『3月9日(土)』 第九五九話 『宿命の舞台へ その1』(3.9.土) 『暗雲地帯東』へ、生き残った『スキルマスター』【特殊能力者】達と 共に船で『死海』を渡り切った『春化』『勇二』『京香』『光助』 『智明』『知也』『洋子』らは 『絶陽地帯』へ後もう少しの所で 統治者を裏切り逆の立場へ付いた袴姿の少年 『ヂット』から襲撃を受け足止めを喰らう...が、しかし 「この僕、『御津 竹丸』が... 命懸けても...ヨー達の邪魔はさせない!! 『スネイル・ピアザー』【飛び槍】ッッ!」 『隠密暗殺部隊』【アスク・リヴェンジャー】と呼ばれる『幻魔』と 「あぁっっん? 俺を誰だと思ってるわけ??? 『鳥人化』【バード・ハイ】元、支配者だぜぇ!?] これを指揮するヂットの相手を引き受けた 「...『ディアナ』の想いは 私が引き継いだ...。 『鏡武装』【ドレス・アップ】!!」 竹丸や『芥藤』、『アリア』は 巨船内部へ、一行にも教えていなかった 別行動の能力者の後方からの支援も受けて 「ナメルな...良い気になるな...吠えるなぁっ!! 己の力量を踏まえて動かぬ事をーーーっ! ....後悔しろ...邪悪なる炎神...魔王『スルト』から 祝福を受けた己に挑む事を!!!」 一同を導き道を創り、更には追っ手から 引き離す事が前提で枯れ木の群の森出入口を 陣取り敵と対時する!!! 「...おぉ、やっとるなぁ〜!! しかし、ショウミ...俺様らかて あれだけの力量ん奴は...退けられんのやぞ?」 絶陽地帯へ入り込んだ7人は 各々別個の距離を枯れ木の森より取って 振り返り、この地が暗闇で包まれ月明かりだけで 足元が照らされている事がマザマザと 実感出来るだけの戦闘の激しさを眺めた 「...振り返る暇はないだろう?...。 行こう...彼らの意志が無駄になる...。 ...どうやら目的地は...あの...嫌でも目立つ 月明かりの下の...城なのだろうからな...。」 非情な言葉で後押しするキョウのそれが 「...そっ...そうね、今は... 一刻も早く...あの中に行く事が..大事だから!!」 親友を助けたいハルカへ伝わり 「あぁ...竹丸は信用出来る奴さ! ...大丈夫、みんな...勝つよ!!」 「ふっ...アリア...オレも君を信じている。 だから...オレが奴とのケリは付けて来るさ!」 やがて彼女に次いで皆が足を進める、だがそんな中 「ねぇ、どうしたのぉ〜??? みんな先行っちゃうよぉ〜(脂汗) (...ボク、もしかして無視されてる?)」 足をその場で止め、動かなくなってしまった者が 「...ぁぁ...聞いてるよ...。」 「...何をしてるんだ!!...。 (...光助...まさか...。)」 たった1人だけ居た...。 不思議だった...これまで感じた事も なかったのに、今は平然と言える...これが 「...勇二...あのね....オレっち...一緒に ...一緒には...此処から進めない...。」 運命であると...そりゃ勇二と離れるのは寂しいし、辛いさ... でもね、オレっちの役目はココにあったんだなぁ〜 「え”っ!?!何、急に...?!! ぁわわっっ!?!...ちょっと光助... もしかして...ボクが嫌いになった?」 って、今は思えるから... 「違うよ、勇二の事好きだよ。 だから...さよならは言わない... きっと追い付いてキミのとこへ飛び込みに行くから!」 「...止めろ...勇二、これは... 光助の選択なんだ...止められないよ....。 だからこそ、信じてる...口惜しいけど...彼らでは... ...だから、生きて追い付いて来て!!...。」 やっぱりキョウは気付いていたのだろうか? 素直に頷くと精一杯の苦笑いをくれた... 「ぅっ...ぅわぁっっん!! そんなのいやだぁああぁーーーっむッくんっーー」 『くちゅっっっっっっっ....。』 「帰って来たら続きをしよう。」 そして、泣きじゃくる勇二の唇に 言葉を黙らす様に、オレっちはキスをすると 「餞別だよ、持って行け!!光助...いや『ハウリング』!」 「これは...トモ...!おぅ!!」 トモから投げ渡された法衣、『情感の羽衣』を着込んで 再び激戦が行われている さ中の森へ突っ込んで行った!! 『3月10日(日)』 第九六〇話 『宿命の舞台へ その2』(3.10.日) 「ふっ...やはりな、相手にもならんじゃないか? 見ろよ?モノノ5分と持たない奴らが どうして、己の前に立てようか。」 『隠密暗殺部隊』【アスク・リヴェンジャー】率いる『ヂット』の猛攻は やはり超越した強さで『竹丸』ら 生き残った者達を圧倒して行く...そして、 「はぁはぁはぁ...最初から...あまり 僕は生き残る気もないけどね?...『ヨー』達は これから...諸悪の根源を叩いてくれる... お前をここで足止められれば本望だよ!!」 『選ばれし者』らを追う為に 何等感情すら無く目の前の傷つき倒れ行く 運命を背負う少年へ異質な刃を向けたヂットは 「くっ...だっ...ダメ!!竹丸...!」 [おぃ、この女...まだ息があるぞ? 洩(お)れが捌(さば)いて良いか?] これを振り下ろさんとする、がしかしーーーー …その瞬間!!!… 『ドシュバァァァッッッッッッッン!!!!!』 「『絶剣木枯らし』改!! ってか、諦めんのはまだまだ早いつーのっ!!!」 旋風のごとく背後からヂットを斬り付けた 『光助』が彼の両腕を両断しこれを防ぐ!! 「げふぁっ...けっ、遅せぇじゃねぇか? でもよ、何してんだよ...お前もあいつらと 一緒に行くべきじゃねぇの...か?」 羽根をもがれた『芥藤』が苦しそうに 起き上がりながら片腕だけ鳥獣化している 爪先に『幻魔』の切り放された首を食い込ませ 突如!姿を現した青年へ声を掛けた...すると、 「かっかっか〜っっっ!!! オレっちは元々、あのメンバーの保護者的な 立場だかんな〜、だから背後はオレっちが 守るってのが...役目なんだよね。」 満面の笑みをこぼしながら平然とそう言い放ち 「...なんだ?死にに来たのか...。 己が追い付く必要もないかもな、お前の様な 雑魚の相手は必要無い...アスク・リヴェンジャー共が 既に追跡ーーーー」 「無理、だってそぃつら〜もうとっくに オレっちが始末したもん。 次はもち、お前だろ?」 更に続けてヂットの口を遮り断言する、 「...ってか、あいつ誰よ?(あー血止まんねぇし...。)」 お前は此処に朽ちるのだ!っと... 「正気か?...アスクの1部を倒した程度の実力で? 己を倒す?...面白くない冗談だな?」 だが、すごむ少年はこれに怯まず刃を光助へと向ける...。 「『幻影の陰』【シャドウ・ブリンクス】ってのが 邪魔なんだよな...人数増やされてさぁ、どうよ? 封じる手立てある??」 「いや...でも実体には...なんか...弱点 ってか見つけやすいのがあるハズなんでげしょ、 例えば影が偽物には無いっとか、かな?」 お互い傷を負い崩れ背中越しで 語る少年と少女が幻魔の事を呟く... 「...暗雲...絶陽...なる程、それじゃあ ...『火山地帯』じゃお前は役立たずだった筈だっ!!」 それを聞き逃さずにいた青年は そこから根源を叩くべき情報を今、得た事で 反撃へ転じんとする!!! 『3月11日(月)』 第九六一話 『運命の舞台へ その3』(3.11.月) 「『幻影の陰』【シャドウ・ブリンクス】があろうと なかろうと...お前に己は倒せない...いや、 『バラキ』【犬鬼】『ユイガ』【猿鬼】『ダイス』【雉鬼】 ...面倒だ、お前らは残りを一気に片付けろ!!」 各個へ出回っていた『幻魔』達を いちどうに集わせ、そこから再び 指令を与える『ヂット』は自らの“能力”を、 魔王たる“力”を使用し増幅させ [御意。] [YES MASTER,] [...。] 更に部隊の数を増やし『光助』のせいで 減らされた人数合わせを行うと、 「...つっーかさ、重いっすけど?背中。」 「しゃあないだわさ、両足を あたいやられっちゃもん!」 一斉攻撃を開始せんとする...。 「おぃ、『竹丸』『アリア』『昇』、それから へばってる3人よ〜っ!!! オレっちがこいつは確実に倒すからさ〜 どうにか、出来んだろ? その間までに、幻魔相手しててくれよな。」 何かが閃いた光助はニヤリと 笑みをこぼすと片脇の鞘から片方の小刀を 取り出し構えると枯れ木の森中へ響くような 大声を上げて皆へ 「けっ...ヘヴィな事言ってくれんじゃねぇか!? ...昔取った杵柄ってか!!?」 「はははっ...捨て鉢になってたなんて ...僕もまだまだ何だね、OK!任せたよ!!」 「ふふっ...えぇ、私もまだ.... こんな所じゃ...死ねない...!」 返り討ちの合図を来す!!! 「自惚れやがっっってぇぇっっっ!!!」 『どきゃきゃきゃきゃきゃっっっっっ!!!!』 「それ、『貴弘』の“力”の末端だろ? ...正直、もうお前は人間じゃねぇよ。 だから、オレっちは全力でーーー戦るっっ!!!」 刃同士が交じり、物凄い火花が飛び散る 「...ってかさ、ふざけるな...。 『近衛』(このえ)さんが苦戦するなんて カッコわりぃだろーがぁっっ!!」 『ドゴッッッスッッッ!!!』 カカト落としを頭部へ喰らわせた男は 何時の間にか煙草を口へくわえ叫ぶと 「コノPカッコイイ!!」 「...だわさーっ!!」 光助が参戦した事で諦め掛けていた 勝利と言う希望を同じく残りの2人と 共に取り戻した事で再び立ち向かう力を手にする!! 『3月12日(火)』 第九六二話 『運命の舞台へ その4』(3.12.火) 「お前が無碍に奴らを引き起こしたせいで もう、味わう必要の無い痛みと 恐怖を味わうハメになっちまってんぞ?!」 『ガキャァァアッッッッッキャキャ!!』 自分の手にする異質な刃を 小刀2つで漸く受け止められる『光助』へ 徐々に比重を掛けて行く『ヂット』は 声寳(こえたから)かにそう叫ぶ、が 「はぁ?...ってかさ、自信あるのも 良いけどね、もう解ってるし...弱点。」 まったくもって動じず青年はこう答えた!! 「『スネイル・ピアザー』【飛び槍】!!」 『ドシュパパパパアパパァッッン!!!!』 [ぅひゃひゃひゃ!!無ダムだ!! いくら攻撃が正確無比でもこう 数で来る事がオマエは弱かったろーがぁ!!!] 実は因縁深いこの両者は実力もきっ抗しては いるものの、今は明らかに『竹丸』が分が悪い 「くっあぁぁっ!?!(...どうすれば...!!)」 それは、陰たる分身を倒してもその隙間から 攻撃を繰り出す敵を捕らえられないからだった...。 「『幻影の陰』【シャドウ・ブリンクス】の弱点? そんなものがあったところで、現状 どうにも出来ないだろーがぁっ!!」 「さぁな、そりゃぁわからんだろ!?」 あくまでも譲らない光助は苦戦する 一同を横目にしながらも強気でそう言い放つ!!! まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |