『5月13日(日)』 第六五九話 『神話の迷宮=武闘=』(5.13.日) 『絶陰地帯』をひたすら南下した先に 見えた場所...それは、 「でかっ!...でも、ぼくはこれに似た 物体を知っている...。 まさか...文字をモジだった???」 「『洋子』それってば、ギャグ? っと、俺っちも意味解るぜ...。」 『パルティノン』と呼ばれる町ではなく 勝ち抜き戦が毎日のように行われ 命を懸けて凌(しの)ぎを削る者達の 聖地と化した円形の巨大な闘技場だった... 「...ギリシア神話の...今で言うローマの コロッセオって言う感じだな...。」 「『キョウ』って物知りだよねぇ〜!! (んで、それ...何かなぁ(脂汗))」 自分では旨く誤魔化したつもりの『勇二』 だった、が...そんなハズも無く 「ぎゃははは、ゆう〜じぃ、お前コロッセオ 知らへんのやろ?」 「『智明』〜あんまいじめんなって! オレもマンガでだけ知ってるだけだしな?」 『知也』のフォロー(補うの意。)が入るも 当然、落ち込み肩を落とす 「まぁまぁ、みんなぁっ!さっさと 中に入ろうよ?ネッ!! 休める場所くらぃあんでしょ?」 そんな場の空気を読んでか『春化』の 明るい口調が一同を入り口と思われる 錆び付いた扉の前へと歩み寄らせていた...。 「手押しかよ!」 不意にトモが突っ込み入れたーーー …その瞬間!!… 『ぎゃぎゃぎゃるるっっっ!!!』 物凄く鈍い音を立てて鋼鉄のクサビが持ち上がり まるでサーカス小屋の入り口を思わせる 場の幕は徐々にその姿を消してゆく...そして、 [お待ちしていましたよ?] 着ぐるみを纏った『幻魔』が丁重に 内部の歓声と共に一行を出迎えた... 「後戻りは出来そうにないな...。 まぁ、罠でも入るしか道はないからね?」 『光助』の残した言葉通り... 今更、臆すことは出来ない激闘の道へ7人は、 足を踏み入れてしまった 「ほぉ、予定よりも早く来たんだね。 ワシの支配するこのパルティノンへ...くく。」 男は彼らの姿を確認すると雑踏に紛れ この場から何処かに移動して行く 「新たな『スキルマスター』【特殊能力者】 ご一行様が入りました〜。 あっ、今〜控え室と衣食住の場所を案内しますね?」 突然!!バニガールの衣装を纏った女性が 現れ唖然とする7人をいきなり リング横の控え室へと誘導して行く!! 「控え室って...これってまさか...。 私達って戦うの...!?」 「当然やろ?」 「何冷静に受け止めてんの!!!」 状況を把握した者達が騒ぎ始める、も... 「それでは、選手入場ですので〜。 6人と1人補欠を選んでおいて下さいネッ!!」 それだけ言い残し彼女はその場から姿を消した... そして、言葉のままにチーム戦が開始された!!! 『5月14日(月)』 第六六〇話 『神話の迷宮=わりぃな、つき合えなくて。=』(5.14.月) 『弥親』と呼ばれる男の思惑のまま 一同は『パルティノン』闘技場へ足を踏み入れ 何の説明も無しに舞台に誘われた!! 「しゃ〜ないなぁ?俺様一人で十分や。 お前らは黙って見とりゃ〜えぇよ!! もちろん、補欠は『勇二』、お前な。」 事態をいとも簡単に受け止めた『智明』の独断と偏見で 決定された事で更に唖然とする6人だった、が 「むっ...良いよぉ〜、ボク任せた〜(苦笑)」 「...ふぅん、じゃあ、あたしの出番も 無いって踏んで良いわけだ?...。」 「ぼくは特に意義な〜し。」 「オレっちもじゃあ、それで。」 「一応聞くけど私は何番手?」 「オレ、観客の前とかちょっとな?任せる!!」 結構順応が早く膨れる勇二を残し不服無く 試合は開始の時刻を迎える!!! {れでぃ〜す&じゅえんとるめぇ〜ん!!! 新人さん登録名『選ばれし者〜智明と愉快な仲間達〜』VS 本命『絶陰幻魔連合』の潰し合いだぁあああ!! 賭けは決まったかなぁ?!さぁすたぁぁっっっとぉ!!!!} スピーカーから大音量で放送されたーーー …その瞬間!!… 「おぃ、オレの耳...が...いや、てめぇ!!!」 メンバーの誰しもが我が耳を疑う!! 「何よ!!愉快な仲間達って!!!」 「あんたネタが古いんだよ!爺ッッ!!」 「オレっち、もうふて寝したぃぞ...。」 「ボク達...おまけ扱いじゃん!!」 「...。(...後でっぶっとばす。)」 各々の突っ込みが入りつつレフリー(審判)に 耳打ちしていた智明の姿を見て この時かよ!!っと一斉に思う愉快な仲間達を 置き去り一番手の彼は合図と共に 目の前の文句を吐き出す敵を一撃で叩き斬る!!! [ひゃひゃ、オマエの仲間もオマエもウルサイ。 この『太巻きの白蛇』【ニーズ・ベッツ】様がぁーーー] 舞台場で騒ぐ一行を快く思わない対戦相手の 一番手、大喰らいの白蛇が開始早々に智明を 煽ろうとしたーーー …次の瞬間!!!… 『ジャコォッッッッッン!!!!』 [まぎょぁぁぁっっ!!?!] 「あん?わりぃな、お前の御託につき合われへんで?」 見た目とは裏腹の斬首刀を手にした彼から 繰り出された速攻によりニーズ・ベッツの 首はその一撃でハネ飛ばされ、瞬時に歪みへと沈む!!! 『5月15日(火)』 第六六一話 『神話の迷宮=6人抜き=』(5.15.火) 「...あっ、いたいた...。」 試合をいつの間にか抜け出していた『京香』は 先に自分達の案内を任されていた バニーガール姿の女性を見つけると声を掛けた 「はぃ?なんでしょうかぁ〜あら さっきの『スキルマスター』様方の?どう なされました?」 呼び止められた彼女は笑みを絶やすこと無く キョウの呼びかけに応える 「...賭けが可能だと思うのだが...。 自分達にもベット(賭ける事の意。)可能なのかな?」 「えぇ!もちろんです!! お名前をお教え頂けますか? それと、こちらの世界の通貨は共通には存在 しませんのでこの試合い参加した際、手になさった 1000ゾディアックをお使いで宜しいでしょうか?」 女性の返答に彼女は頷き自分の名前を 名乗ると、最後にーーー 「京香様ですね!登録されました、それで いかほどお賭けになられますか?」 「...勿論、一番手『智明』の1人6人抜きに 全ての額を...ベットする!!!」 強気にそう言い放ち、場を後にした...。 「おぃ、なめとんのかぁ?! てんで話しにならんのやけどな?」 智明が余裕を見せつけ馬鹿笑いを始めたーーー …その瞬間!!… 『ぴひゅるるるっっっ!!!』 [豚は豚らしく、小屋でぶひぶひ言ってな? この『ワイルドバーン』様がぁーーー] のけぞる彼の死角から二番手、飛竜姿の 『幻魔』が鈎爪による直降猛襲を行う...が、 『じゅにゅぷぷうぷっっ!!!』 「見え透いた手なんぞ、飽きとるっちゅーねん。 『血化陣』...斬首刀を解除、 刺斬鉄球でも喰らっとれやぁぁぁっっ!!!」 血を流さずとも、武器の応用で新たな操作と暗器を 覚えた智明の一撃が顔面を直撃しそのまま 空中にて一気に歪みへと沈んで行く!!! 「おらぁぁ!どんどんこいやぁ!!」 そして、挑発に乗って強襲するルール違反の 幻魔2体をも武具の一撃の下、軽く打ち砕く! [ぶぎょ!?!] [うぎょへっ!?!] 『パキュォオオッッッッン!!!』 既に4人抜きを果たす智明に会場は 大いに盛り上がりを見せる!! 「どないやねん?あ”ぁ”〜久々に暴れとる!! これこそ、本来の俺様のやろ? (体型に問題はあるんやけどな。)」 [『キラー・シックル』『ナックル・ロギヌ』を 一撃....か、恐ろしいな...だが...。 この『ヘル・オア・ヘブン』【天国と地獄】が 彼らの仇を討とう...参る!!!] だが、最後に現れたこの騎士型の幻魔は 左右に別個の幻魔が融合されている為に 2体分の“力”を兼ね備えた敵... 「けっ...お前は一番まともそうやなぁ?」 彼の顔が自然と強ばり場に緊張が走るままに 両者の激突が開始された!!! 『5月16日(水)』 第六六二話 『神話の迷宮=狂想曲=』(5.16.水) 『ザギュッッン!!ザギュギュンッッ!!!』 合計6本の両腕から放たれる剣撃は 尋常な“力”や速さでは無く『智明』が 予想していた以上の動きで敵は襲いかかり 彼を徐々に追い詰めて行く!! 「っく...ぬぬっ何クソがっっっ!!! (押し負けやと!?この俺様が!!?)」 [どうした?さっきまでの威勢の良さは 何処へ行った...本気で来い!!!] 『しゅぴぁぁっっ!!!』 体力が極端に落ち始めた智明の身体を 3本の鋭利な刃が雷鳴のごとく走り、切り刻む... 「ぅぐっ...この阿修羅男爵野郎がぁっっ!! せやけどな、もう終わっとるやんで?」 引き裂かれた皮膚から飛び散った血液が 飛沫となり『ヘル・オア・ヘブン』【天国と地獄】へと 浴びせ掛けられんとしたーーー …その瞬間!!… [なにぃ!!?] 『びしゅばぁっっっっ!!!』 「『血化陣』発動や!!」 ニヤリと笑みをこぼした青年の『スキル』が 起動し、真紅の針の雨と化した鮮血が 拡散し目の前に立ち塞がる『幻魔』へ至近距離から 血の洗礼を放つ!!! だが、全ての針が命中した!!っと思われたーーー …次の瞬間!!!… [血液を扱う事くらいは前の『太巻きの白蛇』 【ニーズ・ベッツ】との闘いを見て把握していた...。 虚しいな、それだけか?] 「なっ、そないなハズ!?!」 『どすっ!!ドススッ!!!ドスッッ!!!!』 今まで自分が居た位置にヘル・オア・ヘブンが 立ち、本来あるべき場所に自らの姿が!! [とどめだ、『ノクターン・シンフォニー』【狂想曲】!!! これでお前はダメージと共に方向感覚を失う。] 『ぱひゅぉおぉっっっっん!!!』 「ぅぎゃぁぁっっ!?!耳がぁぁあ!!? (なんやねん...まったく、足が...いや、 動かせんのや...立つだけでやっとなんか...!?)」 片方の顔が笛を吹きもう片方があの瞬間、 空いた腕を使い場所を一瞬にして移転させ 攻撃の直撃を逆に智明へと見舞った、そして 絶陰幻魔連合隊長はトドメの“能力”によって完全に 彼の聴覚を支配し、命を奪わんとする!!! [『六剣伍砕』(ろくけんいつさい)ッッ!!!] 続け様に6本の剣によって連続攻撃が繰り出され 智明は死を迎えんとしていた...が、 …その時!!!… 「ちゃうねん、せやかさっき言うたやんか? 終わっとるっ!ってな? 俺様かてばれとるんは承知や...せやけど、 それが、その過信がお前にこの瞬間を与えおったんや!!」 『ザギュッッッン!!!』 [なっ...ぐがぁっっ!?!!] 「俺様自身に飛び火するんやから伸縮も自在やし、 何より、お前にこの道は続いとるわけやろ? ちぃ〜っとばっかし痛ぃんやけどなぁ!! トドメやで?斬首〜〜〜一閃ッッ!!!」 彼の身体に突き刺さった無数の針が 勢い良く伸び棘(トゲ)の様に剣を構えた幻魔を貫き そして、そこへ斬首刀の一撃が振り下ろされた!!! まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |