『10月1日(月)』 祝第八〇〇話 『太陽の季節 其ノ一』(10.1.月) (まだまだ続くかもね!!) 「何かにすがり付くのは、もう止めだ。 ...俺が出来る事をする...今、俺が出来のはーーー あんたを...『京香』を護る事だ!!」 “王宮の13宮殿”の番者であり敵対していた 『優剛なる獅子』【ハイドロ・レオ】が キョウの窮地へどんぴしゃ(丁度良くの俗語。)に駆け付け 1人の味方、タイの少年『ピチャータ』として 『掌握の立体』【コスモ・プレザシィス】と言う 『スキル』【特殊能力】を使い完全な“幻魔人”と化した 『愛欲の乙女』【アザゼル・ヴィアルゴ】の身動きを封じ込めた!! 「...君は...まったく、頼りになるな...。 ...旅の果てに絶望が待っていようとも... あたし達は戦い続けなきゃいけないんだ...。」 そして今、剣へ想いを秘めた一撃が少女の手によって 放たれ醜悪な女神を穿たんとする...その頃、 『勇二』『春化』『光助』を 亜空間の彼方へと飛ばしてしまった 『隔壁の双子』【コンサバート・ジェミニ】と対時する 「はぁはぁはぁ...これじゃあ...。 (きりがないじゃないか...空間が切れるとは 言っても...ぼくの力量じゃ...。)」 『洋子』は『相似宮』全体に異次元化の効果を発動し 身を隠しながら失いし片腕へ『幻魔』を宿し襲いかかる 青年を相手に無意味な行動で体力を削られ かなりの危機に襲われていた...。 『ぎょむむむむっぐちゅぅぅ....。』 [フゥムムム....馴染むなァ...。 僕はこの形態となると...理性が...くくっ きゃはははは!!女ァ...ナブリ殺しじゃぁ済まないよ?] 3人を空間へ落としたジェミニは滴る鮮血に 興奮を覚えつつ亜空間へ潜ませていた幻魔を呼び戻し 自らの傷口に浸食を起こさせ一つの形態へ進化する 「...ぅうっ...きもぃ...ぅげ〜...。 (...つーか、この隙に一発放とう!!)」 『ビシュヮァッッッン!!!!』 だが、彼が変化を開始したーーー …その瞬間!!!… [ちっちっちぃ....無駄ムダむだぁ!!!! ...そのツルギが持つ有効範囲をよォ考えてみろぉ!!] 何時もとは違う少し赤色混じりの“ミスルーのナイフ”より 空間を切り裂く斬撃が綻(おきて)破りで繰り出され それが変幻途中のジェミニへ直撃したの...だが、 『ばぎゃぁっぁぁぁっっん!!!!』 「っっっ!?!ぎゃっっん!!?!」 不意に真横から敵の声は洋子へ響き、振り返った時は既に遅く [ぎゃっぎゃっぎゃはははぁっっっ!!! 空間使いと言う事を忘れたのかぁっ!? 僕...は今愉しいよ...最高にグッと来ているゥ!!!] 振り下ろされた異形な腕から乱暴に繰り放たれた 拳が顔面へ直撃し壁脇に吹っ飛んでしまう!! 『ドギャギャギャァッッッン!!!!』 「けふぉっ...けふぁっ...血...。 (...ミスルーじゃああいつを捕らえ切れない...。)」 背面を強く跳ね飛ばされた衝撃でぶつけ 呼吸を著しく乱す洋子は、咳き込み血を吐き出すと [この腕がアレば...僕は完全に空間を支配出来る。 解るかァ?...女ァ...勝てる道はないんだよォオ!!!] 攻略方法を考え巡らすの、だが... 「...けふぉ、けふぉ...くっ...。 (違う...ぼくの力量が足りない...んだ...。)」 自身が持つ“力”の無さばかりが浮上し 幻魔と同化した事で生きる鎧の様なモノを纏い 空間から上半身だけを天井部から露出させる ジェミニへの対抗策を思い付くどころか逆に 心理的な問題として闘いを放棄し、とっさで この場から逃げんとしてしまう...。 『10月2日(火)』 第八〇一話 『太陽の季節 其ノ二』(10.2.火) 「冥界の王の名を持つ、自分。 『越権を携えし牡牛』【オシリス・タウルス】の手で 葬られる事に感謝するんだな。」 『隔壁の双子』【コンサバート・ジェミニ】の技を受け 異空間より走る亀裂に吸い込まれた3者の内、 『光助』だけは『相似宮』よりも下に設置された 『禁丑宮』へ飛ばされ、そこで 「この様子じゃあ...2人にもおんなじ状況が 仕組まれている感じだな?」 闘牛士の様な格好のタウルスと、もう一匹の [あっはは〜、そうかも知れませんねぇ〜?] 羊型の『幻魔』に遭遇する... 光助の予想通り2人も同じような状況下へ置かれていた 「まっ...待ってよ!! ...ボクは...ボクはそうじゃないんだ...。 その敵なら...ボクが倒したから...。」 だが、強いて言うのなら『勇二』達の出会いは 予想外の出来事だったようだった、が 「〜〜〜ッ!えっ...本当に??? (それじゃあ...味方なのかなぁ〜!!)」 分断させる!っと言う意味では思惑のままだったのかも知れない... 「...くっ...さしずめ今のは威嚇...。 (...どうしよう...私、避けられる想像が出来ない..。)」 掠めた頬から血液の滴を大草原の草むらへ落とし 未だにどう行動すれば良いのか良い手立ても無く 『春化』は坤を握る手に脂汗をかいていた... 「行きますよ?解っていますね。 音速を越える“力”で痛む事無く済ませますわ。」 淡々と言葉を述べる彼の妖しい瞳に全てが 吸い込まれてしまいそうな幻惑まで見えてしまう 少女に勝機は薄く、身構えんとしたーーー …その瞬間!!!… 『ジュパパパパパァァァァッッッン!!!』 それよりも早く音速を越える手刀が繰り出された!! 『ぴしゅうぅうううぅっっ!!!』 「きゃっ!?ーーーーッッこのぉおおおお!! ーーーー霊術式ッッッぎゃっ?!!」 1回目の手刀で左腕を浅く刻まれ、憤慨する ハルカが技を放たんとした次の時にはもう既に 「わたくしの技は相手のカウンターの様なモノですわ。 攻撃しようとする速度が早ければ速い程に 威力をますのよ。」 2回目の斬撃が彼女の右腕上部から肩までを 一気に深く斬り裂かれていた、当然 『ヌプドブシャッッッッ!!』 「げっっっぅく....ぅあああっっ....。 嘘...ウソよ...私が構えるまでーーー (ーーーまだ、2秒も経って無いじゃない...。)」 何が起きたのかも解る前にハルカは鋭い痛みで 声を上げる間も無く3回目の攻撃によって 脇腹をえぐられ草原の中へと吹っ飛んで地面を赤く濡らした 『ドサッッッッ!!!』 「わたくしは殺人術を露西亜より教え込まれて おりましたのですわ。 そして、それが初めて実戦で使える事の歓喜。 わたくしは...こうして刻む瞬間が一番 至福を感じます、狂おしい程素敵な時間を有り難う。」 声にならない言葉を吐き出しながら倒れ込み 真っ直ぐに照りつける日差しを眺める ハルカへ彼は静かに近付くと丁重な挨拶を行い 最後の一撃の為、空手の下段技に類似した構えを取るとーーー …次の瞬間!!!… 『ずばしゅぅうううぅぅっっ!!!!』 戦闘不能に近い少女へ至近距離より手刀を穿ち出す!!! “王宮の13宮殿”『愛欲の乙女』【アザゼル・ヴィアルゴ】の精神世界を 振り切り自己を完全に樹立させた『京香』だった、が [最強をぉお誇るあたくしぃがぁっっ!!! 負けるはずがぁござぃませんのよぉおおお!!] 「...一瞬で“幻魔人”に?!...。 (...融合が今までの奴より速い!!...しま...った!..。)」 暴走した様にヴィアルゴは狂い醜悪な本性を現す、だが 「大丈夫だ!俺の“能力”が完全に奴を封じている!! ...京香...今だ!!!!」 危機へ駆け付けた『ピチャータ』の『スキル』が 敵を立体のスペース(空きの場の意。)へと封じ込め 身動き出来ないその隙を突きキョウはトドメの一撃を放つ!!! 『10月3日(水)』 第八〇二話 『太陽の季節 其ノ三』(10.3.水) 『幻魔』を取り込んだ『愛欲の乙女』【アザゼル・ヴィアルゴ】は、 腹部に大きな口を持つ醜悪な怪物へと成り代わる [『優剛なる獅子』【ハイドロ・レオ】ぉおおお!! 何故あんたぁぁ〜〜〜裏切るノォオオ!!!] 破られる筈の無い精神汚染が破られた事で 逆上し傷を負うヴィアルゴの怒りの矛先は 『京香』であったのだが、彼女を 「その名前ならとっくに捨ててやったよ。 ...『バレンタイン』俺の名前はーーー 『ピチャータ』だ!!!」 “能力”によって守るピチャータの存在がそれを許さず 今、キョウより新たな“力”が放たれーーーー …次の瞬間!!!… 「...地の力を地面から、風の力を剣から...。 隔(へだ)てあっていた世界が...一つに重なり... ...ーーーあたしによって新たな力となれ!!!...。」 繰り出されたそれが直撃し刻む!! 『ズギュァァァッァァッッッッッッン!!!!』 キョウは『風の核色』の力と自らの源素から 力を引き出すソレを使い本来相反する両者をまとめあげ 一つの新たな力へ変化を起こさせる事に成功し 「すっ...すげぇ...京香...あんたぁ...やっぱ すげぇよ!!...俺りぁ惚れ直しちまったぜ...。」 今まで誰も見た事もない程の特殊な技を放ち 「...『乱れ地裂空斬』【エアロ・バーショック】...。 っとでも...名付けようかな?...。」 たったの一撃でヴィアルゴに致命傷を与える!!! [...ぅう『トキメキの輪』【メタトルレス・リング】... くぅうう....永遠に...死ね...ぐあらぁ!!!!] しかし、彼女が全力を出し切り崩れ落ちんとしたーーーー …その時!!!!… 『どすしゃぁあっぁぁっっ!!!!!』 「だぁ...っっからよぉ...殺らせねぇつーの... 二度も言わせんな...ぁごふッ!?!」 意識を完全に失う寸前、ヴィアルゴが放った自身が持つ 巨大な長く伸びた鍵爪が襲うのだが、しかしーーー …その瞬間!!… 「...ピチャータ?...。」 自らの躯を犠牲に彼が飛び出し庇う!!! 『ぴちゃっぴちゃちゃ...。』 「へっへへ..たっ...頼んだぜ?...キョウ... この世界で...俺の役目なんてぇもうねぇんだ... あっちで...精一杯つっぱって...飛び跳ねて... みせっから..ごふっ....よぉ!!!」 能力では完全な幽閉は出来ない、それ故の弱点を 補わずに戦えばこうなる事を承知で少年は キョウを守る為に盾となったのだ、腹部を貫かれ 血反吐を撒き散らしながら彼はそう言葉を残し瞼を閉じた...。 『10月4日(木)』 第八〇三話 『誰の為に生きる?』(10.4.木) 相反する属性を昇華し一つの“力”へと仕上げた 『京香』の技は『愛欲の乙女』【アザゼル・ヴィアルゴ】を 完膚無きまでに叩き潰し撃破するの、だが 『どちゅっっっぅ!!!』 「くっ..げふぁっ...やっと...大事な何かを ...俺も...守れた...ぜ。」 その犠牲として『ピチャータ』の命は休まる事無く 永遠の死を余儀なくされてしまった...。 [くっあはぁっっ!!...最後の最後までぇっっ!!] 歪みに身体が沈んで行きながらも最後の一撃を 放ったヴィアルゴの攻撃は少年の腹を完全に打ち抜き 致命傷を負わせ尚かつ、自身の“能力”を付属させ 「るせぇっっ!!!...見てろよ?これが俺の ーーー最後の...『掌握の立体』【コスモ・プレザシィス】 ...Closeッッッ...。」 死のループを与える、が同時にピチャータは 『ゴキャァアッッッン!!!!』 空間を一気に閉鎖させ圧縮しトドメを下す!! 「...君の...行為は無駄には...しない...。」 唇を噛みしめながらキョウは血塗れで床下へ 崩れた少年の遺体に言葉を残し気力を振り絞ると 剣を杖代わりにしゆっくりとこの場から立ち上がる...。 まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |