『12月9日(日)』 第八六九話 『,(ピリオド)』(12.9.日) 『春化』『洋子』『知也』そして 『勇二』『京香』『光助』達は ヒト部屋っと言う壁を隔てているものの 完全合流に近付き“王宮の13宮殿”を駆け上がり続ける!! 「...本当の...闇の牙を受けろ...。」 ...只1人...『智明』を置いて... 『ジャキャキャキャキャキャキャキャァッッッッン!!!』 動き出した2人の少女は『永蘭なる魚』【シャルムーン・ピスケス】の構える 『想禦宮』へと足を踏み入れ彼の差し向けた 刺客から足止めを、つまり攻撃を受ける... 「ちょっ....闇が動物みたいな形を とって...来るんですけどぉ!?! (きゃぁっっ!?!)」 具現化された闇の牙が洋子の衣服を掠める 「...ちょっと待って...。 確かに私達の攻撃は闇を振り払ったのに...。 (...これは...まずぃわね...。)」 だだっ広い場所だと言う事だけが幸いだった、が 「...これが授かりし闇...。 愁いを秘めて...歯牙へ掛けられるが良い...。」 『ギャルルルッッッッン!!!』 彼女らは何時の間にか闇の獣の群れへ囲まれていた 「“エレメント・スフィア”シリーズ、 ...Fire!!(これならどーよ!!?)」 『ドギャァァッッッッンン!!!』 起死回生を狙った一撃も的を外し、そこへーーー …次の瞬間!!… 『ばるばるぎゅぁおぉおおぉぉっっん!!!!!』 「っぅっ..きゃぁっっっっっ!?! (...嘘....これは...浄化...出来ーーーっ!?)」 群れは一気に集団で襲いかかる!!! 「あんたらがどう思おうが、俺は 協力してやるよ...俺の為にもな?」 『愛欲の乙女』【アザゼル・ヴァルゴ】の 『スキル』【特殊能力】によって 死に続けていた空間より脱出させられた 元番者である『ピチャータ』は、身振り手振りで 話しを勢いのまま押し進めると... 「ちっ...解ったよ好きにしな? それよか...洋子の詳細が気がかりだな...。」 「ははっ...まぁまぁ、にしても もしかしたら...なぁ、えぇっとキミ知らない? 空間とかに投げ飛ばすような能力者ってば!」 質問へ応える様に口を開き簡潔に説明した,,, 「ん?あぁ『異界迷走』【オルタナティヴ・ワールド】か もしくは『死導空間』【バゥンティング・ファイ】の事か...。 まぁ前者も後者も空間使いなんだがよ。 あんたらの言い方を聞くと...そりゃ、前者だな。」 さらりと“力”の名前をこぼし考えた結果 その者を完璧に理解した彼は 「おぃ、じゃあ..そこから追いかける ような手はないのか?」 『がっっっ!!』 「おぃ、止めろってトモ! ...この子に八つ当たっても意味ないだろ?」 興奮気味のトモを簡単にかわし 「追い掛ける手ねぇ...あるこたぁ、あるけど...。 (あいつの能力不完全だったかんなぁ〜。 ...片方の兄ちゃんの事を考えれば...。)」 考え深く思い付くままのコレを伝えんとしていた...。 「霊術式弐ノ型『緋空』....。 貴方...智明ね...。」 『パシュパパパパァァァッッッン!!!!』 「えっ...?!(春化何を???)」 上部より闇の獣達が襲いかからんとしたーーー …その時!!!… 『どちゃっっにゅちゃっちゃちゃ...。』 「....むぅ...闇の血を...たったの 一撃で下すとは...やるな...。」 坤を真上で回転させて放つ技を繰り出し 真っ黒な血液が階段へ飛び散る様を横目に ハルカは漆黒の騎士を指差す!! 『12月10日(月)』 第八七〇話 『自由の翼』(12.10.月) 「見たところ...太めの兄ちゃんの方は これからダッシュ(加速の意。)で 階段を降りるのは辛いだろ? だから、俺と片方の兄ちゃんにその 女の子の事任せてみないか?」 不意に切り出した『ピチャータ』は目線で 合図を送り応えを待った...すると、 「『光助』どうする?...確かに こいつの言う通りでもあるぜ...。」 「あぁ、オレっちは体力的にこのままじゃ 無理だしな...任せるよ、その代わし こっちは上を目指すから!!」 少しの相談の後、彼らは覚悟を決めた様に 各々言葉を放ち、これへ承諾した 「話しは決まったな? じゃあさ、さっさと行くぜ...あいつの “力”だとしたら...この“王宮の13宮殿”の内部 何処へ飛ばされていてもおかしくないからな!!」 頷き『知也』は少年の後に次いで走り出した 「じゃあな〜ッ!!...そっちは任せたぞ!!!」 「おぅ!オレは、無闇動き回って 間に合わないよか可能性を 信じる...光助が信じた、こいつをな!!」 見送る青年も登り階段へと足を掛け先を目指す!! 『霊聖坤』へ霊気を込めて打ち放った 必殺技は見事に闇の獣達を一掃し 道を開く事に貢献する...が、 「隠してもダメよ...私...解るもの...。 それに...この有様を見れば...確実に。」 そこで彼女は有り得ない指摘を行う... 「...ふっ...何だそれは....。」 「なっ!?...春化、冗談だろ? (そんなハズは....。)」 だが黒鎧の男はニヤリっと笑みをこぼすと 「どうやっているかを旨くは説明出来ないけど...。 闇に血を浸して...操作しているかな..。」 『ぼぎゅっっんぼぎょぎょ...。』 有無を言わさず再び闇の獣を産み落とす!! 「排除する....届くのなら...此処まで 来るが良い...『血闇の嵐舞』【ブラッディ・サイクロン】!!」 『ズガガガガガガガガガガガッッッ!!!!』 群れが集まってやがて旋風となったコレは 一気に彼女らへ襲いかかりあらゆる攻撃を無視し 行わんとした行動よりも素早く両者へ打ちつける!! 「げっふぁっ....何!? (鳩尾周辺に...鈍器を当てられたみたい..だ!...。)」 そして、特に洋子は防御の暇も無く直撃を受けて 闇へ捕らえられてしまっていた....。 「『具象装具』【ハッドレッド・ファントム】と まったく同じでも...オリジナル(大本の意。)の 性能が違うんだよ...。」 様子を覗く『永蘭なる魚』【シャルムーン・ピスケス】は 片手にワイングラスを持ち『闇の触手』【ブラック・ドレィブ】によって 「っっっ!!?...しまったーーッッ! 洋子ぉおおっっ!!」 身体が締め付けられ悶える洋子の姿に 少しの興奮を覚えていた...。 『12月11日(火)』 第八七一話 『闇色の血液』(12.11.火) 『永蘭なる魚』【シャルムーン・ピスケス】の闇に漬けられ 『想禦宮』に飾られた闇の像物へと化してしまった 『智明』へ与えられた鎧と仮面...これが 「...供物として...闇に喰われるが良い!!」 効果を来し、彼は操られるままの人形と化してしまっていた!! 『ズギャァァァッッッン!!!!』 これを見抜いた『春化』だったが、敵に回した 智明は2つの“力”を巧妙に操作し 彼女達を追い詰め遂には『洋子』を捕らえて 今、その歯牙にかけんとしていたの...だがーーー …その瞬間!!!… 「“エレメント・スフィア”シリーズ、Iceful!!」 打ちつけられた腹部を左手で摩りつつ口元からは 少し胃液を垂らした彼女の右手へ握り締められた 「ぐっほふぁっっっ!?! (...馬鹿な...まさか...計った...のか??)」 カラフル(色取り採りの意。)な拳銃より超至近距離からの弾丸が 放たれ黒き鎧を直撃し跳弾によって 『チュッッッッキュッッン!!!』 「へぇ...洋子、やっぱし...貴方って...。 (もしかしたら...この中で一番...成長...いぇ 進歩が早いのね...確実に...敵をしとめる術を知っていたのか..も...。)」 纏う仮面部分も傷つけた!! 『ドササッッッッ!!!』 「...いたた...腰打ったじゃないの...!? って言うか...ぅぇ...気持ち悪い...。 (闇に血を混ぜた...それだけで此処まで 可能とは思えない...。)」 射撃反動によって跳ね飛ばされた洋子は 少しの掠り傷を負ったものの大事には至らず どうにか脱出する事に成功した... 「後は、彼の目を私が覚まさせて あげれば...と言うよりも...仲間とこんな 真似をさせる者よ...覚えておきなさい...浄化しましょう。 (必ず、『P×H』【プリンセス・ハンター】の 名に賭けて!!)」 転がり落ちたが少女の無事を確認したハルカは 呟くと、同時に走り出しーーーー 「ぬっぅう...おのれぇっっっ...貴様らぁぁっっ!! 頭に乗るなよ!?...『闇に狂う月』【シェイド・ムーンリィ】ォオ!!!」 『ドシュァァァアッァッッッッン!!!!』 「闇色の血液をした....今の貴方は、 私の...私達の敵では無い!!!」 霊気と怒りを込めた一撃を繰り出し放つ!!! 「って言うワケ、あとはトモにでも 直接聞かないとな〜。」 経緯を説明した『光助』はこの場にも 彼が存在しない事から実は不安を覚えていたのだが、 「大丈夫だよ!!...だって、 光助が信じているんなら間違えないもん! 先できっと会えるからぁ〜!」 少年の根拠の無い言葉で自信を持って笑みをこぼしていた...。 『12月12日(水)』 第八七二話 『何を、している?俺様は』(12.12.水) 「闇の獣達を...突っきって...バカなっっ!?」 『ドシュァァァァッッッッ!!!』 『霊聖坤』の柄から伸びる青白いしなやかな刃が 弧を描いて襲い来る漆黒を跳ね除け 掻き消し、少女の躯を守りながら攻撃へと転じる!! 「神霊術『光放』式無ノ型ーーーーっっ 『無想絶光刃』ッっ!! (一時でも...仲間の絆を...断ち切った... 敵にまでぇぇえっ....届けッ!!!)」 そして、胴体へ直撃したこの技の威力は 彼の身体を透過し階上へ立ち登り... 「...わたしの兵士を...破壊しただと!? (馬鹿な...あの者が持っていた『スキル』は ...わたしの一部でもあるのだぞ?!)」 闇で閉ざされた“王宮の13宮殿”が番者の それを一気に打ち砕く!!! 「はは...やるぅ...流石は『P×H』...。 これで...正気に戻った...か!?」 鎧を完璧ではないものの傷つけ打ち砕いた 『春化』の技の効果で男は動きを止めた...だが、 「...はぁはぁ...貴方の呪いは...解いたわ ...だから、戻って!!(お願い!!!!)」 しかし『智明』は一瞬の覚醒のみあったが 『みにゅっっみしゅしゅっっっ...!!』 「無駄だ...何をお前らが...発して いるのかは知らぬが...貴様らが闇から 逃れる...術はないのだ...!!」 再び染み込んだ闇が彼を蝕み鎧も完全に 復元させてしまう!! 『洋子』が傷をつけた仮面の一部だけは 何故か復元されずヒビの入ったままであったが それよりも自身の意志を込めた一撃が 効かなかった事に衝撃を受けていたハルカは、 「嘘....闇が...消せていない?! (....私の“力”が及ばない...って言うの!?!)」 洋子の言葉も届かぬ程に動揺し 「何してんの!?...はるか! やばぃよ、避けて!?...あぁっっ!!」 『ドガァッッッスッ!!!』 男からの直撃を受けてしまった!!! まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |