『5月17日(木)』 第六六三話 『闘技の幕間=夢み心地の真実=』(5.17.木) 「配当金額は、なんと!10倍でした〜。 よって、10000ゾディアックを 授与します、それから勝利マネ〜として、 更に10万ゾディアックを加算しますネッ!」 現世の通貨との比較が出来無い単位に困惑 しながらも、もっと驚いていたワケはーーー 「『京香』...試合でど〜も姿を 見かけないな〜!っとか思ったら...。 もぉ、んな賭事してたんじゃん!!」 彼女が『智明』一人抜きに賭けて10倍の 配当を手にして少し笑みを浮かべている事だった 「施設の使用の際にはそのゾディアック通貨が 必要となります、でも基本的に選手の皆様は 無料でお食事などのご利用出来ますので、 多種多用にお使い下さい。 それから、え〜っと、この宿泊場所にまたお訪ねしますので、 試合が決まるまでお休み下さい、何か御座いましたら お近くの係員まで!それでは、幸運を!!!」 バニガール姿の女性は極上の微笑みと共に 一同を残し部屋を後にする... 「あ〜しんどかった〜、俺様もう寝る。」 高級ホテル並の一室を個々に与えられた 一行は少し落ち着かぬまま 一旦、一ヶ所に集まり闘い疲れた智明を部屋で 寝かせ6人は『光助』の間に足を向けた...。 『絶陰地帯』での最初の『スキルマスター』【特殊能力者】との 遭遇から既に2日が経とうとしていた... 口封じに“能力者”の彼を熱殺した面長の男が 発した言葉のまま『パルティノン』に訪れ そこが闘技場だと理解する間も無く いきなりのチーム戦に駆り出しを 受け唐突に試合は開始され、それでも どうにか勝ち抜いた一同だった、がやはり これからの不安は隠せないでいた 「ご飯食べ放題だって!!!」 一部の者を除いて... 「ちょっとぉ!カジノがあるわよ!カジノ!!!」 「本当!!?オレスロット強いぜ!!」 「おほほっ!それならぼくと勝負だぜぇ!! (このギャンブルの天才と唱われたぼくの前で強いなど、笑止!!)」 しかし、元々7人共深くは考えないタイプらしく 少しの話し合いの後、各々次の試合まで 好き勝手に久々の休みを満喫する事となった!! 「...光助は『勇二』と行かないのか?」 「あははっ、たまには真面目に此処の事とか 色々探らないとね?...キョウは?」 4人は食事他カジノツアー(簡易な旅行の意。)に 出てしまい部屋に残ったのはキョウと光助だけとなった 「...ふっ、同じことを考えていたんだな...。 あたしは、あの男の台詞が気になってね?...。」 「下駄の男...か、な。」 両者は暫しの談笑を行った後、部屋を一緒に 出てこの闘技場の秘密を探る計画のまま 情報収拾を開始した!! 『じゃんじゃかじゃんじゃかっっ!!!』 「うひゃはははっ!!!オレの勝ちぃ!!」 「きぃいい!まだ、1000ゾディアック差よ! ぼくの追い上げに舌を巻かせてやる!!」 スロット勝負の2人を横目にブラックジャックに 「どぉかしら?...スペードのジャック オア...ハートの10!!」 更ける『春化』...そして、 「なっ...何、これ“世界の『幻魔』カードダス” だって!...ぅわ〜やっぱ、『冥界の蟻地獄』【ユグラジルド】って レアカードなんだぁ〜、欲しい...。」 勇二は意味不明なカード集めにはまり 各々趣味に固執し続け時間を費やして行く...。 『5月18日(金)』 第六六四話 『闘技の幕間=聖域(サンクチェアリ)=』(5.18.金) 「やぁ、お二人さん...ん?どうやら片方の彼は 姿が違うらしい...が。」 情報収拾に向かった2人の前に突然!! 「おっ下駄のおっさん。」 「...大胆不敵な装いかな?...。 あいにくあたしはその手のジョーク(冗談の意。)は嫌いでね... 此処をキミの墓場としてやろうか...?」 その姿を現した男は改めて自己紹介を行う... 「ひゃはは、落ち着けよ?お嬢ちゃん...。 此処にはココのルール(約束の意。)がある、それに 従ってもらわんとな?...おぉ!そうだった...。 あの時は時間が無くてな、ワシも礼儀を心得ておるのでね。 ...ワシの名は『弥親』 国坂 弥親【くにさか やちか】じゃ、以後宜しくな?」 っと、同時に流れる場内アナウンス(放送の意。)が 彼女達から一時の間を奪い去り {れでぃ〜す&じゅえんとるめぇ〜ん!!! 君臨する王者『閃光の弥親-ジ・マッドパーティーズ-』VS 対する挑戦者ぁ〜〜〜此処まで、たったの一ヶ月で 駆け上がって勝ち抜いて来た、北洋の風ぇ! 『THE WINNER’S』の頂上対決勃発だぁ!! さぁ、皆ぁ賭けは決まったかなぁ?! 此処にーーーッッすたぁぁっっっとぉ!!!!} …その一瞬!!… 既に場から姿を消し去った彼は何と、 闘技場の上に颯爽と舞い上がっていた!!!
「あいつ...ここの最強者だったんだ...。 「そんな...ありえない!?」 青年はその一突きで床に伏せ失神したまま 歪みへ沈み姿を消して行く...すると横で男は、 「厄介だな...。」 「...武芸者、か...。」 彼らに王者としての圧倒的な強さや貫禄と実力を まざまざと見せつける...。 『5月19日(土)』 第六六五話 『闘技の幕間=北洋神儀=』(5.19.土) 「バカな...『バーリァン』程の男がたったの ...たったの一撃で...ぅあぁあっ!!! 今度はわたしが行く...仇...討ち取る!!」 グリズリー(熊科の種類。)の皮を纏った 青年は男の攻撃の前にあっけなく散っていった... 「『軽量化』【ソフト・アタッチメント】だっけか? もったぃねぇな?...あの程度の使い手には惜しい“力”だ。」 『弥親』の言葉が終わるか終わらないかーーー …その瞬間!!… 『ビキッビキキッッ!!!』 「我が『スキル』『氷の鉄槌』【コールド・サイレス】の前に ...一瞬で凍結するがイイ。」 白熊の皮を着込んだ少女による槍での攻撃と 併用した凍れるスキルが襲いかかる...が、しかし 「殺気なんて放っていたら、目をつぶって いても、ワシはあんたの居場所が解るぞ?」 その力の鱗片も見せないままに男は 少女の身体を遠方から貫く!! 「!?『リゾルテ』ッッ!!...。 ここまで....ここまで強大なのか?奴は!!!」 少女の攻撃が放たれた次の瞬間には 既に場から移動を果たしていた男は 手にした円錐型のステッキで狙いを定め投げ放ち、 『ドチュッッ!!!』 「さながら...『春化』の参ノ型ってとこかな?」 「...そうだね...でも、それだけじゃないかも...。 (あいつの“能力”....一体...。)」 不意を突いたそれは彼女の胸を穿つ!! 「ぅぎぃっっ...はぁはぁはああ...わたしが わたしが、こんなトコで...。」 「過信のツケだな、もう死ね。」 『めきょきょきょっっ!!!』 無情な一撃がトドメとなり頭部を踏み潰された少女は 脳ミソをぶちまけながら歪みへと沈む...そして、 「はふぃぃ!?...ウソだろ!?」 その姿に臆した『THE WINNER’S』 残された4名は言葉を失い戦意喪失してしまう...。 「おぃ...てめぇらぁ、ビビってんじゃねぇよ? おれらはコレ覚悟で戦ってきたんだろぉがよ!! この『ビビザナ』がカタぁつけて やらぁ...『北洋神儀』【ロロノエ・エプザ】機動...!!」 大鷲を纏う青年の声が士気を欠いた チーム選手達に覇気を取り戻し...今、 「ほう、良い度胸だ。」 決死の舞台へと舞い降りる!!! 『5月20日(日)』 第六六六話 『闘技の幕間=王者=』(5.20.日) (お〜ろくろく記念!!) 『ピキュキュッッ!!!』 叫び声を上げた青年の周囲を真っ白な 靄(もや)が包み込んだーーー …その瞬間!!… 「これがおれの全開よ...北洋の神を我が身に 光臨させ具現化し纏う...てめぇら、『幻魔』側の 奴らと同等以上の“力”を併せ持つ!!!」 それは形を得て彼の肉体と同化し 機動性を高める鎧へと変化、具象化した!!! 「『ビビザナ』...君、だっけ?...。 せいぜいワシを楽しませてくれよな?!」 「ほざけ、カスがぁっっっ!!! 北洋神技ーワンー...『クシロツ・ドィバ』【絶対の牙】!!」 『ダキュォッッッン!!!』 動物の神を臨(お)ろした彼の 音速を越えた拳による俊敏な攻撃が 唐突に打ち出され、男は少し顔を強ばらせる... 「なるほど、動物の本能と言う...ぐっ!!?」 『ジュキャカッッッン!!!』 が、不意に一撃を避け呟いたーーー …その直後!!… 「ートゥー『バズルド・クロィツ』【邪悪を喰らうモノ】!!」 既に真後ろへと移動していたビビザナの技が 繰り出され背部に直撃を喰らい、 舞台へ空中から落下して行く!!! 『どぎゃぎゃぎゃぎゃっっっ...!!』 「ぅ...うう...来るな...来なぃでくれぇぇ!!」 「ふん、命乞いとはみすぼらしいぞ? この一撃が...2人のカタキ穿つ ートゥリィー『イェイド・ボラァレナ』【大鷲のごとく踊れ】!!!」 しかし、リングへと落ちた男へ太陽を背に ビビザナが最後の攻撃を繰り出さんとしたーーー …その時!!… 『ズキュッッッン!!!』 「ーーっかっはっ!!?」 「だから言っただろ?ワシは来るな、とな?」 彼の身体を何かが下降中に貫き、 致命傷を負わせ彼奴への攻撃を無効化させてしまう!!! まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |