『3月5日(月)』 第五九〇話 『痛みの重さpenta〓火山洞穴〓』(3.5.月) 『春化』『光助』『知也』らは 『獄赤の噴液』【クレバート】の浸食 によって先への道を閉ざされマグマを存在させ 続けている敵の本体を叩くべく根城と化 した火山洞穴に只1人生き残った神子の衣装を 纏う女性に連れられ向かう...その頃、 『勇二』『智明』の2人は 移動をせずに留まり『グラィヴ』の町の様子を 伺い同時に分断された『京香』『洋子』が 訪れるのをひたすら待ち続けていた...そして、 『火山地帯』最初に訪問する筈で あった街『紅』へと辿り着いた 彼女達は、そこで『異界の闇覇者』『ルクレツァ』が 残した爪痕から“核色”シリーズ 『火の核色』を奪われた統治者 『シュバィツア』を闇の呪縛から解き放ち この地の地図を手にする!! 「妾達は最初から『スキル』【特殊能力】と 呼んでいた...それを簡易化したのが“能力”... しかしそれでは何も芸がないわ...。 そして全てがスキルと呼べる程、使えるワケでも ないもの...ふふっ、でも...おたくらは使える...。 存分に働くと良い...痛覚を失くしてね...。」 『クリストファー』『クレヴァート』 『ロヴァーツ』の3人シュバイツア直属の 神栄騎士と名乗る彼らは今、占い師の様な 格好をした人物によって何かを封じられ 林道を抜けた先へ足を進めた...。 『どぎゅおぉぉぉおぉおおおっっ!!!』 火山洞穴近場ともなると流石に噴火口に 接近している為か先よりもより体感気温が 上昇し危険度も増している... 「...。(っちぃ〜やっぱ勇二は連れてこなくて 正解だったな...。)」 不意に上を見上げた光助は既に『獣化』し 少しでも温度を感じない様に対処するが、 流石に体力を著しく奪われてゆく感じが いなめず悪戦苦闘を強いられていた... 「洋子の“力”だったら楽だったかもな?」 トモは徐に呟くと額の汗を拭う 「そ-言えば彼女のスキルって〜...。 まっ良いや、詮索してもしょ-がないし〜 っとんで?まだかしら〜っ?!?」 少々苛々がハルカに募って来た、丁度その時 「見えました!!あそこです!!!」 先頭を行く女性から声が上がり、場所を指差された 「ふぅ〜ん、何か硫黄の匂いだらけ〜。」 卵の腐った様な香りとボコボコと吹き上がる 溶岩を周囲に散りばめ、その中心部に ソレは岩戸の様に存在した... 「んじゃ、いっちょ〜オレらだけで 行ってくっか?」 女性を場に待たせ3人で先へ進もうとすると 「いぇ、わたくしも行きますわ...。」 「そうかも?此処で敵でも出たら もぉやばいしね?」 彼女は自らも洞穴に踏み込むと意志を表示し 場に待たせておくより安全!っと踏んだ ハルカらはそれを容認した...。 ムセ返るような硫黄臭が火山洞穴内部では 下に降りて行くにつれて薄くなり、あれだけ 暑かった気温も徐々に低くなって行くのが 彼らの肌で感じられた... 「墓場...みたぃなふぃんき...(汗)」 不意に光助が目の前に広がった風景の感想を 呟く...周囲に沢山の屍が転がるソレを見て...。 『3月6日(火)』 第五九一話 『痛みの重さhexa〓灰からの復活〓』(3.6.火) 『グラィヴ』の火山洞穴を降った4人は、 遂に溶岩型『幻魔』『獄赤の噴液』 【クレバート】が潜むと思われる場所まで辿り着く... 「不気味だな...。」 しかし、その場は異様に寒く周囲を見渡せば 「ぅわっ...これは...何??? (人骨っぽぃけど...。)」 そこには無数の白骨化した死骸が転がる 異様な風景が辺りに広がっていた.... 『ボコッボココッッ!!!!』 「どうやら...あれみたいだね〜。」 …瞬間!!!… 洞穴内部に物音が響き一同が目をやった そこには溶岩が噴き溜まり内部で生物らしき 蠢(うごめ)きを見せる泉が存在した!! 「流動物ってなわけね...。 少々厄介だけど〜浄化出来ない相手じゃないわ!!」 即座に足を踏み出したのは『春化』だった 彼女は手にした『霊聖坤』に霊力を込め 一気にクレバートを撃破しようとする...が、 …その時!!!… 「おぃおぃ、そんなに簡単には終わらせないぜ?」 不意に目の前に飛び出した青年によって クレバートへの一撃を阻止されてしまう...だが、 「ふっ...新手の能力者か...。」 徐に拳を構え距離を取る『知也』を余所に ハルカは突然の登場に驚き手を止めた 坤を握り締めながら再び至近距離から 霊術式を繰り出す!! 『めきょぉゎっ!!!』 「無駄だね、俺の前では全ての攻撃は 届かない、ふふっ...。」 ハルカが苛立ちを込めて打ち出した攻撃は 青年に当たらず何故か彼を庇うように 飛び込んで来た神子姿の彼女を砕いてしまう... 「なっ!?!!何で貴方が出てくるワケ!?!」 驚愕するハルカだが答えは直ぐに出た、それはーーー 「そう言うことかよ?最初っからオレっちらを はめる為の罠ってワケだ...!!!」 『ボギュォオオオ〜〜〜ッッ!!!』 「おふこーす...ふふん、俺の特殊能力は 『灰からの復活』【マーダ・ウェイク】 ...効果は、この通りだ。」 周囲に散乱した屍共が形を得て復元され 彼を護る様に立ち塞がって行く様を見届けたから... 「ひゃ〜オレは苦手なタイプの敵かもな? 人海戦術系なんだろ?お前は...。」 『光助』の前に出現した『スキルマスター』クラスの 能力者は『紅』を襲った『南目』の様に 町を破壊する事に成功した後、反逆する者達へ 罠を仕掛けて待ち受けていたのだ...。 ー同時刻ー 「じゃあ...此処から近い町に行こう!!」 完全に元気を取り戻した『洋子』は 『シュバィツア』に手を振りながら 別れを告げ林道を『京香』と共に駆け抜けて行く... 「...奴(やっこ)さんのお出ましかな?...。」 しかし、簡単には先へと進めそうにない 彼女らの動向を探っていた忍者らしき風貌の スキルマスターが唐突に姿を現し...行く手を阻む!! 『3月7日(水)』 第五九二話 『痛みの重さhepta〓虚無の屍〓』(3.7.水) 「『灰からの復活』【マーダ・ウェイク】に よって復元されたとはいってもーーー 元々は可哀相な人間達だぜ?」 自分に攻撃が及(およ)ばぬように周囲を 取り囲ませ更に敵対する一同へと襲いかかる 亡者共に攻撃を加えようとするのを 旨くためらわす様な口ぶりを魅せる青年の策略は 所謂完璧だった....が、 『ボギュォオオオッッッン!!!』 「それがどうした?....クソ野郎!!!」 平気で屍を蹴りで薙ぎ倒して行く『知也』や 『ガスコッッゴンッッ!!!』 「私にこんなの無駄よ?....人海ってのね でも、ムクロちゃん達じゃぁ〜無理よ!!!」 坤による浄化によって消滅させてしまう『春化』 『ドコッッン!!!』 「そこら辺の岩を投げる攻撃でも倒せるし〜!!」 そして、投石による攻撃で一撃で頭部破壊を 行う『光助』らにそんな心情に訴える行動は 無意味に終わりーーー 『バギュルルルッッッ!!!!』 「彼女の背骨を砕いた時はまずぃな〜 っと思ったけど...キミの『スキル』理解して 解ったよ...これからやろ-としてた戦法もね!!」 今、少女の一閃が屍共を一気に浄化する!!! 「さぁ〜て、残るはお前だけだ...。」 不意に拳に“力”を込めるトモは足を踏み出し 「バカな!?!町人ら全て...それに それだけでは無い数の屍をこんな短時間に〜〜〜」 敵が何かを言い終える前にーーー 『ドゴスッッッ!!!』 「...弱すぎんぜ?お前....。 ーーーっ古術連武壱ノ型『滅魔』 【バースト・アライズ】ッッッ!!!!」 素手から古術武連による技を打ち出し 敵の臓器をえぐる勢いで直撃を喰らわせる!! 「あ〜らら、トモそれってば殺人じゃ〜(汗)」 「まぁ、良いじゃんトモのは正当防衛ーーー ってか....何、この感じ!?!」 トモの攻撃によってこの闘いは 終わったのだとハルカが思った …その瞬間!!… 「...そんな...直撃を受けたハズ...何故 立ち上がれる...。(全力だったのに...。)」 今まで感じた事の無い悪寒を背筋に受け 動揺しつつ目の前で確実に瀕死に近い 傷を負ったにも関わらず笑みをこぼし 立ち上がる青年の姿を目撃する...。 「くくくっ...はっはははは!!!!」 異様な寒気が3人に覆いかぶさる... 「オレっちにはアレでお終まいに....。」 光助も流石に気味が悪くなり嫌な汗を 額からこぼしながら...青年と対時する...。 『3月8日(木)』 第五九三話 『痛みの重さocta〓消え行く幻〓』(3.8.木) 『むぉおおおおっぉおぉおおぉぉぉん!!!』 浄化された筈の死霊共の呻き声と共に彼は その場から立ち上がり砕かれた肋骨をも一瞬で 復活させてしまう... 「ふふん、俺にてめぇらの攻撃なんざぁ〜 効果ねぇんだよ?...わかっか? 『灰からの復活』【マーダ・ウェイク】ぅぅう!!」 『ぼこっぼここっっ!!!』 「なっ!?!私が確実に浄化した...のに...。」 何時の間にか『春化』の技で消滅し 散乱した屍達が再び彼の呼びかけで蘇り 一同を取り囲む!! 「オレっちらの攻撃が効果無いんじゃないな〜。 あいつの“能力”がそう言う為にあるんだ...。」 『光助』は動揺する2人に言い聞かせる様に 呟くと同時に刃を手にした...。 「オレの古術連武が...通じない...。 (馬鹿な...通常の人間ならーーー)」 彼の疑問が答えに到達する、その前にーーー 「くっくく...あっははははは!!!! 普通ならアレでくたばってんのがぁ〜 落ちだよなぁ?でもよ....俺は最初っから コレだとしたらど-するよ?」 『ボキョォッッン!!!』 青年は自ら腕を岩場に当てがいヘシ折る!! 「きゃっ...なっ何ナノ?あいつ...!!?」 思わず声を漏らすハルカ、しかし …次の瞬間!!… 「お前が既に...。」 「ふふん...そこの犬野郎、ご名答ーーーッ。 俺は最初から〜自身の特殊能力によって〜 無敵の肉体を得ていたんだよぉ!!!」 『ばこっっ!!!』 もぎ取った腕を彼女に向かい投げ飛ばし 先の報復だとでも言いたげに 右肩への直撃を喰らわせる!!! 「ハルカ!?!...てめぇ....!!!」 人間とは思えない“力”でむしり取られた ハルカの右肩から鮮血が飛び散り一瞬、その 出来事に対応出来なかった『知也』だった...が、 『どがっががががっっ!!!!』 「つっ...やる..トモ...!!!」 感情を露に周囲の亡者共を蹴りによって薙ぎ倒す!!! まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |