『10月29日(月)』 第八二八話 『欲奪の吐露〜宿対〜』(10.29.木) 「ボクのこんな話しを聞いてくれて... 足止めしちゃったお礼にちょっとした 情報を提供させて貰うね〜ッ?」 只今は迷いを振り切って自分の成すべき事へ 進む決意を固めた『真』は、それを皮切りに 「そっそんな...って言うか...。 (何で...そんな事、知ってるの!??)」 『勇二』へ自分の知り得る “王宮の13宮殿”が番者達の情報を伝える... 「それは...きっと解る日がくるよ、さっきも 言ったけど、それじゃあ簡単に説明するよ? 良い?最初に君は鍵を使って上がって来てると 思うんだけど?」 戸惑う勇二だったが首を上下に振り そうである、っと示す 「...。(本当はボク達なんだけどね〜。)」 「良かった、んじゃ簡単に言うけど この13宮殿の奴らはみんな“幻魔人”なんだ! だから通常の“能力者”だと多分だけどねぇ〜 太刀打ち出来ないって思うんだ、いや君は 此処まで来てる以上そんな闘いを繰り返してるから 大丈夫だとは思うけどね。 あぁ、最初の羊は『幻魔』だろうけど。 (ボクが加わる予定だった席だった...のかなぁ...。)」 不意に今の言葉の中で疑問が少年の頭へ浮かぶ 「...そうなんだぁ〜。 (通りで...って言うか、何でボクがここの 地帯の出身でない事を月影君は知っているのかなぁ〜???)」 それは的を得ていたのだが、敢えて口には出さずに 真の情報に耳をすましていた...。 「ボクはこの『転敏宮』の守護者...チッ...いや 『幸平を司る天秤』【スタイリッシュ・リイブラ】と その上の『菟月の蠍』【ディクレセント・スコルピオ】を この手で始末してあるよ...だから次の 『陣罵宮』へは簡単に進めるハズだから。」 立ち姿も勇二と酷似していたが真の方が少し 背が高い様で顔を見上げながら勇二は 得体の知れない恐怖をまた感じていた... 「解った〜...っと鍵ありがとぉ〜! (みんな無事でいて欲しいなぁ〜...。)」 少年も場から立ち上がり真と向かい合うと 笑みをこぼして手にした鍵を確認した 「じゃあね、お互い...まぁまた会えると 良いねぇ、あっそれから...番者は幻魔とで 一対って事を忘れないでね?バイバイー!!」 『パシュゥウウゥッッッン!!!!』 彼の『スキル』【特殊能力】なのか 勇二が再び真へ再び顔を向けた時には既に 声を残し姿を消し去ってしまっていた... 「ゎはっ〜それにしてもラッキー(幸運の意。)だったなぁ〜! 先に進む鍵を貰えるだもん。 (それにしても...どうやってここからいなくなったんだろ? 凄い手品を使える人なのかなぁ〜???)」 残された勇二は暫くボケーっとつっ立っていたのだが 握り締めた汗塗れの馬の紋章の入った鍵を見て 一応の手がかりを持っている事で歓喜し のんきに構えて先へと進まんとしていた...。 『ズギャガガガガガガガッッッン!!!』 そんな彼の背後から轟音が響き 直後、息切れ混じりの声が掛けられる 「...はぁはぁ....君が...ここの番人か?...。」 ビックっと身体を一瞬縮み上げ冷や汗を 流しながら物音がした方向へと勇二が顔を向ける するとそこにはーーー 「あっああ”っっ!! 良かったぁ〜〜〜心配してたんだよぉ〜!!!」 離ればなれとなっていた『雹ノ 京香』の姿があった!! 『10月30日(火)』 第八二九話 『そして…再会』(10.30.火) 「...天秤の紋章の鍵、さっきの闘いで解ったけど...。 対侵入者用に反対側からは螺旋階段を降りても ...これら鍵がなければ入れないのが解った...。」 『京香』は『渚汝宮』で手にした鍵を 左手に、右手へ剣を真下に向け杖代わりにし 螺旋階段を上がり今、『転敏宮』への扉に手を掛けた 『ズギャギャギャァァッッッッッォオン!!!』 「...。(...浸入したらバレバレに良くも創れたモノだな...。)」 例のごとく轟音を響かせて扉は開け放たれ 宮殿内部が露となった、すると内部で蠢く影を見付け キョウは即座に剣を構えた!! 「ゎひぃ〜〜〜っ!?!」 「...君が...ここの番人か!?...。 (...?...随分と臆病な...。)」 連続の戦闘が続き疲れ切っていたキョウだが 多少の呼吸の乱れがあったものの 自力で修正し内部へ意気込んで踏み込んで行く、が …次の瞬間!!!… 「ああ”っっ!!!...〜〜〜〜きょぉ〜〜〜〜ッ!! 心配してたんだよぉ〜〜〜〜!」 その緊張の糸はあまりに呆気なく断ち切られてしまう 「...ゆっ...『勇二』...?...。 何で...君がここに...。」 思わぬ出来事に肩を落とし取り敢えず状況説明を 聞かんとする彼女だったのだが勇二は 「ぅわ〜〜〜っっ! ボク、あのキョウが連れていかれちゃった時から 随分...あはっ、とにかく会えて良かったぁ〜!!」 暫くそれに応える事無く再会に対して歓喜していた...。 「...あぁ、そうね...それはそうと 勇二は何故...こんな所に居るんだ?..。 まさかみんなあいつらに連れ去られて来た?...。」 キョウは勇二が何故、そこに存在するのかが 不思議でたまらず重点を此処に絞り答えを求める... 「あっ!そうだっっ!!...あの後ね『洋子』さんも 連れていかれちゃって、ボクは...道のりのまま歩いて たんだけど、そしたらあそこのボスみたいなのと 偶然会っちゃって...倒したのは良いんだけど〜 『智明』があっちではまた連れてかれてて〜。」 これは長くなりそうだ、っと踏んだキョウは 現在状況では仲間達が近くにいる事だけは確かなのだと 確信すると自分の精神力や体力の回復を行う時間と平行して 少年の話しを聞き自分も情報を与える... 「...そうか、分断の上の分断だったワケだね...。 (それにしても...智明は良く捕まるな...。)」 「ぅん、それでねぇ〜ボクらは町へ出たの! 『トモ』は具合が悪いから置いて〜 キョウ達を探しにここに残った3人で登って来たってワケ! あっ!キョウ疲れてる〜みたいだねぇ...ここに座れば?」 キョウの様子に気付き室内に椅子や机を見付けるとそこへ 座る事を勧めながらついさっきまでの出来事を 順を追って勇二は説明する 「...ありがと...トモは弱ってしまったんだ...。 じゃあここには『光助』『春化』そして ...君、勇二が確実に居るわけか...。」 自分が戦いを続けている間の出来事は こんなにも新鮮であるモノか、っとふと思いながも キョウは核心まで長いなーっとも思っていた...。 「そう、んでねぇ〜ボクらは最初 洋子さんを助けに行ったんだけどぉ〜そこで 洋子さんをさらった奴の“能力”で異次元って 言うのかなぁ〜そう言うので飛ばされちゃって んで、ボクはここに落とされてさっきまでは〜 『月影』君とお話ししてたんだよぉ〜(笑)」 漸く質問の返答が行われた事に胸をなで下ろしながら キョウは同じように亀裂へ3人が落とされた事を知る 「...なるどね...それじゃあ ...2人も勇二と同じ様な状況なワケか...。 (...月影...君...?...この名前はどこかで...。)」 そして、各々が別個の場所へと飛ばされた事も 推測し...休んでいる暇は無い!っと気持ちが急く、が それとは別に勇二の呟いた名前の心当たりを 探していた最中それが解るとまさか?っと言う顔をして 不意にその場から立ち上がった!! 『10月31日(水)』 第八三〇話 『もっと・もっと』(10.31.水) 『隔壁の双子』【コンサバート・ジェミニ】の所行により 自分が此処へ飛ばされた事を教え 現在持つ情報を話し終えんとしていた『勇二』だったが 「ひゃぁっ!?...どっどうしたのぉ〜??? キョウ、ボクなんか悪い事でも言った?!」 突然の『京香』の行動に驚き思わず声を上げた 「...いや、『月影』とは...もしかして ...月影 真の事?...。」 即座にワケを説明せんとするキョウは 思い当たった名前を口にする、すると 「ぅん、月影...そう真君だよぉ〜 って、何でキョウがあの子の名前を???」 そちらの方でまた驚かされ少年は 只ただ戸惑うばかりだった... 「...いや、少し聞き覚えがあっただけだ...。 (...『異界の闇覇者』までもここに居るのか...。)」 「そう、なら良いけどぉ〜。」 やっかいな事となっている事に不安を覚えながら 次には何故、勇二と真が会話していたのか 彼女はふと気になっていた... 「...勇二は何でその真と会話していた?...。 もしかしたら敵かも知れないのに...。 (...いや、そのままずばり敵なのだがな...。)」 この質問に何等疑問を持つ事無く 勇二はそれを答え更に 「あのね、ボクも最初ここの守っている人なのかと 思ったんだけどぉ〜、月影君はその色々あったらしくて この上の階の人とこの階の人は自分が倒しちゃったんだって〜!」 与えられた情報をキョウにも伝えた...。 「...倒した?...そうなのか...。 (...どう言う事、仲間内でモメたのか?...。)」 ちょっとした動揺を隠せずにはいたものの キョウはこれを考えた... 「ん〜その話しを聞いていたらお礼に ここの人間はみんな“幻魔人”で、それで〜 『幻魔』とは一対何だ!って教えてくれたんだぁ〜。」 「...2つで1つっと言う事か...。 そろそろ...もう休んでいる時間もないな...行こう!...。 (...何を考えている?...自分に不利に働く 出来事だろうが...ハズの事を...。)」 自分達の味方を殺している真の真意を 捕らえ切れぬまま彼女はとにかくもう先へ 進むことを考え提案する 「ぅん、っとあっ!これ鍵貰ったんだぁ〜 確かお馬さんの場所に行けるんだって!!」 『かちゃぁっっっん!!!』 不意にテーブル(机の意。)から勇二の手に引っかかり 金属の何かが床下へ落ちて音を響かせる... 「...これは...蠍の紋章...。 (...真の“力”には...鍵は必要ないと考えるべきだな..。 と、言うより...勇二と同じくこの系統はどこかが抜けている...。)」 それは次の宮へ入る為の鍵だった、 キョウはそれをさっさと拾い上げるとため息混じりで 勇二を横目にそう呟き自分の持つ情報も与えた...。 「あれ〜変なのぉ〜、月影君はそれ無しで どーやって上の部屋に入れたんだろぉ〜ねぇ〜?」 本気で考えいる勇二は置いて 「...そうだ、勇二...。 ...あたしはさっきまでずっと戦っていたんだ...。 ...そして、3人を倒した...いや匹か?...。」 キョウは自分が倒した敵とその数を教えた... 「えっ!?凄い!!...ボクらと離れてから ず〜っと戦ってたんだねぇ〜!!!」 「...えぇっと、...最初は蟹...。 次は獅子、そして乙女...これで ...今の話しから5人は確実に倒した事になるね...。」 現状確実に倒されているのは5体、 それだけの情報でも取り敢えず今は 活気付け材料となっていた 「みんなが個々で倒しているならもっとだネッ! あはっ、上に進んで早くみんな揃うと良いなぁ〜!!」 2つの鍵を勇二は持ち螺旋階段を駆け上がり キョウはその後を続く... 「...あぁ、そうだね...。 (...そう旨く事が進むかどうかは不安だな...。)」 少年の楽天家さ加減に危機感すら覚えながら...。 まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |