[第2話]『剣を狩る者』後編 |
・『リンコ』は、それを聞くと 「ブタ猪がッ!!お前に殺されるほど アタイは、弱くないんだよッッ!!」 そう言って『ディノス』を睨み付けた。 「クックク...その傷で良く言うぜぇ〜。 まぁ、...やって見るこったぁ〜ッッ!! 矢の雨と俺のレイヴを避けることが 出来たらなぁ〜...じゃあ死にやがれっっ!! 『クレイジィー・レイヴ』ッ!!」 そう叫ぶと『ディノス』は、その巨体で 力任せに体当りをかまして来る と、同時に弓矢も四方から二人に 一斉に放たれた!! 『ビュン、ビュン、ビュン』 だが、またそれと同時に、 「今度は、アタイが居るんだよッッ!!」 『リンコ』は、そう叫ぶと傷ついた 身体を気力で動かし鞭を持つ両手を 上に上げて高速で鞭を回転させる!! 『ヒュンヒュンヒュンッッッ!!!』 すると、しなやかな鞭が弧を描き 弓矢を自分達に当たる ギリギリの所で叩き落として行く!! 「...必殺『連舞弐奏』ッッ!!! ...アトは、あんたに任せたよッッ!!」 『リンコ』が鞭を振るいなが少年にそう叫ぶ。 すると、少年は、 「...あぁ、任せておけ...。」 そう言うと突進してくる『ディノス』 に向かい左腕に加え更に右腕も振り上げ... 「...見せてやろう...これが、 『シュレインダーの剣』の力だぁーーッッ!!」 そう叫ぶと渾身の力を込めて その両腕を振り下ろしたっ!!! 『ジュバァアァアアァーーーンンっっ!!!』 その瞬間、『ディノス』の身体は、 少年に直撃する寸前に真っ二つに 突然、引き裂かれたッッ!!! すると、 「はしゅぅあぁ〜〜ばかなぁ〜〜!!!」 『ディノス』は、断末魔の叫び声を 上げながら身体を痙攣させ血を大量に 吹上ながら絶命した。 少年は、黙ってその苦しんで死んで逝く 光景を見ると無邪気に微笑んだ...。 ・「ちぃッ!!もう腕が持たないッ!!」 手下共の弓矢をひたすら叩き落として いた『リンコ』にも限界が近付いていた。 だが、『ディノス』が少年に殺され その断末魔の叫びを聞くと、 手下のハンター達は、蜘蛛の子を散らすように して何処かへ、逃げて行った。 「化け物ね...本当に一撃で『ディノス』 始留めるなんて...。」 疲れ果て呆れながら そう言うと『リンコ』は、側の木 に持たれ掛かり少年を見た、すると... 「ーーッ!!?まさかソレが... 『シュレインダーの剣』なのッッ!!?」 そう言いながら少年の両手から『爪』が異様に 伸びてそれが一つにまとり剣のカタチを しているモノを見て興奮しながらそう 言って更にソレをマジマジと見つめた。 少年は、自分の両手のソレを 睨み付けながら、 「...そうだ...これが『シュレインダーの剣』 だ、欲しいか?...。」 剣を眺める『リンコ』にそう言うと 両腕を静かに下に下げた。 すると、 『バシュゥゥン』 突然、剣が消えてしまった...。 それを見た『リンコ』は、 慌てて少年の手を見た、すると 「あッ...『爪』が元に戻っている...。」 あの異様な爪は、消えて少年の指先には、 ただの爪が生えていた...。 ・あの戦いから数時間後。 二人は、傷の手当をしてまた薪に 火をくべ焚き火をしていた...。 「...ご免なさい...アタイが見た 『シュレインダーの剣』とは、違かったわ 結局...あの男が持っていた剣は、 何だったのかしら?...あんたの持って いるその剣が本物ですものねぇ...。」 『リンコ』は、そう言いながら 唇を噛みしめた...。 それを見た、少年は、 「...この『シュレインダーの剣』が、 幾つ有るのか、...それは、持っている オレにも解らない...アンタの 追っている仇も、この非剣を 持っているのかも知れない...。」 そう言ってまた黙って炎を見つめた。 「...あんた、その剣、何処で手に入れた ...いや身に付けたんだい?」 横になりながら星空を見上げ 『リンコ』は、唐突にそう聞いてみた、 しかし少年は、無言のまま炎を 見続けている...。 業を煮やした『リンコ』が少年の 前に寝転がって来て顔を見ると...。 「...ふ〜ん、寝ている時だけは、可愛い 顔するんだ。」 そう言って疲れて寝てしまった少年を 横にして『リンコ』は、自分の膝を 枕にして頭を乗せると、 「アンタの事が知りたいなぁ...。」 ぐっすり眠る少年に向かいそう呟き 共に眠りに就いた...。 『エピローグ』 ”オレは、夢を見た...いつもの悪夢では 無く、あのオレがまだ普通の平和な 暮らしをしていた頃の夢だ.... こんな異常な力を手に入れる前の...。 目を開けると心地よい朝日に 包まれオレは、女の膝枕で寝ていたこと に気付いた...。 「...じゃあな...。」 オレは、そう言うと彼女を起こさないように 静かにその場を去り森の出口まで来た...。 次の街には、奴がいるかもしれない... そう思い出口に一歩踏み出すと、 森の出口に誰かが座っていた、そしてオレが 近付くと、そいつは、 「遅かったわね、アタイこの森 熟知してるのよ。」 そう言って立ち上がる....。 『リンコ』だ... 「...何の様だ?仇は、 オレじゃないだろ?...。」 オレがそう言うと、彼女は 「あんたの側に居れば...そのうち見つかる 様な気がしてねぇ、仇も...それより いいじゃんアタイも連れて行ってよっ!!」 ...やれやれだ...こう言う奴には、 何を言っても無駄だな...。 オレは、そう思い 「...解った、勝手にしなよ...。」 そう言うとまた先を歩み始めた。 「...んぅんもう素直じゃないんだから〜 ってーーッ待てこらぁッ!!」 ぎゃあぎゃあ言いながらもしっかり 付いてくる彼女に対し何故かオレは、 いつか、全て話してもイイと思って いた...、『同じ様な境遇』の彼女になら...。 「せめて名前くらい教えてよ!! あんた、なんて他人行儀だもの。」 そう言う『リンコ』に少年は、 しかたないと言った様な表情を見せ ながらも 「...オレは、『将』...。」 (しょう。) そう答えると、また黙って前を向き次の街 を目指した...。” [第2話] 『剣を狩る者』 終 to be continued... [第3話]を見る? |
© 1997 fat-boy@athena.dricas.com