『10月21日(土)』 第四五五話 『DICE・of・THE・PARADISE-ドメィン-』(10.21.土) 分岐の町『メルギド』へと辿り着いた 『京香』『光恵』『春化』 『智明』の4人はそこで別々に 一旦行動し、統治者への訪問を後に回す... しかし、その間の安息はあまりにも短く 智明には先の沼地の敵を僕(しもべ)とする ぽっちゃり太った少年に撃退するも強襲されていた... 「...湯がしみるやなぃか...あのデブ...。 今度来ぉったら...犯したろか!?!」 頭を打ちつけた時に出来た切り傷から、瞬時に 真紅のナイフを生み出し投げつけ撃退した 彼だったがすっかり気分を害され自棄喰ぃに 走ってやろうと秘かに考えている... 「...さてそろそろ洋服も...ぅん、よし 乾いているな?...戻るか...。」 『バサッ!!!』 その頃、キョウは智明の衣服を片手に 宿泊場へと舞い戻り、湯船にいると思われる 智明に声を掛けた 『ガラッッ!!!』 「智明ーっ!!!居るか?」 「わ”!?!まっなっなんにゃねぇん!!」 「...にゃって、何慌ててんだよ? 隠すほどのモノなのか?」 すると、突然の彼女の来訪に驚き慌て 出ようとした時だったで思わず前を隠す智明... 「女のクセに下ネタぃうなや!!(汗)」 更にそれを見て言い放つキョウへ顔を真っ赤に しながら叫ぶ智明の言葉に 「...ふぅん、心外だな?そんな事言う ようなでぶには衣服いらよなぁ?」 カチっんときた彼女は折角自分で洗濯までして 乾かした衣服を湯船に投げ込もうとする...。 「わっ!?!ゎっっ!?!俺様が わるかったって!!!...すまん、せやから〜 なっ?勘弁しろやぁっ?!!」 「...それで良し、っとカゴに入れて置くから まぁ?盗まれないように...んな事は ないと...思うけどね?...。」 少し離れた場所では、それをまさに 狙っていた人物が存在していたが、彼らの 会話を聞き自分の手がバレた!!っと 思いそそくさと逃げ去った... 「うっくっくー...やばぃ〜...。 はぁはぁはぁ...奴らを『ドメィン』に 会わせたら僕様〜あの2人に拷問されて 殺される!!!...いやぁだぁ!!! あんな操り人形みたぃにはなりたくないぃ!!」 支配者の残酷さを知る少年は思い馳せながら 汗をだらだらと垂れ流し震える... 「あっ!ミッツィー、丁度良かったわ!! 一緒にみんなのとこに戻りましょ?ネッ!」 「えっ?..あっあぁハルカ、奇遇だね。 ...そうだね、戻ろう...。」 浮かない表情を見せるミッツィーを 心配しつつ先に購入したシルバーのブレスレットを 見て喜びの笑みをこぼしハルカは智明らが 待つ宿泊場へ彼女と向かった...。 「みんな〜ただいま!!!」 「戻ったよ。」 部屋へ戻ると鴉の濡れ羽色をした髪を とかす智明と剣の手入れをするキョウが 少しの間の後2人へ返事を返す 「早かったんやな?」 「...あっ!ハルカ!!ソレいけてるね!!!」 「へっへーっ!そうでしょ!!」 アクセサリーを誉められご機嫌のハルカは 智明の後ろ姿を見て少し痩せてれば タイプかも?っと思いながらベットへと 静かに腰を降ろした...。 『10月22日(日)』 第四五六話 『DICE・of・THE・PARADISE-ベジタブルらっしゅ-』(10.22.日) 「へぇ〜それじゃあ、沼の奴は...その子なんだ?」 『智明』は先に彼らに自分が襲われた事を 伝え、湯船も安心出来ない!!っと憤慨する 「せやねん!!!あったま来るでぇ? ...あのデブがきぃ!!!」 「...ほら、もう傷も直してやったんだし...。 どうもその子には敵意があるようには あたしには思えないよ?...。 (それに君も十分過ぎるデブだよ(笑))」 “能力”を使い智明の頭の傷を塞いだ『京香』は 不意にそう言うと剣をしまい込んだ... 「そうね、私も、そう思う!!」 『春化』までもが同じ意見の為、少し ムカっとする智明だったが、それを抑え 「なんでやねんな?俺様こうやって 実際!!襲われとるんやで?!!」 反論する...が、それを押し切る様にキョウは 「...何故か?って?それはね、殺る気なら 町に入る瞬間だってあたし達を殺せる っと思ったからだよ...。 しかも...別行動していたならなお狙い やすかったのに...それでも智明だけを 狙った...一気に襲う事も出来た筈だ...。」 さらに意見をのべ、彼を黙らせる...。 「せやけど、あいつ...ただ臆病な だけやったと思うんやけどな、同型と見て 俺様が気ぃ弱い、思ぅて襲ったんやないやろか?」 しかし、まだ拘(こだわ)る智明が頭を 捻って答えを出そうとする... 「まぁまぁ、二人とも〜口で幾ら話して いても始まらないし、そろそろ出発しない? 智明さ...えぇ、っと智明の意見も少なからず あってると思うけど、私はその子がそんな 性格なら...脅されてるんだと思うな〜。 だから焦っているんじゃないかしら?」 すると、『春化』はそれを受け止めつつ 取り敢えず先へと提案した... 「ワタシも先に進むのが良いと思うよ? この『水辺地帯』唯一の統治者 『ドメィン』に会えば...何か得られる ハズだからね...。」 それに乗じるように『光恵』も続け、頷く キョウを見て扉を開け放つ...。 「繁華街を抜けた先に門(ゲート)が ある、そしてその奥に神殿の様な 物が見える筈だ。」 「...。(やはりこいつ...。)」 何故か、初めて来た町の筈なのだが 流暢(りゅうちょう)に説明するミッツィーの 言葉を聞き、不審感を募らせるキョウは それをあえて表に出さずに街道を抜けて行く...が、 『じゅっぱぁっっっじゅじゅじゅっっ!!』 彼らが前へと足を踏み出した、その瞬間!!! 「ぅっくっくーッッ!!!ぃぇっす!!! 引っかかったっっっ!!!! 僕様は、絶対負けないんだかんな!!!」 目の前に突如!!姿を現した少年の大声と共に 地盤が揺らぎ、地表から何かが彼らに 向かい一斉に襲いかかる!!! 『10月23日(月)』 第四五七話 『DICE・of・THE・PARADISE-小心者-』(10.23.月) 「なっ!?!囲まれているわ!!! (嘘でしょ!?!これだけの数なんで!?!)」 『春化』は自分の霊感がまったく役に 立たなかった事に奮起しつつ、冷静に 武具を手にし構える!! 「あっ!?!貴様ぁぁっでぶがきゃぁっっ!! ぜっったぃおまぇしばいたるわっ!!!」 周囲から迫る敵よりも『智明』は少年を 発見した事でアドレナリン(興奮物質)を 全開にし自分から前に足を踏み出す!! 「...ふぅやれやれだな...。」 『京香』は2人の対極差に唖然としながら 後ろをハルカらに任せ固まった陣型を 組み、手入れをしたばかりの剣を抜き出す!! 「...その程度でワタシを止められると 思うなよ...殺されて行った仲間の仇...。 貴方の死を持って償って戴こうか?」 『光恵』も同じく冷静に対処する為 眼前に迫る敵へと自ら足を向ける!! 「ぅっくっくーっっ!!!僕様のか-ぃい しもべ達ぃ!!!行けっっっ!!!!」 さっさと自分は身を牽いて逃げ腰の少年は 叫ぶだけ叫ぶと距離を取って自分に 被害が及ばない場所から見物する...。 「けっ...また同じようなカエルやーーー」 [ずももぉおおっっっ!!!] 『ゴシャッッッ!!!』 地表をまるで水のごとく泳ぎ回る敵が 飛び上がって攻撃しようとした、その時!! 先に拳による打撃を智明は放っていたの、だが... 「ぐっっぉぉおっっ...俺様の拳が...。 割れおった...。」 敵は想定していた蛙の『幻魔』ではなく それはーーー 「ぅっくっくーっっ!!!ばーかっ!!! ひゃっかんでーぶ!!!僕様のしもべを 嘗めるなぁ!!!『曇亀』 【カィコ】くんの甲羅は最強だぁっっ!!」 [ぼぉもぉ?] 巨大な亀の幻魔だった...甲羅を殴り付けて しまった彼の拳から大量に血が流れ落ち そこへ意外に早い攻撃を放つカィコが襲い掛かる!! 「のわっ!?!」 『どぎゅっっしゃっっっ!!!』 [『スタッピィング・プレス』っっ!!!] 只の重量で押し攻める攻撃だが、侮れず しかも地面を自在に移動出来る為に 背後から既に別に敵が彼を狙う...が、しかし 『シュパァッッッッン!!!』 「けははっあまぃわぁ...ぼぅず...俺様を なめぇんのもいい加減にしろや...!!」 不敵な笑いを見せた後、智明は傷ついた 右手の甲から“能力”を発動させ場の敵を 一気に一掃する!!! 「智明が切れ始めたわ...ふぅ、これで 少しは絶対値が減るといいけど...。」 ハルカは静かに呟くと、自らも坤に神経を 集中させ技を繰り出す!! 『バギュルルッッッン!!!』 ...智明に負けじと攻防を繰り返す3人 だったが...不意に何時までも減らない敵の数に 憤りを感じ、ある一つの仮説を思い浮かべる …それは…。 『10月24日(火)』 第四五八話 『DICE・of・THE・PARADISE-本体を止めろ!!-』(10.24.火) 「『春化』...多分、この地面を泳ぐ スキルと別の...奴がいる...多分、分身 するタイプの様な奴だと思うんだ...が? ...察知出来るか?」 不意に『京香』は彼女へ背中越しに 呟くと返答を待った... 「当然、やってみる!!!」 落ち着いて周囲を見回すハルカは一点だけ 敵が留まり密集している箇所を見い出す!! 「なるほど...霊能力...そんなモノが あるとは思えなかった...この世界に 呼ばれるまでは...だが、賭けようソレに...。」 彼らの会話を聞き攻撃の手を休めずに 続けながら『光恵』はボソっと言い放つ...。 「...さて、問題の“能力者”の少年...。 ...ふっ、『智明』がどうにかするか...。 ならあたしの役目はーーーーッ!!!」 『バヒュオッッッッン!!!』 智明がキレて能力による攻撃を放ち 敵を一掃し、少年へと近付いて行って いるのを確認したキョウは、不意に風の“力”を 発動し竜巻を引き起こす!! 「さぁって...『プリンセス×ハンター』に 不可能は無いのよ?....そうか...。 分身を生み出させているのはーーーーーっ そこのぉっっお前だっっっ!!! 霊術式参ノ型『聖砲槍』ぃっ!!!」 彼らが周囲敵を撃退しているその間に 本体の位置を突き止めたハルカは 手にした坤に霊力を注ぎ、槍の様な形態へと 変化させた後、即座にソレを投げ放つ!!! 『ガスッッッッン!!!』 [ぴっっふぎゃっっ!?!!] 投射された光り輝く槍で地中に潜んでいた敵が 貫かれる、っと同時に敵の絶対値が減り始め 行く手を遮る『幻魔』が次々とその姿を消す、 そして...遂に智明は少年と対時を果たす!!! まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |