『5月25日(土)』 第一〇三六話 『年の功より亀の甲』(5.25.土) 「『光助』!このゲームやっぱし やっておいて良かったみたい!! ボクの予想も結構当たるものみたいだネッ?」 執事けん番魔でもある『幻魔』の“力”は 自分の手にした特殊なカードから 絵柄のモンスターを実在のソレとして 産み落とす“能力”だった、だが“ミスルーのナイフ”を手に 空間を斬り裂き明らかに不利な光助の闘いへ乱入した 『上原 勇二』はこれらの 僕達を一蹴すると、完全と宣戦布告し再び鞭を構えた!! [くっ...まぁ良いのじゃて...。 『異界の闇覇者』様方の手を煩わせるのも ...いや、お前さんとわすは 少なからず縁(えにし)があるようじゃからなぁ...!!] 装備カードを付属したモノまで敗北を得て しまった事でいよいよ本領発揮の様な 仕草を匂わせる『絶大なる双コブラクダ』【マスター・キャメル】は とあるレアカードを札束より引き抜くと ニヤリっと意味深な笑みをこぼしーーーー 「勇二...奴の『スキル』【特殊能力】許容限界は ゲームと同じだ、多分...。 上級モンスターには生け贄ないし...特殊な 条件があるはず...回復させて貰っておいて すまないかんな...オレっち、勇二を信じて頼るぜ?」 「もち、もち-ろんろんですよぉ〜(笑) うん、煮詰まった時...このゲームなら かならず効果モンスターで攻めてくるよね!!」 …次の瞬間!!!!… [ほほぉ〜そう、手筈通りですじゃてのぉ!! 破壊された幻魔の亡骸と引き替えにーーーーー 『ダーク・ドレイア』...召喚しゃぁっっ!] 少年に始末された2体のカード幻魔を媒介とし 凶悪で醜悪なスキル平衡型の幻魔が、今ーーー [わが封印を解き放ちしモノよ...。 よかろう...眼前の小虫....。 古からの契約によりケ散らそうぞ!!] 「へぇ、此処でそれねぇ〜(脂汗) あはっ、ゲームメークをしっかり 解ってるんだねぇ〜、でも弱点は解っているよ! (水属性魔法なら....一撃だ!!)」 具現化し場へ体現する!!! ルートゲート[経路門]と言う抜け穴の様な 道は特定の者しか使用が出来ない、但し 空間へ直接被害を被ればそれは、そのまま ソレへと影響する...少女達から手渡った短剣は 何度も空間を切り開きそれへ影響していた そう、決定打となったのは勇二からの 破天荒な一閃だった、これ故既にゲートは徐々で崩れ 亀裂より崩壊せんとしていたのだが、機能せず 破壊されてしまわんとしていた時...とある人物が 「...無理に闇人格を操りすぎると オーバーヒートしちゃうから、止めておこうと 思ったのだけど...。 御免なさぃね...そなたの能力...最後まで 発揮したまま死んでちょうだいな?」 これを強固なモノへと変化させてしまう... 「ぅぐふっ...ぅうふっっああアアァァっぁっ!!!!」 精神が破損していても最後まで機能する プログラミングを与え、場へ最後の独りが集結するまで どうにかこれを持たせると、歪みへ自らの 酷使で沈んで行く、拘束された少年を見つめていた... 「ぃい...凄く良いわぁ...。 壊れてユク、男の子...素敵、よ。」 こんな悪趣味な趣向が用意されているとは知らず 各々闘いを終えた者達は場へと足を急がせる... 『絶陽地帯』へ唯一点在する建物 『万絶の城』【オールメア・ホープレス】内部 虚数空間『運命の回廊』【フォーチュン・クロォイスター】での決戦は終えた...しかし、 [ひょひょ〜、さぁ...どうかのぉ〜。 簡単に倒せるのかのぉ?!] [笑止....肉片も残さずに喰らってやろうか?] 入り口付近で大事なモノを死守せんとする 勇二の闘いが秘かに、そして激しく行われていた...。 「いくよ!『氷冷雹輪弾』【クレセット・サブマージ】!!」 『ズキャキャキャキャキャッッッッン!!!!!!』 水系属性が弱点だと知る勇二の先制撃がキマル!!ーーー ハズだったのだが... [ホローカードが既に発動しとる...。 わすの方がちと、アザトかったようじゃのぉ...。 水泡の守護により、水と氷系統の魔法は 一切物理攻撃も通じんよ。] これを既に読み切っていた幻魔からの 手痛い狡猾な作戦へはまり、無防備状態の彼に 召喚されたモノからの鉄槌が襲いかからんとしていた!!!! 『5月26日(日)』 第一〇三七話 『法則発明』(5.26.日) 本来このカードゲームは遊☆戯☆王の様な 基礎を持ち、それが更に変化した 形を持って対戦が行われていた、そして これはその延長上なのだ、ただ...本物の 生死を賭けて!っと言う特別条件があるが... 「クッ!?...避けろオォオ『勇二』ーーーッッ!!! (糞!この距離じゃぁ、光の狼になっても 届かない...がふぉっ...えっ?...勇二に 治して貰った箇所が...これは?!)」 鉄槌が下るこの前にどうにか救助へ 走らんとする『光助』...だが自身へ起こっている 不可解な出来事へ一瞬目を奪われ [神の鉄槌を喰らうがよい!! 『ゴットハンド・プレッシャー』!!!] しかしこれから響く痛みの重さで場へ倒れ込んでしまう!! [ひょひょ、決まったのぉ....。 知っているとは思うがのぉ、説明じゃ...。 粉砕...そう、あの拳に触れた全ての 物体はミキサーに掛けられた様に粉々に 粉砕される、原理なんぞはわすは知らんがなぁ?] 『どぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃるるるるっっっっぅうっっ!!!!!!』 轟音と共に箱庭の土地ごと呼び出されし僕は 自分の絶対の自信が崩れた少年を粉砕し 場へ風穴を穿ってしまう....。 「うっ...ぅうあぁぁっ!!! ....はぁはぁはぁ...勇二ぃい!! くっ...くそっ...これは...。 (破片?...あのブーメランが...3人の防御を超えて オレっちも斬り裂いていたのか...まだ あの武器には...クソ...秘密があるのか... てか、この羽衣が守ってくれたのか...『トモ』感謝だな...。)」 傷を治した位置からの出血には ワケがあった、それは何かの破片が肉へ差し込まれ それを驚異の回復で筋肉が腹部より 押し出さんとしていたから行った出来事だった、痛みへ 耐えながら、それを引き抜いた光助は あの時の事を思い出しゾッとするが、同じように 現状の様子を見て彼はもっと背筋を凍らす... [さて、もうわすの出番もないですかな? ....始末してしまいなさい、これでわすも 最後の役目は終えますのじゃて...。] 地盤はえぐれ、地層から粉塵が巻き起こり もう勇二の姿形が残されていない場... [続けて始末するのは良いが...。 少々面白味に掛ける決闘だったな、神の拳を喰らえェッッ!!!] 『ドグシャァァアッッッッッッッッ!!!!』 そして、容赦無い鉄槌が倒れ込む光助へと 襲い掛かり....敗北の表情を浮かべる青年を押し潰さんとしたーーーーーー 「『斥力結界』【アヴァーテァ・ボーダー】!!」 …その時!!!!… [なっ!?!わすの僕がーーーーッッ!!? (殴り飛ばす瞬間、何かに弾かれおった!)] 彼を足元から取り囲み魔法陣が出現すると バリアのごとき結界が発動し触れた拳諸共ーーーーー 「あはっ、法則発見したよぉ〜。 カードから具現化した奴は同じく、カードから 具現化した〜魔法にも、罠にも、弱い!ってねッ?」 具現化した『幻魔』を場外へダメージを与えたまま 跳ね飛ばし消し去ってしまう!!! 「おっ!...おぉおっ!!! 勇二!勇二ぃいっっ!!!!」 歓喜の声を上げた光助は、走り寄り 思わず勇二を抱き締める 「えへへ〜っ、さっきのね〜。 ここに書いてあった魔法なんだよね(笑) そんで、反転の舞いで、ボクもあの場から脱出してたんだ!!」 頬を摺り寄せられながら照れ笑いする 少年は、自慢げに述べるとベーッっ!っと 舌を出し、幻魔を挑発する!! 『5月27日(月)』 第一〇三八話 『切り札』(5.27.月) [くっ...馬鹿にしおっってぇっっ!!!] 相手の持つ“力”を逆手に取って 同じく魔法を具現化し得る『勇二』は、 あの瞬間掌握されるその前に 魔法、反転の舞いっと言うカードに類似した 位置転換魔法を使い上部へ回避し粉塵の中 気付かれぬ様、庭園の木へ鞭を投げ絡ませ これを利用し落下衝撃を激減させ 安全回避を行っていたのだった... 「馬鹿にしてるのは、お前だろ? 勇二をハナっから歯牙にも 掛けてなかったから、激昂してんだろーが!!」 少年の肩へ手を回しながら『光助』は 『幻魔』へと指差しニヤリっと 笑みを見せると自分の傷も完治した事で 参戦せんと短剣を抜き去り構えた!! [ゥヌゥウ...逆じゃよ...その小僧だからこそ わすは全力で...お相手しとるんじゃ!! (...恐ろしく純度の高い小僧じゃて...。 恐らくカードからの実体化もこ奴の“特殊能力”なら 可能じゃろうな...ならば!!)] 『絶大なる双コブラクダ』【マスター・キャメル】は 青年の言葉を否定すると真面目な顔で 応えカードの束に眠る切り札のソレを引き出す... 「光助、ここはボクに任せる約束でしょ? まったくも〜休んでてよ! じゃないと...。」 「あはははっひゃひゃっっ!! わっワッかったってばよ!」 背後から忍び寄り勇二は光助の脇の下を くすぐると最後まで自分だけで戦う!っと 言いきり、これを承諾させた...。 [..ひょひょ〜仲が良ぃのじゃのぉ〜。 ...しかし坊主、後悔せんようになぁ〜.... 『翌期の水狐』【スカイ・ビュ】これが、 わすが長年追いかけた....切り札! 超激レア幻のカードじゃて!!] 「あーッッッ!!それは、前にボクが売ってあげた奴!」 勇二達の動向を見守る中で決心した様に 一枚のカードを見せたマスター・キャメルは 不意に満面の笑みをこぼし至高の僕を召喚する!!!! 『5月28日(火)』 第一〇三九話 『翌期の水狐』(5.28.火) [『翌期の水狐』【スカイ・ビュ】よ...。 このわすの名においていでよ!!] 『キュヲォォォッッッッッッッン!!!』 『絶大なる双コブラクダ』【マスター・キャメル】の 呼びかけに応じ、白いマフラーの様な 毛皮を首へ纏いし小柄で太めな狐が場へ姿を現す!! [キュォオッッン....ん〜眠いんだなぁ〜。 ....ふあぁっぁ〜ん...むにゃむにゃ...。] まったくもって覇気をみせず、これの 何処がレアなのかと『光助』が考えさせられる中で マスター・キャメルは確信の表情を浮かべ 静かに『勇二』を見つめる...。 「...ボクの記憶が確かなら...。 スカイ・ビュには...全ての攻撃が...。 (...効果ないハズ....。)」 カード効果の全てを記憶していた 勇二は後悔していた、あの時... [そう、わすはこのカードを 探す為にあそこへいた...。 喉から手が出るほどに欲しかったからのぉ... このカードが!] 目的の為とは言え、このカードを売り払った事を...。 まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |