『3月25日(日)』 第六一〇話 『痛みの重さpentacosa〓前を見つめて…〓』(3.25.日) 『春化』『光助』『知也』達が 『灰からの復活』【マーダ・ウェイク】と言う 『スキル』【特殊能力】を手にした敵を 倒した、その時...同時に新手のスキルマスター 『激匂香』【アロマティック・メンフィス】にて 『勇二』『智明』を追い詰めていた 米国の少年は味方が産み出したマグマによって 歪みへと沈み更にそのマグマを残した『幻魔』も 消え去った、そして唐突に噴火によって 離れ離れにされた『京香』『洋子』らが 『昇』と会った後、『火山地帯』全体の 地図を手に駆け付け、此処に7人は合流を果たす!!! 「あの...洋子さん有り難う。 洋子さんのお蔭でボクも少しは役に 立てたみたいで...あはっ、大事にするネッ!」 「え?...ははッいやぁ〜それほどでも...。 それにしても似合ってるじゃん、ソレ!」 不意に勇二から声を掛けられ少し戸惑う 洋子だったが昇の言葉で吹っ切れた様で 不自然なぎこちなさは無くなり自ら打ち解けて行った... 「ゎはっ!本当〜自慢出来る〜光助ぇ〜!!!」 純粋に彼女の声を信じた勇二は自慢げに 前を歩く光助に見せびらかしに坂道を走り その後ろ姿を見送りながら少しだけ智明が 頬を緩(ゆる)め笑みをこぼしていた...。 「そう言えばキョウあいつに会ったんだって?」 少しだけ洋子から昇の事を聞いていた 光助は何とはなしにキョウに話しを振る 「...あぁ、どうやら...あたしらに情報を 与えてくれる為にね...『異界の闇覇者』 あれら以外...光助らと別ルートで先を目指して いた時に出会った20代前半の男の仲間みたいな 奴らが男女4人で各地帯を潰し回っているらしい...。」 すると重々しい口調で彼女は今なお実際に 巻き起こっている異変を聞いたままに語る... 「たった4人でぇっ!?!....でも、統治者達も いるし...ってかどうやってんな移動 してるんだよぉ〜...。」 頭を抱えながら叫ぶ、そんな光助の声に 気付いたトモはハルカと共に話しに加わる 「おぃおぃ、その話し...本当かよ?キョウ...。」 「...冗談で言えると思うか?」 「言わないわよね...そう...『レビン』とか 言う智明並の血の使い手や私と同じ“力”を 持つ『幹』らが行っていたアレが あのパジャマ野郎らに...再び、か...くっ!!!」 そして、キョウの話しに便乗する様に 洋子らも会話に参加し昇が手にした情報は こうして全員に伝わって行く...。 「あのワケの解らんスキルを持つ野郎は一体 何の為にんな事をしでかすんやろか... “能力者狩り”や“統治者封じ”なんて...。」 『貴弘』の安否が不意に気がかりに なった智明は情報の信ぴょう性を疑わずとも それが真実で有ると肌で感じていた...この世界で 始めに覚(おぼ)えた胸騒ぎが現実に成ろうと している事で...。 『3月26日(月)』 第六一一話 『痛みの重さhexacosa〓椛〓』(3.26.月) 「まぁ、それは置いておいて〜次に向かうのは〜 なんて言うとこなのぉ〜?」 『光助』にしがみ付きながら甘ったるく 呟く『勇二』は同時にイヤーカフスを ちらちらと自慢げに見せつける、すると 「あっ!?危ないって、それにしても...。 (勇二また太った...何故!?!) え〜っと次は...中心部に位置する街、ってか 都市みたいな感じかも〜? 『烈炎』って言うんだって〜っ。 どうやらその付近に支配者の存在する ポイントもあるよ-だけど...行ってみないとね。 ん?勇二、それってばピアス???」 坂道で転げ落ちそうになり冷や汗をかきながら 彼の要望通りに街の事を伝え加えて 右耳の飾りに目をやった 「ブーッ!!!違う〜これは〜イヤ〜 カフスって言う耳タブ系に挟む奴なんだよッ! おまけに魔力の制御も出来るんだぁ〜!!」 「凄いね!それに中々似合ってるよ...。」 っと...まぁ、こんな感じでオのろけが続いて 長いので割愛し山を越えた一同は漸く 新たな街へと日が傾(かたむ)き掛けた その頃、足を踏み込む事となった...。 「お〜随分開けた街やなぁ〜!酒に食べ物!!」 「ちょっと〜ギャクきゃらしすぎなのよ〜 『智明』は静かに寝てなさぃよ?」 烈炎は噴火による溶岩の影響も受けず どうやら強襲をもしっかりと未然に防いでいた様で 無事に顕在(けんざい)し特殊な門の前で 名乗った一同は少しの間の後どうやら受け入れられ 街へ入る事を忍者姿の兵士達に許可された 「取り敢えず、休む前に統治者に 会わなきゃな?」 『知也』のもっともな意見に賛同し一行は 完全に日が落ちるその前に 統治者が居ると思われる邸(やしき)を訪問する 「っちぇぇ〜酒〜!!!」 「あ”〜そこ!文句言わない!!! 別行動は一応、これ終わってからだよ!! (ったく、ぼくだってシャワー浴びたいんだ!!)」 すると古風な玄関から統治者の使いと 思われる袴(はかま)姿の少年が姿を現し 「あの、もしかして現世の方々ですかぁ?!!? 心待ちにしてました〜どうぞ!!!」 7人の姿を見るなり予想に反し嬉しそうに叫ぶと 邸へ汗だくの彼ら彼女を中に引き入れた...。 「あの、これお茶とかです、すぐに 居られると思いますので、暫く お待ち下さいねっ!!!」 一同を座敷に通した袴の少年は襖(ふすま)を 丁寧(ていねい)に開け閉めし、お茶菓子を 机に置くとそう言い残し場から姿を消した... 「あっ!白アンだ!!!」 そして、暫しの時が流れた後...唐突に 襖は開かれ和服姿で丁重(ていちょう)な言葉を使い 淡い紺色を輝やかせた髪を持つ まるで雛(ひな)人形の様な容姿を持った 「お待たせいたしました...。 わたくしがこの街の統治者... 『椛』【もみじ】と申す者で御座います。」 烈炎の統治者椛が場に登場した...。 『3月27日(火)』 第六一二話 『痛みの重さheptacosa〓夜空と湯船で〓』(3.27.火) (二周年!!誕生日迎えMouth,でした-!!!) 「遠いところを御足労掛けました...。 今日はお疲れでしょうから皆様方は ごゆるりとお疲れをおとりになって下さいませ。 『ヂット』にお部屋の準備はさせて 御座います...では、本題は明日と言う事で...。」 『火山地帯』『烈炎』の統治者『椛』の 計(はか)らいで用意された食事やお風呂に 手を付け始めた7人は各々別個に行動し 取り敢えず明日まで自由に場所を行き来していた... 「ん〜やっぱし温泉って〜女同士が 一番だと思いません?」 不意に『京香』を誘った『洋子』が湯船で 両腕を真上に伸ばしながら声を掛けた 『コトォッッッン!!!』 「...そぉねぇ、でもさっき混浴っても あったけど...誰が行くのかな(笑)」 彼女は汗の臭いを落とすために全身を 泡で纏ながら返答するとそれらを流し 檜(ひのき)の湯船に浸かって上を見上げた 「星が綺麗だね...あっ!さっきの〜 混浴って言えば...確か誰かいたかも?」 「...えっ?マジで??...ん〜 『智明』とかだったりして?ははっ!!!」 「くしょっっん!!!...ずるる〜あぁ〜恋の 噂でもされとるんやろか?...まぁえぇ。 せやけどやっぱり〜露天に限りおるわなぁ〜 おっ!アレは...キョウらやないか!!? お〜絶景絶景!!!」 邸の最上階に設置された露天風呂で日本酒を 煽る智明がほろ酔い気分で下を覗くと 何と湯船で笑うキョウらの姿が見えていた!! 「...遅いなぁ〜。」 『春化』は真っ白な湯気に当てられ 更に真っ赤になった顔を鏡に写し苦笑いをこぼす 「いや、居るケドさぁ....声、掛けずらかった だけだよ...ふぅ、何か温泉地だとそ-言うの 多いらしいけどオレはこんなの初めて だから緊張してーーー」 すると何時(いつ)の間にか姿を現していた 『知也』が緊張の為か不断より多く言葉を 発していた、その時 「良いよ、気にしないで....。 私が強引に誘っちゃったダケだしね?」 「...いや、御免...嬉しいよ、有り難うハルカ。」 その喋りを遮ると背中越しに優しく 声を掛け色々な四方山(よもやま)話しを始めていた.... 『ごしごしっ...!!!』 「あはっ、くすぐったいよぉ〜(汗)」 「っはは!!もちっとは我慢してって〜 ほら〜それでなくても『勇二』の場合 ぷるぷるして洗いにくいんだからさっ!!!」 所謂(いわゆる)男風呂では『光助』と勇二が 貸し切り状態で身体の洗いっこを行っていた!! 『にゅるっぷっ!!!』 「あ〜それってば光助もそ-じゃん!! ぁ?!...そんなトコまで...ひゃ〜!!!?」 いつまでも大人しくならない勇二が座る 木目椅子中心の穴から左手の中指を入れ更に 肛門目掛けそれを押し込み少し喰わえ込ませると 「ったく、お〜ぎゃはは暫く悶えてなよっ!!」 勇二をどうにか黙らせ身体を震わせて 泣きそうになっている勇二の腰回りを 一気に洗いのける事に成功する!!! お風呂から上がった一行は誰が誘うとは無しに 外に涼みに出てそこで開かれていた 夜店に足を運んでいた...。 『3月28日(水)』 第六一三話 『痛みの重さoctacosa〓見えない明日だから〓』(3.28.水) 「ねぇねぇ、浴衣だよね?これっ!!」 「おーっ『勇二』の部屋もあったの? オレっちんとこにもあったから久々に 羽織ってみたりして〜っ!」 各自一室ごとに設(もう)けられた部屋でお風呂上がり 邸から外に出る約束を勇二としていた『光助』は 早速それを纏って自室から出て自分の場まで 迎えに来てくれた彼の姿を見て思わず指差し そう声を上げた 「ねぇ〜こ-すけも着なよぉ〜。」 「ぅん、わ-った、じゃあ外でーーー」 「...あはっ、了解。(...ケチ。)」 一応着替えの為に勇二を部屋から出すと 暫く廊下で待たせて引き戸を開けて登場した 光助は頭をかきながら照れ半分に 彼と一緒に古風な玄関を通り抜け外へと抜け出した だが...しかし、抜け出していたのが自分達だけだと 思ったら大間違いで既に浴衣を光助が纏っている 最中に廊下で通りがかった『知也』から 話しかけられていた勇二はこれから出る事を 思わずのろけて話していたが為、便乗した 数人は固まって先に外出していたのだった...。 『ジュウッッッ!!!』 「お〜焼そばやんか!!!」 「っとに、あんたは食べ物オンリーまつきよだね〜。」 「あっ!それ懐かしい!!だ〜よ〜ねぇ〜 っとか昔あったわよねぇ〜!!」 「噛み合ってないじゃん。」 「...夜食べると太るでしょ?...。 でも、まぁ良いかもね?」 結局、息抜きと称(しょう)して全員が街に 繰り出してしまっていた... 「あ〜金魚すくいみたいなのもあるじゃん!!」 「射的は?ぼく旨いよ〜!!勝負する?!?」 「望むとこよぉーッん!!!」 『洋子』と『春化』はゲームに燃えるタイプらしく 『智明』と『京香』は主に屋台の食べ物屋を 片っ端から荒らし 「おっ!スモモ飴や〜...お-杏もありおるやんか!!!」 「...ん〜やっぱしソース煎餅でしょ、 しかもキャラメルorちょこー!!!」 そして、トモはと言えば... 「おっ...この漫画ふる〜ってか、なんで 異世界にこれがあんだか知らないけど...。 かっか、わ〜マジ...???...同人誌だっ!!」 時たま唐突に現れる古本屋にて好みの 同人誌を漁っていた...。 「へ〜花火みたぃのがあがってるじゃん!」 「あはっ、キレイだねぇ〜。」 『砂漠地帯』での思い出が少しだけ 今とかぶり不思議な感覚を覚えていた 2人はそれ以上言葉を交わす事も無かった、が... 「....。」 「あっ...。」 見えない明日に戸惑わぬ様に月明かりと 花火の光の下でそっと指と指を重ねた...。 まだまだ続くのですぞッ!! 先を見るんッスねぇ〜!! |