『12月29日(土)』 第八八九話 『13番目の使徒-ホワイト・アウト-』(12.29.土) 『智明』『春化』『洋子』『京香』『勇二』は 先行し『白き蛇』【アルビノ・スネイカー】の 構える宮へと辿り着く、その頃 「にしても...随分と、一転して 地下へ来たもんだな...。」 「罠があっかも知れないから ...十分注意しないとな...。」 『光助』『知也』も戦線へ復帰すべく 5人の足取りを追う...が、これより先では 彼らが敵と抗戦を今正に開始せんとしていた!! 「確かに...そうだけど、ハルカ? ...そうやって一人でしょいこんでも 大変なんじゃないかな...だったらぼくもーーー」 洋子が言い終える前に口を開いたのは誰でも無い [ぃえぃえ、ご存じの通りですな。 ...これより先はこの『絶陰地帯』が 支配者の宮(みや)...不粋な扉はございませぬな...。] 当面の敵である白蛇だった... 「ほらね?...だから、私に任せて!!」 しかし、続けてスネイカーはこうも言う [いやはや、しかしですな...ソレで 済む筈が御座いましょうか?] 圧倒的なこれまでにない殺意を一行へ浴びせながら 覗き込むような目つきで顔を見て回り ニヤリっと笑みを落として... 「...春化がしたい事の邪魔をして こう時間を裂いている暇もない...。 ...任せる、これで良いだろ?...。」 不意でキョウが静かに述べると智明は 含み笑いをこぼしながら頷き他の一同も最初は ポカーンっとしていたのだが理解し そのまま彼女の動向を見守る...。 「だ、そうよ...力づくでも ...4人は先へ進ませて貰うわよ? ....良いわね?行くわよ!!!! (この台詞、久々!!)」 『バギャギャギャギャギャギャッッッッン!!!!』 スネイカーの大きさはハルカを遥かに 下回る小ささ、だからとて少女は油断を与える隙を 微塵も与えず一気に全力近くまで 霊気を愛用の坤へ送り込み高めるとーーーー [『操邪宮』の主をなめてもらっては こまりますな...主人に申し訳が立たないのですな。] 「ーーーーーーッッッ!?! (馬鹿な...私の全力に近い攻撃を 殆ど動かずにかわした...ですって!?)」 並外れた運動神経がプラスされた棒術で 先手を仕掛ける、が... [...『白の道化』【ホワイト・ジョーカー】。] 『ヌチュルルルッッッッッ!!!!』 何故かこの攻撃は的を外しスネイカーへと 下らず石畳で出来た床を大破させてしまう、しかも 「なっ...はるか..さん..なんで... 自分から...攻撃を...???」 真後ろからの直撃がハルカの背中を穿つ... 「ぐっふぁぁぁぁああああああぁぁっっ!?! (なっ...これ...私の中に...入ってあぁぁっっ!!?)」 [これは...わたくしめの尻尾... 今、命名したのですな...白き道化、これは 何かの物質と融合し...その内部を破壊させのですな。] 体長1m程の蛇の尻尾は半分近くまでが融合するように 彼女の身体へ挿入され臓器を汚して行く!!! 「...あたしも...春化がわざと自分で ...ずらして...まさか...この部屋に...場所に 来た時から...『スキル』【特殊能力】が ...発動されていると言うのか!?!...。 (だとしたら...まずい!...。)」 “王宮の13宮殿”が最後の番者はわざと 招き入れる事で相手を堕として行くタイプの 狡猾な領域の“能力者”... 「そないなわけ...こん広い域まで 届くスキルなんぞ、あるわけ...ない...とも 言い切れんやな...てか...何やねん!?」 逆切れする智明を置いて事態はドンドン 悪い方向へ進まんとしていた...。 『12月30日(日)』 第八九〇話 『13番目の使徒-見えない!!-』(12.30.日) 「えっ!?...ボク達って... 何か“力”(のうりょく)受けちゃってるのぉ〜(汗)」 思わず口にした自分の言葉で『勇二』が 焦り既に内情へ伝染していることにも マズさを感じた『京香』は極めて冷静で勤め 慎重を重ねて洞察して行く... 「アホかっ!..そないな事よか 『春化』ぁどないすんねん!!」 その間にも少女の背面へとへばり付く『白き蛇』【アルビノ・スネイカー】を 排除せんと動く『智明』、だがしかし... 「くっあぁっっ!?!...まっ待って....。 智明...ここは私に任せるって...承諾したでしょ? なら...私に任せて...時間の経過で蓄積するタイプの 力なら...貴方達はまだ進みが遅いハズ!! ...距離を保てば...あぁっっ!!?」 攻撃を受け続けながらもこれを制止する 当人のハルカは必死に笑みを向け出口を指差す!! [内部で波状した..散解したわたくしめの尾は ....回転式のドリル(工具の一種。)となって 内臓を破壊し続けますな。] 『じゅるるるるるるっっっっっ!!!!』 内臓破壊が開始されると喋る事すら ままならなくなった少女を前に怒る感情の下 行動する青年は、少し前の借りを返す意味もこめーーー 『バシュパァァァッッッッッン!!!!』 「あかん、俺様は俺様の意志で動いとるんでな!!!」 回転し波状に自身の血液を硬質化しつつ広げた 高度な必殺撃を撃ち繰り出す!!! 「なぁ...さっき勇二は...わざと 自分から...って...確かに..ぼくにも そう見えた..これが“能力”なのか...!?」 先へ進まんとしていた『洋子』が呟く 「...そう言えば...同じような力を...。 ...『光助』にさっき聞いていた...。 (もしそうだとしても...錯覚してる...ワケではない...。 現に...対象の位置を霊気で捕らえているハズの ハルカが間違えるワケがない...。 ...それにコレが離れれば取り去れる能力とも 思えない...。)」 するとキョウは、一つの論点を上げて見る... この力は光助や『知也』が対時したモノと まったく同じものなのかと...否、それは見当違いである それは彼女も気付いてはいるのだが... 「回転、『血化陣』血の舞踏やぁっっ!!! (...俺様の例を考えれば... 在りえんのや...遠ざかれば効果が切れるなんぞわな...。 ...強力な思念がこの力を産み出すんやとすれば 尚更やからなぁぁっ!!)」 …次の瞬間!!!… ダメージによって喚き声を上げるハルカへ向けて放たれたーーー 「ぅあああ〜〜〜っっ!!! それじゃあ〜春化さんにも...当たっちゃうよぉ〜(脂汗)」 「バカぁ、この...あんたナニしくさって!? (...って...えっ...???)」 智明のこの攻撃により謎が解明された!! [人間を狙う...いや、生物全てに言える事なんですな。 ....一番重要な器官とはなぞや? っと申しましあげ...質問致しますな、しかるべき答え ...それはずばり眼なのですな。] 白き蛇は顔を歪ませ笑みをこぼして見てる... 「どやっっっ春化ん身体を通過する時んは 液体や、せやけどお前には...硬質化し...あ”っ?!」 『ぽたっぽたたたたたっっっっ...。』 [眼は距離感も狂わせますな?] 手の平を斬り裂き出血させ飛沫で攻撃するハズの それはあらぬ場所で硬質化、所謂...武器化し 「あっ...ぐっ...あぁぁぁっっ!?!」 敵へと当たるこの前に落下し地表に突き刺さる、 そして再び場へ少女の悲鳴が響き渡った...。 『12月31日(月)』 第八九一話 『13番目の使徒-主無き剣-』(12.31.月) 「おぃ...『智明』まで...どうしたって言うんだ!? 目?...眼に何かされて??? (...そう言えばヤケに地下内部なのに... 周囲が明るく感じる...。)」 現れて来た予調、少女は敵の言葉で徐々に感じた 違和感の正体を遂に突き止める.... 「...えっ....そう言えば...。 (何か太陽が出っぱなしって言うのが 当たり前で気付かなかったけど...目がしょぼしょぼする〜!!)」 同じような気分となった『勇二』も どうやらまんまとハマった策略が見えて来ていた 「なっ!?なんやねんなっ!! ...俺様の距離感は間違えないっちゅーねん! なら、直接ひっぺがしたるッッッッ!!!」 『シュパァァッッッッッッッッッッン!!!!!!』 血液から産み出された斬首刀を手に 飛びかかり少女へ取り付きダメージを蓄積させて行く 『白き蛇』【アルビノ・スネイカー】を両断せんとする、が 「ぐっあぁあぁぁっっっっううっっ!?! (...私も初撃...完全に捕らえていた...のよ 気付いて!!...コレは...この“力”はっっっああっぅうっ!?)」 …その直後!!!!… [ムダですな、わたくしめの説明を聞いて いたのですかな?...少しずつ始末差し上げますな ...またまた、今名付けましたな。 『黒の賢者』【ブラック・トリック】。] ソレは完全に的を外し、それどころか返り打ちを受ける!! 『ずちゅっっっにゅびゅぶぶぶっっっっっにゅ!!!』 「ぐっぉをぉおおーーーーーッッっっっ!?!! なっ...なんやねん...ぅぐふぁっ?!」 この世に存在し得ない音を響かせながら 見当違いの所へ斬撃を繰り出してしまった青年の 腹部へと今度は頭から浸入したスネイカーは ゆっくりと身体を蝕み破壊して行く...。 「...風よ...切り裂け!!...。」 『バシュルルルルルルルルルッッッッッッン!!!』 不意に『京香』から疾風が放たれ智明ごと 敵を切り刻まんとした...だが、 『とっっっぴゅっっっっん!!!!』 [...虹彩っと言うのをご存じですかな? そうです、つまり人間が光を感知し眼で見た画像を ...刺激を脳内へ送る事なのですな..しかし、 それが送られず脳が感知しなかった場合どう なると思いますかな..ふっくくっ〜...標的器官が あってこそのホルモンと同じく...ソレは 存在しないのでは御座いませんな!!] 身体を貫通させ頭を背部より露出させた スネイカーは体液混じりの口元から笑みを浮かべ したり顔で説明を始めた 「そうか...実際に...脳内部に伝わらなければ ...距離も...気配もあったものじゃないね...(慌) (違う...もっと...えっ...うそ...白く... 何か...眼鏡が曇ってきてるみたいに見える!!)」 はっ!と声を上げた勇二は以前自分が掛けていた眼鏡で ラーメンを食べていた時の事を思い出す... 蒸気によって視界を塞がれた、正にその時の事を!! 「ちょっと待て...よ...ぼくの虹彩ってのが 潰れたらどうなるんだ!?」 慌てる『洋子』へも変調は訪れ既に視界に 靄が掛かっていた... 「...光を探知するモノが破壊されてしまえば....。 簡単に言うなら...失明する...。」 キョウ自身症状へ襲われたった今の攻撃は 柱を破壊し外していた... 「でも、一体いつ...こいつの“能力”に!?」 にょろり、っと長い舌を出し入れしながら スネイカーは次の獲物を狙う...。 [『白の道化』【ホワイト・ジョーカー】。] 『どちゅるるるるるるぅうぅぅん!!!!』 再び潜り込んだスネイカーの容赦無い 内部破壊によって智明も打倒される... 「時間の経過で失明...その前に 攻撃が...どうしろっての!?」 「...絶対当たる...攻撃があればいいのにぃ〜(泣)」 しかし、勇二の泣き言で洋子は自分の出番なのだと 悟り足を前へと踏み出した 「OK、ナイスよ、ナイス!勇二!! ...もっと、もっと沸き立て、書き立て...想像力!!!」 そして、颯爽と敵の眼前へ秘策を持ち立ち塞がる!!!! まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |