『9月1日(水)』 第四十一話 『誰かがくれた永遠』(9.1.水) [この森林地帯の支配者 『絶極の隼』【ディープ・スカイ】様の 待つ『風読みの塔』に行きたければ... フッ...あのお方が認める程の“力”... 我らにも見せて見ろ!!] 『京香』に襲いかかって来た 『幻魔』は、キョウに向けてまた 細身の剣で攻撃すると、そう叫び 更に、その攻撃を相殺したキョウを 睨みつけた 『ガギャギャーーッッン!!!』 「…ふっ、あいつには貸しがあるんだ... あたしの力を試す?出来るもんなら やってみなぁ!!!」 幾度も連撃が交差しそれが相殺されて 一向に決着がつかないのが解ると その幻魔は、突然飛び上がり キョウに向かい [フッ...お前の実力... 存分に知れた...風読みの塔で 待っている...。] そう言うと上空に消えてしまった... 幻魔が消えてしまった空を眺める キョウは、剣を背中のケースに 収納すると、『ハウリング』達の 様子を見に走った。 「絶剣『木枯らし』!!」 一気に間を詰めて槍を持つ幻魔を しとめようとしたハウリングは 走り込みながら跳躍し 回転しながら技を放った、しかし それを更に素早い反応で読み 真上にいるハウリングに向かい 槍を突き出して来る幻魔だった、が それを旨く片手の短剣であっさり かわすと、ハウリングは 幻魔の右腕を斬り裂いた!! 『ジュギャギャッッ!!』 [グァァーーッ!?] 「どぉ?まだヤル?」 [ぅぐぅ...覚えておれよ貴様... この場は、一旦ひいてやる... 風読みの塔で待っている...!!] 斬り付けられた右腕を左手で 覆うようにして走り去って行った 幻魔を見てハウリングは、さっきまで 安全だと思われる木の下に 避難させていた『勇二』の姿が そこに無いことに気付きショックを 受けていたが後ろから走って来た キョウに「しっかり!!」と言われて 正気に返ると大慌てで勇二を探しに 『ヴィレット』側の奥深くの森の中に 入って行った!! 「ぅあぁぁあ〜〜〜っ!!」 [ぉよ?何で逃げるのかなぁ?] ボクは、とにかくこの場はーーー 逃げた方がイイかなぁ〜なーんて 思ったからダッシュで森の中に駆け込んで 行った、でも...しつこいんだ〜〜 この幻魔〜〜しっかり後を追いかけて 来るんだよ〜(泣) ボクは、ちょっちパニックに なってて“能力”の事とかも忘れて 逃げてたんだけど...もぉダメっす... はぁはぁはぁ...体力が...もぉ 『ばたっ!!』 [あっ転んだ!!ちゃ〜〜んす んじゃ攻撃するね、はぃ。] ボクを追いかけて来ていた もぐら型の幻魔は、ボクが転んだのを 見てそう呟くといきなし爪みたいなのを 飛ばして来たんだ!! 『シュカカカッッッン!!』 「はぁ...間に合った...。」 その時ボクは、もぉダメかなぁ〜 とか思って目を閉じていたら...いきなり キョウの声が耳に響いたんだ、 だから、恐そる恐そる 目を開けてみたら...そこには 木の防壁みたいのが出来てて 爪を防いでくれていたんだ! しかもボク自身のカラダは、ハウリングに 抱き抱えられていたんだ〜 「あっ危なかった...はぁ、勇二 大丈夫?」 ハウリングは、そう言いながら ボクを優しく撫でてくれた 「うん、だいじょーぶ!!」 ボクがそう言ってハウリングに手を 引っ張って貰って立ち上がると いつの間にかさっきの幻魔が消えて しまっていた...キョウの話しに よると、地中に潜って行って しまったらしいんだけど... なんか、また会いそうなんだよなぁ〜 はぁ...ボクは、そうやってため息を 付くと2人と共に森の奥に 目指す街ヴィレットに向かい 進んで行った...。 『9月2日(木)』 第四十二話 『風読みの塔』(9.2.木) 「そう言えば〜『ハウリング』達は さっきの『幻魔』達倒せたの?」 『勇二』は、何気なく歩きながら 二人に訪ねていた、すると 「逃げられたよ。」 「逃げられた。」 そうやって 殆ど同時に二人の返答が返り それからさっきの幻魔が言って いた事も教えられていた 「ふぅ〜ん、そうなんだ〜じゃあ 敵も下見にボク達の所に来た感じ なのかなぁ〜?」 勇二は、そう言って少し さっきのもう一度会いそうって言う 予感が当たりそうで青ざめていた。 暫く、歩いていると『京香』が いきなりベタ付く二人に 「ねぇ、もしかして二人って... その…つき合ってるの?」 そう言ってマジマジと二人の顔を 見つめた 「あはっ...そっそんな事ないよ(汗)」 すると、勇二は動揺しながら そう言ってハウリングの顔を見た 「んーまぁ適当にね。」 その顔を見たハウリングは わざと意地悪くそう言って勇二を 困らして笑っている 「…ふふっ、面白ぉーい!! あたしは、ハウリングが 男の子の方ではタイプだから つき合ちゃおっかなぁ〜?」 キョウもそう言って萎縮して いる勇二を更に追い打ちをかけた 「そっそんなぁ〜(涙)」 そんな感じでふざけながら 3人が森を進むと目の前に 数日前に青年の能力で崩壊して しまった街『ヴィレット』が姿を現した。 扉も破壊されいるので直ぐに 異変に気付いた一行は、街の中に 入るとそこには腐乱している死骸が 幾重にも散らばり異様な腐敗臭を 漂わせていた...生存者がいない事を 確認した3人は、奥に塔に繋がる道を 発見するとそこを歩み遂に 森林地帯の支配者の待つ緑の巨大な塔 『風読みの塔』の目の前に 来る事が出来た!! 『9月3日(金)』 第四十三話 『風の核色』(9.3.金) 最上階で3人の訪れを待っていた 『絶極の隼』【ディープ・スカイ】は 部下に命じ『風読みの塔』の中へと 続く入り口の扉を開けさせ 「...ふふっ...ここからは、 自分達の“力”で来るんだな〜。」 そう呟くと玉座に着いた...。 『ガガガッッ!!!!』 「へぇ...誘ってるわけね。」 「面白い。」 「.....うぁ!?(だるぃ。)」 3人が塔の中に足を踏み入れると 突然、扉が勢い良くしまる 「…もぉ出られないよって事かな?」 『京香』がそう呟き扉が閉じる時に 巻き起こった風で乱れた制服を 整えていると、また今度は 上空から疾風が吹き、その瞬間 「せこいね。」 先ほども奇襲を掛けて来た 『幻魔』がキョウの隙を狙って 攻撃を仕掛けて来た!! しかし、その気配気付いていた キョウは、風が吹いた瞬間に 横に一歩飛ぶとその攻撃を軽く避ける [チィッ!!] 「…だからさ、気配くらい消しなよ...。」 「キョウ!!」 それを見て叫ぶ『ハウリング』に 幻魔と向き合いながら 「ハウリングも『勇二』も...手を 出す必要は、無いよ...。」 そう言うと剣を背中から引き抜く! 「解った、任せるよ!」 ハウリングは、そう叫ぶと勇二と 共に闘いに巻き込まれないように 端に寄りキョウの闘いを見守った。 [フッ...俺はこの風読みの塔の 1階を護る者...『鴉』【カラス】 ...漆黒の剣で貴様を殺して その肉を喰らってやろう!!] 背中に大きく黒い背羽ねの生えた 鳥類型の幻魔カラスは、細身だが 長く鋭い剣で上空からキョウを狙い 攻撃を仕掛けて来る!! 『ガキャキャッッ!!!』 「…なるほど...さっきは本気じゃ なかったって...ことか…!!」 カラスの剣を弾き返し連撃に移ろうと するが直ぐに上空の攻撃外に逃げられて しまう、その繰り返しに少しづつ 疲れを見せ始めたキョウに カラスは、狙い通りだ!と言わんばかりに 一層激しく上空からの攻撃を 繰り返しキョウを攻めたてる!! …そして… [...これで終わりだァーーーッ!!] 止めを刺しにカラスは、勢い良く 息の上がって足がふらつく キョウの心臓目掛けて急降下して 自慢の剣の一撃を放った、その瞬間! 『バシュルルルーーーッッ!!』 小さな旋風がキョウの持つ剣から 発生しカラスのカラダを包み込むと 地面に叩き落とした!! [ぐぎゃ?!!?] 「お前なんかにあたしの “能力”を使う必要は無い『風の核色』の 少しの力を借りるだけで十分だ... じゃあねッッ!!」 『ザシュッ!!!』 今の風による落下で羽を傷つけ 上空に逃げられなくなったカラスは 必死に起き上がり反撃しようと するが、立ち上がったその瞬間 キョウの剣により真二つに 斬り裂かれ呻き声を上げる間もなく 歪みに沈んで行った!! 「あたしに勝とうなんて100万年 早くなぃ?」 キョウは、二人に向かいピ〜スサインを 出すととそう言って笑った。 『9月4日(土)』 第四十四話『白金の鞭』前編(9.4.土) 『京香』が1階を護っていた 『幻魔』『鴉』【カラス】を打ち倒すと 二人は駆け寄って共に 上階に進む為に左端にあった 螺旋階段を登って行った そして、それを登りきると 今度は内装がすっかり変化し地面が 土で埋め尽くされその上、内壁が茶色く 塗られていた...。 それを見たボクは、 さっきのなんとな〜く嫌な予感が 当たるなぁ〜って 思いながら二人の後について先に 進んで行くと目の前に扉があって そこを通り抜けたら... 「あ”やっぱし...(泣)」 多分ここを護っているさっきの モグラの幻魔がボクらを待ち受けていた ...って言うかボクをかなぁ?あはっ…(涙) [よぉこそ〜、僕の護るお部屋へ!!] まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |