっ!?どうしたっていうのみんな!?!」
と叫び、理由を聞き出そうとするが...
「うるさぃ!!お前達がーー!!」
「早く時間がないぞぉ!!!」
興奮しきっている街人達には声が
届かず、無駄に終わる。
「ねぇ!二人とも!こっち戻って来て!!」
それを見て勝吉は、一旦引き返し
二人に教会の裏口から再び出て行った方が
無難だと伝え、二人が駆け込んで
来たと同時に教会の入り口を閉鎖する!!
そして、扉を打ち壊し中に入ろうとして
来る街人達を無視して二人は、勝吉に
案内され裏口から三人共、無事に
教会を脱出した。



・「どうしたんだろ〜皆顔色変えて
僕達を襲って来たけど〜。」
「...さぁな...。」
「..何か必死な感じだっわね...。」
噴水の前にまだいると思われる
ミゼル』と団長の彼が率いる軍
玄武』(通称ゲンブ。)に
再度立ち向かう為に足を進める
三人は、先ほどの街人達の尋常じゃ
ない様子を見て何事かと考えていた。
「まっ...待てッッッ!!!」
そんな三人の前に拳銃を構えた
青年が立ち塞がった。
「...誰だお前は?...」
それを動ぜずにその青年に歩み寄る
少年は、静かにそう聞いた
「...あははは...あんた達が悪いんだよ〜
あのセトル・クエスターに刃向かう
からぁ!!俺達は、悪くないんだぁ!!」
「....。」
明らかに精神が何かに蝕まれている
その青年は、回らない舌で
しどろもどろに話しを続けた。
「...俺は死にたくない!!
死にたくないんだぁ!!!」
バキャァッン!!
そして、近付いて来る少年に
弾丸を放った!!
「おにいいちゃん!!!?」
「将っっっ!!!」
だが、その弾丸は少年の頬を
掠めただけで少年の横を通り抜けた。
「...それで終わりか?...。」
「はひっ...ヒィィ!!!?」
それでも歩み寄って来る少年に
恐怖心を覚えた街の青年は、その場に
尻餅をつき手にした拳銃を手放して脅える...
すると、それを見た少年は、
「...奴は俺が始末する...心配
するな...っと、ほかの連中にも
伝えておけ...。」
青年に向かいそう呟くと、さっさと
その場を去ろうとするが...
「そうだ!!お兄ちゃん!僕、このヒトと
一緒にもう僕達を捜す必要は、ないよって
こっちから向かっているんだって
教えに行ってくるよ!!」
そんな少年に向かい勝吉は、
そう提案するとその青年を立たせた。
「...そうだな...こいつじゃぁ...
まともに話しも出来そうにないな...
しかし、本当に出来るのか?...。」
少年の言葉聞いた勝吉は、
「うっん!だいじょぶ!!
教えたらすぐさっきの噴水のとこに
行くから!!!」
元気良く返事を返し、青年を連れて
今来た道を戻って行った。
「あの子を一人で行かせて...
大丈夫なの?将?」
それを見てすぐに先を進む少年に
声を掛けるリンコは、
「...さぁな...。」
そう言う少年に呆れつつ共に先を急いだ。



「そうですか...まだ街の方々は、
『将』達を発見出来ないと...。
時間も、過ぎようとしていますし...
困りましたね...こうなれば....
処刑してゆくほか...ないでしょ?」
相変わらず冷徹なミゼルは、兵士の
一人に命じ、その場に少年達を必死になって
捜していた一人の獣人を捕まえさせる...
そして、突然の事に驚き喚く獣人の
喉元に手にした槍の刃先に当てた。
「ひぃっ!?やめて!!やめろぉ!!
何で俺なんだぁよぉ!!誰でも
イイんだろぉ!!!?」
喚き続ける獣人にミゼルは、静かに
囁く様に...
「なら...君でも良いじゃないか?」
ツプッププッッ...。
と、言い槍を喉に押し当てそのまま
貫こうとするが...突然!!途中で
その動きを止め何かの気配を感じた
ミゼルは、頬を釣り上げ笑みをこぼす。
「...来たか...。」
次々と兵士達が打ち倒されて
ゆく光景を眼にしたミゼルは、刃先が
赤く染まった槍を喉下から引き抜き
壊された噴水の前の石畳に腰を
下ろして少年が自分の下へ辿り着くのを
今か今かと待ちわびた。



・「ざぁ〜こぉ〜わぁ〜っっっっ!!!!
引っ込んでなッッ!!!行くよッ!!
必殺!!必中!!
マーダレイ・ビュート』ぉオォ!!」
シュパッパパァーーーッッン!!
痛みも治まり技の切れも冴える
リンコは、腰のバックルから素早く
二本の鞭を取り出し、両手に構えると
鞭による『レイヴ』【連撃】を
一瞬にして玄武の兵士達に放った!!
「こっちは任せなさい....将...
本当に...大丈夫なのね?」
ミゼルまでの道を一気に切り開いた
リンコに、ミゼルは自分が倒すと
言う少年を心配しながらも、それを信じて
群がる兵士を何度も攻撃して倒してゆく...
「...ここは、任せた...街の奴らは
あいつがどうにかしているだろう...。」
リンコの横を颯爽と通り過ぎて行く
少年は、此処に来る前に勝吉が自分で、
街の人達に事態を教えに行く役を
買って出てさっさと行ってしまったので
実は、無事が少し気になっていたが....
「街から出ていきなっっ!!」
「ちぃっ始めから闘えばよかったぜ!」
ミゼルの前に少年が来る頃には、勝吉に
説得された街人がリンコと共に兵士達と
戦っていたので...成功したのか...と
後ろは振り返らずにホッと胸を
なで下ろし...眼前の敵と対時した!!



・「...ミゼル...覚えてるよ...。
だが、過去はどうでもイイ...
ファング・オブ・キング』...
奴は何処にいる?...お前なら
知っているだろ?」
少年は、自分が粉砕した噴水の
石畳に座るミゼルに問う
「...ふふっ....教えない...っと
言えば?...私を斬る....か?
そうそう私を殺すにも...
将...君につるぎは、もう存在
しない
のではないのかな?」
だが、不敵な笑みを続けるミゼルは、
その問いかけに笑いながら答えると
徐に立ち上がり槍を構え少年に向けた!!
「...ふっ...それでオレを
脅しているのか?...。」
「さぁ?...でも君には此処で
死んで貰わなければならないのでね。」
そして、ミゼルは目にも止まらぬ
速さで少年に槍で攻撃を仕掛け
一気に終わらそうと、その頭を
貫こうとする...が!!!
バキョォッン!!!
「なっ...なにぃ!!」
「...貴様達を皆殺す為にオレが
生み出したつるぎだ...何度折られようが
...その度に甦るさ...また鋭く...
そして、また強靭に...な...!!!!」
その攻撃は、
再び少年の右手の爪が収束して伸び
刃を型どった非剣
シュレインダーの剣』によって
防がれ、槍を粉々に破壊される!!
「ーーグっ!!?...くくっ流石
覇王となりし剣を扱えると言う
ところか?将ォォッッ!!!!
...だがしょせんは、精神力で
私の方が上回っている!!
少し前のように私の『亀神精の盾』が
貴様の剣を砕くのだ!!!」
それをもろともせず叫ぶミゼルは、
一瞬にして右腕に奇妙な形をした
盾を出現させ、前回同様に剣を砕いて
やる為、更なる攻撃を放とうとする
少年の攻撃を真っ向から受け止める!!
「...。」
バシュオォォッッン!!
「ばっ!?ばっ...バカなァッ!!
シロの奴隷』ごときにぃぃ!!」
だが、その盾はあっけなく
少年が両腕を振り下ろした瞬間に
砕け散り、同時にミゼルの右腕を
深く斬り付けた!!!!

[第8話] シュレインダーの剣再び前編 終

to be continued...



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