『6月1日(金)』 第六七八話 『Lost one Memories』(6.1.金) 「は〜ぃ勝利された皆様には戦利金として 1000万ゾディアックを、更に全額を 賭けの対象にされた『京香』様には 配当された金額をカードによって引き出せる様に しておきました!!! それでは、皆様は続きまして試合を組まれるのですが 異存は御座いませんか〜?」 バニーガール姿の女性は勝利を収めたものの 戦力を2人欠いた5人にとんでもない事を さらっと告げカードを彼女に手渡すと、返答を待つ 「...強制なのか?その試合は?...。」 新・北洋のチーム『THE WINNER’S』との 激闘を終えたばかりの主力を失った 現状で闘いは難しいと感じたキョウは質問する 「いえ、違います...しかし、ここで 連続勝利されると、一気に覇者までの道のりが 開ける可能性もありますよ? 無理はこちらも望みません、どういたしましょうかぁ〜?」 すると女性の返答を耳にした『光助』は、 「こっちの人数は少ないけど...良いの?」 前に身を乗り出し言葉を投げかける 「えぇ、かまいません!最高値が6人ですので。」 そして、4人に目線を送り残る彼女らが 頷くのをきっかけにーーー 「じゃあ...やってやろぉぜっ!!!」 彼は声を上げ参戦を明記する!! 「それで、どうだった?」 男の後ろにあのトモを追い込んだ仮面の人物が姿を現す... 「僕の期待には応えてくれたよ? Mr,『弥親』...。 しかし、彼が再び場に上がって来る事は 不可能だよ?...僕が身体感覚を奪ったからね。」 『レィドリッヒ』の言葉に笑みを浮かべ 青年は静かに窓から舞台上を眺め 「そうかな?...ワシはそうとは思わんがな? それよりも...レィド...その腕の傷...。 『選ばれし者』共との決戦まで治しておけよ?」 それから彼の横を通り過ぎる瞬時に腕から 流れ落ちる血液を指摘するとVIP(特別待遇の意。)席より 姿を消し階下に向かう... 「...面白い...これが彼奴らの実力...。 いや...まだまだ伸びるのだろうな...しかし、 ワシらにはワシらの思惑があり...邪魔な 人間共を始末しなければ...同じように 居場所が無くなってしまう!!!!」 現世の悪意が人間達を自らの手で始末しようと している、しかしそれを打ち砕く為に 一同は存在するのだ...それが荊(イバラ)の道だとしても...。 『智明』トモが抜けたチームは、補欠扱いの 『勇二』を正式に組員として含めた 5人で再結成すると、場内アナウンスのままに 闘技場『パルティノン』舞台へと駆け上がり 審判者の合図に従い、弥親の喉元に喰らい付く為 新たな『スキルマスター』【特殊能力者】や 『幻魔』達と激突しようとする!! 『6月2日(土)』 第六七九話 『記憶の誓約』(6.2.土) {お待たせしましたぁ!!幕間の時は 終わり〜〜〜〜っ再び 『選ばれし者〜智明と愉快な仲間達〜』の登場でござぃます!!! さて、上昇無敗で此処まで軽々と来た彼らに 対しますはぁぁっっ大会屈指の兵、たったの 3人で覇者を目指す『デス・サバイバー』だぁ!! それでは、皆様...賭けはお決まりかぁっっ 激とぉーーーーっつすたぁっっとぉ!!!} アナウンスが終えたーーー …その瞬間!!… 「アタシは記憶使いの『エネミ』...。 この場に入ったらあんた達は即座に 死ぬわ?...出来ればあんた達を殺したくない...。 棄権しなさい、あの男はアタシらが倒すから。」 既に舞台上に存在するスーツ姿の女性から 一同へと脅しに似た警告が発され忠告を受ける... 「だから?...此処はぼくに任せな?」 が、しかしそれで怯むことは無く 『洋子』が颯爽と声を放つと同時に 地盤に降り立つ!! 「残念ね...アタシは同じように闘って来た あんた達となど闘いたくない...しかし、 これが避けられないのなら...信念の下に お嬢さん、あんたも戦闘不能になってもらう。」 哀れみの言葉を呟く女性に苛立つ洋子は 彼女の発言を無視すると... 『しゅびゅゅぁぁっっん!!!!』 「“ミスルーのナイフ”...そう、じゃあ あんたが棄権しなよ?」 ナイフを制服の袖より手元に滑り出し 不敵にそう言い放つ!! 「...時間の無駄ね...せめて、神のお慈悲を...。 『トライデント・オブ・ステヴィア』 【剛鱗の槍】...いくわ!!」 『ジャキュァァッッ!!!!』 ぶつかり合う武具同士が火花を散らし それでも死線を潜り抜けた少女は巨大な 槍を手にする女性の懐へ旨く入り込むとーーー 「口だけだな...短刀一閃!!疾風切り!!!」 『ジュパァッッン!!!』 実力の差を露呈させるように浅くだが 斬撃を繰り出し直撃させる!! 「なっ..ぐっっきゃっ...はぁはぁはぁ...。」 胸を切り裂かれたエネミは、よろめき 呼吸を荒くし、連続技を恐れ距離を取る... 「さぁ!もう降参しなさい!!」 洋子も実は同じ人間同士で争う事は矛盾を 感じていた...何故なら同じ目的の為 必死に生きている仲間だから...しかし、 「...ふふ...そうも行かなぃのよ? 最初に言ったでしょ...この中に 入った時点で...あんたは負けている!!!」 女性は劣性にも関わらず強気な発言を 相変わらず繰り返し、少女はそれを振り切りながら 手にしたナイフによる追撃を放たんとする...が、 …その時!!… 『6月3日(日)』 第六八〇話 『崩壊する記憶の塊-前編-』(6.3.日) 「何をワケのわからない事を!! この一撃で終わらせる...“ーーーのナイフ”...? えっ...ぼく...!?! (何だ?...ぼくはこの...武器は???)」 突然!!今まであったこのナイフの記憶が 曖昧になって記憶から消え去っていた... 「精神力の強さに比例して消えるまでに 時間が掛かるけど...。 『崩壊と言う記憶の塊』【ピュア・ソールズ】は あんたの記憶をそうやって場にいる限り 奪い...壊し続ける!!」 『バキュアッッン!!!!』 高いハイヒールから戸惑い動きを止めた 『洋子』に繰り出された『エネミ』の蹴りによって 彼女は頬に傷を負い少しの距離を吹っ飛ばされてしまう!! 「ぐぎゃっっん!!?」 『カラァッッン!!!』 ナイフを地盤へ落とし地に伏せる傍らで 即座に起き上がる彼女だった、が... 「...ぼくは...一体...何をしている? の...此処は?...何で...頬が痛い...。 思い出せない...何???」 タカが外れた様に次々と記憶を無くしもう 自分がその場に存在する理由すら忘れてしまっていた...。 「最終的にはあんたは自分が誰であるかすら... 曖昧になって消える...そう、この選ばれた アタシの“力”なら...この地だって 解放出来る、あんた達は邪魔なのよ!! 黙って大人しくしてなさいな! 『トライデント・オブ・ステヴィア』【剛鱗の槍】の 一撃で楽にしてあげるわ...せめての情けで。」 だが、倒錯する彼女に向かい止めをエネミが放たんとした …その瞬間!!!… 『ジャキュァァァッッン!!!』 「...あんたは...誰?...ぼく...は、 『霧徒』【キリト】...。 かつての、この身体が支配者...キリトだ。」 立て膝の体制から彼女に物凄い速さの蹴りが 放たれエネミの脇腹をえぐる!! 「ぐふぁっ!?!...あんたは...いったぃ!?」 何時もの洋子ではない、何者かが今少女を支配し 古の過去をそのキリトは語る... 「ぼくは孤独に苛まれた...少女の創り上げた 仮想の人格、そして自我が大きくなるに つれてぼくは消えた...しかし、今...あいつが 小さくなった...だから、ぼくが出た...ふふっ お嬢ちゃん...あんたの精神...喰わせてくれ?」 静かに場から立ち上がった少年は、狂気を 秘めた黒き瞳を覗かせ女性から視線を 外さずに心を浸食して行く...!!! 「...ここは....。」 ぼくの中で...ぼくが外を見てる... 「...なんなの...こいつは!!」 ぼくは...誰だっけ?...でも、酷く懐かしい そうだ...霧徒...初めて描いた...ぼくの ぼくだけの主人公...ぼくの影だ...。 『6月4日(月)』 第六八一話 『崩壊する記憶の塊-中編-』(6.4.月) ぼく...何時からか、ぼくは自分をこう呼んでいた... 「ふざけなぃでよ...アタシを騙していた ...そうなのね?....許さない...。 あんたの持つ記憶をこの『トライデント・オブ・ステヴァ』 【剛鱗の槍】に付加させ...その分だけ火力を上げる!!」 白昼夢の様な現実...曖昧な、ただ...はっきりと 解るのは病室で脅えるぼくを強く支えてくれた あの幼少の少年....の姿... 「あんたは誰?...ふふっ、お遊びでそんな 物を振り回しちゃ危ないよぉ...。」 それを型どった主人公が...ぼくと言う一人称を ぼくに与え孤独を救ってくれた... 消えてしまった彼に代わって... 『ズシュパァッッッン!!!』 「ぎゃっっっ!!?(なっ...身体が思うように動かない...?)」 でも、『霧徒』は...ぼくの願う破滅を行う 存在...そして、あちしの中でやがて消えた影...。 「『洋子』の様子がおかしい...ぞ? まるで別人みたいだ。」 『光助』の言葉のままに頷く3人だが、1人 「別人よ...あれは、彼女の気配じゃない!! ...いえ、もしかしたら純粋な本来姿なのかも 知れないわ...だとしたら...!!(彼女は...。)」 『春化』だけは確信を得て叫ぶ 「えっっ!?じゃあ、本来は男の子なのぉ〜!?!」 「...『勇二』、キミの天然っと言うか もうあたしでさえ、突っ込みきれない!?...。 元があれか...それが記憶が消えて露呈した... ...そう考えるのが定石だね...。」 次いで述べる勇二に呆れながらも『京香』は 返答し舞台上の彼女、いや...彼を見つめた... 「トラウマが蘇った....って、感じだね。 それにしても、ここまでビリビリ来るこの感じ ...アレがまとまな奴だとは思えないな...。」 少女を心配し呟く青年の声は一瞬にして歓声に 飲まれて消え去った...。 『ダキュォオォォッッッン!!!』 「ふぁっ!はっはっぁっ....!!?」 舞台を逃げ惑う女性を漆黒の短剣を手にした 少年が死なぬ程度に切り刻み、わざと 「どうしたの?...あんたの事を教えてよ?」 止めを与えず逃がしながら痛ぶり続け 出口の無い闇の迷路へと追い込んで行く!! 「もぉ...いやぁ...助けて...ぅゎっあぁっ!?!!?」 発狂する『エネミ』の前へ彼は静かに 立ち塞がり恐怖によって無我夢中で攻撃を 彼女が繰り出す内に掠めた傷から溢れる血液を 嘗め取りながら邪悪な笑みをこぼす...そして、 「...恐がるな...ぼくがあんたの心を解放してやるよ?」 尻餅を付き倒れた肩を物凄い“力”で抑え付け 凄惨な儀式を始めんとする!! まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |