『6月25日(火)』 第一〇六七話 『マリオネット』(6.25.火) 舞台は一転した!! 『裏・月乃』【リバース・ツキノ】と 総称された彼奴が異世界より 『月乃』から抜け居出(いで)、悪意は 形を成して姿を現すと彼から全てを 根こそぎ奪い“御真の儀”を終えた、そして 現世と異界を繋ぐ門を解き放った彼奴は “支配者”と“統治者”のバランスを崩壊させ 後にどうしようもない程の亀裂を生じさせると 『マスター・オブ・ナンバー’ズ』【死真神】と呼ばれる 超越した『スキルマスター』【特殊能力者】らを引き連れ “力”を所有したまま移行した、これにより 片方の世界は完璧なまでの破壊を受け消滅した、次いで 現世へ送り込まれた『幻魔』共を 従え彼奴は現世の支配を目論む!!! 「ふぅ〜む...まだ、少し 我が力も完全ではないな...。 ヒトは一時間...睡眠から目覚めて一時間 経たなければ本調子になれないと言う。」 そこは氷が作り上げたキャンバスの上だった 「...お言葉ですが...。 君主(くんしゅ)のお力...それだけでも、野望を 達成するには問題ないか、と...。」 「...足りぬ...足りないのだよ....。 人間達のあび叫喚する悲鳴、鮮血したたる臓物...。 やれやれ、だ...それに... 余計なモノまでこの地に来ているからな....。」 身体の共鳴だろうか?月乃と彼奴は お互いで双方の位置を感じ取っていた、しかし 「朴の部隊から差し向けましょう。 この為にわざわざ...倒されて貰って おいたんですからね...。」 先手を討ったのは、先にこちらへ訪れていた 男の方であった、時間は前後するものの 月乃がこの事実を知る以前、刺客は 全てに解き放たれていた...。 「少しは生き残りいた?」 『幹』の発言に数名が首を横へ振る 「...あぁ、少し弱ってはいるがね?...。」 だが、数名はこれに返答していた 「...yeah...ok,goobye〜っっん? Hey!everybady!! Surviverから聞き出したわよぉ〜ん!!!」 街の殆どの施設が凪ぎ払われていたが 唯一、緊急病院らしき建物は 被害が少なく、そこへ生き残った人々を 寄せ集めると外人である『ルクレツァ』と 『レビン』が英語で状況を詳しく聞き出していた 「流石に頼りになるわね。 (私も勉強しなきゃ!だわ...。)」 「んで、どうなんだ? さっきので全部なのかい?!」 やがて、一息付いて彼女はゆっくりとした口調で 彼らから聴いた事を話し始めた 「んふぅ〜...そうね、結論から言えば ...まだ、この世界には幻魔は溢れていないわぁ〜ん と、言うよりもあちらとこちら、どうやら ...時間軸がズレてEXISTENCE(存在)していた様なのよぉ〜ん... 微妙なズレではあるらしいけど、そうそう ...やはり『モデム・アント』を 操っていた何かがいたのも確認されてるわぁ〜ん?」 「こっからは、俺が説明しよう...ルクレツァは 口調が甘ったるくてShit upするからな! ...厳密には街を破壊したのはan Antだが、人間を 殺したのはお互いらしい、We’re understand?!」 途中から少年が替わり会話を切り出すと ことの重大さを簡潔に伝えていた...。 “陰陽の珠玉”の玉の様な球体からの力を受け スキルに目覚めた月乃はここで 「はっ!?...この感じ...。 誰かに見られているのか...?」 漸く自分が感じていた何かの正体に薄々気付く 「外に何か感じるわよ? ...これって、悪意の塊?!」 直感を働かせ気配を読み取った幹は 徐に口を開くと窓の下を指差す、すると …次の瞬間!!!… 『バギャァァァァッァッッッッッン!!!!!』 [くふふふふっっっ...。 ワタツは『生き地獄の道化』【マリオネット・マスター】... 主らの命により、貴様らを始末する..。] ズーム(拡大の意。)するかの様に 布切れを纏った何かが窓硝子をブチ破り 室内へと侵入を果たす!! 『6月26日(水)』 第一〇六八話 『M・S』(6.26.水) 「い”おっぃ”っっいいっっ!?!」 『バッキャァァァッッッッッン!!!!』 「...良い度胸してるじゃない?...。」 「そうだな...私達のヤサに突攻なんて、ね?」 飛び散る破片がシャワーの様に 場の一同へ降り注ぎ、傷を癒していた オーストラリア人やら日本人やら色々も 悲鳴や雄叫びを挙げて室内から 飛び出して脱出して行く、っと [くししし...ワタツの目的、貴様ら雑魚用ないね...。 ワタツは、そこの男に...用があるよ?] 驚き震える『勇二』を背にし 『京香』『礼奈』の姐御肌2人が完全と 何等動じずズタ袋のごとき衣で姿を隠す 『幻魔』の前へ立ち塞がった!! 「僕...か、それは...。 アイツの指示だね...アイツも気付いているんだね? ...僕らは彼の様に...元は一つの存在だった だから、お互いの居場所が...解る...。 だから、邪魔なんだろう?」 少し前の『月乃』とは思えない 淡々とした口調で理詰めして行く彼は 彼女達を押し退け自分から身を晒した...。 「私の出番は無しね、手当、してくるわ?」 不意に『春化』はそう言うと 『幹』と『知也』を引っ張って隣の部屋へ移動する 「...おぅ、勇二! あっち行ってよ〜ぜ?」 と、同じく『光助』も動揺しまくりの 「えっ...えっ?!!ぅわぁ...あぁ...(照)」 勇二を連れて『真』へ合図を送って部屋を出た... 「じゃあ、ボクも...。 ここ...任せますよ?」 「...あぁ、すまないな?...。」 「ふっ...そう言うところは...成長したのね?」 結果、場には『レビン』『貴弘』『ルクレツァ』を含めた [...おじ気付いて...いるのかな...。 どの道、他のモノは.. ワタツ以外が始末するだろうがね?] 6人が残り、幻魔と月乃は 1対1で牽制を続けていた...。 「...そうじゃないさ、これは 僕の闘いだからね...。 迷惑掛けたくないんだ...それを考慮してくれたのさ?」 敵から顔を背け彼らへ目をやった 「それは違う...君がしたい事を させたい...私の我侭だ。」 「...そう言う事、かな?...。」 すると、彼女はそう答え、笑みをこぼした、っとーーーー …その瞬間!!!!… [間抜けが!敵に背後を見せるとは!! ...抜け殻はとっとと死んじまいな!!!] 『どしゃあぁっぁっっっっ!!!!!』 先と同じく驚異のジャンプ力で一気に間を詰める 幻魔は振り返らんとする彼の首筋を 鋭利な糸で斬り裂かんとするの...だが、しかしーーーー …次の瞬間!!!!!… 「さっきクルレツァに聴いたんだけど、土などを えぐる事を英語でscoopっと言うんだって そうそう、変形してスコップ...あの削る、ね? それで、思い付いたんだけど...このままの 引用では面白みもなにも無い...。」 『カッッ!!グシャァァッァァァッァッッッッ!!!!』 [あっ...あぼっふぁぁぁっっ?!!!] 「だから、アレンジ(応用の意。)したんだ...。 自分なりにね....そして、僕はこう名付けた 『M・S』【メルティ・スクラッチ】!っと!!」 突き出した両腕をかき混ぜる動作と併せ 歪みを受けた箇所が歪み、やがてえぐり取られて 行くかのごとく分断され消失する!!! 『6月27日(木)』 第一〇六九話 『お互いの潜むモノ』(6.27.木) [グッぉおおおおおっっっ!?!!] 『月乃』が完全な“力”を身に付け 『幻魔』『生き地獄の道化』【マリオネット・マスター】を 撃破したと思われていた、その頃... 「敵が一人で乗り込んで来るとは 『幹』も思ってなかったわ。」 逃げた、所謂一般人の安全確保と あれだけ派手なパフォーマンス(自己主張の意。)をした 意図を考え必要人数は迎撃に備えて 階下で負傷者の傷の手当等をしながら 警戒を行っていた... 「そっか〜こう言う事だったっんだねぇ〜(脂汗) みんな、これ解ってたんだ!」 「いや、つーか....。 (『トモ』辺りは...微妙だな。)」 『勇二』の質問へ答える『光助』は 半ば呆れ顔で知也の方をチラリと覗く 「ん?...何か言いたそうな顔してないか?」 「あははっ、あはは...いや、別に。」 一行の判断が正しかった!っと 解るまでそう時間は掛からなかった様だ、 「...さて、何かいるわよ?既に...。」 『春化』の言葉で皆が攻撃体制へと構えた...。 「『M・S』【メルティ・スクラッチ】...。 溶ろける様に削られて...具現化された 悪意は消滅しろ!!!」 えぐり取ると言う動作に併せて 先と同じく目の前の敵は首から上を 削り取られた様な傷跡を残し、コクリートの 床下へ倒れ込んだ... 「ほぅ...やりおるやん...。 てか、“統治者”全ての“力”が 凝縮されておるんやから、それも必至か...。」 神妙な面持ちで見つめる『貴弘』は 取り敢えずこれで波は去った、だろうと 息を漏らすん、だがしかしーーーー 「...甘いな、まだだ!....。」 「そう...あの中には幾つもの生命を感じる!!」 月乃も安堵の息を吐かんとしていたーーーーー …その時!!!!… 『ばるぅううばりばりばるぅううう!!!!!』 地面へ崩れ落ちた敵の身体がおかしな 振動を始め、やがて弾け飛んで分裂した!!! [まぎぃいいっっ!!!“ヘッド”がぁぁぁ 始末されちまったよぉお!!!] [きしゃぁっぁっ“ボディ”なくなぁあ!!] [“レッグス・レフト”ぉおおお悲しいなぁあ!!] [“アームズ・ライト”ぉおおぅわぁっぁあっ!!] [これもそれも皆、“レッグス・ライト”〜 あの小僧のせぇだぁぁッ!!] [“アームズ・レフト”の言う通りだああっっ ひゎっわわぁっん〜月乃を始末するんだぁッ!!] 肉片かと思われた、それは赤子位の 大きさの人形達で、今倒されたのは集合体として 形成していたマリオネット・マスターだった、そして …次の瞬間!!!!… 『ジョパパパパパパパッッッッ!!!!』 「...何かの漫画に同じような 奴がいたかな...面白い、潜んでいるのは 僕も同じ...ヤツは...アイツは僕の本性だからな?」 唖然とし、これを見つめる彼へ一斉に敵が襲いかかる!! 『6月28日(金)』 第一〇七〇話 『人間改造』(6.28.金) 『月乃』が上階で死闘を繰り広げんと した、その頃...階下ではーーーー 「ひゃぁっっ!!」 「ちっ...なんだってんだ!?」 「...これじゃあ、迂闊に 手が出せないじゃない...。」 負傷した一般人共が、自ら場へ残った 彼ら彼女達を一斉に襲い始める!! 「『R・D』【リアル・デス】! 動きは殺すよ!!」 「やばぃな、受け流しにも 限度がある...本体は何処だ!?」 分断された一同はとにかく 反撃せずに操っている本体を探さんとするのだが 特定出来ずに焦りだけが募って行く...。 「しょうが、ないわよ...。 可哀相だけどーーー」 「駄目!『幹』...それは間違っているわ!!」 “力”を使い操られた人を倒さんとする 彼女へ親友である少女が待ったを掛ける... 「そうだね、でも...うだうだ言ってられないよぉ〜?!」 しかし戦況は悪くなるばかりでこのままでは 同じ人間の手によって窮地を迎えんとしていた...。 まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |