『5月21日(月)』 第六六七話 『覇者への道=ゾディアックの意味=』(5.21.月) 『ドギュゥッッッッォンッ!!!!』 「ぐふぁっっっ!!?!」 空中で『ビビザナ』は背後から放たれた何か によって完全に背面から胸に掛けて 貫通した為、風穴から鮮血を巻き散らし 苦悶の表情を浮かべて舞台へ落下...そして 「ふふ...その鎧もワシの前では、 紙で出来た服と変わらんよ?」 『どきゅっっぉっ!!!』 「あぐぉ!!?」 「...せいぜい、混沌の場と化した 現世で仲間達と共に...移し身の『幻魔』達と 戦うが良い...今度は本物の死を賭して、な?」 そこでは、最後の王者の洗礼が待ち受けていた!! 「ビビザナぁっっ!!!」 「なっ...化け物か!?!」 「はひぃいい?!!?」 不意に立ち上がった王者『弥親』は、体制を乱し 降下する青年の頭に、掲げた円錐のステッキを 逆位置し重力に任せるままに串刺す、っと 「喚くな...同じく仲間である、おぬしらも 後を直ぐに追わせておいてやるぞ?」 戦意を完璧に失った彼の仲間達へと言葉を放ち... 「...あいつ、“能力”無しで強い...!!」 その異常な貫禄を観客共に見せつけ、当然 「...あぁ...。(ふふっ...あたしは歓喜しているのか?)」 観客席で試合を観戦していた2人へも 殺意に似た無言の圧迫感を与える!!! 「今回の配当金額は、なんと!5倍でした〜。 よって、全額を賭けていただいた〜 『京香』様には、55万ゾディアックを 授与します、クスッ!早くもっと溜まると 良いですね!!...それでは、明日のお試合まで 体調を崩さないで下さいネッ!!!」 バニーガール姿の女性からゾディアックが 登録されたプリペイドカードを平然と 受け取る彼女の姿を横目にし 「きょ...キョウ?...もしかして....。 あいつの勝利に賭けて...はぁ...。 もう!!そんなに賭事好きだったけ!!?」 『光助』は呆れ顔で声を掛ける、すると 「...光助、あたしがそんな事好きだと思う?...。 (まぁ、嫌いじゃないけどね?)」 「っと、言うと?」 「...ここでの本当のこの通貨の意味...。 あたし達はまず、あいつと戦うには どうやら一定の金額が必要となるらし...。」 キョウは、一枚の先に試合が行われていた時 配布されたチラシ(広告等の宣伝紙の意。)を 目の前に突き付け説明を始めんとする...が、 「えっ...10億ゾディアックを手にした 北洋の風『THE WINNER’S』遂に 覇者に挑戦...これって!!!」 「そう、言葉通りさ? ワシらを呼び出すのにも金が掛かる...。 聖地への扉を開く糧となるわけだな。」 しかし、キョウの真後ろから唐突に 姿を現した下駄を履いた男から口を挟まれ 『バキュォッン!!!』 「...ちぃ...素早いな?...。」 気配に気付いた彼女は回し蹴りを放つ、もーーー 「ふふっ、良い蹴りだな?...。 待っておるぞ?...戦い抜いてワシの下まで 来るが良い...それでも結果は見えておるがな?」 それを余裕で弥親は片腕で受け止め 再びそう言い残しこの場から立ち去った...。 『絶陰地帯』を解放に向かわせる為の 第一歩として始まった同じく、人間いや 『スキルマスター』【特殊能力者】同士の激突... 「...行こう?光助。」 「そうだね...。」 闘技場『パルティノン』にて7人の 新たなる戦いの扉が此処に開く!! 『5月22日(火)』 第六六八話 『覇者への道=惨敗の侮辱=』(5.22.火) 「あっはは!!ぼくの逆転勝利だったな? ふふん、10年早いわ!!?」 「ちぃっくしょ〜、あの時...あそこで 無茶な賭けをしなければ...!!」 どうやら勝敗の軍配は『洋子』に上がり 強気だった『知也』も流石にこれに 堪(こた)えて、下をウツ向く...っと、その横で 「あらぁ〜ん、私はB&Jで元手を...。 100倍にしたわよ? スロットなんてちゃっちいのは私には 似合わないもの、で?...『勇二』くんは?」 一番稼いだ『春化』が今時めずらしい $(ドル)袋を片手に声高らかに質問する、 「えっ!?あっ...あのボクは、そう言うの 苦手だから...その、ずっとカード集めに 凝ってて、レアカード集めしてたから...。」 すると少年は光り輝く統治者や支配者カードを 大事そうに抱え呆れ顔の面々に返答し... 「まぁ、ある意味...勇二くんも勝ちよね?! トモ、また気が向いたら勝負してあげるよ?」 「そりゃ〜どぉも!!(むっかぁっ!!!)」 「ふぅん、まぁじゃあドア開けてくれる?」 皆と共に集合場所であった『光助』の部屋へと 入って行った...。 「ぎゃははははっっ!!! おぅ!早かったやなぃかぁ!!!? 俺様〜完全復活したんやでぇ〜〜〜!!!」 ...勢い良く光助の部屋に入ったーーー …その瞬間!!!… 高濃度のアルコール臭が4人を襲う!! 「...なに...この酔っ払いは???」 ハルカが視線の先にはボトル(瓶の意。)を片手に それを口飲みし、顔まで赤くして服装の乱れた 『智明』の凄惨な姿があった... 「あっ!みんなお帰り〜いやさぁ〜 いきなし、目覚めてみんながいなかった もんだから、お酒を煽ったみたいで...。」 「...この馬鹿豚くん、キミらが帰る少し前に あたしらが戻ったのを見て、乱入 してきたらしいのよね?...。」 弱り顔の光助らもその場に点在し、どうにか 酒臭さだけでも窓を開けて換気し飛ばすと 『京香』の柄による一撃で沈んだ智明を除いた 「キョウも〜飲めやぁ〜〜〜ーーーヴ!?」 『ドコッ!!』 「...寝てな?...。」 4人へと2人はこの闘技場で行うべき事を 語り、敵の所在を伝えた...。 ー次の日ー {れでぃ〜す&じゅえんとるめぇ〜ん!!! 惜しくも『閃光の弥親-ジ・マッドパーティーズ-』に 前回破れてしまった...が、尚新メンバーを加え 闘い続ける新生〜北洋の風ぇ! 『THE WINNER’S』 VS 驚異の 一人抜きを魅せた『選ばれし者〜智明と愉快な仲間達〜』による 好カードだぁっっっ!!!...さぁ? 皆様がたぁ賭けは決まったかなぁ?!〜〜〜それでは、 此処にーーーッッすたぁぁっっっとぉ!!!!} この言葉が審判員から放たれたーーー …その瞬間!!… 全員の視線を感じ 「そなぃ、全員で睨むことないやろ!? ったく...今回も俺様の一人抜きや...。 それで文句はないやろな???」 叫ぶ智明は手にした真っ赤な斬首刀を 備え、舞台に悠然と上がって行く!!! 『5月23日(水)』 第六六九話 『覇者への道=眠れる奴隷=』(5.23.水) 「確か...『軽量化』【ソフト・アタッチメント】とか 『氷の鉄槌』【コールド・サイレス】『北洋神儀』【ロロノエ・エプザ】 って奴の使い手がいたチームだよね?」 不意に呟く『光助』へと応え 「...あぁ、しかし残された3名も既に あの男によって始末されたハズ...。 (あの覆面の奴が新しい主将ってワケか?...!!)」 『京香』は声を上げ、鋭い眼光をサーカスの 道化が被る様な仮面を付け、真っ青なマントを 羽織った人物へ送りつける... 「へへ、どうでもいいぜ?...オレらは、 さっさと10億貯めなきゃなんねぇんだからな? 今回も『智明』一人で楽勝だろ!?」 嘗めて掛かる『知也』に相づちを送った 「そうだね、補欠の彼とぼくらも同等だよな?」 『洋子』もそう断言すると、真後ろの補欠席で 下をウツ向く『勇二』を横目に同情の視線を送る...。 「おらぁっ!!そないな、おかしな 格好で、俺様をっっっ!!!」 『ダキュゥォッッン!!!!』 武器を片手に走り込み狐の皮を被った 少年に斬撃を繰り出す智明の予想に反しーーー …次の瞬間!!!… 「ぅぎぎぃぃいい!?!」 「なっ...直撃...したんか!?!」 無防備なまま彼の首は、攻撃を受け入れ 見事に斬り裂かれ跳ね飛び宙を舞う!! 『ぼちょっっ!!!』 跳ね返った血飛沫が智明を真っ赤に染め上げ あっけない結末を迎えた...かに思えた、だが 青年が情景に呆気に取られたーーー …その直後!!… 『シュパァッァァッッッン!!!』 「痛いよぉ...苦しい...はぁつへへ...助けてぇぇ。」 取り残され鮮血を巻き散らせ続ける胴体より 唐突に繰り出された攻撃が智明を傷つける!! 「なっぐっ...。」 切り放された首が吐血を繰り返しながら 狂気の叫び声を上げ胴体と共に 彼を何度も執ように強襲し... 「助けてぇえぇええっっ!!!」 『ズバシュッッッ!!!』 思わぬ異常事態が智明を追い込み次々と肉片を 咬みちぎられ奪われて行く...!! 『5月24日(木)』 第六七〇話 『覇者への道=ファントム=』(5.24.木) 『ぞしゅしゅあっぁっっっ!!!』 「っくっ!?!首無し騎士かぃ!!? (スリーピー・フォローの奴、な。)」 胴体の持つ異常な握力と首だけとなった 対戦者が放つ咬み付きにより、徐々に 傷を増やして行く『智明』も流石にたまらず 無闇な反撃を繰り返す...のだが、 『ぶちゅちゅっっっ!!!』 「!?!...まぎゅいぃい!!!肉ニクぅウ!!!」 斬首刀の直撃が首を地盤に押し付け破壊したのにも 関わらず平気で再び動き回り幾重にも 彼へと無傷の胴体と共に襲いかかる!!! 「ぐぉお!?...もぉ...許さへんで? ...『血化陣』...【飛針陣】超動やぁっ!!」 『ズジュバシュァァッッッッ!!!!』 舞い散る血飛沫を暗器が一つ飛針へと 変化させた智明の怒りによる必殺技が撃ち出される、が その直撃を受けても尚... 「いたぁぁぃ〜〜ぃいい!!!」 少年は場から動き回りーーー 『むぎゅぎゃっ!!!』 「そんな...あかん..なっぅぎゃぁっ!!!?!」 遂に彼の喉元を捉える!! 「おぃ?...何してるんだ?あいつ??」 不意に『知也』が試合の様子を伺いながら呟く 「....さぁ、相手の子は動いてないのに...。 ぼくには...解らない...。」 不思議に思った『洋子』も声を上げその おかしな様子を指摘した... 「一人でもがき苦しんでいるみたいだけど...。 開始から両方とも動かないんじゃ、意味 解らないわ!?!」 「...いや、動けない...っとすれば...。」 『春化』の意見の後、『京香』が重い口を開き 「術中八九...相手の“能力”に犯られている...。」 頷く『光助』だが、外野からは成す術も無く 只、青年の闘いを見守るしかなかった...。 まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |