『7月1日(月)』 第一〇七三話 『選ばれし異界の闇を砕く覇者達』(7.1.月) 『裏・月乃』【リバース・ツキノ】が放った 刺客でオーストラリアのとある街が 破壊されていた、勿論これは一同を いや、『月乃 宗久』をお引き寄せる 罠だったのであろうが 「アフォかっちゅーねん!!! こんボケ、カス、白痴がぁっ!!」 『幻魔』『生き地獄の道化』【マリオネット・マスター】の策略は 失敗と終わり、逆に『スキル』【特殊能力】が 無いとばかり思っていた事もあってか 『貴弘』の心に住まう解き放たれた 『智明』からの攻撃で致命傷を受けた!! [のっっ...ぐぉおおおおっっ!!! このぉ、このワタツがぁっっ!!] 串刺しとされのたうちまわる敵を容赦無く 罵倒し踏み潰す、と彼は 「けっ...こん雑魚がぁっ!!! ...おぃ、オマエや!!オマエ!!!」 「はぁはぁ...くっ...僕、か?」 丁度、下階へと降りて来た月乃へ声を掛ける 「せや!...はよ、ヒロの削った心を 戻すんや、削れるんやから出来るやろが!!!」 そして、怒鳴りながら命令すると 『パシュゥッッッッッッッン!!!』 「すまないが...無理だよ...多分、でも... ふっ...キミは思慮深いんだな...。 致命的に至るまで削る事は出来てないから、僕が 何もしなくても休めば自ずと回復すると思う。」 謝り頭を下げた男へ取り敢えず頷いて答えた...。 『マスター・オブ・ナンバー’ズ』【死真神】の独り 衣服を口元まで隠した人物が静かに声を上げた... 「“Penta”五護星(ごぼうせい)...。 折角の大儀も終えてしまった...、すいません... 錬金術師『オベロン』の『幻残』【シャドウ】... 消えてしまいました...。」 深く頭を下げ謝礼すると人物は、 「....待て....。」 自らが出向かんとするのだが、後ろ姿を 見つめる男は静かにそれを引き留めた 「いえ、こうなったのは朴の責任です ...隊長として朴が責任を取りーーーー 何等かの“力”を有した、彼らを始末してきます。」 ピクッ!っと足を止めた人物は 振り向かずにそのまま言葉を待った 「...先の言葉を忘れたのか? 我に次ぐ意志の持ち主なのだ...。 崇高な魂をここで汚れさせるわけにはいかない...。 貴様は既に一角の力を持っているのだ、自分だけの 身ではないのだぞ?」 「では...どうしろ、と?」 暫しの沈黙の後、男は答えた 「他の者達同様...傍観しておればいい...。 ただ、何の為の部隊だ? ...それが貴様らの実力ではあるまい...解るな?」 無言の頷きの後、彼はニヤリと笑みをこぼし 再び深く頭を下げ場を後にした...。 パニックの巻き起こっていた階下では 操られていた人々がそれより 解かれ、一斉に場へ倒れ込んでしまう... 「...はぁはぁはぁ.....。 (身体が...重い...。)」 『ドサッッッッッ!!!!』 それは月乃とて例外ではなく 「月乃...ッッ!!!」 安堵の笑みを浮かべて静かに床へ崩れ落ちた、後に [ぐっ...くくっっ!!! ワタツ等...暗殺部隊のひとつにしかすぎん...。 ...これから貴様らの進む道はーーーー地獄だぁっっ!!] 『ぶちゃちゃちゃっっっぶちゅ!!!!』 「せやから、どないやねん? 『選ばれし異界の闇を砕く覇者』やったか? こいつらがおるんや、問題なんぞあらへん...!!」 トドメを智明が刺し、『礼奈』が倒れた 彼を支え取り敢えずの勝利を得たのだった...。 『7月2日(火)』 第一〇七四話 『さよならだけど/さよならじゃない』(7.2.火) 「ひゃはは、相変わらず派手な パフォーマンスしてくれるなぁ〜?」 『勇二』を庇う様にして 攻撃を防いでいた『光助』は、 「ぎゃははは!!! 俺様んことが解りおるんか?」 そう呟くと笑みを残した 「...あんがい早い再会だった、な?...。」 『京香』も言葉に毒を持たせながら 今は『智明』たる『貴弘』へ声を掛ける 「え”っ?!ええっっ?!!」 [ぼくたん、わかりおるよ〜、何か 複雑でありおるようだけどな-?] 再び集束した血液を槍状へ戻すと 彼は静かに床下へ座り込んだ... 「智明...とにかく、ケガ人の手当を! ...もう気配はしないわ、安心していいから!!」 すると、慌ただしく数名が動く中で 「なんや、アレから色々あった ようやな...時間的にはこっちのが進みが 早いやろ?...ぎゃはは、せやったわ...。 俺様の頼み、聞いてくれへんかな??」 智明は思いもよらぬ事を口走り 一同への同意を求めた...。 「....痛みは残るだろうが、傷口は塞いだ...。 あとは適当に...この人間達だけが ...巻き込まれているのではないからな!...。」 キョウは指示すると、横目で智明を見た 「らりほぉ〜、youみたいのに dependされると困るよね、きゃははは冗談さ?」 「...『レビン』ちゃかすな...解るだろう? それで、頼みとは...何?」 「せや、俺様のことなんよ....。 本来、もう俺様が出てくる意味もないんやけど 特別処置で出て来ただけやねん..せやからな、 俺様ん事は内緒にしといてくれや...奴に...。」 『礼奈』が珍しく真剣に会話を聞き 少し自分と重ねたのかこれを承諾するかのごとく 何回か頷き愁いの表情を浮かべた....。 「がっ...はぁはぁはぁ....ああっっっ!!! 『M・S』【メルティ・スクラッチ】!!」 ガバッ!っと悪夢にうなされて起き上がった 『月乃』が額から跳ね飛ばした濡れ搾りを もう一度彼の額へ乗せた 「慌てない、慌てない...ぼくが解るかい? .....あんたは数分間気絶してたんだよ。」 『洋子』はにっこりと笑みをこぼすと 安否を気遣い、そう丁寧に教えた...。 『7月3日(水)』 第一〇七五話 『歯止め』(7.3.水) 「僕は...そうか、身体を...乗っ取られていたんだ...。 みんなは、皆は無事なのかい?!」 慌てた様子で一同の安否を気遣う 『月乃』の肩にポンッと手を置いた『洋子』は 「大丈夫、敵なら...『貴弘』....いや、ちがうな あの時は『智明』が倒したよ。 負傷者は奇しくもあんただけ!」 ベットへ彼の身体を押し戻さんとグィッ!っと 手を掛ける、がーーーー …この瞬間!!… 『ぼっっふっっっっ!!!!!』 「....大丈夫かい?....君も相当 “力”の流失で疲れているんじゃないかな。」 勢いのあまりに自分も月乃を押し倒し ベットヘと倒れ込む形を取ってしまう... 「のわっ?!....ちょっ....ちょっと! 誰か来たら誤解するーーーー」 「何をしている?」 大慌てでそこから抜け出さんとする 彼女の姿を背後よりひややかに見つめる眼があった 「....いや、その〜なに....。 事故よ事故!...あんたも何か言いなさいよ!!」 ばつの悪い事にそれは『礼奈』だった...。 「...どうやら、具合も落ち着いた様だな?....。」 続いて他のメンバーも顔を見せる 「おぅ!らりほぉ〜...ん? 何か、angryしてねぇ〜か?」 「良かったね、気付いて....。 話しを聞いた時は、ビックリしたわよ?」 「って、一番最初に気付いた、 『ミキ』ちゃんって凄くない?!」 最後に『光助』らが現れて、病室を閉めた.... 「それにしても、新しいタイプの『幻魔』だったな ...“幻魔人”っと言うよりも 純粋に人間に近しかった。」 「光助がいなかったら...ボク、恐かったよぉ〜 ...あんなに凄い力を持ってるのに もしかして、ボク達と同じ...門を潜ってきたヒトなのかなぁ〜(脂汗)」 また、珍しく『勇二』が核心を突いた言葉を放つ 「いや、多分それは無いよ...。 ボク達がこっちに来る時に、世界は破滅してたし それに....他はどうか知らないけど、 ボクは気に入った人は幻魔が歪みへ沈むのと一緒に この世界に帰していたから...“支配者”達以外には あり有りえないと思うだけど...。」 それに対しては『真』が思わせぶりな 発言をし、自分達もそれで移行した事が 2人は、なるほど!っと頷き返した...。 「厳密には、私達と... 『マスター・オブ・ナンバー’ズ』【死真神】、 そして、あの男しか『スキル』は存在しない筈...。 勿論、例外として幻魔達は別だけどね?」 “御真の儀”を通過した者達は確実に力を秘めている 同じ様に一同もまた“能力”をゆうす、すると 「...えっ...それじゃあ...。(ボクと光助は?!)」 悪意の塊たる幻魔のその歪みで移行された者は 能力は持っている筈がないのだ、当然 「....いいよ、今は黙ってよう...。」 光助の場合は例外ではあるが... 「うん、今はそんな時じゃないもんね...。」 小声で呟く青年へ返答した勇二は、この謎を 受け止め考えていたが、暫くして 直ぐに忘れてしまっていた...。 『7月4日(木)』 第一〇七六話 『信仰/侵攻』(7.4.木) 「へぇ、邪悪な心を良くもまぁ 集めたものだね?」 パジャマ姿の青年へ静かに占い師 風貌の者へ声を掛けた 「信仰を崇めていたものは...。 妾の様な妖艶な魅力を持つもよん...ふふっ 解らないでしょうけどね...?」 呆れたような顔で見つめる視線の先には 水晶が存在しそこへ封じられたドス黒い何かが 蠢いていたのを彼は見落とさなかった...。 「で?どうだい、感じるかい?」 『知也』の質問に『月乃』は 「...あぁ、離れていても....。 アイツは僕だから....僕の事だから 解るよ...きっと、僕らの事も気付くだろう... “能力”を所有している、っと...!!」 憎しみに燃えながら声を上げる、だが 「...それが奴のエネルギーであるなら...。 怒りでは駄目だ、それじゃあ... ...何も解決しないよ?...。」 彼の凄まじい怒りを『京香』は制し 「あぁ...そうだった....すまない....。」 「テレビ産み出したけど、大変よ〜 世界中がパニック満載ですよ。」 そんな彼らの緊張をほぐす為にか 『洋子』は和製の特殊な構造のテレビを産み出し 一同へ付けて見せた...。 「何これ?!....そっか、世界地図...それに ....あの人がわざわざ“支配者”を殺してた理由は...。」 日本が映されていたが、どうやら 支配者は倒されたらしく一応の平和は戻っては いたものの、建物等には生々しい傷跡が残っていた 「そう...『甲斐』達は...。 この世界とあの世界を...交換しようとしていた....いや、 同じような世界へ変えるのが目的...。」 『勇二』の言葉に彼女は付け加えてそう答えた...。 まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |