『1月3日(水)』 第五二九話 『現世“魔”の脈動-罪と罰と、それを裁く断罪と-』(1.3.水) 「...世界地図にそって異世界に分布していた ままに奴らは現れている...。」 地帯の解放と同じくその地の支配者を 潰せば各所は元へと戻って行くようだが... 世界の全てが諦めずに闘い続ける意識を 持っているワケではない... 「ふっ...異世界で、いたしかたなかった っとは言ぇ...罪を犯していんデスよね...。 その業を断ち切れるのなら... アレを知っている僕らが立ち向かう...!!」 しかし、別個の地帯に異世界から死と言う 定義を迎え移行された者達は あの世界での経験を生かし、道を間違えぬ 為に自らの闘いを開始する!! 「...出来るわよ...ワタシ達は彼らの 意志を間近で見ていた...。 ...けして諦めない、大事な何かを...。」 『光恵』達は自らの運命を支配 していた呪縛を今度は彼らの“力”を 得ずに解き放つ事を誓うと、前へと足を 踏み出す...そこには迷いは無く 只、彼女らを受け入れる様に一陣の風が 吹き荒れ進むべく道を押し開く 「目...醒めた???」 自分の置かれた状況か解らずに 困惑するぽっちゃりと太った少年は、 辺りを慌てて見回し目の前の眼鏡を掛けて 太った少年に返事を返す... 「えっ!?あの...ぼく...僕様は ...記憶が...アレ...確か始末されて...。」 突如フラッシュバックする記憶の渦に 頭を抱えつつ自らが一度死んだ事を思い出す 「そう...ボクがもっと早く行けて いれば...キミが傷つく事も...。 戦う事も無かったんだ...御免...。」 一気に記憶を抱えた為に吹き出した汗を 少年は優しくポケットから取り出した ハンカチで拭い去ると同時に飲物を差し出す 「...あっ、有り難う...。」 『ぱしゅっっっ!!!』 礼をするとむしょうに喉が渇いていた 少年はソレを即座に飲み干し、一息ついた 「...さてと...これから、キミに 選択をしてもらなければならないんだ...。」 「?....え”?...選択って...???」 完全に自分を取り戻した少年に『真』は 不意にそう言うとその場から立ち上がる 「...キミは今、全てを理解したよね? ...だからボクはあえて聞くんだ...。 ボクと共に足掻く...か、もしくは これ以上の闘いを避けて現世に戻るか...。」 突然の選択肢に動揺を隠せずいる 少年だった...が、 「...さっきから...の声で僕さ...僕は 兄ちゃん...真兄ちゃんだって解ったよ...。 近所からいきなりいなくなって...それで 僕は...裏切られたって思って...でも、 この世界で僕を探していてくれたんだね...。」 「『友幸』【ともさき】...あの時、 ボクもいきなりだったんだ...。 でも、もう一度会えたんだ...さぁ、選んで!!」 彼は真の封じていた記憶を取り戻し 『水辺地帯』にて再び出会えた事に 感謝すると共に頷(うなず)き、道を定めた 「僕は...僕様は...真兄...真兄と 一緒にもう一度...生きていた、だから!!」 友幸の声に併せて右手を差し伸べる真... 『ぱしぃぉっっ!!!』 「行こう...でも、これから大変かも 知れない...本当に良いんだよね...。」 差し伸べられた手を掴み立ち上がる 少年は笑みをこぼしながら彼に答える 「側に真兄が居てくれるなら...。 僕様は絶対に、どんな事があっても 負けない!...守っても貰えるから...。」 2人は今、運命を穿つ為に道を歩き始めた...。 青年は水槽の様な円筒の中で浮き沈みを 繰り返しながら見果てぬ夢を見続ける... 「...Make World, 彼の御心のまま...。」 少女は壁に持たれ掛かりながら呟き、 中心部に風穴がぽっかりと口を開けた サーベルを手に笑みをこぼす... 「『スキル』【特殊能力】を補う 宝剣...か、この前...試しでは 使用していなかったな...。」 黒ずくめの人物は不意に少女に声を掛け 裸の青年を見つめる... 「TAKE CARE〜,シークレット...。 ふふっ...全てが叶うのは...少し先ですもの。」 彼女は横目で人物を覗きながら 返事を返し、その場を立ち去った...。 『1月4日(木)』 第五三〇話 『現世“魔”の脈動-終わりの始まり-』(1.4.木) 各々が別個にその想いのままに生き抜いた 地帯の先に待つモノが何かすら解らぬ ままだが、彼ら彼女達は必死に闘い、立ち向かい 同じ道を目指す者として一緒に至難を極める 道を歩んでいた...しかし、幾つかの 数奇な別れや死別があった、それは 所謂、普通の青春を過ごしていた全員には あまりに刺激の強すぎる体験...いや、青春を 謳歌(おうか)している人間達だけでなく 移行された様々な者がソレを体感して... 尚、殆どの人間達が挫折し、配下となるか 融合するか、もしくは死を迎える... そんな中で諦める事無く、けして後ろを 振り返らずに前に進んだ彼らはもう少しで 一同に会(か)いそうとしている、一つの灯し火は 集束し、大きな希望を照らし出す明かりと 成らんとしているのだ...だが、それと 同時に動き始める対をなす存在達、彼らは まだ知らない...自分達とそれに仇なす者として 定められた運命、それ自体が誤っている事に ...そう遠くない近い未来に全ては判明する もしかしたら『選ばれし者』と呼ばれる 彼女達でさえ...いや、それは先のお話し...。 『上原 勇二』は現世にて記憶を 取り戻した『ハウリング』こと、 『安大 光助』と共に再び異世界に 自らの意志で移行、後にその場 『雪原地帯』にて『三浦 洋子』と 出会い、更には一人その地へと足を 踏み入れ、何かを会得していた 『井原 知也』とも合流を果たし 地帯を解放すると同時に次の『高原地帯』へと 向けて4人で突き進む...丁度、同時間軸ーーー 『水辺地帯』の支配者の目論見により 分断されてしまった一行『雹ノ 京香』 『海驢 智明』『雪ノ城 春化』らは 色々な困難に会いつつも、諦めずに 意志を貫きこの下らない支配者達のゲームに 終幕を降ろす、しかし...『異界の闇覇者』と 呼ばれる対を成す存在を超える者と 自負する青年との死闘の結果...3人は 驚愕の真実を突き付けられてしまう... 当初“『幻魔』達はこの世界で倒された時、 歪みに沈み、それは死ではなく 現世への移行だ”っと言われただけで 絶望にきしていた、だが今回はそれを 助長するように... “その幻魔達こそは現世の人間達の悪意... つまり負の感情そのもの”だと告白されてしまう... 闇に包まれていた幻魔の謎が少しづつ これでまた引き剥され、その毎に 襲い掛かる重い現実...しかし、それでも 3人は怯まず立ち向かい彼を撃退、先へと 続く道を自らの強さで創り上げて行く!!! 「...最後の“能力者”も術中に落ちた...。 もうこの地帯はおしまいだよ...でも...。」 うなだれる犬獣の少年... 「...また、来るよ...奴らが...くそっ!! ...生き残っても意味ないよ!!」 『ぱぁっっっん!!!』 「馬鹿!!!そんな...そんな事言うなよ!!! 最後まで諦めないでいようよ!!!」 ふさぎ込み小屋で脅える友達を叱咤する 彼は既に死を覚悟していた... 真っ白い煙幕の様なモノが振り撒かれ 今宵も闇夜が訪れる...そして、この街に 残った最後の住民である2人に何者かが 遂にその歯牙を剥く!!! んでもってぇっ!!!次回から!!!! 遂に新展開、高原地帯編STARTだってばよ!! まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |