『7月9日(月)』 第七一六話 『マッド・パーティー*邪気*』(7.9.月) 『絶陰地帯』にて闘技場『パルティノン』で 開始された戦闘もある程度の結果を残す...だが、 『京香』VS『ダン=ショート』 『智明』VS『イソンバ』 『春化』VS『ジルベルト』が 終えたところで事態は思わぬ急展開を迎える!! 「...この『ミキ』ちゃんが何も無しに あんたの前に出て来ると思う?」 「一体何時から貴方は....ココに?! ...さぁ、何があっても貴方を取り戻してみせるわ!!」 細身な英国人の少年を打ち倒し『スキル』 【特殊能力】による“真価”を引き出した少女の 真後ろに親友と呼べる...だが、しかし 「くすすっ...頼もしいわね?...でも、 今回は安心しなさいな、あんたが目的じゃないのよ...。 本来対として存在している『霊聖坤』 それを頂きに来たわ。」 ある時から敵側へと運命付けられてしまった 『異界の闇覇者』の1人幹が姿を現す 「アレが本物の異界の闇覇者...『弥親』さん アナタが最後までひた隠しにしていたのは 彼女の事だったんですか...?」 法衣を纏い仮面を被る人物の言葉に対し下駄履いた 弥親は静かに答える... 「隠してなどいなかった...。 ワシとて彼女には逆らえんからな、処罰 されて今の様に消されるよりは好きに させておく方が良いと思っただけだ...。 (まぁ、それも利用させて貰うが...な。)」 …次の瞬間!!… 『バヒュォオォォォッッッン!!!』 「...これが目的...良く解らないけどれどーーー これ以上の罪を貴方に背負わすわけにはいかない ...その悪鬼を浄化して、解放してあげるわ!!」 舞台の上ではハルカの因縁の対決が始まろうとしていた!! 「ふふっ...審判、ミキちゃんは正式なあの中の 一人よ?...つまらない事を言うのなら、場の全ての 者共を皆殺しにしてやるからーーーー 覚悟しなさいな?」 幹の威圧によって審判者は恐怖に包まれ 何度も頷くとそれを了解した 「...はぁぁあっっっ!!」 手にした柄へと霊気を一気に込め先には劣るものの 何れにせよパワーアップ(力の強化の意。)された 刃は黄金がかり大きな変化を魅せる!! 『ぱきぃみししぃぴきぃぱきょ...!!』 おかしな音が何処からか小さく響くがお構いなしに ハルカは一気に間を詰め寄り迅速な 攻撃を繰り出すーーー 『ばきゅぃうぅぅっっっ!!!!』 「動きも前より、格段に上になっているのね? 人殺しも慣れた様じゃない!?」 だが、幹はそれを少し前の霊聖坤の様に 棒状の武器で受け流すと 「くっ!?!...(強い!!)」 声を掛け何故か“力”を込めぬまま 打撃を打ち出し互角の闘いを演じる!! だが、しかし攻撃を連続で打ち放ち 勢いに乗ったまま幹が前へ身体を乗り出したーーー …次の瞬間!!… 『バキョォォォッッッン!!!』 「!?!...。」 「...。(『帝劍坤』が壊れた!!そうか ...幹はこれを考慮して...いける!!)」 小さな悲鳴を上げていた幹の武具 帝劍坤は柄の部位を残し粉々に砕け散り それに驚いた自身に大きな隙を与えてしまう!!が、 「...くくっ...。」 これを絶好の機にしハルカから聖なる刃が 繰り出され彼女を直撃しようとするーーー …その直前!!!!… 『ブフュォォオオォォッッッン!!!!』 不意に解き放たれた暗闇の刃が少女を穿つ!!!! 『7月10日(火)』 第七一七話 『マッド・パーティー*相対*』(7.10.火) 「イケる!!神〜〜〜霊術式ーーーーー 壱ノ型『滅閃』っっ!」 『春化』の想いを背負った浄化の一撃が 自らの武器が大破した『幹』へと繰り出され 黄金がかった刃が彼女を直撃せんとしたーーー …その瞬間!!!!… 『ブヒュゥッォオォォォッッン!!!!』 「くすっ...あはははっ、はるかぁ〜〜 あんたは勝機を焦った...。 敗因はそれで十分よ、見えたかしら? このミキちゃんの“真価”って奴わぁ...くすす。」 依然、前のめりのままだった幹は柄の部位が 残された坤では不可能な防御を行うどころか 攻撃に転じようとそれを構え抜刀のごとく 少女が繰り出す技よりも早く一閃しーーーー 「ぐっ...きゃぁああああっっっ!?!! げふぉっ....げっぐっ...貴方も...これの 使い方そして...ごふぁっ....くぅあぁぁつ!!?」 暗闇の残像を残しながらハルカの肩から腹部に 駆けて、その込められた霊気で斬り裂いた!!! 「あんたが油断する瞬間を狙った、ってわけでも ないわよ?...只、牽かれ合う...ミキちゃんと あんた...そして、この『帝劍坤』と『霊聖坤』の様に!!」 一瞬だけ姿を見せた霊気の刃が瞳へ焼き付き 離れないハルカは、身体中を走り巡る 異常な痛みに耐え吐血を繰り返しながらも 必死で立ち上がり地盤へ落ちし武具を再び手にした!! 「がっ..ぐふぁふぁっ....。 (何なの...私の中で何かが大暴れを起こして 内部から破壊されている...みたいな...気分...だわ。)」 それもその筈、彼女に放たれた技は... 「それでこそ『P × H』 【プリンセス・ハンター】ってワケね...。 でも、無駄な足掻きは止めた方が良いわよ〜ん 何故ならあんたの性質ではこのミキちゃんの 黒き刃に掠っただけで本当は即死していても おかしくは無いのだから...。」 まったく逆の位置で産まれたアンチ霊術式 「ぐっ...まさか...私の逆って...。 それは...外法...自らの命も削る...。」 その名はーーーーー 「『邪霊術式』【じゃれいじゅつしき】 察しの通り、“浄化”では無く“忌汚” この霊気の刃を受けた全てのモノは腐敗し 滅びるわ...さぁ、解ったかしら?.. くすっ...それじゃあ一応は止めを刺す それが条件だったのよ...バイバイ。 邪霊術式壱ノ型『障気』ッッ発散!!!!」 邪悪な霊気を身へ宿らせ自らの命を刃として繰り出す 邪霊術式、そして今...瀕死の少女への手向けの 言葉とも思える醜悪な洗礼が幹により撃ち放たれた!!!! 『ひゅぃきゃぁぁぁぁめきょぁぁぁっっっ!!!!』 おぞましい悲鳴と歓喜の叫びが観客席をも巻き込み 解き放たれ頭蓋骨の形で吐き出された 無数の邪霊波は、無差別に場の全てを喰い殺し 残酷極まり無い惨劇を演じて魅せる!! 「....“三月”...おばあちゃん...もう一度だけ あの“力”を...貸して!!」 現状の様に耐え切れなくなりながらも 親友を救うべく彼女は再度霊気を高めんとするが、 …その時!!… 死霊の群れがハルカを貪り喰らわんと強襲する!! 『7月11日(水)』 第七一八話 『マッド・パーティー*浄化と忌汚*』(7.11.水) {『選ばし者』〜智明と愉快な仲間達〜と 『閃光の弥親』-ジ・マッドパーティーズ-の 闘いもいよいよ中盤戦に突入だぁ!!! 大荒れに荒れた場には死霊が漂い...我々も 含め傍観者達にも被害を与えてるぅうう〜〜〜 死ぬ気で結果をその目に焼き付けろ!!} 場内アナウンスサー(言葉を放送で伝える役割を持つ者の意。)すらも 『幹』が解き放った邪悪な死霊共に恐れおの退き 凄惨な現場状況でまともな報告を出来ず 「ふっ...恐ろしいですな...。 (これが『異界の闇覇者』の“力”か...。)」 審判者は、闘技場の縁下へと逃げ隠れ全てが 納まるのを待つ始末だった... 「障気に寄せ集められた....無念に散った 魂達よ...このミキちゃんの坤より解き放たれたままに オオぃに暴れなさい、ネッ!!!!」 『ひゅぅきぃっっぁぁぁっっっっ!!!!』 骸達の奏でる旋律が場内を淘汰し始め 最後には親友である少女へそれが向けられ 「...みきぃいいいいぃぃーーーーっっっっ!!」 一斉射撃の様に邪霊波が降り注ぐ!! 「...侮っているつもりもなかった、けど...。 (ここまでとは...正直驚いたわ...でも...。)」 『ズキュシュシュシュッッッン!!!!』 確かに降り注がれた死霊達の豪雨、だがーーー 「神霊術式...弐ノ型『緋空』....。 はぁぁアァっっっっっっっ!」 『霊聖坤』を頭上高かくで両腕を持ちい 円軌道に振り回し『春化』は全力を持って 自分へ津波の様に押し掛かる邪悪なモノ共を 勢い良く一気に浄化し消滅させて行く!! 『みゅぁぁぁっっっぉおおぉぉっっっんっっ!!!』 「...『惨閃』!!」 が、しかし少女が必死の思いで行う 諸行を幹は次の一閃、坤のたったひと振りによって 遮り打ち砕く 「ーーーーっっげっくぅっ!?! (みっ....きぃ....。)」 吹っ飛ぶハルカの華奢な身体は、場外へと 投げ出されーーー 「...確かにこれはいただいたわ...。」 同時に手から離れた霊聖坤が宙を舞ながら 地盤へ転がり落ちた....。 しかし笑みを浮かべながら当初の目的を果たす為、 「....はるかぁあっっぁ!!」 『知也』が即座、駆け寄る様を横目にし 幹が足元へ転がるそれを彼女が手にしたーーー …その瞬間!!… 『バチィイィィッッ!!!』 誰もが思い掛けもし無かった事態が幹を襲う!! 『7月12日(木)』 第七一九話 『マッド・パーティー*その“念”*』(7.12.木) 「きゃっ!?...これはーーーーーッッ!!?! (この『ミキ』ちゃんを拒否だと?!)」 『春化』から離れ落ち転がり地盤に存在する 『霊聖坤』を幹が勝ち誇った表情を浮かべ その手にした、途端!! 『ビチチチッッバチィッッッ!!!』 彼女を拒むかの様に残留していた霊気が放電現象を 引き起こし負傷とまではいかないが ある程度の痛みを与える 「...内部まで来るこの痛みは....。 そう...真逆だとすれば私の霊気と同じく...。 (私にとって...どこまでも対を成しているのか..。)」 再び地に伏せた坤を見つめると彼女は、そう呟き... 「『弥親』...あんたとの取引は此処までの様ね ...ミキちゃんはもう帰るわ。」 続けて言葉を放つと舞台を自ら後にした...。 「ぅっ....ぅう....みき....。」 「良かった...まだ、微かだが息がある...。 オレの気を送り込めばーーー」 動かない片腕をどうにか少女に向け内部を 荒らす邪悪な霊気を排除しようと『知也』が 集中し掛けたーーーー …その瞬間!!… 『パシュッッッッン!!!』 「...退きなさい....霊術式...。」 「ーーーっナニっ!?!」 真後ろから『帝劍坤』による止めとも思えた 幹の白刃による一撃がハルカへ放たれた!! 「ぅっあぁぁぁっ!?!」 喚き声を上げるハルカ 「貴様ぁぁっっ!!!」 だが、彼が怒りを露に幹へ攻撃を繰り出そうと 構え足を振り上げんとした瞬間!! 「...『絶陽地帯』で待っている...。」 「ぐっ..っがっ...まっ...待ってトモ!!」 「ッ!?...ハルカ?」 それを彼女自らがその場から起き上がり制止した...。 まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |