『9月17日(月)』 第七八六話 『砲瓶宮の吐息』(9.17.月) 『がっっっッッッ!!!』 「お久しぶりデス...Ms『アナジスタ』...。 ワタシのマーシャルアーツ(武道の一つ。)からは 逃れられません...ご存じですね?」 たったの一瞬だった、看病に追われる彼女を 賊は背後より接近すると羽交い締めにし、 立ったままで完璧に頚動脈へ技を極める... 「くっ...あぁっっ!?!...はふぅ...ぅう...。 貴方は...『ミルティン』???」 『絶陰地帯』、『月読』の町に忍び寄る影 それは、統治者であるアナジスタを狙った “王宮の13宮殿”の番者が1人ーーー 「そう...お久しぶりですね...アレから もう幾日も時が過ぎたわ...。 ...もう解るわけよ...ワタシはこちら側の人間 いや...超越者だったのだって...ネッ? そして今のワタシは『抹殺の水瓶』【アクアリゥス・エグゼキューター】、 最後に覚えておいて。」 アクアリゥス・セグゼキューターだった!! そして、今彼女へと光り輝く吐息を浴びせ 冷酷に永遠の休息を与えんとする...。 昏睡状態の『知也』横で白昼堂々行われる 襲撃...その頃、『狛陽宮』を素通りした 3人は『相似宮』番者の間への進行を 阻む扉を鍵の使用により排除し、今... 「彼女の処理を決めかね紅茶を入れている間に 随分と時間が流れたモノだ...それにしろ ...ふむ、品の足りなそうな連中だな。」 『スキルマスター』【特殊能力者】と対時せんとする 「『隔壁の双子』【コンサバート・ジェミニ】って奴は 貴方ね?..『洋子』返して貰うわよ!!」 しかし、優雅な食卓でたたずむ彼へと 向かい足を『春化』がとっさに踏み出す、も... 「どうした?来たまえ...僕の下へ。」 何故かその距離は縮まらず逆に 伸びたような感覚に捕らわれてしまう!! 「...『勇二』...今、何か見えなかった?」 「えっ!?...あの全然...だけど...。」 「そう、なら良いんだぁ〜。 (...こいつ...考えていやがる...。)」 一瞬だけちらつく気配を目に『光助』は呟き 考えを巡らす...このままでは確実に先へと 「空間に...何かいるの?!(私の感覚では...解らないケド...。)」 進めないだろう、っと...。 『ピチャータ』から投げ渡された 次の鍵を手にし『京香』は階下へ進むの、だが 「...。(おかしい...下へ行けない?...。)」 どうしても空間が湾曲したようにネジ曲げられいるのか 同じ『死仔宮』に降り立ってしまう...そして、 同時刻、アナジスタの身体がひんやりと冷えて 意識までも遠退きかけた...逝くーーーー …その直前!!!!… 「“王宮の13宮殿”のなんたら...だかぁ 知らねぇけどよお...その手を離しやがれ!!!!」 死の淵より復活し覚醒したトモからの連撃がーーー 『ドギャギャギャギャッッッン!!!!』 「かふっ!?!(こっ...こいつ早いわ!!)」 背後のアクアリゥス・エグゼキューターを吹っ飛ばし、 この部屋の外壁へと亀裂の入る程の“力”で更に 「オレの居る横で...綺麗な女性に...。 ...好き勝手してんじゃぁ...ねぇ!!」 その顔面を押し込み、めり込ませた!!! 『9月18日(火)』 第七八七話 『リアルファイト』(9.18.火) 『ドグシャァァッッッッッ!!!』 「古術連武式...参ノ型『天穿』 【フェィツ・ブレイカー】ぁぁっっ!!」 『アナジスタ』を拘束するレザースーツの人物が 彼女へ何かの“能力”を発動させんとしたーーー …その時!!… 「ほぅ...『抹殺の水瓶』【アクアリェス・エグゼキューター】を足げにするとは 貴様...只で済むとは思うなよ?」 昏睡状態から驚異的な復活を遂げた 「げふぉげふぉ...『知也』君?!(なんて生命力なの。)」 トモが浸入者の前へと完全に立ち塞がる!! 「...心配しないで、ここはオレに任せて下さい!! (...彼女が助けてくれたのか...。)」 連続で攻撃を受け最後に足蹴りで壁面へ 押し込まれた人物は殺意を剥き出しで 声を上げる、と同時に 「...ワタシと貴様は体術使いと言う点では 共通しているな...。 しかしだ、お前はワタシを本気にさせた。」 その顔を少年へ向けて攻撃体制を取る... 「いけない...『ミルティン』の『スキル』はーーーー」 『ばきゅきゅっっっうん!!!!』 すると彼は人物の素顔に驚き一瞬の迷いを持つ 「なっ!?(おっ...女!?女性だったのか!?!)」 何故ならアクアリェスは女性だったから 「...余計な入れ知恵はやめていただこう...。」 そしてアナジスタの捨て身のタックル(体当りの意。)がお蔭で 直撃は受けずに済んだもののトモの片腕は凍結する...。 「空間の魔...っとでも解釈してもらいたいな?」 『隔壁の双子』【コンサバート・ジェミニ】は不敵な笑みを浮かべ 「くっ!?やっぱりな!! ...お前は“幻魔人”だけど...。 本体と融合を解いた方が場を支配しているのか!! (いや...それだけじゃない...あいつの能力は...。)」 立ち往生する3人を肴(さかな)に紅茶をすする... 「考えても仕方ないよぉ〜!! ボク達も早く中に入らなきゃ〜(汗)」 どんなに前へ進んでも距離が縮まらず 困惑する『春化』を見て焦る『勇二』が『光助』を急かす 「良いのよ...勇二くん...。 ...光助...これは、既に敵の思惑なのね? だったらミスミス罠に掛かるべきじゃないわ!! (馬鹿だった...敵の出方を考えるべきだったのに...。)」 しかし深く考え込む青年は勇二の言葉を聞きながらも 足を踏みとどめて様子を伺う...すると 「でもそれじゃあ春化さんがぁ!!」 「...ハルカ。(すまない...。)」 状況を把握しつつ彼女は冷静にそう叫び 自らの失態は自分でケリを付ける事を選ぶ 「お仲間が...下品な会話を交わしているぜ? ...無い知恵を振り絞っているのだろうが....。 そうだ面白い余興でもするか...。 (奴らの見ておる前で犯してやろうか...。)」 だが卑猥な手段を企てるジェミニの歯牙は身動きを 封じられた『洋子』へとこの間、向かわんとしていた!! “王宮の13宮殿”の番者を既に2人も倒した『京香』は 3人と同じく『相似宮』へと向かわんとする、が 「...出てきなよ...。 (...あたしもとことん...好かれるねぇ...。)」 「おやまぁ〜気付いていたのぉん? 『愛欲の乙女』【アザゼル・ヴィアルゴ】のループ・マジックにぃん。」 彼女の行く手を阻まんと更なる追っ手が今姿を現す!! 『9月19日(水)』 第七八八話 『無尽の氷結』(9.19.水) 「なっ...そんな一瞬にして腕が?! (完全に感覚まで麻痺している...ヤクイな...。)」 レザースーツを纏う少女は『知也』のうろたえる様に 可笑しくなったのか笑みを浮かべると接近し 「ーーーっ...いけない!!凍結した腕で攻撃を 受け止めたら...大破してしまうわ!!」 『ガキュッッッッ!!!』 唐突な足蹴りを繰り出す、が 「...黙っていられないのか? 『アナジスタ』...おしゃべりが過ぎるな...。 おい...貴様?...表へ出ろ。」 とっさの判断で彼女からの助言を聞く前に 彼は凍結した腕ではなく片方で防御し 粉砕を免れる、すると『砲瓶宮』の番者である 『抹殺の水瓶』【アクアリゥス・エグゼキューター】は 誘うように視線を向けて下を指差しーーー …次の瞬間!!… 『バキャァァアッァッッッン!!!!』 「...なんちゅう...ダイハード(死ぬ程大変の意。)な事を ...アナジスタさん?...此処で待っていて下さいね?」 窓ガラスを突き破り建物から外へと飛び出す!!! 『ばひゅぅぅるるるぅぅっっっ!!!!』 「『無尽の凍結』【ホワイト・ブレス】...。 どうだ?これで貴様と...ワタシの決着の舞台は 整っているだろう?」 先へ階下へと降り立った『ミルティン』は、 いつの間にか何かの動物の尾っぽが付属された マフラーを首へ巻き、場全体を『スキル』により スケートリング(競技の一種に行われる凍れる場の意。)へ変えてしまう!! 「なっ...何だこりゃぁ!? (...上から飛び降りていたら...滑って頭を うっちまうトコだったじゃねぇか!!)」 丁度良いタイミング(時機を得る事の意。)で外へ 飛び出したトモはこの光景に唖然としながら 「やれやれ...貴様の為に造り上げた このIce field,存分に楽しませてやるよ?」 中心部で自分を待つ少女の下へ歩み進める...。 「...ふあぁぁ〜〜〜。 ...良く寝たわ...ん?何か身体が誰かに!? (いやぁあ〜〜〜寝ている間にぃ!?)」 『洋子』へと貞操の危機が訪れる、しかし 「って言うか、この空間からの脱出は もう...考えてあんのよね〜!!」 『ぶじゅぁぁっっ...。』 快眠より目覚めた少女は腕をめい一杯伸ばし 顔の方へ寄せて思いっきり自分の指を何故か噛むと どうにか出血させ、それ見て微笑んだ...。 『9月20日(木)』 第七八九話 『混血の乙女』(9.20.木) 「いぁ-やぁ〜ん、このあたくしの ループ・マジック『トキメキの輪』 【メタトルレス・リング】-通称トキめいてドキュン!を 一瞬で見破るなんてすごぉぃい!」 少し頭の軽そうな少女らしき人物の声が 螺旋階段を降りる途中の『京香』の耳へと 五月蝿いほど響き、彼女が気配に視線を向けた …次の瞬間!!… 「...君があたしの邪魔をしている者か...。 悪いけど...君につき合っている暇はない っと言っても通してはくれないのだろうけど?...。」 いつの間にか階段上部へ居座るロリータ(愛らしい、幼いの意。)少女は 「ぃやぁん〜解ってらっしゃるならドーゾ。」 そう言うと笑みをこぼし手招きを行う...。 『愛欲の乙女』【アザゼル・ヴィアルゴ】の笑顔は 純真さとは裏腹で何か狂気に近い感覚を キョウは憶えながらも覚悟を決めて 足を押し進める... 「...つっ...。 (...流石に...3連チャンとなると...。 精神も肉体も安定しないのか...。)」 不意に痛む傷、彼女とて未知なる敵との これ以上の戦闘は危険だった 「どうしたんでぇすかぁ〜? 鍵は持ってますよねぇ〜? それではあたくしの『渚汝宮』へ ようこそぉん!!」 精神力を使う『スキル』戦での消耗が肉体を 癒す効果を妨げる...。 『ズガガガガガガッッッ!!!』 彼女が手渡された鍵によって扉は開かれ メルヘンチック(お伽話しの様なの意。)な内装を持つ 部屋が露となりーーーー 「...胸焼けの起こさせる様な...。 (...悪趣味だ...。)」 彼女を更にどっと疲れさせた!! まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |