『9月13日(月)』 第五十三話 『海驢 VS 海驢』(9.13.月) 僕は、『海驢 貴弘』【あしか たかひろ】… 目が覚めたら、いつもとは 違った世界で...怪物は、出るわ ナニわで...頭は、もぉ大パニック! ...しかも、怪物に襲われた所を 誰かに助けて貰ったは、イイけど.... 良く見たら....自分だしぃ?! 片手に真っ赤な斬首刀をだるそうに 持つ...その僕にそっくりな奴は、 僕を上から下にたしなめる様に 見ると、いきなり 「へーッ...俺様に向かって... お前ごときが、「君」...ねぇ?...すっごく 偉そうやね?(怒)」 そう言って僕の前に岩から 降り立ち、一歩一歩詰めよって来た... なんなんだぁーっさっきの怪物より よっぽど立ち悪ぃ!! 「え...だってその...だって...。」 「だってもクソもないの、だいたい 少なくてもお前は、俺様なんだから もっとしっかりしろよ、なぁ?」 『ガスッ!!』 「うぁ!!...痛ッ!!」 困り果てる僕に向かって、いきなり 蹴りを放ったそいつは、痛がる 僕を見て笑っている...なに? なにを言っているんだよぉ! ....もしかして...僕の姿を真似た怪物 なのか!?...じゃ手にしてる奴で これから僕の首を!!???!! 「ぅあああっっ...殺されてたまるかぁ!!」 僕は、まだ同じ自分に ぴっちぴちの20歳で 殺されてたまるかぁ!!そう心で 叫び!下に落ちていた、そこそこ太く 長い木の棒を拾い上げると、僕を 睨みつける、もう一人の僕に向かい 必死にその棒を振り回して攻撃した!! 『ビュンッ!!!』 「ぉ?殺るのか?...って、ボケ! お前勘違いをーー!!」 問答無用と言うより俺様の冗談半分の イジメで遂に暴走までに陥ってしまった らしく、ヒロの野郎... 「死ね死ねッッッ!!!」 『ビュンッッビュンっっ!!』 俺様を本気で殺しにかかってるね ありゃ...まったく...困った奴だ... そんな奴には、軽いお仕置きが 必要やね...って事で、俺様は 暴走するヒロの棒による攻撃を木木の合間を 潜り旨くかわし、懐に忍び込むと 「少し、頭を冷やせやっ!!」 『ガコッ!!』 「ぅあっふっ!?」 俺様は、手にした斬首刀の柄の部分を 軽く鳩尾に当て、その場に うつぶせに押し倒した。 「あっはははっ!!俺様に牙を向けようなど ヒロの分際でーっ千年早いわ!!」 ってこれって...自分に攻撃 したのと一緒だし...何か、複雑(笑) そう言えば、俺様って名前.... まぁ、細かい事はどーでもイイや 俺様は、岩場に腰を掛けるとヒロが 目を覚ますのを待つことにしてやった。 …2人の争いを後目に夕日が沈み 月が現れ夜が更けて行く中で さっき貴弘に襲い掛かって来た『幻魔』 『魔木』【トレント】の仲間達が活発に 行動を開始しだし、食料を求め 2人のいる場所にも、その手を忍ばせようと... 近くまで、迫まって来ていた…!! 『9月14日(火)』 第五十四話 『Gの実力』(9.14.火) 「ぅ...うん?」 「よぉ〜?目ぇ覚めたんか?」 「うっ...ぅあ!!殺さないでっっ!!」 「...はぁ...気ぃ悪いわッ!!」 『ガスっ!!』 「ーーっ痛!!」 俺様は、『ヒロ』が目を覚まして 起き上がったので、親切に 様子を見に行ったら、俺様を見るなり そう言って、命乞いをしているので 無性に腹が立ち、1回どつくと 「さっきも言ったやろ?俺様は、 お前なの、解る?」 そう教えるが... 「...いや、全然(笑)」 「…。」 こいつ、ダメやわ...トロすぎる 「まっ...まぁ、君...いやその... なんて呼べば良いのかなぁ?」 んっ!?名前...考えてへんかった... ...智性的でそれでいて明るい... んっよっしゃ、これでいこ 「俺様は、『海驢 智明』【あしか ともあき】 まぁ、いつもの通称どーりGで...。」 はっ...こいつ...気付いてなさそうだから まぁ、教えんで、そのままにしとこ(意地悪) 「???」 「智明でエぇわ。」 「んっ解ったじゃ、智明...取り合えず 怪物の仲間じゃないんだよね?」 「あったり前やろがッ!!」 俺様は、取り合えず今はヒロの味方 と言う立場に立つ事にした...。 俺様達は、ヒロの持っていたジッポで火を 起こし、焚火を囲って夜を過ごすして いた...初めてだぜ...自分の意志で 自分の好き様に寝るなんて... 俺様は、眠りに就こうと寝転ぶ...。 ...それにしても、さっきから周りが ガサガサ音がして五月蝿いなぁ?... んっ...この気配は!! 「おぃ!!起きろヒロ!!」 「な...っなに!!」 どうやら、寝付いていなくて助かったぜ 「さっきの化け物共がいる...しかも 俺様達を囲んでいやがるぜ!!」 慌てて飛び起き、棒を手にして 辺りをキョロキョロと見回すと 「なんにも居ないよぉ?」 そんな寝ぼけた事を抜かすので どついたろか!?と思った、その瞬間 『ヴゥン!!』 「ぅあっぁ!?」 暗闇の中からさっきみたいな木の 化け物の触手がヒロを襲っていた!! 『魔木』【トレント】の触手に もの凄い力で首を一気に 捕まえられ締められた貴弘は 必死にもがく...が、それも徒労に 終わり次第に抵抗する力も 無くしカラダを痙攣させ始めていた! 「...なんか知らんけど...めっちゃ 腹立つ...さっきと、同じ... 俺様意外の奴にヒロが手ぇ出されると 何でかムッカツ!!!お前ら全匹... セン滅や!!!(激怒)」 『ザギャンッッ!!』 [にゅおぁぁあッッ!!!] それを見た智明は、激昂し 下に置いておいた斬首刀を構え 一気に走り詰め寄りトレントの触手を 高速でブッた斬ると、同時に 闇に紛れた本体も斬り裂き 歪みに消失させた!! 「さぁっってと...次は、どいつや?」 そして、そう呟くと更に闇に 潜むトレントに向かって行った!! 『9月15日(水)』 第五十五話 『さ迷える亡霊』(9.15.水) 「おらぁッ!!!」 『バシュッ!!バシュッ!!』 次々と『魔木』【トレント】を撃退し 歪みの中に沈めてゆく『智明』だったが 敵の数の多さに次第に倒すのも飽きが 回って来ていた 「ぁ〜あ、だるぅ....こうなったら 一気に決めるのが手やな...(ニヤリ)」 まだ、地面に『貴弘』が倒れていることを 横目でしっかりと確認すると 左手で持っていた斬首刀で勢い良く 『ザグンッ!!』 「ぐっ!!...。」 自分の右手の甲を斬り裂いた!! 『ぷっしゅしゅっっぅ!!』 そして、溢れ出て下に滴り落ちる 血を見て笑いながら、その右手を トレント達に向け、その場で素早く カラダを廻し、弧を描く…すると 「死ね...『血化陣』ッッ!!」 『ずぱぱぱぱぱぱっっっっんん』 智明の右腕から吹き出る鮮血が 波状の刃となりトレント達を一瞬で 一掃してしまった!! 「ちっ...調子にノリすぎた... 血がとまらへん...。」 心臓よりも上に自ら傷つけた右手を 上げて最小限に被害を治めた俺様は、 さっき、自分が言ったヒロがど〜だら こ〜だらの事を思い出し、更に 気分が悪くなり、こいつの側にいると 俺様自身が、オカシクなるような気がしたので 化け物のいなくなった事だし.... 「...あばよ...。」 そう言って俺様は、一応無防備では まずいのでヒロ用の武器を 溢れ出た血を使い創り出したのち その場から、いや ...ヒロから離れる事にした....。 …焚火の炎が闇の中で一点の光を 刺す中で、智明とトレント達との闘いを こっそりと覗いていた謎の人物がいた…。 『9月16日(木)』 第五十六話『智明、パニック!!』(9.16.木) 「ん...僕は...あれ?もう朝???」 僕が眠りから覚めて、起き上がった 頃には、もうこの世界の太陽(?)らしき モノが昇り、木木の間から 目映いばかりの光が差し込んでいた... 「...そうだ!!確か昨日...。」 僕は、首筋に手を当てながら昨日の 事を思い出すとふと、辺りを見回した。 「...いない...。」 僕は、既に消えている焚火の後を見てから もう1人の僕だと言う 『智明』がいない事に気付くと 同時に足元に真っ赤な...これは 槍!?...とにかくそれを 拾い上げ、構えてみる 「わぁ〜...やっぱり槍だ!!」 そして、それを使い冗談半分で 側にあった大樹に向かって 試し斬りをしてみた! …すると… 『ズッゴォォーーンッッ!!』 「うあぁ?!うっ...嘘でしょ!?」 その大樹は、たった一回...それも 軽く斬り付けただけで、後ろの方向へ物凄い 物音を立てながら倒れて行った... それを見て僕は、興奮しながら 「なっ...恐!?...すっ凄い切れ味... でも、これならひょっとして あの怪物達とも闘えるかも!!」 そう叫んだ!! 取り合えず突然いなくなって しまった智明の事は、置いておいて まずはこの山道を 早ところ抜け出し、誰でも良いから 人間の住む街を目指して その場からまた先に進み始めた...。 その頃、まだ月明かりが 夜を照らし出していた その時、智明は1人『貴弘』よりも 山道を先に進み、道先にあった 不気味な十字型の彫刻が立ち並ぶ 石畳の階段に腰を下ろし、一休みしていた... 「ちぃ...くしょぉっ... 寝ないで歩いたのと、さっきの 殺し合いで...体力を消費して... ...疲れた...休も...。」 智明は、その場に寝転んで休憩し 疲れを癒そうとする...だが その瞬間 不意に今までに感じた事の ない異様な気配を感じると 「...って...休ませてもくれへん ようやな...隠れてないで出て 来いやッッ!!!」 突然、そう叫び斬首刀を構えて素早く 起き上がり、何も無い空間に 一閃を放った!!! まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |