『6月21日(金)』 第一〇六三話 『空間を歪ませる、歪みへ還す!!』(6.21.金) [ぶをぉおおおおっっっっっあぁっぁッッッ!?!!] 「僕が...これを殺ったのか?!」 まだ戸惑い信じられない『月乃』の下へ 謎の13色の球体が接近し、取り囲む 「月乃!!....その光体(こうたい)は...。 (どう言う事だ?...彼は“力”を失ったハズ。)」 いち早く駆け付けた『礼奈』も 現状を飲み込めずに喚き叫び暴れる『幻魔』から とにかく彼を引き離さんとする...が、 「あれって...何か...優しい光だねぇ〜。」 「...すっかり...地域が支配されたようだな...。 しかし、アレは...何だ?...。」 「...『モデム・アント』なんかに 負けたら...それこそ『異界の闇覇者』の恥だしね〜。」 しかし、彼はそれら全てを受け入れるかのごとく 身体を、発光するそれに預け瞼を閉じた 「くふぁっ!げふぁげふぁっ....くっ...ってか、何だ?! これが....奴の“能力”は一体!?」 土砂の流れが止まり赤土から顔を出した 『光助』はその光景に唖然とする 「Beautiful... 何処か“核色”シリーズに似てますわぁ〜ん。」 「あんたらのお仲間の男...。 確か、全能力は失われた!とか 言ってなかったっけ?アレなによ!!」 光体と同化して行く月乃はやがて瞳を開き 「そうか...みんなにも聴こえない? この声...何処かで覚えがあるハズだよ!!」 この出来事を警戒する者達に伝えた、すると 「..はぁ、あいつ何を言っ....て...。 『ディアナ』か?... 『キエル』...にも似てるけど、まさか?」 感性の鋭いモノから何等かの声を 「えっ?!『ラフェーラ』...。 どうして...あの光は...そう、そうなのね!!」 耳ではなく心の中響くソレを捕らえ始める...。 「『キャラバン』...違う、けど...。 この感じは、それに...他の統治者達の...!!」 やがて、『選ばれし者』と名付けられた グループ(組の意。)は響く声の主らの正体と 球体の意味を自ずと理解する... 「What!?...このvoiceが...ディアナ...。 確かに、だがありえない!! (間接的とはいえ、このhandsでオレは彼女を...。)」 『レビン』のこれがそちら側は切っ掛けだった 「...『シュバィツア』、“陰陽の珠玉”となって 消えたハズ...you truth!?!」 やがて異界の闇覇者らもこれに気付き ゆっくりと月乃が口を開いた 「これは、統治者達の魂だよ...。 そしてこれらは僕の良心....即ち、 僕が奴に少なからず対抗していた...その生き字引 ....さぁ、集ってくれ!! 僕は僕自身とちゃんと決着を付けに行く!!!!」 彼の声に併せて何度も浮遊し身体との 透過を繰り返していた ソレはやがて一つにまとまって {本来の気持ちを忘れないで... 『キョウ』貴方なら出来るわ。} 「...『メルティ』...有り難う...この剣に賭けて誓おう!!...。」 {もう、過去は忘れなさい?気にしてないから。 二度と過去は振り返らないで、ね?} 「...Sorry...うまく、言葉が見つからない...。 けど、Youの事忘れないよ!」 {憎しみからはソレしか産まれない、解るよな? じゃあな、アバヨ!!} 「ぅん、『卓真』にも伝えておくわ...さよなら。」 {『ノエル』...あんたには何も言わなくても良いな?} 「ふっ...任せなさい?...Goodbye...シュバィツア。」 {立ち向かう事から逃げちゃダメよ!!} 「ぅん...ボクは、もう本当の独りじゃないから...。 バイバイ『アナジスタ』!!」 {あんま役に立てずにわりぃな?ははっ、またな。} 「...あんた探すの大変だったな...。 『メルド』、ぼくらが未来を変えるさ!!」 {2人の行く末に祝福を...。} 「有り難うござます...キャラバン様...さよなら!」 「あはっ、この武器...大事にするネッ?」 各々、関わりがあった人々へ別れを告げるとーーーー 『どぐしゃぁぁっぁぁぁっぁっっん!!!!!』 「空間を歪(ゆが)ませる、つまり。 邪悪なる意志の塊を歪(ひず)みへ沈ませる... これがーーーー僕の『月乃 宗久』としての 『スキル』【特殊能力】だぁっっっ!!!」 本来の媒体である彼の身体へ戻り力となった!!!! 両方の顔をえぐられ胴体までも削られた モデム・アントは、喚き声も出せずに死滅し 今までの様な歪みへ沈むのでは無く完全な消失を迎えた 「...そうか、悪を司るのが裏である 支配者なら...表を司っていたのは...彼の良心...。 統治者とは正に、それであったのか...。」 そして、此処に新たなる仲間が誕生したのだった!! 『6月22日(土)』 第一〇六四話 『置換』(6.22.土) {君の中に『智明』を感じる...。 彼と共に....自分の信念を貫いてくれ!} 「『ハルッズ』...おおきに... せやけど、そんな大げさな事やないんよ...。 見とったってくれや?僕(俺様)らの闘い!!」 一陣の風が吹き抜ける様に、爽やかな 気分を得た一同は『スキル』が本当に使えた事で 一安心し再び暗闇へ捕らわれた オーストラリアの大地を歩き始めた....。 「そう言えば、さっき〜 『キョウ』ってば、何か解った!って言ってなかった〜?」 『勇二』が不意に声を上げ先を行く彼女へ話し掛ける 「...あぁ、さっきまで 晴れていた空が曇った...いや、暗黒になった...。 あたし達がこっちに来てからだよ...。」 「The moonも出てないのにねぇ〜ん?」 すると京香の言葉へ併せ隣り合う 『ルクレツァ』が確信を突いた付け加えを行う 「え〜どぅ事なの?やっぱしルクレツァも そう思うの〜??」 勇二と同じ様な雰囲気ながらも『真』は 会話へ加わり意見を混ぜ合わせて行く...。 [おぃ!ぼくたんも〜この 『翌期の水狐』【スカイ・ビュ】も混ぜるんや!!] ひょっこり顔を出したスカイ・ビュも どうやらソレに気付いていたらしい 「え〜みんな、何なに〜! ボクにも教えてよぉ〜。」 やはり勇二だけが取り残されていたので、見兼ねた 「あのね、勇二... ほら、空が月もないのに暗くなったでしょ? これって『絶陰地帯』と同じ現象じゃない!」 『光助』がそれをフォローし、この現実世界へ あの異界が置換しようとしたのを伝える...。 『6月23日(日)』 第一〇六五話 『壊滅City』(6.23.日) 「この事は...あまり『異界の闇覇者』にも 知らされていない、私や『月乃』...。 そして『ルクレツァ』等の 『マスター・オブ・ナンバー’ズ』【死真神】と 関わりがあったモノだけだろう。」 静かに口を開いた彼女は星一つ見えない 空を見上げ自らが慕っていた者の名前を挙げた 「...僕の中で...いや、あいつの真の目的は この世界を異世界と同じ状況とする事、但し...。 “能力”を自分達だけが持つ事で、人間を含め全てを 支配しようとしている...。」 少女に続き青年が彼奴の目的を語る... 「そうそう、『トモ』! アレ、あんがとな、『情感の羽衣』〜 今は『幻魔』っぽぃのと同化しちゃってるけど オレっちはあれに命を救われたんだ。」 「あぁ、なんで『勇二』が持っているかは 知らないけど...良かったよ、役に立てて。 あいつらも喜んでいるだろうよ?」 徐に『光助』は自分の命を救ってくれた 羽衣が、あぁなってしまった説明と それを兼ねてのお礼を知也へ行う...。 「あのさ〜誰か免許持ってないかな?」 今の今まで何かを黙々と描き続け黙っていた 『洋子』が不意に一同へ問いかける 「あぁ、僕持っとるよ?」 『貴弘』が手を上げてそれをアピールすると 『ブロロロロロォオオオッッッン!!!!』 「相変わらず非常識な“Power”だわぁねぇ〜ん?」 大型のサンドバギーの様な車を産み出した彼女は 目で合図し指差した 「Great!!!」 「なんなの、あのヒトの“能力”(ちから)は...。 あっ!『レビン』ずるぅ〜一番乗り!?」 広野を歩きでこのまま進み続けるのは 危険が伴うと感じた洋子は先の闘いから 既に車の構図を考えていた、そして出来上がったそれを 「ほな、いきますか?ミンナ、乗ったな?!!」 「おぅ、つーか運転は安全重視で頼むよ? (オレ、乗り物酔いしゃすいからな...。)」 ヒロが運転し、トモに相槌しながらも カッ飛ばし加速を付けバギーは動き出す!!! 「こいつ..車乗ると人格変わるタイプだわ。」 「『幹』喋ると舌、かむッがきゃ?!」 暫く走行した後、道路が見え始め、それに沿って 2〜3km進んだ結果、遂に街を見いだす...だが 「ひゅっっ〜らりほぉ〜〜!!! 良いWindだぜぇ〜、ん? おぃ!!hiro!townが見えて来たぞ!」 車を止めて辿り着いた街は、炎上し煙が上がり 一足早く何等かの手のモノによって 崩壊させられていたと言う 悲惨な状況をマザマザと見せ付けていた....。 『6月24日(月)』 第一〇六六話 『亡者必水』(6.24.月) 「...oh No!! 死臭がしますわぁ〜ん...。」 此処は元の世界なのだ、あの異世界では 人間が死のうが歪みへ沈み現世へ 強制移行させられるだけだし街が破壊されようが 自分達が住んでいた地ではないから 精神的にもゆとりがあった、しかし 「そっ...そう言えば...。 ボク達はもう...あんまり闘いに慣れているから ...生き死に、に無頓着になっていたかも〜(脂汗) ここじゃあ...死んだら...それでお終まいなんだよねぇ〜...。」 現実の死が溢れている本来の姿の世界... 「...なーーーー」 「何を今更喚いているんだ? ...私達は当然、承知で戦って来たんだろう? 特に『異界の闇覇者』は...憎むべき 人間をその悪意で殺す為に存在したのだ...。 この子が言う事はもっともだが、私達は ソレを覚悟したハズだよ?」 『勇二』の言葉に誰もが臆した、死を目の当たりにし すっかり士気がガタ落ちしていたのだ、だが 「...ーー?!...。 (...まいったな、あたしの台詞を取られた、か...。)」 『京香』の言葉を遮る様に放たれた 『礼奈』の一喝が一同を奮い立たせる!! 「...そうだね、ボクらは もう引き返せないんだもんね....。 (今ごろ...ボクらが偉そうに助ける! な〜んって言えない、これはボクが望んだ 光景なんだ...。)」 「らりほぉ〜オレはどうとも思っちゃいないぜ? ...自分達の悪意に押し潰されて Deathしてるなんてーのわ、よぉー!! (だがな....ちっ...これも外道か...。)」 「そのTargetだけじゃない...。 他のPeopleまで巻き込んでいる ...これが...いえ、まだ間に合うわぁ〜ん!!」 「そう、これが現実だよ...。 でも、その為に今....僕らがいるんだ!!! 同等じゃないかも知れない、けど 僕達だけがあいつらの野望を阻止出来る!!」 『ドシュパァァッッッッッッッッッッン!!!!』 自分の中の憎しみが産んだ事態を鎮火するのも 「....。(明日を...見る...それだけが...。)」 また自分である、っと悟る自らの意志で そちら側へ付いた者達は破壊の限りを尽くす 『幻魔』達へ闘いを挑み消滅させて行く、しかし 「....あたし達も倒(や)ろう!!...。 (...君は....。)」 彼女の心にはまだ何かが燻っていた...。 「のぉおおおっっ!?!」 「英語で喋られても...ってか、 ぼくら、『ルク』らの英語解ってるよね?」 数名生き残った人間を助けながら不意に 『洋子』が呟く、すると 「あぁ、彼女バイリンガルってか 私らと会話してて日本語覚えてたみたいよ? 確か、『レビン』も。」 『幹』が応え、同時技で巨大な蟻型幻魔を 一瞬で消滅させた!! まだまだ続くのですぞッ!! 先を見るんッスねぇ〜!! |