『11月1日(木)』 第八三一話 『REAL PARADOX ーFirstー』(11.1.木) “王宮の13宮殿”が番者と言う“幻魔人”らを相手に 苦戦しつつも確実に撃破し各々戦い続ける 『選ばれし者』達は同時間軸上で お互い交差しながらも遂に集結の時を迎えんとしていたの、だが そう手筈が旨く通るハズも無く... 「あかんって...俺様の気力までを... ...この黒ネバめ...ほんま...可愛げなぃんやなぁ...。」 『智明』はその身を捕らえられたまま 更に『相似宮』の敵を打破したまでは良かったが 最後の攻撃を受け『洋子』は飛ばされた 次元の亀裂から落ちし場所で待ち受けていた者から 冷酷な洗礼を与えられ完全に凍結する!! 「...『チッキー』でもまだボクは ...諦めないから...コレが終わるまでお預けだけどッ!」 『異界の闇覇者』である『月影 真』は 自らの弱さを断ち切る為に過去へ挑み 『菟月の蠍』【ディクレセント・スコルピオ】と 親友でもあった『幸平を司る天秤』【スタイリッシュ・リイブラ】を 自らの手で始末し、それをたまたま異空間の狭間より 姿を見せた『勇二』へ吐露しこの代償として かつての仲間、彼ら彼女の秘密を鍵と共に委(ゆだ)ねた... 『スキル』【特殊能力】により跳ね飛ばされた 残る2人の内、『光助』は心理的な罠で 創り出された場にて『越権を携えし牡牛』 【オシリス・タウルス】と羊型の『幻魔』からの猛攻により 一時戦闘不能まで追い詰められるの...だが、しかし 「それにしてもよ、光助の声がする方へ 向かって良かったぜ...。 ...花壇の奥手と手前二つ階段があってさ。」 そこへ駆け付けた『知也』の助けが入り 事なきを得る、そして 「あぁ、多分んなこったろーと思った...。 ...ったくあんなのに引っ掛かる方が...〜〜〜。(泣) (位置を惑わしてもいたんだろうけどね。)」 『春化』は『迅雷ける山羊』【インラヴィン・カプリコン】を 悪銭苦闘の末、真価を見極め打倒すると 「随分...仕様が変わるものね...。 (どう考えてもこの先からは別格って感じね...。)」 新たに出現した螺旋階段では無くだだっ広(ぴろ)い 一段が薄い階段へ鍵を手に踏み出す!!! 「ふっははははっははっっ!!! ...出た先で...始末されるが良い..!!] 『ダダダダダッッッッ!!!』 「ようこぉおおおっっ!!!!(戦闘終了なのか。)」 「くそっっ!!?もう終わっちまってたか?!!」 先行したトモが最初に見たモノは崩れ去り 高笑いを上げながら何かの攻撃で洋子の姿を 掻き消す場だった、当然それを阻む事は出来ず 『隔壁の双子』【コンサバート・ジェミニ】の思惑のまま 不完全な転移は行われてしまう、しかしこの後 ジェミニは緩やかに歪みへ沈む... 「...始末される?...。 そう言ってたよな?...光助???」 最後に残された言葉から推理した結果の道先 「おぅよ!...って事はオレっちらと 同じくこの場所のどっかに飛ばされたって事だ!! しかも、相手はかなわないと踏んで、って奴か!?」 洋子は相打ちではなく倒し損ねたので 別空間へ送られたと解った2人にそこはもう 用の無い無駄な空間だった、何にせよ無事であれば 間に合うのはたやすいと考えていたのだ、しかし 実際にはその場所からかなりの遠方へと 飛ばされていたのだが... 「そうと決まればここは鍵だけが大事だな...。 おっ...見っけ!!...行こうぜ!」 そんな事を今の両者が知るよしも無く、 床下へ落ちていた蟹の紋章が刻まれた鍵を手に 螺旋階段を駆け上がって行く...。 『ズォオオォォォォッッッッン!!!』 「やっぱし開いて無かったねぇ〜。」 「...そうだね...。 (...まさか敵がいると...信じるべきか 真の言葉を今は...。)」 無防備な勇二とは対象にあくまでも警戒は 怠らずに進む『京香』は即座に剣を 引き抜けるように後ろ手に柄を持つ... 「あはっ、きょうってばぁ〜! 何か〜紅茶のセット(一式の意。)とかあるよぉ〜!!」 「...これは...どうやら本当らしいな...。 (...争った形跡として...生々しく暴れ跡が残っている...。)」 しかし、室内の荒れようからそこが一時は 戦場になったのだ、っと理解すると彼女は 少しの緊張をほぐし勇二の後を行く...。 『11月2日(金)』 第八三二話 『REAL PARADOXーSecondー』(11.2.金) 「...確実に次は馬が待っているって 寸法だよね...さて、行く...?...。」 『京香』は憂鬱混じりに呟くと 次の敵の事を考えながら髪をかき上げた... 『ガチャァッァッン!!!』 「えっ!あっ!?まっ待って〜(脂汗)」 不意にそれを聴いて焦った『勇二』は 振り向き様に足元まで垂れ下がっていた テーブルクロス(円卓の上等に掛ける布地の意。)へ足を取られ ズルリッと上の物体ごと、これを引きずり下ろし 用具一式を床に落下させてしまう 「...怪我してない?...。 (はぁ...あたしがこれは焦らせたから悪いよな...。)」 手を差し伸べる少女は少年の性格を 知っていながらの自分の唐突...でもないが、 とにかく行動に少し反省し身体を気遣う...すると 「あっ...あはっありがと...。 っと、ごめんね...ボクこんなのばっかだねぇ〜(泣)」 逆に謝る勇二は壊れたカップ(杯の意。)等を 横目にキョウの手を掴み重い体を引き上げる...。 「...それも個性だろ?...。 それより...その抱えてる物は何?...。」 ふと左胸の小脇に抱えた物体へ目をやったキョウは 怪我の心配を終えるとこれに興味を示す 「あっ!これは...何かね...この人の 思い出のアルバム(保持保存書庫の意。)みたい...それと これは...プリクラの簡易版みたぃのだよ。」 勇二は少しドキドキしながらそれを見せた そこには小さなインスタントカメラ(即席映像保持機の意。)で映し出される 恐らくは此処の番者も含めたまだこちら側の人間であった頃の 一同が笑顔で残されていた... 「...このカメラで...それはプリクラ手帳の ような...物なんだね...。 (...懐かしいな...あたしも持っていたっけ...。)」 ビッシリと埋め尽くされたアルバムには 彼らの足跡の全てが詰まっていたのであろう... 「良いなぁ〜ボクはこう言うの撮る相手... いなかったから...。」 不意に勇二が漏らした言葉がふと現世での思い出を 蘇らせていたキョウの耳へ入る...。 「...これが...この冒険RPG(ゲーム)が終わったら... あたしらも...思い出でも残そうよ! ...つーか、嫌ってほどこんなの撮れるよ?...。」 自分が感じない不思議な感情が 何故か読み取れた彼女は励ましではなく 「えっ?!...ほっ本当ぉ〜!!?」 心から言い放つとあまり他者には見せない笑みをこぼす!! 『11月3日(土)』 第八三三話 『REAL PARADOXーThirdー』(11.3.土) 『ブギャギャギャギャッッッン!!!』 「...ぅわっ...血塗れだ...床。」 『知也』が出にした蟹の紋章が刻まれた鍵を使い 扉を開け放つ、するとその中は 「どうすっかな、オレっち的には 誰かが此処で戦って勝利した!って考えたいんだけどな?」 此処で戦闘が行われたっと言うまざまざしい 証拠がべっとりと残っていた... 「あぁ...同感だな...この血が誰のかは 知らないけど...どうやら上の階に行けそうだから。」 トモは指差すと螺旋階段に残る足跡を『光助』へ教える 「ここに連れさられたのは3人...。 ...その中で状況対応が一番凄いのは...。 (どー考えても...『智明』じゃないな。)」 とにかく鍵が落ちてない無い事を確認すると 2人は急ぎ上階へ足を進めた...。 「何?...この階段...何かおかしい...。 (...一段上がるごとに...冷たい???)」 『麗割宮』の番者を打ち倒した『春化』は 意外と深い傷に反して気力が充実し それを諸共しない身体を動かし平たい階段を 進んで行くの、だが... 「侵入者、ね。 (あのヲカマを倒した兵、もしや?)」 即座に今までのソレとは明らな違いが現れる!! 「きゃっ!?!...足が...靴底がひっついて 離れない!?...嘘でしょ!?! (なっ...なんてぇ温度なのよッ!!!)」 一段一段に仕掛けられた氷結の罠、これは 対侵入者関知様にも対応され無差別に襲いかかるようだ... 「...1段目から...普通に考えて... たったの10段位で...マイナス(付け離すの意。)まで 温度が気温が...下がっているって言うの!?」 常温からの転落、まだ建物すら見えない中で 少なからず出血が止まったまでは良いが 今度は体温が奪われ次第に戻るに戻れぬ状況を 自ら作り上げてしまう!!! 「...本当だ...少なくともあたしは 親友を裏切る事はない...。」 『京香』の言葉に少し涙ぐむ『勇二』は 羨んで見ていたアルバムを閉じ 「...ぅん、有り難う...本当に!」 照れながら呟くとためらいがちにそれを 小脇へ抱えキョウの後を急ぐ!! 『11月4日(日)』 第八三四話 『REAL PARADOXーFourthー』(11.4.日) 『京香』の言葉に満更でも無い『勇二』は 「待って〜!(ボクにも...こう言うシール(付け剥せる物の意。)アルバム出来るんだ!)」 満面の笑みを持って彼女の後を追い走る... 「...大丈夫、落ち着いて来なよ?...。 (...次の敵...普通に考えれば上へ行くほど 強くなっているのだったら...。)」 螺旋階段へ足を掛けたキョウは 既に次の闘いを想定し考えを巡らせていた 「....鍵はポケットから出してっと〜。 (『月影』君...これにキミも写っていた...。)」 同じように勇二はこのアルバムに納められた 思い出を出来る事なら真へ伝えんとし 大事にインスタントカメラも制服のポケットへと しまい込み逆に今度はそこから鍵を取り出す...。 「“王宮の13宮殿”、確実に 『麗割宮』まで...突破されています。 数時間後には辿り着くと思われますが?」 不意にギターを片手に眠る青年の下へ 裸同然の姿をした女性が姿を現し 「...どう、しろって意味だぃ?」 淡々とした口調でこの結果を伝えた... 「そろそろ...お遊びはお止めにしたいのです。」 すると彼は彼女の思惑を獲つつ訪ねる 「ーーーっと、言う事で良いんだね? 了解しよう...生粋の...“能力者”として。」 いつも通り返答は無いまま彼女は姿を消し ソファーから降り立った彼は再び日差しの中で 楽器を手に語る...。 「ワタシの下へ来る前に凍結したかな?」 侵入者の動きが止まった事を感知した番者は呟くと 今まさに凍り付いた少女の像をうっとりと眺める...。 まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |