『7月22日(木)』 第一話 『移行』(1999.7.22.木) 今は、もう1999年7月22日 なんだよね〜。 丁度一ヶ月前から突然、空に現れて 恐怖の大王説を確証させるモノと して凄く騒がれている『黒い雲』を 窓越しに見て気にしながら世紀末の予言も もう少しだし...そろそろ危ないかな〜 ...そう思いながらボクは、夏期の講習を 嫌いや受けていた。 元々、進学クラスになんか入りたく なかったのに教師に殆ど無理やり 入れさせられていたので特に 勉強なんか嫌いのボクには、苦痛でしか なかった...が、取り合えず 学校で講習を適当に受けていたボクは、 また外を見ては、その異常な 気象に何故か物凄い悪寒を覚えていた...。 暫く大人しく講習を受けていると、ボクは また外を見た...相変わらずの 最悪の天気だよな〜...こんな日に 学校なんかに呼び出すなって〜の!! ...すると、ボクがそう呟いたその瞬間 この学校を包み込む様に閃光を発して 暗雲から光の柱の様なイカズチが突然 落ちて来た!! 『ドォガガァガ〜〜ッッ!!!』 「うぁッ!?何これぇ!?」 クラスの連中も騒いでいるが... あっ!?目眩がする...。 ボクは、その閃光を浴びると不意な 目眩に襲われそのまま、机に 体をうつぶせにしたまま 意識を失ってしまった...。 ....あッうっっ!?.... ボクは、背中に焼ける様な痛みを 感じて叫びながら飛び起きた!! 「...はぁはぁ...イタズラもドが 過ぎない!?本当に背中死ぬ ほど痛いんだけどっっ安...えっ!?!」 また寝ているボクへ友達が悪質な イタズラを、しているだろうと 思いボクは、そう怒鳴りながら 後ろを振り返ったのだが... そこは友達の姿は、なく...そこに あったのは、広大に果て無く広がり続け 灼熱の太陽が真上から照りつける 砂漠だった...。 「冗談でしょ?」 思わすボクは、そう言って 辺りを見回し 試しにポッペもつねってみるが、 「痛ッ!?夢でもないの?... 何処〜〜なんだ〜!!ここ!!」 何がなんだが解らず途方に暮れていた。 ...本当どうなっての〜... そんなパニックに陥っている 『勇二』の顔からは、ひたすら 大粒の汗がこぼれ落ちていた...。 『7月23日(金)』 第二話 『遭遇』(1999.7.23.金) ここ本当に何処なの???? ボクは、少し冷静になって辺りを じっくり見回した...。 見た事も無い場所だよね... この砂漠...アメリカとかかな? ...でもどうして?学校にいたボクが? ボクは、そうやって暫く考えていたが.. ...暑いよぉ〜!! こんなに暑くちゃ〜まともに 考えもまとめられないよぉ〜...しかたない 移動してみるか...。 ボクは、汗塗れで重い体を残りの気力が 尽きる前にブツブツ一人で 文句を言いながらも、暫くトボトボと 当ても無くその砂漠を歩いた...。 うぅ、日差しがキツイよぉ...。 でも、ボクがもぉ死ぬ〜〜ってほど 汗だくになって適当に歩き続けていると 少し先に湖(オアシス) らしきモノが見えたんだ〜。 やったぁ〜!!ボクは、もうダッシュで そこに駆け寄って水を飲んだ!! 『ングング...ぷはぁ〜!!』 「良かった〜蜃気楼じゃ無くて〜 みず、最高っっっ!!」 そんな事を呟くとボクは、そのまま 汗塗れの顔も洗い、少し此処の湖で 休憩する事にした。 ボクが、そこのオアシスみたいな所で 現状を忘れて無邪気に 寛いでいると、突然砂漠地帯の地面が 勢い良くへ込み砂煙を上げ、そこから 何かがボクを目掛けて襲い掛かってきたッ!!! 『シュババババッッ!!!』 「うあぁぁ!!」 ボクは、とにかくその場を離れ 湖に飛び込み水の中に逃げた!! はぁはぁはぁ...ってボク泳げなかった!! アッ!?...ここ足届かないよぉ〜 さっ最悪...ブクブクっ。 それでも気力でボクは、何とか 陸地に手を掛ける、でも ...『ニュルんっ』.... 何かが陸地に手を置いた ボクの手を嘗めてるぅ〜!! 恐る恐るボクは、水面から顔を上げて みると...そこには...巨大な 『サンド・ワーム』【土虫】がッ!! ...なっ...ナニこれ...大きいミミズ.... 「虫ダメなんだよねぇ〜...あぅ。」 『ずぶずぶ〜っ!!』 『勇二』は、サンド・ワームと 丁度真正面で顔(?)が合うと そう呟いて陸地の縁を掴んでいた その手を離し、そのまま意識を失い ながら湖に沈んで行った...。 『7月24日(土)』 第三話 『仲間?』(7.24.土) .....おぃ...おぃって...お〜ぃ!!! ????まだ眠いんだけどな〜... ボクは、誰かに無理やり起こされた。 「んっ?漸く起きたようだね...。」 ボクの目の前には、見知らぬヒト...!? 「ヒトじゃないじゃんッッ!!うぁあ!!」 ボクの前には、何か鎧みたいのを まとって二本の足で立って 流暢に日本語を喋る...オオカミが... あっ...また目眩が...そうこれは夢さ〜。 『ばたっ!!』 『勇二』は、その二足歩行で歩き 鎧を着て言葉を喋るオオカミを見るとまた 意識を無くしてその場に倒れた。 すると、それを見てそのオオカミは、 「はぁ...何でまた気絶するかね〜... 運ぶのすご〜〜〜く重そうだから 一緒に付いて来て欲しかったのに.. まぁ、しかたないか〜ここにこのまま 放置して置くわけにもいかないしね〜 また奴らに襲われたら大変だし。」 そう、ブツブツぼやくが、諦めて 勇二の側に寄りその重い体を 持ち上げて背中に乗せようとした ....その瞬間!! 『ずささぁぁあっっ!!!』 「ナッ!?ちぃっっ仲間なんか引き連れて 来やがったのかよっっ!?!」 湖の周りの砂漠地帯の四方から 砂の中でナニかが蠢く音と共に さっきの『サンド・ワーム』【土虫】が、 集団でそのオオカミを目掛け牙を 向いてきた!! だが、その襲い来る虫共を 見ても落ち着きを払い 静かに腰から短い二本の剣を 引き抜くと、両手に構え 「しつこいぞッ!ザコ『幻魔』共がぁーッ!! 喰らえッッ絶剣『木枯らし』!!」 そう叫び、素早く体を横に捻る。 そして、4体が一気にオオカミに 食らいつこうとした、その瞬間!! 体を捻っていたその反動を使い 高速で回転させる、すると.... 『ぼとっ...ぼとぼとっ....。』 4体のサンド・ワームの首がオオカミが 短剣を腰にしまうと同時に上空から その場に降り注いだ!! 「はぁ〜また体力消耗した〜... お腹空いたよな〜...。」 オオカミは、そう何事もなかった かのように呟きまた勇二に手を 掛ける...だが、その時また 地鳴りが...しかも今回は真下から 『ぎゅああぁぁんん!!』 「なっ!?しまった!!」 オオカミが勇二を抱え その場を離れようとした その瞬間っ!!真下の地面がへ込み 巨大なサンド・ワーム出現すると バランスを崩しその場から逃げ切れなかった オオカミをあっさり、その大きな口 で捕らえた!! 『どぉ〜〜〜すんっ!!』 そして勇二は、オオカミの手から落ちて 湖の縁に落とされ、その衝撃で 目を覚ました...が、また巨大な虫を 目の前にするとすぐに逃げようと したのだが、逃げるどころか 恐怖で、そのまま石化した様に 動けなくなってしまった...。 『7月25日(日)』 第四話 『鱗片』(7.25.日) 「ちぃっっ!!おいらとした事が油断し ちまったっっ!!まさか奴らがオトリ だったとは....くそっ身動きが取れない!」 『オオカミ』は、『巨大な土虫』 【サンド・ワーム】の牙から逃れようと 体を揺するが...旨く牙の間に挟まって しまっている為に抜け出す事が出来ない。 しかもその間に今度は、『勇二』にも サンド・ワームの魔の手が伸びようとしていた。 「ぅああ!!!!」 必死に足を動かそうとするが力が 足に入らない...蛇に睨まれた蛙って こんな事を言うかなぁ...さしずめボクの 場合は、タヌキとかかなぁ...。 なに言って?...ボクは、もう恐くて頭が大混乱 しているみたい。 「少年早く逃げろっっ!!」 えっ...ボクがそうパニクっていると 不意に土虫の口の中からさっきの オオカミ君の声が...あっ!? 「オオカミ君!!!口に挟まって... って...あぁ夢じゃなかったんだな〜。」 「おぃ聞いているのか!?ここはおいら に任せて逃げろって!!」 ...どうやらオオカミ君は、ボクの事を 助けようとしてくれているみたいだッ もしかしてさっきも!! ボクは、その場をオオカミ君に任せると どうにかしてガクガク震える足を 動かし逃げようとしたんだ...けど ボクが逃げようとしたのが遅かった らしくボク目掛けて突っ込んで来た 土虫の体当りを避ける事が出来ない くらいまで接近されていた!!! 「ぅああああああぁっっっ!!!」 勇二は、無我夢中で とにかくその攻撃を防御しようと 両手を前に突き出し無謀にも突進を その太く短い手で受け止めようとした!! 「くっッッ!もう少しで...っっ!! 『抜けたッッ!!!』ちぃっ...でも もう間に合わない!!!」 オオカミは、土虫の牙から体を 引き抜くと勇二に突撃する前に しかたなく口内から脱出した。 勇二の死を覚悟して。 『ぐしゃしゃぁぁ〜〜っ!!!』 完全に口内に、周りにある大量の砂ごと 勇二は、取り込まれた喰い殺された... かに見えた.... ーーーその時!!ーーーー 閃光がサンド・ワームの口内から 発したと思うと次の瞬間 『ギュォォォオォーーーッッッ!!』 そう叫び声を上げてサンド・ワームは、 突然全身が吹っ飛ぶと砂煙を 多量に空に舞い上げながら消滅したッ!! そして、その砂煙が止むとその場には 勇二が一人立ち尽くしていた... さっきの両手を前に突き出した カッコウのままで...。 まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |