『2月5日(火)』 第九二七話 『同じ空は明日を始める-参-』(2.5.火) 『暗雲地帯』の最初の町と思われた 『哀歌』は支配者とも何とも言えないものの 『守護幻魔』以上の『スキル』【特殊能力】を 持つ雲雀(ひばり)と言う鳥を模写したかの様な 姿を持つ幻魔のテリトリー(領域の意。)だった、 そして『脳下垂の雲雀』【ヒドリ・フリングレス】が町全域へ 分散させ空気中に散布している粉を吸い込むと 同時、記憶を掻き消されて廃人と化す事など 知るはずも無く『絶陽地帯』を目指す 『勇二』『春化』『京香』『洋子』 『光助』『智明』『知也』達7人は まんまとこれへはまり高確率で廃人同様と 化してしまうかに思われたのだが、 「...っぁっっ...あた...この...傷... ???...怪我...なに...ソレ...あ?...。 アレ...怪我...血が...あたしは...誰??...なの?!...。」 キョウの身を削る行いでどうにか記憶の流出を 止める術をとある2人へ伝えた、しかし 「あ〜...やばぃ、何か...このままの 状態でいるのはものすげぇやばぃ感じがするぜ!? はっ...えっとハルカだよな!?...春化 早く...どうする...走ろうぜ!!」 「それが良いわよ...私も あんまり...此処の事知らないし...何で ここにいるのかとか無視した方が...トモ...よね? とにかく、出口目指すのよ!!!」 途切れ途切れでしか覚えていない記憶は 頼りとならず只、悪戯に2人を惑わすだけだったの...だが、しかし 『すたたたたたたたたたたたたっっっっ!!!!』 [...あぁ、また廃人が出てしまいましたか? うふぅ...愉しいですよぉ...ナンテ言うか... 全ての生物は記憶が全てなのですから!!...ん?] ヒドリの思惑を余所に彼らはこの場自体から 離れればどうにかなるだろう!っと 最後の賭けへと今、出んとしていた!!! 気や霊気を纏う事で記憶の流失を防ぐ、それには 膨大な負担が精神へ掛かる、これは承知で あの時彼女はこれ以上術が無く伝えた方法だったのだが 本体を探している間にかなりの時は過ぎていた ソレはもう2人が限界を迎えるまでへ到る... 「妙に息苦しいな...なんだろな...。 てか見えたぞ、あれが門か!?」 しかし、これをカバーしていたのは本来持っていた 気力だったのかも知れない、とにかく 限界を超えた彼女達は幻魔である本体が化けている 石像を横切り町の外へ脱出せんとした、がーーー …その瞬間!!!… 『バササササササササササッッッッ!!!!』 [ヲなた達...そこから先へはいかせなクてよ? と言うか...なんなの?...このヲたしの 結界を...許せないわけよ!!] 石化を解いたヒドリが巨大な翼をはためかせーーーー 「はぁ!?...何...これ... これを...私達が...倒すって言うの!? 冗談でしょう...無理...ありすぎじゃないの?!!」 両者の道を塞ぎ遮る!! 『異界の闇覇者』へと続く道は絶たれた たった一瞬の心の緩みがヒドリの術中へ 一行を送り込んでしまったのだ、しかし 「成せばなる..なさねば成らぬ...何事も!! 春化!こいつが本体だ!!!」 [記憶もしっかりしてるし...。 どこまでなめてくれてんのよ!?] 「...て言うより...私...こんなのを 相手にしていたの!? ...未だに武器が...って言うか...アレ...眩暈が...。」 残された最後の希望は遂に敵を捕らえ そして、先へ続く為の道を賭けた死闘が此処にーーーー [...ヲたくらがどぉ〜んな手を使っているのか 不明なんだけど...まぁ良いわよ、丁度暇してたし 少しは歯応え欲しいじゃない? ヲたしは『脳下垂の雲雀』【ヒドリ・フリングレス】 美しきツバサの雲雀、そして...この始まりと終わりを 暗示する町、エレジー又の名を哀歌と、その運命を 支配する不死鳥...どうぞ、宜しくね...そして忘れるのよ!!!] 開始されこの幕を開ける!!!! 『2月6日(水)』 第九二八話 『誰かの面影〜embryo〜』(2.6.水) 『ツッシュババババババババッッッッ!!!!』 2人が唖然としている様を覗き込み したり顔で通せんぼをする雲雀型『幻魔』がニヤリっと 笑みをこぼし翼を振り上げたーーー …次の瞬間!!!!… 「きゃぁぁっぁっっ!?!! ...あっっっっ...何か...羽根で...傷が...えっ... 私..誰...だっけ????」 「っぐっっっっっ....この...鎧みたいのがなかったら ...ヤられてたか...つツ...『春化』...おぃ?! しっかりしろ!!ハルカ!!!」 無数の羽根が降り下ろしたと同時で無数に放たれ 2人を旋風と共に斬り裂かんとする!! [ヲホほほほっっヲたくしの 『現蝉の麟粉』【レイジー・トリップメント】が 付加された、いぇその大本となる羽根は 掠めただけで記憶を奪いますのよ? ...ふふっ、その表現は間違えでした...今まで生きた記憶を消しますのよ?ですかな!!] 『暗雲地帯』出発の町『哀歌』を支配する幻魔は 卑劣にもどんな“能力者”であっても油断する 町中を縄張とし、この地を汚浸して行った そしてこの方法で何人もの“力”を持つ者を 仲間ですら亡きモノとし地位を上げていたのだ、 「私の記憶...アレ...思い出せない... 私は...何故ここに???」 羽根の効果は気を具現化して纏えぬハルカを もろに直撃し現在までの記憶から ほぼ異世界での生活した記憶すら流失させていた... 『ピキキッッピキキキッッッッ!!!!』 「オレは...そうかこの...何だ...。 とにかく、鎧で...でも春化はないから.. ..何だ...心無しか鎧が...薄らいで...見える?!」 装着の限界、恐れていた事が起こりつつあった 折角の希望すらここに途絶えんとする...。 [ひょほぉ〜〜〜!! 見なさいよ、あんたのは...そうね、見たところ “能力”の鎧ね、それは..時間の問題みたいね 良くヲたしの『スキル』を防いでいたけど、 これでお終まいね、『レイ・ウィング』!!!] 『ずばしゅあっぁぁぁぁっっっ!!!!』 薄らぐ『気具装』【ウェアー・ディスポティション】へ 止めを放つかのごとく再び羽根は繰り出され 側で記憶を失い困惑するハルカ共々 降り注ぐ羽根の嵐が2人を刻む、そして 「ぅっきゃぁぁぁっぁぁっっっっ!!!!」 『バキャァァァッッッッッン!!!!』 「...えっ...あっ....。 (オレって...こんな呆気ねぇんだっけか? アレ...もうどうでも良いや...。)」 精神も最後の限界を迎え鎧は弾け飛ぶ.... [終わりよ終わり...もうお寝んねしなさいな? だってこれから死ねずに...町を 只ひたすら歩き回る...ムクロになるんだからネッ!!] 砕けた破片が彼を覆い、それは場へ彼の地で起きた 出来事をほう沸させた...。 「...アレ...オレ..でも...これ...知ってる... 知ってるぞ...オレはこれを知ってる。」 最後の最後まで彼を守り切った精神の壁だが それはもう既に機能していない筈ナノに 彼へと刻まれた記憶は消える事はない、鮮明に甦る このワンシーン(一つの場面の意。)だけは...消せるハズがない!! [ヲほぉしぶといわねぇ!!! ...もう、じゃあ...特別...直に壊してあげるよ! ...喜べよ...直は早いのヨォ!!] 「っ...ぅうう...逃げて..そこの人...貴方だけでも...。」 そして、幻魔が接近し力を繰り出さんとしたーーーーー …その時!!!!!… 『2月7日(木)』 第九二九話 『誰かの面影〜STANDARD〜』(2.7.木) 「おぃ、近付くな...息くせぇんだよ、おめぇはっっ!! 忘れてヤレねぇんだ、これだけは...二度めは あっちゃならねぇんだ、コレだけは!!!!!! うぉおおおおっっっっ!!!」 『どぐしゃぁぁっぁあぁっぁぁぁぁっぁあぁぁあっっっっンンッ!!!!』 力強く立ち上がった少年は秘めたる“力”を 拳へ込め怒れる自身と共に目の前の敵へソレをーーーーー [なっなんなの?!! (こいつ....自分のあの鎧みたいな破片を再構成して ...また、って言うかいやぁぁっっっっ!?!!!)] 叩き込み穿ち貫く!!!!! 「...綺麗...貴方の気が... その右腕に集まっている...私は... 私は...『トモ』、貫いて!!!!」 『パキャァァアッァッッッッン!!!!』 砕け散る『幻魔』が放った呪縛は知也の拳が 繰り出されると同時に弾け飛び、流出していた 記憶が再び再構成され 「『気具装』【ウェアー・ディスポティション】IN 『双碧の篭手』“光/闇”ーーー〜〜〜〜!!! ヒカリとっっっっぉおッ成れぇぇっっっっっっっっ!!」 各々各自の元へ舞い戻る、そして 光り輝く剣(つるぎ)を手にせし少年は誰かの面影をも ブチ破り確固たる自分へ進化して魅せる!!!!! [ぱっっっっぱかっっーーーーナあぁぁっぁっ まぎゅぁぁぁぁっっっっっぁぁ!?!!] 『ぶすっぶすすすっっっぷすぅっっっ...!!!』 剣状の拳を繰り出した少年が残す痕跡は 凄まじく、熱波で周囲の外壁は完全にとろけ落ちてしまっていた... 「...あいつ...あたしらの記憶を 外へ出させていたのかしら? ...まったく、ぼくも不覚だったよ、2人が居なかったら そう思うとゾッとするね。」 同じような“力”に屈服しかけた事で 『洋子』はプライドを傷つけられ立腹と 2人へ感謝を言葉に現す 「...まったく、姑息と言うか..。 こう言う“能力”を持つ奴は本体が見つかると もろいけど...それまでが厄介だな、2人も ...お疲れ、さぁ少し休もう...。」 未だパッとしない者もいるが『京香』の言葉に 甘え疲れ果てた2人は休息を寝て過ごす...。 「あっ...トイレ...行きたい...。」 能力干渉率がもっとも低かった筈の『勇二』は 最後に正気を取り戻すと這い廻していた時は 忘れていた便意を催し物凄い速さで いつの間にか連れられていた部屋のトイレへと駆け込んで行った...。 『2月8日(金)』 第九三〇話 『STAY TUNED』(2.8.金) 『脳下垂の雲雀』【ヒドリ・フリングレス】の“力”が 消失した事で記憶を取り戻した人々や “能力者”達は皆正気を取り戻し 再び町はそれまでの活気を取り戻さんとしていた...。 「どうぞ、どうぞ!! いくらでもお休み下さい!」 大歓迎を受ける一同は好意に甘え 少しの滞在期間を儲ける、それは 情報収拾を行う為でもあったが 連続の闘いで疲れ切った身体を心を癒す為でもあった...。 「『神の瞳』【ゴッズ・プーピル】 ふ〜ん、おぅ兄弟...あいつら ヒドリ殺っちまいましたぜ?」 「おぅ、兄弟、何も解っちゃぃねぇよなぁ...。 奴らは『妖しの樹海』で始末するぜ兄弟!!」 オレンジ色の瞳を備えた熊っぽぃ髭が 特徴の青年は同じようなマタギ系の格好をする 男へ声を掛けると斧を手に森で7人を迎え討たんとする...。 まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |