『10月5日(木)』 第四三九話 『美しい花には刺、満載』(10.5.木) 再生と破壊の街『ソルベ』にどうにか 辿り着いた一行はそこで同じような、しかし 何処か異質な気を放つ“能力者” 『渡会 光恵』【わたらい みつえ】に出会い そんな彼女からこの街が由来する真の理由を彼らは 説明して貰おうとていた、しかし... そこへ、人間の様に見えて ヒトアラザルモノが姿を現し街を震かんさせる!! 「『美しき代償』【クレィジー・ローゼス】!!」 『パヒュオォッッッッッン!!!』 彼女の叫びに併せ薔薇の花ビラはまるで 意志を持つかのごとく、包み込んでいた 人間を解き放ちはらはらと地上に舞い落ちた!! 「やはり...あの時...腐食していたのは...。」 不意にその驚異的な“力”を間近で 垣間見た『京香』は舞い落ちた 花ビラの変色を完全に見落とさなかった... 包み込んでいた瞬間まで鮮やかに赤付いていた 花が既に変色し紫色へと変化している... 「...ふふっ、あの一瞬で貴方はワタシの 能力を熟知してしまっていた...。 判断力のあるヒトならば無闇には アレに取り込まれて死ぬ事はないんです。」 全てのまとわり付いていた花ビラが 風で飛び散ると同時に取り込まれていた 人間が姿を現しその場にひれ伏す...。 なんてこった...その姿はまるでミイラそのもの ...恐ろしい速さで花ビラ達に養分を 吸収させていたのだろう...これが彼女 渡会 光恵の能力...正に薔薇の洗礼だ... あたしはやはり彼女には警戒を怠っては いけない!!っと深く心に刻みながら 崩れ去り、砂とかす前に生かされた哀れな 人間の末路を覗き込む彼女に声を掛けながら その足を進めた... 「...わた---いや、ミッツィー...。 彼は人間なのでは?...操られている だけとか?」 すると彼女は冷静にゆっくりと... 「何だ、がっかりだな...貴方は見破って いるんじゃないのか? 何故、彼がこうなってしまったのか? そして、そうすべき敵の理由も...。」 あたしに向かいそう言い放ち、徐に 自分がミイラ化させた人間の横にしゃがみ込んだ...。 『じゅるっじゅるるっっ....。』 不意に不気味な音が何処からともなく キョウの耳に入り、何か胸騒ぎを覚えて ミッツィーに向かい叫ぶ!! 「...ミッツィー!!まだ何かが 潜んでいる!!そこから離れるんだ!!!」 『じゅる...じゅるるるっっ!!!』 何をそんな馬鹿な?っと辺りを見回し 彼女が確認した、その瞬間!!! [マ...ヌケ...コッチ...ダヨォ!!!!] 右を振り向いていた彼女の逆、つまり 左側から奇妙な声と共に、濁った水が飛びかかる...が、 「違う!!!狙いは!!!!」 防御体制を崩したミッツイーに 襲いかかるのではなくソレはミイラへと 覆いかぶさり同時に体内へと侵蝕する!! 『10月6日(金)』 第四四〇話 『リヴァイヴァル』(10.6.金) 「ちぃっっっ!!!!薔薇のーーーっ!!」 『光恵』は自らの失態を取り戻そうと 躍起(やっき)になりミイラに自らぶち蒔けて 行った濁った水へと“能力”を発動させようと する...が、先の闘いを思い出した『京香』の 「ミッツィーーーーっっ!!!そいつの 狙いはキミの能力を学習する事だ!!!!」 叫びを聴き、身を一歩牽いて体制を立て直す 「くぐ...げはがじゃ....くくじゃ!!! ぎゃははははははっ、ドウシタ...? 攻撃、してこいこいこいこいヨォオオ!!!」 完全に水分だか養分だがを取り戻し顔色まで 良くなって復元した人間を操る水は ミッツィーを先に挑発し、攻撃を誘う!! 「...こいつは...さっきの...やはり、 あたしの攻撃もさっき学習していた...。 それに喋れる...なんて...くっ厄介だ...。 (どうする...はっ!!そうだ!!!)」 牽制する二人を見つめながらキョウは 何かを思い付き前を向きながら、こう叫ぶ 「『智明』っっっ!!!! 『土の核色』を貸して!!....。 どうしたの早ーーー---....〜〜〜〜 あのでぶっっっ!!!!」 だが、振り返るも後ろには息を切らせた 『春化』の姿が見えただけだった... 「えっ?...はぁはぁはぁ....智明...なら...。 まだ食堂に....居る感じ(がくっ。)」 流石に少し切れながらもキョウはその案を 諦め、とにかくこの場を乗り切ることに専念する!! 「なっ...何あれ!?!...。 揺らいで見えるわ...!?!」 濁った水と一体化した人間の身体は 一定の体型を保たずただ揺らめき 2人に挟まれニヤついている...が、敵が 再び笑みをこぼした、その瞬間!!! 『パキュォッッッン!!!』 「『風の核色』発動!!! ...ブースター替わりに風を放出しーーー 超最足ーーーーーぎりぃぃっっ!!!」 先にキョウが動きそれに次いで 人間が行動しようとするが、それに併せ同時に ミッツィーも襲いかかるーーーー 「もぎゅぎょぉっっっぎゃははは!!!! 『絡み付く紅』【フォレスト・バーニング】!!」 だが、しかし…その瞬間!!!… 「ばっ!?!『高志』の“能力”技を 何故貴様がっっ!?!!」 『ブギャァァッァッッッン!!!』 キョウの剣撃が、ミッツィーの能力が 奪った人間の身体を捕らえる前に敵は 既にその人間が手にしていた能力を解放し 場に大爆発を巻き起こしていた!!!! その頃、智明は---- 「せひゃからぃいたったんひゃん ほへさまがさいひょうなんやて!!!! (せやからな、言ぅたったんや!! 俺様が最強なんや!!ってな?)」 取り敢えず復帰した店で黙々と 店主を聞き手に取り、食べ物を更に先よりも増して 「あははっ、お客さん...この事態じたい無視? (ってか、喰うか喋るかどっちかにしろよ。)」 勢い良く摂取していた...。 『10月7日(土)』 第四四一話 『炎上のソルベ』(10.7.土) 「....けほっ...げほげほっ....。 はっ!?!2人共...あんな間近で 爆撃を受けたら,,,一溜りもない ...と言うより...あの“能力”を使った 子だってただじゃ済む筈がないわ!!!」 離れていために爆風だけで、それでも 熱風に肺を犯られ少なからず火傷をも負った 『春化』だったが、2人の事を気にかけ 炎上するその爆発が引き起こされた 場所へと足を運び名を叫ぶ!! 「『キョウ』ーーーーっっ『ミッツィー』!! 無事なら返事をしてーーーっっ!!!!」 だが、一向に返事は無く彼女が取り敢えず 食堂へと戻ろうとした、その時!! 「くぐっ...ハルカか?」 「え”っ!?その声はキョウ!!!! ミッツィーは!?!」 真後ろからか細い声が自分に向けて投げかけ られたのに気付き振り向き、瓦礫の 下から這い出そうとしていた京香の姿を見つける 「...ミッツィーならあたしの下にいる...。」 剣でどうにか瓦礫の端を支える彼女の 限界が一瞬で解ったハルカは急ぎ 気絶しているミッツィーをそこから抜き出すと 同時に一気にキョウの身体を引き、抱き起こす...。 「ちぃ...げほげほ...あの瞬間かなり ぎちぎちだった....。」 キョウは取り敢えず壁に持たれながら 傷の箇所を自らの“力”で代用し復元させ 「あっ、...痛みが牽いたわ!!!」 「女の子は顔が命よ?...はぁ...ミッツィーの 怪我も取り敢えず直してあるけど...。 あたしも...流石に“能力”の酷使に つかれ....くっ...。」 更にハルカの火傷と肺の炎症を沈めた... 彼女達が助かった理由、それはあの時にしか 出来ない...いや、行わないであろう連携を こなしてみせたからだった... 光恵が能力を使い爆破域を抑え込み 更にキョウの疾風で上空に爆炎をなるべく 巻き上げる事で威力を殺していたのだ...。 「なんやねん、どないしたんや!?!」 流石に店が炎上したので食事どころでは 無くなり漸く姿を現した『智明』は よかれと思い声を掛けるがーーー 「...智明さん、最低!!!」 「今ごろか?...焼ブタにでも...なれ...。」 「ーーーっ!?!!」 突然!!罵倒を浴びせられ何がなんだが 解らず困惑する...。 『10月8日(日)』 第四四二話 『Learning』(10.8.日) 「またパーツが飛んで来たね?」 「あぁ、僕の発動条件を見事クリアー して貰ったよ...あはは、さて...一汗 かいたところだ、一緒にシャワーでも?」 「...結局、同じに濡れるけどね?」 「あははっ、次までに時間があるんだから 良いじゃないか〜、ふふっ、後は 永劫(えいごう)の水に任せても良いくらいさ...。」 少年達はベットからその身を移動させると 不敵な笑みを浮かべ、浴槽へと消えて行った... 「良かったわ...入り口付近の炎上だったから 街全体に被害もないし、取り敢えず...。 お粥みたいな物もあるけど?」 気を失い崩れた『ミッツィー』こと光恵が 半日を掛けて漸く目覚めたのを確認すると 『春化』は優しく声を掛け食べ物を渡そうとする...。 受け渡された食べ物を手に 「ワタシは...くっ...傷が完治している?」 起き上がったミッツィーは少し身体に 反動の痛みは残るものの完璧に治っている 傷口を見て、思わず声を上げる... 「...それはあたしの“能力”さ...。 良かったよ気付いて...キミは聞きたい事が 山ほどあるからね...。」 不意に扉を背に『京香』が音もなく 姿を現しハルカがそれに答える前に即答した... 「...なるほど...ふふっ、それでは まず礼をしなくては...。」 「...そんな事いぃから...あたしの質問に 答えて貰おうか?...あの人間...彼...は、 ミッツィー...キミは仲間だったのか? 名前を叫んでいたよな?...『高志』!っと...。」 突っ込んだ質問を言い放つキョウを横目にし オロオロするハルカだったが、静かに 見守る他、無いと思い敢えて口を挟まずにいた すると、少しの間の後... 「彼の能力は物体の安定化を崩し 燃焼させやすくする事...。 最後、あいつは自らを不安定化し、爆発を 命と引き替えに引き起こした...。 そう...彼はワタシのかつての仲間さ...。」 彼女は額に手を宛がいながら全てを語り始める...。 夜更けの街外れ...爆炎により黒ズミと化した 人間の死骸が歪みに沈むと同時に 先よりも更に濁った水がそこから這い出る様に 涌き、地面へと徐々に浸透して行く...。 まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |