『8月25日(金)』 第三九八話 『有限の激突ー激戦苦ー』(8.25.金) 『雪原地帯』の支配者『偽りの魂』 【レィヴィンド】の前にて...“眠れる雪の城”と “冷徹の氷河”を結ぶケーブルカーに乗り、 真っ先に玉座へと向かった『知也』は、 罠を仕掛けた『雪原の雌豹』【レキ】と 対時し、攻防を繰り返していたのだが... 「ちっ....。 (こいつそこはかとなく何かを秘めてやがる。)」 どうも、レキの様子からして本気で 自分に立ち向かって来ているのでは無い 事を感じ、嫌な予感を感じながらも、 眼ではなくレキが放つ気配を読み 攻撃を放とうと、拳を徐に構えた... 「ふふっ、心眼って奴ですか? それでは私のスキルを少しお見せしましょう。 『氷塊散弾槍』【クラック・アィシング】 ...貫く氷の軌跡とでも?」 『ジュカカカカカカカッッッン!!!』 舞い上がったレキはいつの間にか 細長い槍を手にし、クルクルッと回転 させる、するとキラキラと輝く何かが 溢れ出した、次の瞬間!! 「こいつぁピンチさ....だがなーーーー」 氷刃の弾丸がトモを狙い襲いかかる!!! 「『竹丸』はこの通ーり無事だったよ。」 『光助』は何故か得意げに 後を追って来た『洋子』へ少年が 無事だった事を伝え、“能力”を解除し 人間の姿に戻り、額の汗を拭った... 「良かった...っと、アレ!?! ....『夢の躯』【エタニアル】は?!!」 不意に無事を確認して安堵(あんど)の息を 漏らすと、同時に後ろを振り返る 洋子はエタニアルに声を掛けようと する...が、その場にはエタニアルの姿が 無く、困惑する 「某なら、此処でござるよー。」 しかし、唐突に声を掛けられ橋の先に 目線をやるとそこには、既に 橋を渡り終えているエタニアルの姿があった 「どうやって....いつの間に....。 まぁ、いいや、ぼくらも急ごう光助!!!」 「ぉう!....つと、竹丸、ちょっと 揺れるけど我慢してね。」 竹丸を背負いながら光助はそう呟くと 洋子と共に吊り橋を渡って行く...。 「どうした?その程度か??? 統括するボスの“力”ってのは!?」 『ガスッッッン!!!』 レキが放った、氷塊弾を尽く 避け去ったトモは挑発するように 言葉を放ち、一気に間合いを詰めてゆく!! 「馬鹿な!?...あれだけの槍による ....軌道計算まで...くっ、コピー能力の 限界か...いや、まさか...ーーー」 レキは自らの絶対の自信を持って放った 技を軽く回避、され動揺し、呟き考える...が、 …次の瞬間!!!… 「捕らえたぜぇっっ!!!!」 『ドガッッッスッッ!!!!』 「お”ヴっ!?!!」 目の前にまで接近していたトモからの 拳を顔面にまともに喰らい、上空で 大きく弧を描きながら吹っ飛ぶ!!! 『8月26日(土)』 第三九九話 『有限の激突ー豹の罠ー』(8.26.土) 『ビキャァッッッン!!!』 氷壁へと激突した『雪原の雌豹』【レキ】は 「やれやれ...即席で仕上げた 機器では貴方を追い込むことは出来ません でしたか...残念ですよ。」 巻き散らされた氷塊を払いながら 白いフードを取り払いその下の顔を 初めて覗かせる... 「なっ...また、女の子!?!」 “支柱”を統括するその使者レキは 白髪の少女だった... 「ふふっ、何を驚かれているのですか? 私は男などと一言も漏らしてわ いませんが?」 内ハネの髪を撫でながら少女は 再び『知也』の前に対時し、徐に 『パチィイッッッン!!!』 指を鳴らした、するとーーー 「あっ!?!トモ!!!」 轟音と共に出入口の扉が開き、 そこには『竹丸』を背負う『光助』と 『洋子』そして、甲ちゅうに身を 包み込んだ、見慣れぬ者が存在していた...。 「洋子、無事だったのか...!!!」 不意に心配が解け、更に集中力が高まる トモが拳を握り締めた、 …次の瞬間!!!… 「あのね、『夢の躯』【エタニアル】 って言うこの支柱のーーー」 『しゅかっっっっん...。』 「何の真似...だ?!?」 「動かないで戴きたいー。」 突然!!手にした刀の刃を洋子の 首筋に押し付けたエタニアルは、 当然の様に続けてレキに声を掛けた 「某の役割は果たしましたぞ? レキ殿....。」 それを見てニヤリと笑いながら 「っと、こう言うわけですよ? トモヤくん...抵抗は彼女の死です。」 彼女はそうトモに言い放つ!! 「仕組まれていたってワケかよ...。 (オレっちの鼻が効かなかった!?!)」 投げ捨てるように呟く光助を 背にしながら 「某は最善を尽くしたまででござるよ。」 エタニアルは彼女を人質にレキの 下へと歩み彼らに投降するように指示する...。 「『偽りの魂』【レイヴィンド】様...。 生贄を捕獲しました....。」 唐突にレキは玉座にて燃え盛る 青白い炎に膝まずき、エタニアルに 洋子を連れて来させた... 『良く....やりました......。 彼の人々も....お喜びに...なられる... でしょう....それでは....その女....を 我が眼前へ...お願い....する....。』 「....御意。」 「....(ちょっと!!!こんなの 認めないからね....っっっく!!!!)」 暴れれば自分の首がかっ切れる事を 確信している洋子は静かに心で叫びながら 玉座への階段を一歩また一歩と 上がって行く.... 「ふふっ、私に抜かりはないのだよ。」 それを見て笑みをこぼすレキは、 高らかに声を上げ、場に残された 三人をあざける....が、しかし …次の瞬間!!!… 『8月27日(日)』 祝第四〇〇話 『有限の激突ーOver and Overー』(8.27.日) とっぱぁぁっっ!!Sシァルぅ!!! (↑Ver’ヴァンパイア・ハンターのビシャモン。) 『ジュキャァァァァッッッン!!!』 徐に『洋子』の身体を突き飛ばし 『夢の躯』【エタニアル】は、青白き 炎『偽りの魂』【レイヴィンド】を勢い 良く刀で斬り裂き、消失させる!!! 『のぅぎゃぁぁぁっぁっっっ!!?!』 声にならない悲鳴を上げながら のたうち廻る支配者は、氷で出来た部屋を 自らの炎力で溶かして行く 「なっ?!?エタニアル貴様なにを 考えて....謀ったのか!?!」 悔しそうに唇を噛みしめる『雪原の雌豹』 【レキ】を横目にエタニアルは、 「元より、某,,,いや、おれは貴奴の 仲間になった覚えはない!!!」 叫ぶと、同時に全身を覆っていた 鎧を消し去り、長髪で美形の少年本来の 姿を晒(さら)した....。 「ぅそぉ...ミッチーみたい...。」 思わず洋子はうっとりしながら エタニアルと呼ばれる少年の顔を見つめる... 「レキ...いや、『節子』....。 目を醒ますんだ!!!」 「...くくっ...あはははははははっっ!!!! はばかり得たなぁ?....そうか...そう言う 事だったのか!!!!」 不意に人が変わった様に喋り笑うレキは、 少年が自らの腕を掴んだ手を振り払う!! 「....『幻魔』体....やはり、 寄生していたか...!!!」 「くくっ、寄生とは嘆かわしいな? 俺様はこいつが望むから“力”を 貸してやったのさぁ!!!! ...だがなぁ〜今、あの女『板瀬 節子』は もういねぇ、今からこいつわ俺様のぉおおお 〜〜〜〜もんだぁ!!!] 『ベキョッッ!!!メコココッッ!!!』 突然!!彼女は身体を震わせ、異常な... 異を越した表情を見せた、瞬時!!! 「...っちち、どうするよ?」 「オレっちにふられても...『トモ』 とにかく、洋子を頼むよ、オレっちは 支配者とかをどうにかしてみる!!」 [うはぁぁぁっっっ!!!!] 肉体をまったく別物へと変換させられ 完全な幻魔へと変化してしまう!!! 「くっ...だが、その程度で勝ったと 思うなよ...節子は必ずおれが取り返す!!」 不意に背中から取り上げた刀を 少年は構え、颯爽と幻魔と化した少女へ 向かい斬撃を放つ...。 「ひゃぁ....こっ腰が....。」 「大丈夫か!?!洋子!!!」 崩れ出した部屋で突然の事に驚き 腰を抜かしてしまった 洋子を抱き抱え知也は、取り敢えず その場を離れた... 「『竹丸』を支えた状態ってのは やっぱし武が悪いな....。 悪いな、ちょっくら待ってて。」 『光助』は竹丸を降ろすと、同時に 暴れ廻る炎へと攻撃を加えようとする...が、 「ふふっん、相手ならこのワタシが するよ、可哀相だと思わない? その子がさぁっ!?!」 不意に真後ろから声を掛けられ それに警戒し、攻撃を中止して 振り返る、するとそこにはーーー 「...誰?キミ?」 「ワタシはあの子の保護者。 所謂、レイヴィンドの本体よ。」 三つ編みの美少女が竹丸を背に威圧間を 放ちながら立ちはだかっていた...。 『8月28日(月)』 第四〇一話 『雪原の最終決戦!!』(8.28.月) 「君が『雪原地帯』の支配者...本体 って事は....まさかそれは!?!」 『そうよその通りよ。』 「そうよその通りよ。」 不意に彼女の手元へ炎は舞い戻り やまびこの様に言葉を発する... 「サウンドとらくしょんだね...。」 「なにそれ?まぁどうでも良いわ。 それよりあんたうざいのよね。 なんでワタシの邪魔するの?」 戻した炎を手のひらで優しく宥めながら 厳しい表情で『光助』を責める少女は 少しづつ歩み寄り更に加圧する... 「ヴ...なんか、押され気味なオレっち...。 ってか!!君の方がどうかしてるって!! なんでこの世界で雪原の支配者なんか やってんの!!!」 「愉しいからにきまってんじゃない。 あんた、馬鹿でしょっ?」 自分に絶対の過剰な自信を持つ少女を前にして 理屈で相手にされずしかもそれが 的を獲ている為に反論しずらい 状況に追い込まれた光助は只ひたすら 脂汗を流し、口ごもらせる...。 「いざ哩!!....ちぃっ、 口癖になってんな....しゃあねぇ参る!!」 単身刀を手に『幻魔』化し、全身に 刃を纏う“サーベルタイガー”の様な 姿をした『雪原の雌豹』【レキ】に 立ち向かって行く少年の後を追って 避難させた『洋子』を置き『知也』も 加勢に飛び込む...が、 [くくっ、何人おいでになろぉおがぁっっ 意味はねぇえぇんだよぉ!!! 『刃陣ー狂気ー』!!!!] 『ズキャキャキャキャッァッッッッッン!!!』 「なっ!?!防ぎきれーーー」 逆に無防備なまま全身の刃から繰り出される技に 押し返されしかも、危機を助けに入った 少年に逆に助けられてしまう...。 「大丈夫でござるか?」 「あ、ぁ....。」 「っち、まだ....癖が取れないか...。 おれの“能力”ならあの程度は 防げるけど...すまない、此処は 某一人に任せて貰えぬか?」 「...現状ではそれが一番なんだろ? 解ったよ、任せた。」 彼の愁(うれ)いを秘めた瞳に何かを 感じ頷いたトモは、その場で少し様子を 伺うことにした...。 まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |