『11月9日(木)』 第四七四話 『Day by road〜soul asid〜』(11.9.木) (最近英語タイトルですが、何れ戻ります(汗)) 支配者の手の中で踊る駒...分岐は開始された!! 『メルギド』に身を潜めていた 『ドメィン』を守護する『ムスビ』、 そして、後から姿を現した敵の少年は何(いず)れも 濁った水に全てを支配されてしまう、 ...更に分断された『春化』『京香』 『光恵』『智明』ら達4人は ソレらと対時するように全て仕向けられている 事に気付く筈も無く、織りなされるシナリオを 一つ一つ消化して行く.... 「ムスビくんを...わたち...ムスビくんを 倒すなんて...出来ないよぉ!!!」 ミッツィーの言葉で度を増して混乱して しまうドメィン...すると、その様を見て 「ドメィン...貴方は!!!」 不意に彼女は胸倉を掴み唇を噛みしめながら 頬を叩こうとする...が、 『ぱしっっ...。』 「…今は仲間割れをしている時では 無いハズだ…。」 「きょぉはっっ!!ドメちゃぁアぁん!!!」 キョウは彼女の手を止め、再び襲い掛かる 少年の攻撃を受け、必死に跳ね退ける!!! 「...くへへっ...野郎...無茶くちゃ...やな...。 身体能力をフルに使こうて来ておるで?」 自我を破壊されている為に自分の身体を 100%の“力”使って攻撃して来る 少年に明らかに押され始めた2人は建物と 言う閉鎖された場所では分が悪い!!っと 踏み、智明の合図で林道へと出たのは、良いが それが逆に裏目に出てしまい敵に有利な 状況を作り上げてしまっていた... 「くっ...あの、霧かしら?それっぽぃ 無機質な鉄球を増やされた...!!! (湿地帯だったのよ、此処って!!!! 春化超しょっっっく!!!)」 しかし、次々と生み出され投げ放たれる鉄球を 弾き返す術は無く、活路は塞がれたかに思えた …次の瞬間!!!… 「...けっ、俺様のォのぅーーーいや、 『スキル』【特殊能力】のが様に なっとったな...そこだけは貰ってもえぇやろ...。 それより問題は血量...か、あいつを 包み込めるやろか....?」 智明は無謀にも手首の動脈を手にした 斬首刀で斬り裂き、大量の血液を噴水の様に 吹き上げさせ、敵に向かい飛沫を放つ!!! 「なっ!?!智明アナタ、何を!?!」 「えぇから黙って見とけや?...。 あとぉ...頼んだから...なぁっっっ!!!」 「オレさマのスキルはむてぇっっきぃ!!!」 流石に致死量近い出血の為に足元すら おぼつかなくなっている智明だった、が... 不用意に近付けない以上、こうするしかない!! っと覚悟を決め、今『血化陣』を発動させる!!! 『11月10日(金)』 第四七五話 『Day by road〜prepare myself〜』(11.10.金) 『ジュパパパァァァッッッン!!!』 吹き出した血液は『智明』の指令を受け 半球形へと変化し、敵を包み込むように 左右ギリギリから出現!! 「ナんだっっ?!!!あぁっっっアァッ!?!!」 「...くへっ...へっ....悪夢の鉄澱って 奴やろな?...。(もう...もたん...か...。)」 今、完全に少年の身体を真っ赤な球が取り囲み 封印、一瞬!!完璧に身動きを奪い取る 「...馬鹿ね...わざわざこの為に?...。 貴方の意志...無駄にはしないわよ...。 この『P×H』の名に懸けて!!!!」 『バダッッン!!!』 そして、智明が流石に意識を失い、地面に 倒れ込もうとするのとほぼ同時に 既に走り出していた『春化』は、彼を横目に 呟きながら坤を握り締め、血球体が内部から 破壊される、その前にーーーー 「ムだだァ!!!こんな結界!!『蒸留癖の髭』 【エアロゾル・ムスターチェ】ぇっっっっ!!!」 『ヴァジュァッッッン!!!!』 「霊術式滅ノ型ぁ『珠羅閃光斬』っん!!!」 智明の覚悟を受け取り必殺の一撃を 繰り出し、打ち放つ!!!! 「バッ!!?!このオれサマが砕ける!?! ひぃっっ!?!蒸発するぅぅっっ!?!」 別の場所から様子を覗いていた『亮』と 『護』は自分達の予定とズレが生じて いた事に呆気に取られながらも、水の一部を 浄化され気化させられてしまう前に強制回収し どうにか『スキル』の記憶を留まらせる.... 「あの子は誘導役だったのに....。 予想外ではあったけど...変わりはないよね?」 「倒される事を想定していたから...。 僕は此処で見ていたのさ? 後は『真希也』くんに任せよう亮? だってさぁ〜....彼のスキルは結局-誰よりも 信頼出来るシネ?」 自分が演出するシナリオの一つでしかない っと言い切る護はトーストを口に加えながら 今度は自分が手を付ける番だと、直(じか)に... この地、全体を覆(おお)う程のスキルによる 変革を行う、それはーーー 「...あき....ともあ....智明!!!...。」 「...うっさぃ...気付いとるわ.... とっくの...とうに...。」 「くっ...目を醒まして貰ったところ悪いん だけど....私達...どうやらはめられた みたいよ...?」 スキルにより彼らの戦力を完全に 分断させる事にあった!! 「『踏み込めぬ緑』これぞ、まさに 結界だよね〜...ふふっ、どうすんのかなぁ? 彼らは....?...くすすっ。」 護の“力”を垣間見て呟く亮は意地の悪そうな 笑みを浮かべ、飲物を手にする....。 『11月11日(土)』 第四七六話 『Day by road〜Take care easy〜』(11.11.土) 「あ-っと…簡単デスよ?…。」 不意に交戦中、窓際から姿を現す縁無し眼鏡の青年 「...君、何者?...。」 彼は『京香』の言葉に微笑むと同時に 自分へと向かい容赦なく襲いかかる『ムスビ』へ 「ダれでも良ィシネっっっ!!!」 「僕のもっとうは清く美しくデス...。 貴方にターコイズの輝きを...。」 両手をかざし受け入れんとする...すると、 「ぎっ---ーー!?!」 「ムスビ...くん?」 その場に大人しく居直り彼の指示に従い 動き始める!! 「どう言う事?ミスター?」 「ははっ、照れますね、お初にお目に掛かります。 僕はこの地帯の支配者から遣わされた 青銅使い『八景 真希也』 【はっけい まきや】と申します、以後宜しく。」 更に真希也は自ら支配者の遣いだ!っと喋ると 呆気に取られている『光恵』達を余所に ムスビを連れて窓から外へと飛び降りてしまった... 「なっ...なんなんでちか!?! ムスビくんを直してくれた良い方なんじゃ ないんでちか!?!」 慌て蓋めく『ドメィン』だが、既にキョウは 窓枠に手を掛けーーー 「…さっさと、眼鏡にィさんを追うよ…!!!」 彼に次いでその場から飛び降りた!!! 「ドメィン...ワタシの背中に....。 彼を取り返したいのでしょう?」 ミッツィーの言葉に涙を拭い頷いたドメィンは 彼女の背にしがみき、共に彼を追う... 『ばきゃばきゃきゃきゃっっ!!!』 「...眼鏡兄さん...動きは封じたよ?」 林に『スキル』を発動し、解放された“力”で 先を走る真希也の足を封じたキョウは、 ゆっくりと、だが冷静に彼に詰めよる.... 「あっはははっ、まいったなぁ....。 あの、そうそうお名前は?」 真希也は足に絡まった根っ子をムスビに 取らせながら頭を軽くかくと、彼女へ声を掛ける 「...そんな事を聞いてどうするの?...。 まぁ、いい...あたしは雹ノ 京香...。 でも、これからなんていらない...今回 だけ、宜しくね?....“能力者”さん...。」 「あははっ、きついなぁ〜...ん? 能力者って言うんデスかぁ? 僕達は...コレを使える方々をスキルと 総称してますがね...あははっ、それで... 後悔しないで下さいね?死んでも。」 「...それはこっちの台詞でしょ?」 そして、言葉の交わし合いが少し行われた後... 唐突に闘いは始まる!!! 「....くっ!?!レイピア???」 『ガキャッッン!!!』 「あははっ、やりますねー!! 僕のコレはレイピアではないんデスよ...。 牛の角をイメージして創り出されたモノ らしいのですが....。 (そろそろ少年に『無明の蒼』 【ブルー・コーティング】も感染したデスね...。)」 ムスビへと目を向けた真希也は、何故か 本気で彼女と闘う装いを見せずーーー 「あっ!見えたでち!!!」 用意周到にある人物の到来を待つ...。 『11月12日(日)』 第四七七話 『Day by road〜Just do it!!〜』(11.12.日) 「...取り敢えず『真希也』君...キミのが 分が悪いだろ?...。 (何か...こいつ...狙っている...のか?)」 何故か『ドメィン』達の姿を見てニヤリと 頬を釣り上げた彼に警戒しながら叫ぶ『京香』 「そうデスね...、あっははは....。 事が旨く進むとは考えないで欲しいデスけどね?」 すると、真希也は不敵に言葉を放ち 再び彼女へと攻撃の刃を向けると、共に 「させるかっ!!!」 『バキャキャッッ!!!』 「マギョッッ!!?」 『ムスビ』を彼らに差し向けんとする...が、 …その瞬間!!!… 「京香さん...でしたか...これはやっかいだ ...ふふっ、少し本気でお相手しましょう!!」 既にその行動を見越していたキョウは 『スキル』を使い土の解放を来(きた)し、 少年の足を地盤に捕らえる!!! 『ヴぁきゃっっっん!!!!』 「しまった!?!『振動』を!!」 だが、直ぐに彼女の捕縛を逃れたムスビは それが及ばない木々を伝い、向かい来る 『光恵』達へと襲い掛かる!! 「ふっ、何の為にワタシがいるのだ?」 『らりぃ〜〜〜〜ん!!!!』 …しかし、次の瞬間!!… 彼の攻撃は空中で静止し、薔薇の花ビラに 徐々に身体が包み込まれて行く 「...ミッツィー、ふっ...なら、あたしも 全開で勤めよう...『風の核色』!!!」 更に横目でそれを見届けたキョウは安堵の 息を吐くと、同時に核の“力”を発動し 超加速斬撃を少なからず動揺した真希也へと 打ち放ち決着を一気に決めようとする...が、 「ふっ、所詮付け焼き刃の剣術....。 この僕には通用しませんよ? 今までがどうであれーーー 元・活芯流の武芸者には...ねぇっっ!!!」 今までの敵とはひと味違い、軽く斬撃を 跳ね退けた彼は、手にした見慣れぬ武器で キョウが手にしていた剣を弾き、上空へと 舞い上げてしまう...。 「ムスビくん...。」 ミッツィーの背から降り立った ドメィンは呻き声を上げながら薔薇の 花ビラに囲まれもがく彼を思い、呟くと 静かに側に寄る...だが、 「...おかしい...あの“能力”なら ワタシのアレらを弾くとて...ーーー まさか!?!ドメィン近付くな!!!」 「えっ?」 彼女が叫んだ時には既に遅く、ムスビは まとわり付いていた花ビラをスキルにより 排除すると同時にドメィンの背後に回り 人質として身柄を拘束する!!! まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |