『12月9日(土)』 第五〇四話 『導く先に光在れ〜反撃〜』(12.9.土) 『京香』の強い意志が自らの窮地を その手にした刃で切り開いた!! 『智明』に再び受け渡されていた 『土の核色』の効力には、水系統の 物質を吸収する“力”が備わっていたのだ... 彼女は『春化』と彼から濁った水を 抜き取り昇華(しょうか)させる、そして敵へと 回った『光恵』らと再度、対時する!!! {...僕らの計画がぁっっ!!!! 3人共ぉおおお!!!! 必ずそいつらを始末しろぉおおお!!!!} [...くっ...マカセタぞ...。] “永劫の水”は場からこれ以上の負荷を 避ける為に退避し、後を3人に任せる... 「ダテや酔狂で吠えたワケじゃない... って事デスか...面白い...。」 青い階段で手招きをする青年『真希也』は 呟くと上へと足を進める...同じように ミッツィーと細身の少年らも各々が守護する 階段を登り、一行を待ち受けんとする....が、 「...また逃げるのか?...。」 キョウが言い放った言葉に光恵が反応し 飛んだと同時に彼女へ拳を向け殴り掛かる!! 『ガッッッスッッ!!!』 「何が解る?!!....おまぇにぃいい ワタシの何がぁっっ!!!!」 しかし、拳はキョウを捕らえる事は出来ず 「お前に何があったか?なぁ〜んて、 俺様、まったく興味ないんやけどな...。 こ-ぃう、悲観的な奴ぁっっ〜〜〜ーーーー 俺様ぁだぃっっ嫌いなんやぁっっっ!!!」 逆に即座に動いた智明の反撃を喰らい 頬を打ちのめされ、吹っ飛んだ!!! 「誰かしら背負ったモノなんかあるのよ? ...それを他者に見せるか、みせないか...。 ただ、それだけなの...、ミッツィー ...貴方はけして弱くない...でもね... 心まで売り払った時点で貴方は...。 全てに負けている...。」 だるぃ身体を無理ヤリ起こしたハルカは、 光恵に向かい言い放つと、更に仲間達に 「...2人共...後で必ず追うわ...。 だから此処は任せて...。」 そう言い放ち、『霊聖坤』を手にした... 「...俺様はあのデブがきの事があるんや...。 黄色い階段を行き奴を追う...。」 「...あたしは真希也に用があるのさ...?」 キョウは青い階段を駆け上がり智明は、 黄色い階段を登る...各々倒すべき敵と対時する為に!! 「くっ...あははははははっっ!!!! ....どうしようも出来ない事を変える!だとぉ? 嘗めるな...ガキ共が...!!!! 強者が生きて弱者が殺される...。 此処は何も変わらないんだよぉ!!! 現世とこの世界の定義はーーー」 「御託は十分よ?ミッツィー...。 貴方の邪悪を浄化してみせる...。 私、『P×H』の名に懸けて!!」 光恵の言葉を遮り叫ぶハルカはかつてない 怒りと憤りを感じていた...。 「『スキル』【特殊能力】の吸収が もし失敗しても...まだまだあるんだ!!! 大丈夫...僕がいるから...心配ないよ 『亮』...あとは時間が...。」 [...整っタ...。] 「...『護』???」 「そうか...なら、融合を開始しろ!!!」 護は亮を抱き支えながら汚水へと命じる... 後は、時間稼ぎが必要なだけだ...っと 笑みをこぼしながら...。 『12月10日(日)』 第五〇五話 『導く先に光在れ〜裏/表〜』(12.10.日) 「...あんたぁ...確か...。 片割れを失った奴だよな?」 黄色い階段を登った先、銀色のタイルが 敷き詰められた部屋で『智明』を待ち受ける 細身の少年は、息を切らせて駆けて来た 彼を前にして呟いた 「はふぅ-...ガキィ...貴様ごときにんなもん ぜヒィ...話す必要ないわぃ....。 誰に吹き込まれたんか知らへんけど...。 ぶっ殺したる...覚悟するんやな?」 既に背面を湿らせている智明はムカッと きながらも呼吸を整え武器を手に構える... 「ふっ...まぁいいさ?...。 オレはあんらがど-だとか関係ないんだよ。 ただ...あんたもソレを背負っているのに...。 あっち側にツけば良いだけなのに、なんで そんな無理するのかなぁ?ってさ、思っただけ。」 「けっ、せやからガキや、言ぅ-んや。」 少年の言葉にヤレヤレっと言った格好をする 智明は続けて 「俺様は奴を信じとるんや...無理とか何とか 俺様がするタイプやと思うんかぁ? けけっ、ば〜か、欲しいモンってのわぁっっ 遠くにあるからこそ、愉しいんやなぃかっ!!」 そう言い放つと、同時に攻撃を仕掛ける!! 「くくっ...『京香』...約束通り..いや、 僕らは引き合ったでしょ?」 青い階段を駆け上がったキョウの前には 青銅によって塗り固められた人間達が並び、 それらが飾られた部屋の中心部に縁無し眼鏡の 青年がたたずんでいた... 「...つまらない会話は結構だよ...。 あたしはお前を...『ドメィン』と 『ムスビ』の仇を討ちに来たのだから...。」 彼の言葉が感に障りそれ以上に存在自体が 許せないキョウは、剣を手に構える...すると、 「ほぉ...僕は復讐につき合う覚えも ないが...これもサダメなんデスかね? ...先に貴方が吠えていた言葉...僕は 否定しますよ?やはり世の理はあるのデスよぉ!!」 『ガキャァァッッッッッン!!!』 それに併せる様に真希也も手にした青銅の 剣から先に斬撃を繰り出し、彼女を迎え打つ!! 「『高志』を....取り戻す為...。 ワタシの邪魔をするのなら...死ねっっ!!!」 『バギャッッッッン!!』 『光恵』は自身が持つ『スキル』の真価を まだ、一行に見せていなかった....その為、 「ーーーーっ薔薇に腕が包まれている?!」 『春化』はまだ見ぬ彼女の“力”を警戒しつつ 攻撃の隙を伺う、も... 「ぅふふっ....ワタシを止める事は 出来ない...ハルカ...たとえ貴方でもねぇ!!」 『ドギャッ!!』 「ぐゎっはっ!?!(尋常じゃない...この力。)」 逆に異常なまでの迫力で迫る光恵に 押され、一瞬の油断を狙われ弾き飛ばされてしまう!! 『12月11日(月)』 第五〇六話 『導く先に光在れ〜諦めた結果〜』(12.11.月) 何かしら誰もが背負ったモノがある... 『光恵』らは、相手に屈し、 “永劫の水”による計画、『護』と『亮』に 従い、属す事を選んだ...しかし、彼らは違う 結果がどぉであれ途中で諦めてしまう様な事は けして無い、何故なら 自分が納得するまで現実と向かい合った末に 答えを出して、此処まで来たのだから!! 「『キョウ』貴方の腕と僕の差は既に 存じているハズデスがねぇ-? それでも向かって来るとは...ほとほと呆れる。」 『パヒュアッッッッッ!!!』 「...呆れるのはこっちだよ...『真希也』...。 結局逃げた先なんかに何もないのに...。 もう、決着をつけよう!!!」 元々の武芸者、真希也との差を縮めているものが 確実に、そこにはあった...それは 「....っっちぃ!!?! (馬鹿な...僕と出会ってから日も浅いのに!?!)」 「...『ドメィン』が残してくれたモノ...。 お前はこれで、消え去れ...泡の様に!!!!」 諦めない!!っと言う想いの強さや 背負ったモノの重さの違い...そして、今 それらが放たれんとする!!! 「何処にいても...君が待っている事を ...私は知っているから...!!!」 不意に私の頭の中は『幹』の事で 溢れていた...ミッツィーが敵に寝返り...いや、 本来、キョウが気付いていた事だった...でも、 私は彼女が悪とも思えない....確かに 何かに属してしまえば、身を委(ゆだ)ねてしまえば どんなに楽に...心が軽くなるだろぉ...っと 思う時もあるわ...でもね、きっとそぉして しまったら二度と彼女に会えそうにないし... 私が私で居られなくなってしまうから... 押し付けでも良い、彼女にとって私にとって お互いが必要なんだと想う...いいえ、感じる... 「どうした?...『春化』...貴方の攻撃じゃ 一生掛かってもワタシは倒せないわぁ!!! ...これが想いの差なんだっっっっぁ!!!」 『パキュィッッッン!!!!』 「...霊術式壱ノ型『滅閃』!!!」 「なっ...ローゼス・アームが---ーーーッ!?!」 「“想い”なら...私のが強いわよッ!!!」 だから、こんな所で燻(くすぶ)っているワケにはいかない!! 「無駄だよ、あいつの仇討ちって事? デブはでぶを大事にするって本当ぅなんだな。」 『パキュアッッッッン!!』 細身の少年が指さした『智明』の身体箇所が 貫かれ、激痛と共に鮮血が彼を襲う!! 「ぅぎぃっ!!?...けっはは....良い趣味 してんじゃねぇかぁ...あのガキん時は 喉元一撃やったのになぁ...!!!」 右肩を貫かれて苦痛に悶える智明が減らず口を 叩き、少年を睨み付ける...すると 「あんた、あいつよりデブだからな...。 喉元じゃ死にそうにない、っと踏んだだけさ?」 同じように彼も言い放ち、再び指先を智明に向けた!! 『12月12日(火)』 第五〇七話 『導く先に光在れ〜清流〜』(12.12.火) 『光恵』の“力”が真価は、今まで 薔薇の花ビラで吸収したエナジィーを自らに 供給し纏、自身を強化する事にあった 「ぐふぁっ!?!....なっ...ワタシの 想いがこんな子にィ負けると...----ーーーー」 「貴方の闇は砕いた...これからなんて、 ミッツィー...貴方次第で変えられるのよ?」 『パキャァッッッッッン!!!』 彼女が纏った薔薇の花は『春化』が打ち放った 霊術式により砕かれ、舞い散るように消えた... 「...もう...それでも時は戻せない...。」 少女は光恵に止めをささずに道を与え 真紅の階段を静かに上がって行く...。 「俺様ぉ....あんなでぶガキと一緒にすなぁっ!!」 『パシュァッッッ!!!』 手の甲から流れる鮮血の飛沫(しぶき)を 細身の少年に向かい浴びせ掛け攻撃を仕掛ける 『智明』だった....が、 『じゅぱぁぁっっっん!!』 「...オレ、あんたの“能力”見切ってる からーーーー無駄だぜぇ?」 少年は既に智明の考えを読み、先に行動を 起こしそれを避け迎撃する!! 「ぐはっ!?!!(何やこの武器はっ!?!)」 「...ふっ...ダーツの矢の様な飛び道具さ? あんたはさながら脂肪の的って奴だ。」 そして、矢を数箇所に受けた彼は防御で手一杯と なってしまい、只の的として少年に弄ばれる...。 「...ほぉ、じゃあ僕も本気を出すよ? ....“ホーン・ブレット”...。 古代の闘具って奴デスよ...くくっ...。」 『京香』から放たれる無言の圧力に畏怖する 彼は手にした刃を捨て、本来の武器“角”を 手にし、彼女が動くその前を狙い襲いかかる!!! まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |