『10月1日(金)』 第七十一話 『煉獄の山』(10.1.金) 『死骸の王』【ナイトメア】を『貴弘』が 撃退した事により 残っていた『さ迷う死者』 【リビング・オブ・デット】達も 陽の光に触れて消滅して行った... 「...くそっ!!....ボクがもっと 早く奴の存在に気付いていれば...!!」 ほぼ崩壊した街を見て『ハルッズ』は 悔しそうに地面に拳を当てる... それを見た貴弘は、ハルッズの側に寄ると 「大丈夫....まだ全てが終わってしまった ワケじゃないよ...君が守った人達だって ちゃんと居る...それに、もう二度と こんな事が起きないように...僕が ここの地帯を支配する『幻魔』を打ち倒す!!」 そう言って励まし勇気づけた。 「そうやな...まだあいつの本体も 倒してないんや...ヒロ...お前の 言う通り...倒すしかないやろな... まぁ、俺様が付いていてやれば 楽勝やろうけどな。」 『智明』は、地面から斬首刀を拾い上げると 片手に構えてそう呟いた 「...智明、君も来てくれるんだ... ありがとう。」 「...?!?...ふんっ...まぁ... 俺様も...殺られかけた貸しがるからなぁ ...それを返しに行くだけやからな!!」 貴弘がお礼を言うと照れた 智明は、悪態を付ながら少し頬を赤らめた。 その頃、この『山岳地帯』の支配者 『八つ首の龍』【トライゼ・ラスター】の 巣くう巨大な山『煉獄』では、ヨリシロを 破壊され悔しがるナイトメアの本体が 新たな迎撃の準備をしていた...。 [くっ...おのれぇ!!... まさかあのガキも“能力者”だった とは...あのでぶだけじゃなかったのか!?] 「ふふんっ...あなた使えないねぇ〜 それを解らなかったのか?」 すると、そこに前日、智明に 呪いをかけた張本人、漆黒のマントを 全身につつみ込んだ人物が ナイトメアを挑発する [貴様....何故、トライゼ様の神殿へ 勝手に来ているのだ!!] 「...あ”?、あんたなんか勘違い してないか?...私とトライゼ.... どっちが強くて偉いと思っているのかな?」 マントの奥に潜める狂気の瞳で見つめると たじろぐナイトメア...それを見て笑う その人物は、徐にその場から離れると トライゼ・ラスターのいる神殿に下に歩み寄った。 「元気だったか?」 [...!?...ふっまぁな... お前の姿を見るのは久しぶりだな... なにをしていた?] 巨大な龍が闇に身を潜めながら その人物に問いかける 「...『選ばれし者』になりうる 者がやがてココに現れるだろう... トライゼ...お前に期待しているぞ... そうそう、1人太った奴は殺すなよ? それは、私の獲物だからな...。」 [ほう?また能力を使ったのか... 物好きな奴め...解った心得ておこう...。] 問いかけに答えた謎の人物は トライゼ・ラスターから話しを聞くと その場から姿を消した...。 「んじゃ、行こう!!」 「わ〜とるわぃ。」 ハルッズから地図を貰った2人は、 煉獄に向かい山道を歩み出した!! まずは、山の麓(ふもと)の街『レイン』を 目指す!! 『10月2日(土)』 第七十二話 『レイン』(10.2.土) 「まだ着かないのかなぁ?」 「おぃ!!まだ歩いて2時間しか 立ってないんやぞ!?アホか!!」 『貴弘』の言動に怒りを覚えた『智明』は、 呆れて頭をかかえる... 『ハルッズ』の街から随分歩いた 2人だったがやはり山道は厳しく 体力の消耗も激しかった...しかも 地図に描かれた『煉獄』に向かい 進むにつれてまた、山道更に 険しくなっていった…。 「ねぇ...智明は、僕なんだよね... やっぱし僕の考えている事とかって 全部...解っちゃうのかなぁ?」 「まぁ...大体わな...でも、な... ヒロ...お前から分離してから 俺様は、良く...いや..。」 2人は、山道を歩きながらおかしな 会話を繰り広げていた 「...んじゃ、やっぱ趣味とかも 一緒なのかな...???」 「趣味!?...あぁ、そう言うことか... ...どうやろな?....まぁ、そのうちな。」 少しづつだが、お互いの距離が ちじまってゆく...そんな中...2人の 目の前に突然、巨大な『魔木』【トレント】が 姿を現し行く手を遮った!! [...ニェ...メシメシメイぃぃ!!] 「まったく...イイ感じだったのに。」 「はぁ...どこがやねんッ!!」 無数の触手を伸ばし一気に2人を 取り込み殺そうとするトレントだったが... [にゅりゅぁぁぁ?!! ] 『ズバシュッッ!!』 その瞬間、智明の斬首刀と貴弘の 槍による同時攻撃がその触手ごと トレントの巨大なカラダを、ブッた斬った!! 「あぁ〜あ...弱!!」 「だるぅ〜。」 巨大なトレントを歪みに沈めると 2人はまた山道を歩き始めた... そして、暫くすると2人の目の前には 寂れた山岳地帯支配者の下へ続く 麓の街『レイン』が姿を現した!! 『10月3日(日)』 第七十三話 『ゾンビぞんびZONBI!!』(10.3.日) 漸く、辿り着いた『煉獄』に連なる麓の 街『レイン』に入って行った 2人は、そこで異様な光景を目にする...。 「『智明』...あれって...。」 「あぁ、『屍人形』【ゾンビ】やろ? ...どうやら以前は、 此処の住民達だったようやなけどな...。」 街中を縦横無尽に俳かいする ゾンビ達は、2人を見ても 何をするワケでもなく只、そこに 存在し、呻き声を上げながら歩きまわっていた... 「このヒト達って...やっぱし 『幻魔』にこんな姿にされて しまったのかなぁ...?」 「さぁな...まぁ襲いかかって 来ないから楽でいいんやけど... どーでもいいから先に行こうや。」 それを無視しつつ山頂に登る為の 道案内を見付けた2人は、そこに向かい 歩み進めた。 だが、その様子を陰でひっそりと 伺い奇襲をかけようとするモノがいた... …その何者か… [ククッ...“能力者”達め...この前の 恨み...晴らさでおくべきか...死を 持ってそれを償え...そして『八つ首の龍』 【トライゼ・ラスター】様の神殿には、 足を踏み入れさせることは出来んよ... さぁ、我が僕達よ!!今こそ、その邪念を 思う存分解き放つのだ!!] 『死骸の王』【ナイトメア】は、徐に 自分の力でゾンビに変化させた 住人達に向かい殺せと、命令を出す... 2人を山に登らせぬ様に...。 [うっぅあぁあぁ!!] [まヴあぁぁあぁ!!] 山道に入ろうとする2人に突然 先ほどまで大人しかった、 ゾンビ化した住民達が襲いかかる!! 「うぁっ!?」 それを見て驚き慌てる『貴弘』は、 智明に向かい 「どうしよう!!...倒して 大丈夫なのかなぁ?!!」 そう叫ぶ...そして、それを聞いた智明は 少し考えたのちに 「...そやな...でも、倒せば... もしかしたら元に戻れる可能性を 潰す事にもなりかねんし...。」 そう答えると、斬首刀を構える... 「...そうか...じゃ...振り切れる かなぁ?...一気に山道を登れば!!」 貴弘は、そう呟くと智明に ここは、逃げようと言う決断を下した。 「しゃあないな...んじゃそうしよか... 遅れるなよ!!ヒロ!!」 「...どっちが..。」 「うるさい...俺様に殺されたいんか?」 「.....あははは...。」 2人は、大勢で、山道を登る自分達を 追いかけて来たゾンビ達から逃げ続け 漸く振り切ると...龍の石像が 両脇に置いてあるトライゼ・ラスターの 巣くう神殿の前に到着した...。 『10月4日(月)』 第七十四話『ナイトメア再び!!』(10.4.月) [...おのれ...“能力者”共めっっ!! ...『屍人形』【ゾンビ】共を相手に せずに『八つ首の龍』【トライゼ・ラスター】様の 『激昂の神殿』に侵入するとは.... 許しがたい行為だ...こうなれば.... 我自らが...くくっ。] 『死骸の王』【ナイトメア】は、そう呟くと 一瞬にして、その場から姿を消す... 「ふふっ...来たか...あのナリじゃ 大変だろうが...まぁ努力してみなよ..。」 そして、その動向を探って いたかのように『全身黒ずくめの人物』は ナイトメアが神殿に戻った事を確認 すると、笑いながら自分も姿を消した....。 その頃、神殿に侵入した『貴弘』と『智明』は、 その神殿の広さに驚きながら 先を歩み進んでいた... 「なんか、やけに大きいよね...。」 「ここの支配者のカラダの大きさにでも あわせたんやろか?」 「まさかぁ〜!?」 「....違うとも言い切れんやろ?」 「まぁ、確かに...。」 「あっ!大広間みたいなとこに出た みたいや!!」 支配者の巣くう神殿なのに幻魔の 姿もまったく見えず、不審に思いながらも 暫く進んだ先には、異常に広い 大広間が姿を現した... 「....さっきからどーも 気になっているんだけど... なんで敵が一匹も出ないのかなぁ...。」 「さぁな...でもヒロ....ここに おるようやで!!」 『ズパァァンッッ!!』 智明は、そう呟くと斬首刀を 徐に持ち上げ構えた! そして、何も存在しない空間を 攻撃し、斬り裂く!! [...ふん...貴様だけは、鼻が 効くようだな...でぶ...。] ...すると、そこから智明の攻撃を 鎌で受け止めながら全身をローブではなく ドクロの模様が描かれた 漆黒の鎧で身を包み込んだナイトメアが姿を 現し智明を睨みつけた!!! まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |