『6月13日(水)』 第六九〇話 『獣の数字達“ビースト・ナンバー’ズ”-five-』(6.13.水) 闘技場『パルティノン』にて地帯を 解放する為に試合を行い快勝を続けて いた一行だったが、思いもよらぬ出来事に遭遇し しかも、明らかに不利なジャッチ(審判の意。)に よって今まで貯めていた『弥親』と相対する 資金ゾディアックが湯水のごとく消えて行った... 「ぅう...ぅう...ん...。」 更にこちらには甚大な被害を負ったまま 先の闘いで昏睡状態となった『春化』 「...くそがぁっ...身体の支配がおぼろや...。 (“力”がまったく、出ぇへん...!!)」 外傷では無く精神を傷つけられた『智明』 そして、同じく精神と共に身体の感覚を奪われ 「ぐっ...はぁはぁはぁ...動かない...。 (オレは...何故あいつをシトメ損なった!?)」 恐らく戦線には復帰し得ぬだろう『知也』と 言う決め手をも失なってしまう... 「はぁ...残ったのはボクのカ〜ドだけ...かぁ〜。 これから〜どうしよぉうっか?」 お腹を空かせた『勇二』が大きく前と横に 出た腹部を制服の上から摩りながら ため息混じりに呟き皆の顔を見上げた...。 用意された食事には在りつけたものの 「なんかぁ...味気ない気がするなぁ...。 病院で出るご飯みたぃじゃない?」 どうもしっくり来ない『光助』は、 会話が終えると、皆を各々の部屋に帰し Tシャツやら、下着を脱ぎ捨て 『きゅっ!きゅきゅっっ!!』 お風呂場へと向かって行った... 「今日は休むしかないよね?...明日からが きっと本番になるから!」 「あはっ!そうだね!!」 『洋子』もさっさと気持ちを切り替えて 自室にてある考えを張り巡らせていた...それは、 「“ブラィダリティ・デスサイザー”と “ミスルーのナイフ”は対を成している...。 ぼくが本気で扱える様になれば...或(ある)いは...。」 『霧徒』との決別によって産まれんと していた新たな“能力”と自らの武器創作についてだった 「一応〜今までボクが戦った敵は〜 みんなGetだぜぃ!って感じ〜 あはっ、これデュエルも出来るんだぁ〜 明日、こ-すけとしよっかなぁ〜!!」 やはりマイペース(自己中心に押し進める事の意。)な 勇二はこの状況でもまったく、のほほんと 自分を貫きベットの上で寝転がりながら 手にした輝くカード達を眺めて眠りに就いた、 今度はしっかり戸締まりを終えて...。 草木も眠る丑三(うしみ)つ時...少女は手にした 紙切れを握り潰し場に足を向かわせた... 「...キミか...。」 『デス・サバイバー』との闘いで一番 苦渋を得たのが彼女だった、洋子もハルカも 救えなかった無力さが少女を新たなる闘いへと 誘ってしまう... 「へっへーっあっしを覚えておいでですかぃ、 それなら話しは早い...条件飲みますか?!」 夜の舞台『京香』は、たった一人で 目の前の『スキルマスター』【特殊能力者】が 仕組み込んだチームとの勝ち抜きを承諾する!! 『6月14日(木)』 第六九一話 『獣の数字達〜ビースト・ナンバー’ズ〜-six-』(6.14.木) ーその、少し前ー 「...誰だ...!!」 静かに自室で待機していた『京香』は扉の前で 何者かの不審な動きを感じ横に置いておいた 剣を手に凄味を効かせ叫ぶ...すると、 『がささっっ...。』 「...これは...あたし宛の手紙か...。 (あのバニーガールの女か?)」 即座に気配は消え、少しだけあったドア(扉の意。)下の 隙間から茶色い封筒が差し込まれていた... 「『スキルマスター』の“能力”が付属されている 可能性もいなめない...此処であたしまで 戦闘不能になるワケにはいかないからな...。」 静かに歩み寄りながら彼女はそれを手にし 油断せずに極力の注意を含め封を切る.... 『ザシュァッァッッ!!!』 空中で一閃したキョウは、後ろに下がり様子を伺う だが、どうやら仕掛があるワケでは無かった 「...あの女性からの便箋(びんせん)では ないのか...仕方ない...。」 冷や汗を流しながら彼女は空中でそれを受け止め 中身のすえた臭いを放つ手紙を取り出し読み始めた...。 {さぁ〜って、先の闘いで負けをきしてしまった〜〜〜 『選ばれし者〜智明と愉快な仲間達〜』 VS 『クラゥン・オブ・フォーチュン』の 変則的チームバトル!!! 予想だにしないこの試合、賭けは決まったのかぁぁっ!! 皆様、とくとご覧あれぇっ!!!すたぁっっとぉ!!!!} 舞台には当然の様にキョウたった1人が 剣を背に制服姿で立ち上がり最後に居座る 男へ視線を向ける... [ぎゃははは!!!ドコ向いてやがんだぁっ!! 女ぁぁっ!!!!!] 赤身がかった巨体を震わせ恐竜が無防備な 少女へと一気に牙を向け襲いかかる、がーーー …その瞬間!!… 「...キミなんぞ眼中にない...消えろ...。 岩盤より入出呼(いでよ)岩のトガッッ!!...。」 『ズガガガガッッッンッッ!!!!』 [ぼヴふぁっ!?!!こんなーーーー] その場でしゃがみ地面へ手の平を押し当てた キョウのスキルにより解放された巨大な岩の山へと 存在する尖った先が突き刺さる!っと同時にーーー 「へぇ、あっしらの“111”が殺られちまったぁ! (こんなにもアッサリと...。)」 全身を一個のそれがブチ抜き 「...相手にならないな?...。」 一瞬にして歪みへと沈め勝利を確定させる!!! 獣型の『幻魔』達を従えた一つ目の道化は 先手の無様さに嘆きながらも 「『灰色の兎』【ロップ・ティラー】 いきなさぃな?...くっくーーーっ!!」 2番手を即座に舞台に向かわせる...だが、しかし 「...空気の刃よ...切り刻め!!...。」 『ざきゅるるるっっっ!!!!』 幻魔が駆け上がったーーー …その瞬間!!!… [ふぃぎゃふぅうっ!?!!] 「なっ...ナンテ酷いーーーっ!!!」 彼女の仕掛けた風の罠が起動し、一撃で 敵を切り刻み細切れにしてしまった!! 『6月15日(金)』 第六九二話 『獣の数字達〜ビースト・ナンバー’ズ〜-seven-』(6.15.金) 「『エキドナの猿』【マスカ・オルカスト】!!! “333”の“力”...存分に発揮するが良い!!」 口元まで一つ目のウジャト(眼の意。)が描かれた 布を頭から被る青年の叫び声に併せ退屈そうに 出番を待ち望んでいた、巨大な大猿が転がるように [ぅぎぃぃ!!!マスター!!待ってたぜ!] 『どぎゅるるるるぉぉおぉぉっっ!!!!』 階段を登り上がり一気に『京香』へと詰めよる!!...だが、 …その時… 「...疾風剣...。」 『ジャッコォォッッン!!!』 既に剣を構えて相手を待ち受けていた彼女は、 冷静に巨大な球を見据え [まぎょふぁっふぇっ!?!] 「...嘘...でげしょ...??!」 一刀両断で『幻魔』の身体を斬り裂いた!! 「なっ!!?...あいつ何してやがんのや!? あかん...意味が解らん!!!」 『智明』は病室で放送されていた光景に 目が点となり以前、寝たきりの『春化』は除き 『知也』は、その声で目を覚ます... 「...ぅう...?...どうしたんだぁ〜 朝っぱらからウっせーぞ?智明...っ!?!」 思わず画面から流れる音声に絶句するトモ... ー同時刻ー 「っ!?!...キョウ!!!」 TV(テレビ(液晶画像電波放映機の意。))を付けっぱなしだった 『光助』はたまらず声にならない甲高い声を上げ 全裸のまま『勇二』の部屋のドアを叩いた 『ドッドドドドッッン!!!』 「...むにゃ...何?...ぅう...光助???」 眠気眼でベットから半身を起こした少年は、 声の主を想定し、慌てて鍵を外す...すると 「おぅ!!?...見たか!!画面を勇二!! やばぃよ!何かキョウが一人でーーー とにかく、これ見て!!!!」 そこには、真っ裸の光助の大慌てで叫ぶ姿が!! 「!?ひゃぁっ〜!(照)」 局部を覗き込んで顔を赤らめる勇二の手を グィっと引っ張ると各部屋に備え付けられた モニター(液晶画面映像増幅機の意。)直結のテレビが スイッチ(切り替えの意。)に手を当てた...。 『あっしと契約を結ぶのなら、明日の試合で勝利すれば 紛失したゾディアックを軽く越える額を明け渡し 彼奴への道を開きましょう、但し...貴公お一人で 深夜の舞台に来られて、明日もお一人で 6匹を勝ち抜いて下さいな?』 これが、あたしが交わした契約...もう後戻りは 「くっはーっはーっ!!!次だ!!」 ...出来ない!! 「...あたしが、此処を切り抜ければーーー」 『洋子』の苦しみも、皆のそれも...やがて和らぐ だから、あたしが勝ち切るしかない!!! 『6月16日(土)』 第六九三話 『獣の数字達〜ビースト・ナンバー’ズ〜-eight-』(6.16.土) 「...はぁああっっ!!...“風の核色”発動...。 超高速移動によるーーー追撃の斬撃ッッ!」 『ジャックォオオオォッッッン!!!!』 最初から最後まで全力を尽くす彼女は、 『核色』によるバリエーション(種類の意。)を 多彩に一撃の下、迫り来る『幻魔』達を倒して行く!! [ぎゅぱっっ!?!] 「“444”までも...“555”...『快活な麒麟』 【グラン・ソフィア】よ...殺せぇっ!!!」 予想外の出来事に焦りを見せつつ新たな 部下を舞台に送る一つ目の青年は、額に流れる 汗を拭いながら興奮し舌嘗めずりを繰り返す... [調子にのるなぁっっ!!!子娘がぁっ!! 我が普遍の技を受けもがきーーーー] 「...触れている空気を解放...疾風の槍が 豪雨...受てみるが、良い!!...。」 『ザキュォォォオオオォォッッ!!!』 [ーーー苦しむがぁ...ぃい...ふぐぁッ!?!] 『京香』の圧倒的な“力”の前に尽く破れ去る 青年のチームメンバーだったの...だが、 「...“666”漸く出番だ...獣よ!!」 さっきまでの動向が嘘の様に落ち着きを払う 青年は自分では無く、最後の一匹を場に呼び出した...。 「夢...じゃないよなぁ!!? キョウ〜〜〜っ!!!...あんた、何してんのさぁ!!」 飛び起きた『洋子』は、成り振り構わず 試合が行われている場へと駆けつけ叫ぶ...が、 「...洋子...悪いな...今は邪魔だ...!!」 少女を相手にせずキョウは、最後の一体と対時する 「予想外...でも、これからなんですよね? あっしは貴公の強さを身に染みていますからねぇ...。 さぁって、真打ちの登場ですぜぇっ!!」 青年のかけ声と共に姿を現した、それはーーー [ぴきゅるるっ!!!] なんの変哲も無い、寧(むし)ろ弱そうな獣型の幻魔だった... 「...見かけに惑わされず、か...。 (奴が動かない...か、これは罠...。)」 小型のそれが舞台に上がると、即刻ーーー 「キョウ...叩き斬れぇっ!!!!」 勝負を決めにキョウが剣で襲い掛かる!! だが、彼女が粉砕に掛かろうとしたーーー …次の瞬間!!… [ぽぎょぉおおおぉぉっ!!!!] 幻魔の身体に変化が起こる!! まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |