『2月21日(木)』 第九四三話 『バルディエ』(2.21.木) 手荒な歓迎から始まった『暗雲地帯』の旅は 『哀歌』を解放し『妖しの樹海』へ 場面が変わろうとも、この激化は留まる事無く続いていた しかしこれが『スキルマスター』【特殊能力者】である 『春化』『勇二』『京香』『知也』 『光助』『智明』『洋子』ら 7人を強くし良い鍛錬とはなっていたものの 確実に精神は擦り切れ肉体の損傷もかなり 酷くなっていた、これに付け加え『幻魔』と言う存在が... 「樹海の奴はなんか具現化出来損なった そんなっぽぃの、って感じだったね。」 「そうだね、オレも攻撃はあの中では 受けてなかったし。」 樹海を抜けた一同は南下を終え地図で見ると 『絶陽地帯』へ向かう先に存在する とある港町へ辿り着く為、東に進む...。 「えっと、確か〜『バルディエ』だったよ! そうそう、ここね、もちっとで 着くと思うけど。」 光助は皆へそう伝えると、地図を懐へしまう 「ねぇねぇ、光助〜ボク達みたいに 支配者を倒してる人って絶対いると思うんだけど〜 でもね、何か進むに連れて解放...されてないよね?」 鋭いことを時たま口にする勇二はさりげない 疑問を問いかける、すると 「...ほら、言ってただろ?...。 米国大陸から来てるあたし達は比較的安全な 地帯から出て来たんだよ、だから... ...その分、拠点と思われる場所へ近付けば 近付く程にその危険性も増すからね...。」 光助の代弁としてキョウが自分の解釈を話す 「あぁ、確かに...オレなんか 最初っから死にかけてたしな。 (まぁ、食料不足もあってだけどな(笑))」 そう、時間軸では1つに繋がる物語は 各個で展開し何かの引き合いを経て 集ったに過ぎないのだ、しかし勇二の言い分は もっともである、だが答えは至って簡単で 単純なのだ...この地は既に 一度解放されている、これが答えだから...。 支配者が消えれば幻魔は消える...しかし 制定後、統治者を自ら始末してしまったり 新たな支配者を送り込む輩も存在するのだ それが自分達と対を成す者達や もっと別のソレに当たる... 「ねぇ、見えたわ...。 何か...扉は仕閉まっているけど...。 (すごく...町へ近付くほどに寒く感じる...。)」 そして、正にこれを生み出した近隣の町である バルディエへ一同は足を踏み入れ 悲しみの連鎖と対面する...。 『2月22日(金)』 第九四四話 『Baby』(2.22.金) 「おう?どないしたんや??? 誰もおらへんのかい!? ...開けんかったらなぁ〜俺様ん必殺 『血大刃乱闘針』【スピニング・エッジ】でぇーーーー」 『どがっっっっっっっぎゃん!!!!』 「ヤメとけ!!」 「やめなさい?!」 「撃つよ。(もう撃ってるけどさ。)」 扉が開かない事で苛付き出した 『智明』の暴走を暴力で片付けた3人は それぞれに攻撃を当てこれを未然に防ぐ 「...冗談は良いけど、どうなの『光助』?...。」 心配そうな顔で見つめる『勇二』の横で 唸る光助はさっきから声を掛けているのに 開かないそれへ理由を考えていたが、 「しかたないよ、勝手にあがらして もらおう、もしかしたら〜ほら! 前の町みたいな事になってるかも知れないし...。」 この場は仕方ないので強行手段で 町へ潜入する事を決定する...。 『どぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃっっっ!!!』 不意を突き相談が終えるか否かの時機で 唐突に扉は内側へ開き、一同は瞬間唖然とする 「...って言うか、絶対仕込みだよね これ、もしかしてイジメ?」 『洋子』は不満そうな顔で門周囲を見回すが そこには誰も存在せず只、『春化』だけが 嫌な悪寒を覚えていた... 「もし敵の術中だった場合を考えて、とか込み込みで 別々に行動するとヤバイかもな? したら、取り敢えずオレとハルカが先頭で 警戒しながら進んで行くってのでどう...?」 『知也』は前の事も踏まえ提案する それへ皆は賛同し少し怪訝な素振りを見せる 少女だったが、取り敢えず行ってみない事には 何も始まらないと思い武器を構え 「...十分な注意が必要ね...。 トモ、速攻で攻撃出来る準備しといた方が良いわよ?」 門前へトモと共に歩み寄って行った...。 「ぅわ...何この臭い...。 (って、これって...良く...仕事で かいでいた....死臭じゃない!!)」 「クサっ!!?...鼻が曲がりそうだ...。 ん!?...おぃ、何か町の奴らおかしいぜ? ...“能力者”もいるみたいだけど...。 どう考えても生きてないだろ、これ...!!」 死人の這い回る町で鳴き叫ぶ赤子の声が より恐怖心を煽らんと響き渡る...。 『2月23日(土)』 第九四五話 『シ人の町』(2.23.土) 「一旦みんなは下がって!! ...確かに死んでいるけど...これは 肉体じゃない...魂が肉体を具現化してるのよ...。 つまり成仏出来てないんだわ!」 この世界で言うところの成仏とは 歪みへ沈む事だと私は解釈する、そうすると 見えてくる事のが多いの... けしてこの世界での死は現実の死じゃないから 「...何だ...何かの声... これは...赤ん坊じゃ...って言うか 明らかに此処も『幻魔』に支配されてんのか!!」 先頭で進む私がストップを掛けた事で 5人はどうにかまだ門前にいるけど.... それにしても、この寒さは太陽を暗雲が閉じ込めて いるだけじゃないかった意味が 漸く理解出来たわ...叫ぶ『トモ』は 拳を即座に構えて動ける格好をしていたけど 私には解る...これは、幻魔の仕業だと 思えない...何故ならさっきから聴こえている 赤子の声だけが生きているから... 「ぅわぁーーーーっっんほわぁっっっっん!!!」 “能力者”は...この声の持ち主以外いないわ!! 「...トモ、この声の場所まで 走って私につき合ってくれる?」 私は彼へ指示し声のある先へ 「えっ?...あっ...あぁ!! それにしても良いの?!...オレらだけで 行動しちゃって...?」 直感のまま直行する...。 『バルディエ』の町は西側に港がある為 港町とされているが、漁業などで 成り立っているのではなくあくまでも 隣の地や別地帯へ輸送する際だけに 使用されている事が多かった... 「本当の事を言うと...トモ、貴方も きっと付いて来てはいけない...。 ここは私の“力”が思いきり振るえる場所だから。」 町道を走りながら『春化』の言葉へ 耳を疑う知也だったが、敢えてワケを聞く 「何でなんだ?...オレじゃあ 力不足かな...。(だとしたら少しショックかも。)」 すると、とある地点まで辿り着いた …その瞬間!!!… 『ドシュドパァァッッッッッン!!!』 町人達の手荒な歓迎が始まった事で 「違うわ、これは私の本職だから 貴方達には本来、こう言う仕事は向いていないし 免疫も少ないから、一撃で倒すのも 相手も大変だとっっっっ霊術式弐ノ型ぁ 『緋空』!!ーーーっ思ったからよ?」 言わずと少女の言った意味が彼にも理解出来た...。 声へ近付く事でさっきまで大人しく ウロついていた死者であろう民衆は暴れ出し 2人の行く手を阻まんとする、がしかし 「...そっか、確かに...。 (心霊のプロなんだよな、ハルカ... もしかしたら...元々の差を考えても オレらより力を手にして 日がもっとも長いのかも!?)」 元々悪霊を退治する事が本業である少女の前で 彼らは、はかない程に只無力だった 「そう言うこと、っと....。 でも悪霊とかじゃあくて...やっぱり 能力者に歪みへ沈むのを邪魔されている ...そうみたいよ?」 『ドシュババババババババッッッッ!!!!』 『霊聖坤』から放たれる青白い霊気刃が 次々と死者を斬り裂き、彼女達は 遂に声の根源へと足を進める...が、そこには 「おぎゃぁっっっ!!!」 揺り篭へ揺られる赤子が存在するだけだった...。 『2月24日(日)』 第九四六話 『メロウ』(2.24.日) 「『血化陣』やぁっっ!!!」 『ドシュパパパパパパァァッッッッン!!!』 この男が素直に言う事を聞くわけもなく 2人が走り出したと同時町へ飛び出し 行動を開始しの合図のごとく暗器による 攻撃を繰り出し死人へ鞭打つ様な行為に更ける 「ぉぃおぃ、良いのか? ...ぼくはもう流石に止めないけどさ。 (正直、めんどぃ。)」 呆れ顔の『洋子』は残りの3人へ声を掛ける 「...今回ばかりは智明が... 正しいかもね...“能力”はなんとなく 理解出来た...風よ!!...。」 「あはっ、ボク〜ネクロマンサー使いが 敵だと思うんだけどぉ〜どぉかなぁ〜?」 「洋子〜、たるぃぜ? ...取り敢えず突っ込んでみよ〜よ!!」 すると、思っていた回答とまったく違う答えが 彼女の耳へ入り込みかなり困惑する、が 「ったく、みんなしょうがないなぁ...。 ぼく一人此処に残されても心細いしね? つき合うよ。」 臨機応変に行動する事も大事だ!っと 自分へ言い聞かせ少女も拳銃を構えて 門を越し内部へ足を踏み出す!! 「はぁはぁはぁ...『ハルカ』の攻撃は 効いているのに...やっぱりオレの攻撃では 肉体が復元しちまぅ...。」 かなりの数を相手にしていた事で 最初は余裕だった『知也』も 肩で息を切らすまでに体力を落とす... 「私の側から離れないでね? ...一気に高出力の大技を出して...場を突っ切るわ!! 霊術式滅ノ型『珠羅閃光斬』!!!」 『ドジュパシュォオオオオォォッッッッッッン!!!!!!!』 前方へ向けて巨大な霊気の刃を放出した 春化の超必殺技が繰り放たれると瞬間! 「...すっ...すげぇ...。」 「さぁ、良いわね?行くわよ!!!」 波動へ振れた死人達は浄化され歪みへ一気に沈む... 「おぎゃーーーっおぎゃぁっっ!!!」 何かを祭るような置き方で揺り篭が 切り抜け走って来た彼女達の前に見えた... 「トモ...気を付けてね...。 それが...この“力”の持ち主だと思うから!!」 遠目から見ても解る明らかに只の赤ん坊だが 少女は直感でこの赤ちゃんこそが 能力者であることを見抜き接近せんとする 少年を即座に注意を来した...。 「...そんな馬鹿な事... だって、こいつ...赤ん坊だーーー」 『どばしゅっっっっっ!!!!!』 「ぉぎゃぁっっぉぎゃぁぁっ!!!」 「...ね、これが正体よ。」 赤子へ目を奪われ後ろを振り向くトモの 隙を突く様に町人が何時の間にか姿を現し 少年へ攻撃を加えんとするが、反応し 攻撃を放つ少女に間一髪の所を助けられる... 「ぅぉっお!?! ...マジかよ....そうか....オレらみたいな ...歳なんて関係ないんだ...。」 「...チェックメイト、よ? ...貴方の“力”は私に勝てないわ! 何故なら私は『P × H』だから!!」 すると強気で言い放った彼女の前へ 再び別の町人が出現し、今度は彼らへ 何やら語り掛けて来た...。 まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |