『9月1日(土)』 第七七〇話 『Stirysh』(9.1.土) (“王宮の13宮殿”編突入!!) 荒廃の一途を辿る『絶陰地帯』にて 初めて逢いかいした統治者『アナジスタ』は 『月読』の町に向かう最中の怪道『黄泉』で 仲間達を奪われた一同へ町の背後にそびえる立つ 神殿への道のりを語る...同じく先に場へ 強制的に訪れた『京香』も『虚渇宮』での この宮の番者の闘いを見物しに訪れていた 深く帽子を被る少年より 「お姉ちゃん頭良さそーだから説明も簡単に 出来そうだなぁ、ハハハッ!!」 説明を受け捕らわれた者達の安否を気遣う... 「それで...『死仔宮』...か、なるほど...。 ...王宮の13宮殿と言うのは...。 星座から来ているのんだな?...。 (...最初の奴はジェミニ...つまり双子座...か、...。)」 そして、宮殿の理解を示すキョウに興味を持る 少年はニヤリっと笑みをこぼし何かを悟った 彼女へ会話を仕掛け続ける 「その通りだぜ、ハハハッあんたやっぱり 飲み込み早いな...っとコレで意味解ったろ?」 「...あぁ、だが最後に聞かせて欲しいんだけど...。 ...君が言う“亀ちゃん”ってのは何者?...。」 だが、逆にそれを承知で彼から情報を聞き出さんとする 少女は不敵な笑みをこぼす...。 「へぇ、俺の言葉しっかり聞いてたんだな。 面白い...教えてやんよ、亀ちゃんってのはな あんたが今倒したばっかの蟹と仲の悪い奴さ ...こっから幾つか上の階にいるぜ。」 質問には律儀に答えるタイプ(種別の意。)らしく しっかりとそれを返答すると …次の瞬間!!… 「...そうか、それはどうも...。 (『洋子』はこの下の階層にいるな!...。)」 歩き螺旋階段を見付け階下へ降りんとする キョウの動きを阻む様に凝視し、 「おっと、説明聞いてたんだろ? なら解るよな?...今度は俺の質問の番だぜ...。 今、此処で死ぬか、それとも上に...俺の守護する場まで 登って祈りの時間を得て死ぬか...さぁ、選べ。」 完璧に下の階へは行かせんと脅し掛ける、だが 「...ふっ...別に殺気を押し隠して おいて欲しいとも...思わないけどね...。 ...魂胆が見え見えなんだよ、君...どさくさに紛れて ここにその亀ちゃんってのが居たら ...さっきのと一緒に乗じて殺る気だったんだろう?...。」 「....。」 図星を突いた上に挑発的な視線を送る彼女は それを諸共せずに足を進めて螺旋を上へ登る!!! 「『夢殿』【ヨモツシコメ】って言う 『幻魔』は〜ボクが倒したんだよぉ〜!!」 ちょっと自慢げにあの中での事を話したボクは、 『春化』さんと『光助』の顔を 見ながら最初の『トモ』とかと同じ みたいに...連れてかれちゃった みんなの事も話しておいたんだぁ〜 「そうですか自ら王宮の13宮殿の番者達が動くとは...。 『永蘭なる魚』【シャルムーン・ピスケス】... 『宵闇の蟹』【ディバインダー・キャンサー】 『隔壁の双子』【コンサバート・ジェミニ】... 彼らを総称してこう呼ぶのです。」 そしたらね、アナジスタは自分の『スキル』【特殊能力】で どうにかトモの傷も治ったのを教えてくれた後に あいつらの事を説明してくれたんだ!! 『9月2日(日)』 第七七一話 『Leo』(9.2.日) 「...それから気にしなくて結構だよ...。 最初から...君も倒す気だったんでね?...。」 亜空間の様な技によって自分と同じく 『相似宮』に捕らわれた『洋子』を 『隔壁の双子』【コンサバート・ジェミニ】から 救い出すため丁度良く星座ごとの意味を理解し 真下の階層へ螺旋階段を 踏み出そうとした『京香』だが、それは阻まれ 「フッハハハッ!!! ーーーーッッ、ほぇずらかくなよ? 俺の口は軽いからさぁ〜、さっさと 証人を封じなきゃあかんのだわ。」 少年との一騎討ちの為に彼が守護する宮殿へと足を伸ばす 『カチャァッン!!!』 先陣を斬って進むキョウへ何かが投げ渡された 「...これは?...。 (古代ギリシア絵で獅子が刻まれている...あっ確か ...同じような物を何処かで見たような...。)」 不意の出来事だったが彼女は軽く対処し それを旨く握ると物体を持ち上げ呟いた 「それは鍵だ、まぁ見て解る通り。 この『虚渇宮』のだな、ふふっ...。 まぁ進めば解るよ、ってかもう解るだろ?」 すると少年は両腕を広げて大げさに言葉を放ち キョウを前へ急かした...。 「待ってたよ、『シン』くん。 ...ぼくは君が戻るのを...。」 薄明かりの中で浮かぶその顔は幼げで どこか悲しみを背負っていた... 「『菟月の蠍』【ディクレセント・スコルピオ】... 。 って言うよりも、『填褐宮』の『シンクレァ』は たった今...『幻魔』と一緒に歪みに落としたよ...。」 彼女を幻魔諸共打ち崩した真は、わざわざ 階下へ降りて大きな大理石の扉の前で声を上げた,,, 「本来なら鍵がなければ先へは進めないし 戻れもしない、知ってるよね? ...ケド...ぼくは罪を償う必要があるんだもんね。」 『ズガガガガガガガガッッッ!!!』 するとその扉は轟音と共にか細い声の主の命じるまま 動き彼を招き入れた、そして同じように 「浸入者に対して反応する...大理石の扉...。 “王宮の13宮殿”の番者達は それで敵と味方を識別し、そしてそれを浸入した者が 開くにはそれぞれの星座の鍵がいるのです。」 『ズガガガガガガガガッッッ!!!』 「解ったかい?ハハハッ!!ようこそ、俺の宮殿に!!!」 キョウは手にした鍵を鍵穴へ押し込み閉じられた 大理石の扉を徐に開いた!!! 『アナジスタ』の説明によって13宮殿の仕組みを 理解した3人は取り敢えず、 「それじゃあ、宜しく頼みます。」 傷を癒すも意識の戻らぬ『知也』を残し先行して 王宮の道のりへと足を踏み出さんとしていた... 「この俺、『優剛なる獅子』【ハイドロ・レオ】に 殺されるなんて、結構あんたも名誉だぜ?」 「...ふっ、冗談を言うな、倒されて消えるのは そこの君だ...。」 そして、彼らが動くと同時に火蓋は切って落とされる...。 『9月3日(月)』 第七七二話 『神の礎(いしずえ)』(9.3.月) 「...どっかのアニメにあったな...。 (こんな螺旋階段上がって...ウテナだったかな...。)」 鍵を押し込めた、その途端 『ズガガガガガガッッッ!!!』 大きな音を轟かせながら獅子の描かれた大理石の大扉が 上部へ自動的に引き上がり『京香』を宮殿へ 向かい入れた... 「ーーーッハハハッ!!これが俺の守護する宮殿 『死仔宮』だ、おっ!説明が足りなかったな? 俺ら守護者は識別されているんでね、 封印のあり無しは関係ないんだ。」 何故か彼女より遅れて入ったハズの少年が 先に内部で待ち受け、得意そうに言い放ち 「...無駄口はもう良い...。 仲間の命が懸かっているんでね、さっさと ...君との闘いは終わらせる!!...。」 驚く事無く挑発するような言葉を返すキョウへ 「つれないな?...ハハハッ!!! 気に入った...その態度、百獣の王の名に懸けて あんたは俺のモノにしてやる...。」 増々興味を抱いたようで深く被っていた帽子の鍔(つば)を 逆へ向けると顔を露に笑みをこぼす...。 「『獅子のクサビ』【ジェック・メイト】!!」 『ジュララララララッッッ!!!』 妙な姿勢から繰り出された攻撃は自らの爪を 投げ放ち正確無比に彼女を狙う!!...だが、 「...どんなに精確な攻撃も...。 無力に等しい!...。」 『ぱきゅぁぁっっん!!』 キョウは『スキル』の“力”を使い軌道をずらすべく 人為的な風の気流を引き起こしーーー 「馬鹿な!?...あんた、風使いなのか?」 鎖の様な紐状のソレを付属した爪の攻撃を 大理石へと代理に受け止めさせ隙を見いだす、そして …次の瞬間!!!… 「...違うわよ、時間無いから....。 ...っっ疾風剣ーーーーッッ!!!」 『ザキュォォッッッッッッン!!!!』 「ばっ!?しまっーーーーー」 畳み掛けるがごとく疾風の剣で両手の塞がれた少年へと 突っ込み、胸を深く斬り裂く!!! 「『虚渇宮』の...彼も『菟月の蠍』 【ディクレセント・スコルピオ】の後を追ったみたい...。」 かつての仲間を前に悲しげな顔を見せる人物は 紺色の法衣を羽織い上目使いに彼を見上げた... 「『チッキー』...もう君も君じゃないんだね...。」 同じように招き入れられた少年も一瞬辛そうな顔を 見せた後、覚悟を決めたのであろう瞳を向けた...。 『9月4日(火)』 第七七三話 『閃光のクライシス』(9.4.火) 『ドグシャァッッッッン!!!』 「ーーっぐふぁっ!!?」 弾き飛ばされた壁へめり込み劣化の亀裂を 自らの身体で粉砕させてしまった 『優剛なる獅子』【ハイドロ・レオ】は血反吐を 撒き散らしながら床に落ちた... 「...多分、君の鍵はいらない...。 (上階へは今のところ意味がない...。)」 たった今倒した少年の姿を見送ると背を向けて 来たばかりの螺旋階段を降りて行くこうとする 『京香』だった...が、 「いちちっ...っつーと...京香さんよぉ あんた俺らが“幻魔人”だって知ってんだよな? ...ハハハッ!!...俺は胸にこいつを飼ってんのさ!!」 不意に再起不能な程の傷を負わせた少年より 声を掛けられ足を踏み止めた...。 「...胸に...そうか...。 (あたしが斬り裂いたのはあのライオン顔ってワケ、か...。)」 切れ目の入った衣服を自ら引き裂くと そこには少年の顔より少し大きい傷を負う ライオンの頭部が露となって振り返る少女を睨みつけた 「俺の名前は『ピチャータ』...タイ人さ。 ...俺らの国だけじゃないけどさ、あんた “ナラシンハ”って知ってるのかい?」 徐にピチャータは胸の獅子を撫でながらそう質問し、 「...ヴィシュヌ神のアヴァターラ(化身)の一つ...。」 キョウの返答の後...こう答えた... 「流石が物知りな日ッ本人てとかな。 ...ハハハッ!俺の居た地域は未だに戦乱なんて おきやがるんだ、そこに奇跡を起こされた神がいた ...それがナラシンハ様だ!!...そして、俺は あの日常を破壊する為に神の加護を得た...解るな?」 そして、肉体を変化させて行く!!! 『ビキィィンビキキッッ!!!!』 「...自分が化身...そうとでも言いたいのか...。」 空気が震えミシミシっと肉体のきしむ音が 場へ響き渡りーーーー [ヴぁるぉおおおぉぉぉぉぉぉぉっっっっっっっ!!!!ーーーー ッッ『神獅子』【ジューナヴ・レオ】...光臨!!] 獅子の顔を持つ神がその身を現す...。 まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |