『4月5日(金)』 第九八六話 『2人の絆』(4.5.金) 『絶陽地帯』にて遂に対時する2人... 「体育館...ね、ここで決着をつけるの...? (これは...場面が一定していない?)」 『雪ノ城 春化』と 「ぅふふ〜、あんたの好きな場所で 良いわ、っと言うより...もう2度と 現世でも行けなくなるんだもの、最後に 学園生活を味わいながら死になさい?」 その親友、『水倉 幹』はお互い 霊気を媒介とした武具を取り出し構える 「貴方を取り戻す...『霊聖坤』!!」 「『帝劍坤』!...あはは、馬鹿じゃないの? まだ、そんな事を言っているの?!」 『バシュヲォオオオオオッッッン!!!!』 両者共に霊気を坤へと込め色の違う刃を 放出させるとーーーー …次の瞬間!!!… 「“真価”を極めた私の“力”でーーーー 貴方の心を浄化する!!」 「あはははっっっ、前よりは少しは 出来るみたいだけどね? ...全てを腐敗させちゃうこの刃には、酷ってものだわ! あんたがミキちゃんを打ち破る事って!!」 激しく激突し合う!!! 『ドギャギャギャギャギャッッッッ!!!!』 2人の通う学園の教室内部なのであろうか 机と椅子が並べられた空間が出現するが、 それはホログラフィー(立体映像の意。)の様に 触れても透けてしまう... 「本気で貴方とぶつかる覚悟で私はここにいる...。 『P×H』【プリンセス・ハンター】の名に懸けて 私は幹、貴方を取り戻す!! 良いわね?いくわよ!!!」 『ドジュジャギュパァァッッッッッッ!!!!』 掠れた映像を見ているかのごとく乱れる 画面はハルカが本気を出している事を 示しているのか?それとも.... 「ふふふっ、あはははは!!!...『邪霊術式』!!」 少女へ応え、幹の霊力も格段と跳ね上がり 更に場面は揺れて安定を無くす... 「霊術式壱ノ型『滅閃』!!」 「壱ノ型『障気』ッッ発散!!」 『ばをぉおおおおおおおおおっっっっん!!!!』 繰り出される技がぶつかるも、躯を模した 悪霊型の邪悪な気が飛び交いハルカのそれを凌駕し 一斉に襲いかかる、だがーーーーー …その瞬間!!!!… [キキキキッッほほぉ...あの幹様に対抗する、か。] 『ドシュパァァッッッッッッッッン!!!!!』 「私をなめないで、『神霊術式』!! (あの頃と...例え貴方が違っていても...。 私は諦めない!)」 神の後光を坤へと纏わせたハルカが放つ 渾身の一撃がミキ諸共、悪霊の集団を掻き消す!!! 『4月6日(土)』 第九八七話 『聖VS邪』(4.6.土) 「っっっくぁっっ....はぁはぁはぁはぁ...。 前よりも...威力が上がっているのね...。 あははっ、面白い...『幹』ちゃんも 本気で相手出来るわ、これで...。」 『ドムヲヲヲヲッッッッン!!!!!!』 在りとあらゆる死によって無念を残した 悪霊と自身の魂を削り生み出す波動が 強大な刃となって坤へ宿り、吹っ飛ばされた 場より立ち上がった『幹』はこれを片手に 空いた手で口元の血を口紅として、血化粧を施すと ニヤリと不敵な笑みを浮かべ『春化』へ飛びかかる 「聖なる光を持って闇を浄化せん...。 ミキ、私は貴方の全てを受け入れて...癒す! 神霊術『光受』式ッッ零ノ型ーーーーーッッ!!」 『ドヒュヲヲヲヲヲヲッッッッッッン!!!!!』 すると、それと同時で同じく最大まで 高めた霊力を武具へ込めた少女はこれに 真っ向から立ち向かい技を繰り出す、そしてーーーーー …次の瞬間!!!!!… 激突した両者の半端ない“力”は、 『万絶の城』【オールメア・ホープレス】の内部 『運命の回廊』【フォーチュン・クロォイスター】へ 変動を引き起こさんとする程の混沌を呼び込む!!! 「ーーーッッ『神斬波』あぁあァッッ!!!!!」 「忌汚する刃よ...邪悪なる力を持ってーーーッッ 聖を腐退させん!...邪霊術式弐ノ型『惨閃』っっ!!!!」 聖と邪の繰り出されたお互いの技は 強大な破壊を自身らも巻き込み引き起こすとーーーーー …次の瞬間!!!!… 『ドギュァァァァァッッッッッッッッッッッッン!!!!!!』 他の場へ干渉を与える程の混沌を産み出す!! [キキッ?!...これは、流石にまずいですね。 幹様の場所は...ふむ、移動されていますな?] 場は空間が歪みホログラフィーも弾け飛び 只の裸のままの虚数空間が姿を見せる... 「...ハルカは...ハルカは何処?!」 そして、自分の持つ『スキル』で混沌へ巻き込まれずに 済んだミキは発狂した様にハルカの名を叫び 武器を構え現場へ歩み寄って行く... [幹様が無事...確か、あの女の“能力”は 霊力を宿す事だけ...ならば、キキキ...。 僕たんが出る必要もありませんね。] この様子を1から見つめるコウモリ型の『幻魔』は 逐一(ちくいち)誰かへ連絡を入れている様な喋りで 遠方より闘いを見守る、この幻魔の事を ハルカは知っているのだ、いや...知っている筈だ 「...ぅうっ...ここは...何??? 真っ暗い闇の中...私...負けた?死んだの?」 何故なら最初、この世界へ移行された際 親友の幹と共に遭遇しているのだから...。 「くっげふぉっ...ゲファッ...邪霊術式の後遺症か..。 構わないわ...ミキちゃんが死んでも ...もう遅い、今更...現世にも拘ってはないしね...。 ハルカ...この胸にムカつきを与える あの女だけを確実に抹殺してやる!!!」 吐血を繰り返しこの術を連続で使った代償を受けながらも ハルカを求めるミキは、聖なる力に苦しめられながら 再び坤へ悪鬼のごとき気を閉じ込め刃を産み落とす!!! 『4月7日(日)』 第九八八話 『監視魔』(4.7.日) 「...なる程、では妾の封印も危ういのぉ...。 そのまま監視を続けてたもれや? 妾も...そこへ向かう必要がありそうなのでな..。」 携帯電話を片手に何かと会話を交わす 占い師風貌の人物は、儀式途中であるのにも 関わらず場を抜けてしまう... 「あ”〜抜けちまってんけどよぉ?良いんか?」 頭にバンダナを纏う人物が呆れて呟くと 「えぇ、もぉこの場は朴がいますからね。 ...問題ないですよ?」 唐突に入れ替わったかのごとく姿を現した 口元まで法衣を纏う人物は、そう助言し携帯を 懐へしまい込み儀式の邪魔は自分が させない!っと言い切る素振りを魅せる... 「まさか?...アレで終わりナノ???? あはははっっ!この程度で?? お笑いだわ、あんたの終着点はココ???」 その頃、コウモリ型の『幻魔』も状況を報告すると 自分の持つ携帯電話をしまい少女を探す 『幹』を何故か監視する...。 「なんでだか...解らないけど...哀しい? (これは...私、泣いているの?)」 不意にこぼれ落ちた涙、それは幹のものだった [(ちぃぃ...まずいな...足止めの為のキャラなのに。) ...幹様キキキッッ!! 漸くこれで現世の人間共へ罰を与える事が 出来ますね!!!後は、門が開かれ 7人目が目覚めるのを待つだけですよ!] 『春化』が放った聖なる気が彼女の闇を 浸食し始めた事を直感で感知した使い魔たる 役目の幻魔は幹の憎悪を駆り立てんと 本来の目的である計画を持ち出す、だが 「ぅっ..、あぁぁっぁっっ!!?! 頭が...頭が割れるように....痛い...痛いっっ!?! これは...前に『霊聖坤』がミキちゃんを 拒絶したように...『帝劍坤』が...帝劍坤までが 私を...拒絶しているの!?!」 突然!!喚き叫ぶミキは自分の邪気を 武具が拒絶し、先に受けた聖気の影響で 本来の“力”を取り戻さんとする 帝劍坤との間で起こった反発作用で苦しむ... [幹様!!?...キキキッッ!! まずい...このままでは...また封印が...!?] 『ドシュパァァッッッッッッン!!!!』 「また封印が、ね....おかしいと 思ったのよ...幹の事を何も知らない貴方達が ミキの心まで支配出来ると思ったの!!!?」 再び幻魔が携帯で連絡を入れんとしたーーーー …その瞬間!!!… [キキキッ!!オマエ生きて!!!] 親友の心の痛みを叫ぶ少女より 放たれた閃光刃がこれを破壊し交信手段を奪う!! 別次元であるかと思える混沌の空間へ吹き飛ばされた ハルカはこの暗闇の中で自分を、そして ミキを信じる事で覆っていた無数の悪霊を 更に彼女の思念をも浄化し 再び決戦の間へ舞い戻る.... [...キキッ!!...幹様...生きておりました。 (『マスター・オブ・ナンバー’ズ』【死真神】の 御方がもう少しで此処へ到着される...。 そして....“御真の儀”を済まそうと 言うここで...計画を崩すわけにはいかない!)] もはや親友を救う術は一つ、これを熟知した彼女は まよわず極致的な後光を武器へ込めて行く...。 『4月8日(月)』 第九八九話 『番人 VS 侵入者』(4.8.月) 『選ばれし者』達と『異界の闇覇者』らが 宿命の対決を行っていた、この最中 手負いの獣が『万絶の城』【オールメア・ホープレス】へ 悠然と乗り込んで行く... 「がっ...はぁはぁはぁはぁ....。 持って...数分ってとこか...、でも 約束だもんな、オレっちと...『勇二』との!!」 自分の身体が確実に限界を迎えんとしている それを知りながらも、とある約束を 果たす為、狼の姿を形取る青年は息も絶え絶えで 歩を進め漸く門を通り抜け庭園として 機能する玄関までの道のりへ足を踏み出す...。 [...ほほぉ...お前さんも...。 わすは知っておるぞい? しかし、お主は此処へは招待さえていないのじゃてのぉ...。 さてどうしたものかのぉ?] 「...ふっ...侵入者でかまわねぇ...。 ようは、オマエをブッ倒せば...通れるんだろ?」 城を守る番者とその執事、両方の顔を持つ 『絶大なる双コブラクダ』【マスター・キャメル】が 音も立てずと虚数空間より姿を現し 彼の足止めとして玄関の目前で立ち塞がる...。 [そうじゃった....それなら、侵入しても よかろうて...しかし、わすを倒すのは ...今のお前さんでは無理に等しい事なのじゃがな?] 「捨てゼリフは負けた時に、とっときな! ...オレっちには時間が、もう...ねぇんだからな!!」 そして、何故青年がここまで傷ついているのか? 全てを知るには、これより数十分前へと 時を巻き戻らせる事で明らかとなる...。 まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |