『3月9日(金)』 第五九四話 『痛みの重さnona〓リビング・オブ・ザ・デッド〓』(3.9.金) 『春化』『光助』『知也』の 3人が『獄赤の噴液』【クレバート】を 発見し攻撃を加えようとした途端、 立ち塞がったのは同じく現世から移行された 『スキルマスター』【特殊能力者】 だった、彼は自らのスキルによって周囲に 散らばる白骨化した遺体を蘇らせ一同を 襲わせる、しかもその中には自分達をその場まで 導いてくれてた神子の衣装を纏う女性の 姿までが有った...一方その頃、 『勇二』『智明』らはマグマに より浸食された町『グラィヴ』に残り 3人の帰りを待っていたの...だが、 「Helloーっ!!!every body?」 「ゎつ!!?外人の....子...。」 「ったく...忙しい展開やなぁ〜? おちおち昼寝も出来へんのかぃ!!!」 そんなデブコンビの前にも既に他の町を 制圧した支配者側(Side)の敵が訪れ 激突しようとしていた...。 『京香』のスキルの様な速攻性と 『洋子』のスキルが持つ様な多用性を 秘めてはいるものの、その中間に位置する トモの“力”ではハルカの傷を癒すまでに 少々の時間を要す為、先に敵を打ち倒すことを 選択した彼は物凄い勢いで次々と甦る 屍共を一撃で沈めて遂に再び能力者を 追い詰める...が、しかし 「『火山地帯』とか言って...。 私、嘗めてたのかも...どうせ炎中心の 能力者達で来ると思ってたのに...。」 『めきょきょっっっ!!!!』 「フフンっ!!!はへぇ〜けソなぁ? ...んん?顎をやられたからか...喋りずれぇ。」 一撃での粉砕を行うべく顎に肘によって 打撃を与えた後、全身の骨が砕けるまで 連続技で攻めるトモが漸く止めを放ち 岸壁に身体を叩き付けたにも関わらず何事も 無かったかのごとく青年は再度、立ち上がる... 「いくら復元出来るとは言っても...。 痛覚は生きているハズ...耐えられるわけが〜?!?」 光助の言う通り常人では耐え切れぬ筈も 無い痛みの応酬... 「フフッん...面白い、犬野郎...お前 目の付けどころがこの兄ちゃん達とは違うな? まぁ、良い...教えてやるよ? 俺の『灰からの復活』【マーダ・ウェイク】は 本来こんな使い方は出来ない...だがな... 俺が痛みすら感じないのだとしたら?」 だが、青年は支配者の力を得て忠誠と同時に 自らの痛みを取り払っていたのだった...。 「はぁはぁはぁはぁ...くそっ!!!」 只でさえ消耗が激しい火山地帯での闘いに おいて敵が無数に現れる、っと言う 心理的な加負荷によって少しずつトモらの 精神は肉体的な物も含め削られてゆく... 「無痛...それで...。 (ゾンビよりタチ悪ぅ〜!!!)」 「...(もしかしたら...。) でも此処で君何かに足止めされてるワケには いかないのよ...!!!」 しかし、何かを掴んだハルカは傷の痛みを 堪えながら手にした坤に霊気を集束させ叫ぶ!! 『3月10日(土)』 第五九五話 『痛みの重さdeca〓噴火!!〓』(3.10.土) 『グラィヴ』の火山洞穴を降った3人と 町に残った2人も『スキルマスター』達と 対時している様にこちら側、『紅』に ある統治者の御殿中庭の林道を通り近道を して合流地点へ向かい走る『京香』『洋子』が前にも 「ほぉ感付いていたとわ...警戒に 値〜ちちそれじゃ〜パクリか?ん?」 忍者の様な格好をした支配者に従属する 者が行く手を阻む... 「はぁ?何君???ぼくら急いでんだよね? だから...容赦しないよ?」 威圧する様にぶっきらぼうに言い放つ 洋子は消え去ってしまった拳銃の代わりに ナイフを懐(ふところ)から取り出す 「...彼女気が立ってるんだ...。 多分、即死ぬだろうけど...どっちと 闘いたいの?...。」 先の事でキョウも洋子もピリピリっとした 緊張感をか持ち出し彼女も背負う剣を 徐に引き抜き構える!! 「はぁ、どっでもあちきはいいわけよ? まぁ同時に来て貰って構わないけど?」 『ズバシュッッッッン!!!!』 「...ーーーーっ『風の核色』!!!」 不敵に微笑む忍者系コスプレ男の言葉に甘え 先にキョウが仕掛けると同時にーーー 『ぱきゅぅぉおおおっっっん!!!』 「“ミスルーのナイフ”...!!!」 洋子のナイフによる斬撃が繰り出される!!! 「はははっーーーーっ早いな? だが...所詮、“能力”に頼ったお前らにわ あちきを捕らえる事は出来ない!!! そしてーーーーーっっっっっひゃはははは!!!!」 『ズゴゴゴゴゴッッッ!!!!!』 キョウの攻撃は寸前のところで見切られ 洋子の攻撃に関しては避ける動作すら 見せずに軽く身体を逸らした程度で切り抜ける すると...2人が自分に振り向きざまに 再度攻撃を仕掛ける事を読んでいたかの様に 彼は敢えてそれよりもより素早く振り向き 両者の斬撃を腹部に受け入れると 呻き声に似た笑いを飛ばし『スキル』を始動する!!! 「なっ!?!...こいつ何考えて!?!」 「...避けようとするなら...いや、完全に 見切られていた筈の剣撃を敢えて 避けようとしなかった...はっ...まさか!?!」 キョウが敵の目論見に気付いた時には 時、既に遅くーーー 「げふぁっ....くくっ...元よりあちきは お前らに勝つつもりなんてなかったわ...!!! 『吹き荒れる溶岩』【マグマ・ウェーブ】 飲み込まれちまぃなぁっっっ!!!!」 背後から敵の“力”が引き寄せた煮えたぎる マグマの津波が襲いかかる!!! 「なっ!?!後ろから...でも、それじゃあ あんたも一緒に...。」 ナイフを引き抜く時間すらない中で 思わず疑問を呟く洋子 「...平気なんだ...さっきの子との 闘いで聞いただろ?...こいつら、 神経回路を支配者に操られている!!!」 すると最後まで諦めようとせずに 足掻くキョウはそれに応える...が、 「ひゃはぁ!!何をしようとも...もぉ手遅れだわ!!!!」 …次の瞬間!!!… 巨大な津波に林道ごと成す術無く飲み込まれてしまう...。 『3月11日(日)』 第五九六話 『痛みの重さundeca〓隼は舞い戻る〓』(3.11.日) 『ズドドドドドドッッッ!!!!』 『吹き荒れる溶岩』【マグマ・ウェーブ】の為の 布石として自らの身体を代価に 2人を飲み込んだ忍者衣装の青年と 思われていた低い声の彼女は鮮血を吹き上げ つつもガッシリと両者の腕を鷲掴み 最後の最後まで手を抜かずに敵諸共自滅を計る!!! ーーーが、津波が襲い掛かろうとした …その瞬間!!… [悪ぃな?...そいつには借りがあんのよ? だからぁーーーーーってめぇには 殺(や)らせるワケにはいかねぇっっっ!!!!] 『ずにゅぴゅっっっっっっ!!!!』 「がふぁっ!?!!...なにぃ...あちき...の 背後...何もん...さ...!?!」 確実に勝利を得たと確信した彼女の背後から 巨大な隼が急降下で舞い降り、その巨大な 鈎爪で抑え付けていた両腕ごと一瞬にして 引き裂くと瞳を閉じて喚く彼女達を捕獲し 向かい来る大津波から寸前の所で上空へと 退避する事に成功した!!! [おぃ、眼ぇ開けろよ?] 「...?...君は...。」 巨大な隼に上空で声を掛けられた『京香』は その声に聞き覚えを感じ言われるままに 閉じた瞳をこじ開けるとあの噴火が既に 鎮火して行こうする様を前に呟く 「ぎゃぁぁぁっ!?!!」 [ぅぉ!?!] 突然!!けたたましく横で叫ぶ『洋子』に 驚き思わず彼はバランスを失い彼女を 地上へ叩き落としそうになる...が、 「...落ち着け洋子、あたし達は助かったんだ この隼くん...いや、『絶極の隼』 【ディープ・スカイ】っと言った方がいいか?...。」 [おぃおぃ、ひでぇな?その名前は止めてくれよ?] どうにかキョウが自ら彼女を宥め安定感を 取り戻した彼は2人をある程度溶岩から離れた 岸壁へと運び掴んでいた足を開き自由にすると “特殊能力”を解除し人間の姿に舞い戻る...。 「...助かったよ、感謝する。」 「あんた...もしかして『光助』タイプの 能力者...なの???」 隼から変化した少年が案外イケていた為に 思わず声を掛ける洋子に戸惑いながら 彼は苦笑いを返した...。 『3月12日(月)』 第五九七話 『痛みの重さdodeca〓闇に虚ろう〓』(3.12.月) 「ははははっ、光助?...それは誰だか知らないが? そいつもガタイ変化タイプの“能力者”なのか?」 不意に岸壁から林道に吹き溜まった 溶岩の池を眺めながら『洋子』へ返事を返した 彼は続けて『京香』へと声を掛けた... 「京香、これで借りが返せたとは思っちゃ〜 いないが...まぁ少しは足しになんだろ?」 すると、彼女は引きちぎられた敵 『スキルマスター』の両腕を投げ放つと 「ぅぇ...きしょぃ!!!」 「...あぁ、『芥藤』....。 光助ってのはあの『ハウリング』の事だよ。 それにしても君、何故此処に?...。」 もっともな質問を投げかけつつ血塗られた 刃を振り払ってから鞘へ剣を納めた... 「そっ気ない会話だ...それにしても、 2人が仲間でぼくは良かったよ、もぉ あれで死んだもんだと思い込んでいたからね。」 何気なく溜め息混じりに残した洋子の言葉に 思わず吹き出す2人 「俺がここに居る理由もちゃんと説明するさ? ってかよ、お前...えーっと誰だっけか? そーいゃぁぶた君が居ないな? 仲間...か、面白い事言いやがる!!」 「三浦よ-こ!!お前じゃなくて洋子だ!!!(ぶた君?)」 自分だけが外された笑いにムカツキながらも 言い放った彼女は少し頬を膨らませていた...。 「え”?じゃああんた...あいつら(“レキ”とか)と同じ “幻魔人”でしかも支配者だったの!!?」 昇の過去に困惑する洋子だったが、 「はっは、この世界じゃ〜数ヶ月も前の 話しだな?...キョウにある意味救われてからは 俺はあの地を抜けて自分なりに道を探して いたんだけどな...。 その途中で、伝えたい事があったわけだ。」 即座に受け入れ対応の速さを見せた、そして 彼女の思考が自分を仲間と認知した事に 感付くと彼は別の本来しなければ成らない ソレを伝える目的でキョウ達を捜していた事を教え 「豚...いや『勇二』達とは故意的に近い形で 分断されてしまったんだ...。 それで何があった?」 少しの後徐に口を開いた...。 昇から伝えられた事象により一同の闘いが 確実に終局へと向かっている事が提示され... 更に遺恨だけの闘いでは、もう済まされなくなって 来ている現実に気付かされる事となる!!! まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |