『10月9日(月)』 第四四三話 『ナチュラル・デス』(10.9.月) 再生と破壊の街『ソルベ』にて支配者で ある少年達の策略に掛かりながらも 危険な香りのする異端の“能力者”『渡会 光恵』 【わたらい みつえ】の“力”も借りて どうにか事なきを得た『京香』『春化』は 宿で眠りこける『智明』を置いて 彼女が知り得る全てを聴こうとする... 「なるほど、安定に存在する全て、か...。 (あたしの様に源素を扱うタイプ...。)」 やはり、あの『否・人間』 【ヒトアラザルモノ】と成り果ててしまった 人間...『高志』と彼女に呼ばれていた 者は自らの仲間であった... 「『美しき代償』【クレィジー・ローゼス】で 身動きを封じどうにか蘇生させたかった...。 しかし!あの濁った水が...!!!」 不意にあの時の事を思い出し、映像を よぎらせるキョウは、 [マ...ヌケ...コッチ...ダヨォ!!!!] あの液体が喋っていた事を再確認し 今回の事で確実にまた学習し、自分達へと 襲いかかって来るであろう事を考えていた... 「再生の街...ミッツィーの友達の事と 関係があるのね...。」 徐にハルカは呟き静かに足を組み直した...。 「ふっ...この街の由来か...。 通常...この異世界では人間や『幻魔』が 倒されれば歪みに沈み、現世...ワタシ達の 世界へと送られる...が、しかし違うんだよ...。 この『水辺地帯』では、敵に倒された 人間達は歪みへと沈むことが出来ず....。 魂を引き抜かれ駒として再生されるのさ...。」 ミッツィーの説明に只、黙って聞き入る 2人は驚愕すると共にその後、続けて 「抜き去られた者は初期化されて 器として、それから生を過ごす...仮に 倒されてまた殺されてもまた...幻魔達の 器として復元される...。 この街が別名で破壊の街と恐れられて いるのは生そのものを奪われて壊されて しまうところにあるだろう...。」 別名である破壊の街の異名を知る事となる... 「ゲーム...そうまるで...ゲームよ!!」 唐突にハルカは声を上げて言い放つ 「...ゲーム?...。」 そして、疑問に思ったキョウは徐に質問する 「テーブルトークRPG風...。 つまるところ...この地帯では戦闘に 負けた者が幻魔となる...。」 すると、突飛な事を彼女は言い出した...。 彼女らの推理が確信へと迫ろうと していたその時、宿屋で寝ていた智明に 予測不能の事態が襲い掛かっていた... 「『血化陣』が発動出来へんやと!?!」 「時計の針は下りた...『運命を左右する針先』 【タイム・アカウント・リヴァティー】の 前では君は無力なのさ?」 青年は指刺し、不敵な笑みを浮かべる!!! 『10月10日(火)』 第四四四話 『真夜中の来訪者-その始まり-前編』(10.10.火) (死〜揃い!!しかも10×10で物凄い死者数(笑)) 『バサッバサバサッッ!!!』 「っっっ!!!!....夢...か...。 最悪やな...。」 『智明』は徐に跳ね除けた毛布を ベットに戻し、汗だくの額を拭いながら 外の夜風を浴びようと引き窓を開けた... 「...くっ...しゃ〜ないんかな....。 多分やけど、『ヒロ』がおる地帯へと 近付いているから...引き合っとるんかなぁ...。」 不意に夜空を見上げ独り言を呟き 汗が牽いた所で後ろを振り向く、するとーーー 「やぁ、今晩は、お邪魔してます。」 そこには中肉中背でパジャマ姿の青年が お気に入りのマクラを手にし何時の間にか 彼の部屋へと浸入していた!! 「なっ!!?!...おまぇ何んで部屋にッ!?! (気配すら感じへんかった!!)」 「まぁまぁ、堅いことはおっしゃらずに〜 この時間帯しか、けふの“能力”が 部屋に入る課程を飛ばしてくれないんでね。」 わけが解らず困惑しつつも、目の前の ソレが敵である事だけは認知していた 智明は徐にベット横から真っ赤な斬首刀を 即座に持ち上げ構える!! 『ボギャッッン!!!』 「ふぅ、持ってて良かった、けふの武器。 あぁ、これですか? これはけふ愛用の護身マクラですよ。」 たかが枕に攻撃を吸収され、受け止められて しまった智明は敵に警戒しつつも 自らの左手の甲を引き裂きーーーー 「へへっ...丁度良かった...かなぁ? 俺様興奮して眠れるかぁ眠れへんかぁ 心配やったとこや...でも、これやったら 確実やろ?!?...『血化陣』!!!」 能力を発動させんとする...が、しかし 『ボーンっ!!ボーンっっ!!』 鈍い音と共に突如、枕の中から場に出現した 時計が深夜12時を指し示した、その途端!!! 「残念、もう少しだったんですけどね。 もう何をしても無駄だよ。」 能力は解除され、手にした斬首刀すらも その存在を無効とされ、只の血液となって 右手を伝い床へと流れ落ちてしまう!!! 「何言ぅとるんや!まだまだ此処からーーー!?! (なっ!?!能力が発動出来ない!?!)」 威勢良く叫ぶ智明だったが、その異常な 出来事に内心混乱をしていた...すると、そんな 彼の心を見透かしたように青年は 「けふの『運命を左右する針先』 【タイム・アカウント・リヴァティー】の前では 君は無力さ?」 軽く、そう言い放つ!!! 『10月11日(水)』 第四四五話 『真夜中の来訪者-上限-後編』(10.11.水) 「....馬鹿な!!?俺様の“能力”が 封じられたとでもーーー」 まだそれを受け止めずに再度能力を 始動させようとする...が、彼はそれを遮る様に 「結構馬鹿なんだね?...けふが 無駄と教えてあげているんだから 静かにけふの話しを聞いてほしいなぁ?」 そう言葉を放ち、注目させる... 「...ちぃ...まぁ、少しなら きぃたるわ....。」 未知の能力に不安を抱きつつ『智明』は 小さく呟き左手の甲を摩る... 「ふぅ、物分かりは良いようだね? 流石、『異界の闇覇者』のアノ 『ヒロ』君が注目する筈だ...。」 「きっ貴様ヒロのーーー」 貴弘の事を言われ言葉よりも身体を 動かそうとしていた彼の目の前に ヌッと顔を突き出し青年は 「落ち着けよ?...けふの話しを 最後まで聞きたいだろ?」 囁く様に言うと彼の興奮を瞬時に沈めてしまった...。 「ぅん、良い子だね? ...けふはね、彼らとは別に組織 されている...所謂シークレットって奴でね? ふふっ、まぁ君には関係の無い話しだが〜 彼らもまた消耗品でしか過ぎないのでね? (あの方が目覚めるまでのね...くくっ...。)」 「(奴らが消耗品やと!?!...どない なっとんねん...こいつは奴ら...あの 俺様の体型を乱しやがった奴すらも超える 言うんかぃ!?!)」 意味深な言葉を放ち、青年は黙って 自分の話しに耳を傾ける智明を見ながら 更に話しを続ける... 「けふはね、只...それほどまでに マークされている君に興味を抱いて しまってねぇ、あぁけしてデブ専って わけじゃないし、そんな趣味もないんだけどね?」 「(こいつ...話し終えたら即刻 ーーーーぶっ殺したる!!!(激怒))」 激昂する様が端目(はため)に見ても解る智明を 手玉に取るように青年はまだ喋り続ける...。 「...あらら喋りすぎたか...。 けふは今日は顔見せってだけなんでね? 解るかな?ふふっ、無事...彼らが待つ 『絶陽地帯』へと行くのを 楽しみにているよ、それじゃあ?」 『ボーンっ!ボーンっっ!!!』 不意に先と同じように時計の音が 鳴り響いたと思った、そのセツナ!! 「...いねぇ...一体...奴はなにもんやろか...。」 青年はその姿を掻き消していた...。 『10月12日(木)』 第四四六話 『Dice(ダイス)・of(オブ)・THE(ザ)・PARADISE(パラダイス)-ある意味人生ゲーム-』(10.12.木) 「...けふもお遊びが過ぎたかな? ...はっは-、まぁ期待しているよ...。 高見の見物とさせて貰うさ?」 パジャマ姿の青年は月明かりを背に 建物の屋根を飛び跳ね闇夜にその姿を消す... 「...奴らを超えるやと?...自信過剰...でも なぃ、っか....。 ふっ、まぁえぇわ〜...それなりに 楽しましてもろうたしな?」 彼が存在を消してから直ぐにまた 窓を閉め眠りに付いた『智明』は数時間後 部屋に響いたノックの音で目を覚ます... 『コンッコンッ!!』 「...ぅっ...ぅん?...誰...や?」 眠気眼で応える智明へ、叩いていた主は 「私です、智明さんへーッ!! 『キョウ』が呼んでますから直ぐに下へ降りて 来て〜〜〜!!、下さいね?」 そう言い放つと、さっさと階段を駆け降りて行く 「なんや『春化』かぃ...ったく、歳を 教えた途端に敬語ってのも、たるぃっちゅーの ...あ”〜どうやら昨日の事は夢やないようやな?」 頭をかきむしりながら智明はだぶついた 身体を勢い良く起こすと、床の血痕を見て 呟き、昨夜の出来事を思い浮かべ、彼らに 伝えるべきか?を考えながら下と降りて行った...。 「...遅かったな?智明...。」 生欠伸(なまあくび)を繰り返しながら 階段を降り終えた智明へ京香は静かに 声を掛け昨夜話していた事を彼に伝える... 「なんやて!?!...この地帯が人生ゲームの様な マップや言うんかぃ!!!」 彼女は彼に『光恵』の話しやハルカの推理を 参考にした、仮設を説明し、在り来りな リアクションを見せた智明を冷めた眼で 見つめながらも続けた... 「...あくまでも課程だが...『幻魔』が 攻撃を学習する事...人間が駒に成り代わる 現象...そして、その幻魔と化して しまう点...全てが創られすぎているんだ...。 もしかしたらこの地帯の攻略に関わって 来る問題かもしれないから真剣に 受け止めてほしい...取り敢えず朝食を 採ってから出発しよう...あっ! そうだ!!その前にーーーー」 キョウが彼の人物を紹介しようとすると 何時の間にか姿を現した 「やぁ、おはよぅ、ワタシは貴方と 同じ“能力者”『ミッツィー』です、宜しく。」 彼女は、それを遮り自ら声高らかに 自己紹介を初めていた...。 「あっ...あゎ...はぁ、その宜しく 俺様は智明、海驢 智明や...。 (ガビーン!!!ミッツィーって!!!)」 あまりの濃さにのけぞる智明だったが 取り敢えず受け止め、朝食に手を付け始めた... 「ミッツィーそれで?次の街って言うのは?」 ハルカは徐に彼女へ質問する、すると 口元の汚れを拭き去りながら彼女は 「『ソルベ』から直線に進めば 湖がありその隣に統治者に守られた 町...分岐の町と呼ばれる『メルギド』が あります...只、そこまで無事に 辿り着いた者はまだ居ない...。 『高志』もそれに挑み...。」 次に向かう町の情報と友人を失うきっかけと なってしまった理由を彼らに伝えた...。 まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |