『8月1日(木)』 第一一〇四話 『人伐りのサガ-初夜-』(8.1.木) 『知也』『月乃』『レビン』『礼奈』 『京香』『ルクレツァ』『洋子』『貴弘』 『春化』『幹』『光助』『真』『勇二』達 13人は“残魔”=『幻残』【シャドウ】と 呼ばれるモノ共と『幻魔』による 連合軍から強襲され、しかもその内 「抜けたのは...そう少なくとも あいつらと面識のある奴ばっかだわね? ...さて、ミキちゃんもふんばり所だろうけど やれやれ、助けに入れる時間は ないものなのかしら?!」 5人が戦線を離脱する、っと言う状況へ追い込まれてしまう 「くっ...動け...動くんだ!! 今、動かなきゃ...僕がいる意味がないやんか!」 『遡りし始祖鳥』【ジャバ・ウィング】が指揮していたソレは 『隠密暗殺部隊』【アスク・リヴェンジャー】の 『マスター・オブ・ナンバー’ズ』【死真神】の独りより 権利を任された『スキルマスター』【特殊能力者】である 『バラキ』【犬鬼】と言う名の通り 大柄の犬型の姿をしたシャドウが引き継ぎ 弱った者を重点して狙え!っと命令が 下された為、『クレイジー・グループ』を 倒し満身創痩となっていたヒロへ幻魔が群がる!! 「そうだ...ボクが...回復魔法を ...でも、無理だよ...。 (ボクには...うううっぅっ!!)」 何かわだかまりを心へ持つ勇二は 自分の“力”が今、一番必要である事は 熟知していた...しかし、 「...無理しなくていい...。 勇二、勇二は今、大事な戦力なんだ! オレっちよりも、遥かに強いんだ!! みんなのフォローに回ってやってあげて!!!」 [...................こちらのが傷が浅いぞ? ............『斬刀』【ざんけん】!!] 『ガシュパァァァァァァッッッッッ!!!!』 傷を受けたものの、まったく痛みすら 感じていない様な素振りすら見せる 狼型の残魔は、勇二へ目を光助がやった隙を狙って 恐ろしく早く、正確な刀撃を打ち出す...だがしかしーーーーー …その瞬間!!!!… 「“絶剣の小刀”....『回転練武』!! ーーーーーーーッッッ! 『命鏡の波紋』【アンダー・ザ・ハウリング】 ぅううううっっ!!!!!!!」 『どぶしゅあぁぁぁあぁぁぁッッッッッッッ!!!!!』 [..............くがっ!?! ....馬鹿な...既様に....この、この .................吾の...未来の軌跡が見えると言うのか?!] まったく、気配を感じさせず腰を捻り 回転を加えた連撃を浴びせ、止めにーーー 「すっ...凄い!! 光助、うん...解った!ボクもみんなの お手伝いしてくるよぉ〜(脂汗)」 同じく口元へくわえた抜き身のタチを浴びせる!!! 「はぁはぁはぁああはぁはぁ...。」 [...............くくっ...。 随分と...辛そうだな? ..............良くやった方だよ、既様は...な?] 何故か攻撃を全て直撃させたハズの 光助の方が憔悴(しょうすい)し切っていた 「...何か...身体に仕込んでいやがるのか!?」 [......さぁな、既様の攻撃は ....初撃で終わっている、肉体は死んでいるのだ!!] 勇二が走り去った場で続く死闘、敵の力を 見破らない限り勝ち目がない事を彼は悟っていた...。 『8月2日(金)』 第一一〇五話 『人伐りのサガ-前夜-』(8.2.金) 「がっ...はぁはぁはぁはぁはぁ... 正体は...その刀だな? ...昔も同じ手ぇ使ってたのかよ?!」 右肩の傷口から微量な匂いを感じた青年は くんくんっと鼻を鳴らして 口元の刃を手元へ戻す [.....................歴史の勉強が好きなのか? .........しかし、それは憶測でしかないであろう。] 「ぺっ...口数がやけに多くなったな? ...少しはダメージもあるんじゃんか... 流石にあそこまで綺麗に決まったのに、少しも 戦意が衰えてないってのも、悲しいな...!!」 『がきゃぁぁぁぁっっっっっん!!!!』 達人の部類に入る『光助』の二刀流でも “残魔”の攻撃を弾くのが精一杯だった [.............。 .............麻酔を知っているな?] 理由は徐々に広がって行く何かの汚染である 「ぁあ”?!...こう見えても オレっちは医者志望だかんな!! それがどうした。」 ニヤリと笑みをこぼした狼は次にこう言って やがて“力”を無くさんとしていた彼を刻んだ!! [..........その、ソレだ....。 吾は....医学の心得があったものでね、ワッパ ..............既様の何百と十数年....先輩と 思っているのだ?....経験がなっていないぞ!!] 『じゅしゅぱぁぁぁぁぁぁっっっっっん!!!!』 「ぐっっぎゃぁぁっっっっ!?! (はっ...速さが上がった?!!)」 それは、何時も『京香』が風を扱う時の 敵を刻む音に類似していた [.............『鎌イタチ』【かまいたち】 ........風が刻むのではない、空気が切れて 既様を刻むのだ....!!!] そう、まるで鎌イタチの様な得体の知れぬ 力がこの『幻残』【シャドウ】へと存在している 誰もがここでたじろいでしまい掛けるだろう、しかし 「がふぁっ....馬鹿バカしい!! ...それ、パクリだろ? つーか...死人の恋煩いかい? くっあははは...笑えるな、オマエは死んだんだよ ....時を止めて生きたところで、それは 自分を偽っているだけじゃん!」 [.............愚かな、しょせんは ........家畜同然の民よ!!] 光助は敢えて挑発し、相手を憤慨させて 隙を創り出し自らを窮地へ立たせ 最大限まで自分の力を引き出さんとする!!! 「怒りまかせの刃でオレっちが 倒せるとおもぅーーーーーー」 『シュパァァァァァァァッッッッン!!!!』 [............愚かな、麻酔と言うのはな.... 本来、劇薬であったのだ....そして、既様は はだはだしい間違えを犯している...。] …次の瞬間!!!… 「なっ.....ぐっっっ.....なっ..... お前の“能力”....能力は....!!!」 傷を受けて吹っ飛び地べたへ [...........そう、吾は... .........人伐りなのだ.........月夜の番の、な...。] だらしなく顔を埋める光助の姿があった...。 『8月3日(土)』 第一一〇六話 『人伐りのサガ-後夜-』(8.3.土) 「ぎゃっっっっっん!?!! (眼が...霞む...クロロホルムを嗅がされた ....みたいな....そうか、この麻酔は... 超速攻性の...かふぁっ...。)」 『光助』の刃が敵を斬り裂かんとしていた、まさに …その瞬間!!!… 『どさっっっっっっっんんっっっ!!!!』 [...........正直驚いたぞ...。 吾の........『闇の映し身』【ダーク・ブリンクス】の ....結界まで.........入門してくるとはな...。] 今の今まで激昂し、刃を口へくわえた 狼の姿がやがて黒ずみ姿を変えると、この影 「かふぁっ....傷はたいした事はない...っか 真下から狙うから急所には 届かないんだろうな...でも、この入れ換えの 秘密を解かない限り...オレっちは...!!(ちぃっっ!)」 つまり本体と思われていたソレの真下から 蠢く刃と同じ顔が出現し青年を刻んだのだった!!! 『バラキ』【犬鬼】ですら懸念していた この“残魔”はまるでイベントを楽しむ様に [.................恐らくは....。 既様が.....吾、“力”を最初で 最後に知ったモノとなるだろう....愉しかった、 しかし苦しませはせん....!!!] まだ息のある光助へ、ゆっくりと向かって行く 「はぁはぁはぁ....くそっっ!!! (眠い...瞼がとろぉ〜ってしてる!! このままじゃぁ...解体されても気付かねぇよ?!)」 [............既様の想いが .....吾に傷を付けたと、認めてやる... .....................しかし、終だ!] 『どきゅあぁぁぁぁぁっっっっん!!!!』 そして、狼の刃が彼へと突き立てられてしまう!!!! 「....足りない...部分は...身体に 任せるしかな...ぃ...。 一瞬だ....それ...し...か、もたない....。」 だが...しかし、刃が這いずる青年へ下されんとしたーーーー …次の瞬間!!!… 『ドギュルルルルルルルルッッッッッッ!!!!』 「自分...じゃあ....もう コントロール....出来ナイ!!!!!] 全身全霊の一撃を光となった光助は同時に繰り出し 自分へ直撃するこの前に撃破を敢行する!! 『8月4日(日)』 第一一〇七話 『人伐りのサガ-別夜-』(8.4.日) 「今だから...出来る...全てを捧げる!!! きるきるきるきるきるきるきぃい〜〜〜〜る ーーーーーーーーー『キル’ズ・ぶれぃいいいいっっっく』!!] 『光助』の姿が黄金体へと発光し 『光の狼』【ライトニング・ウォルフ】モードへ 一瞬で移行を果たす、そしてーーーーー …次の瞬間!!!… 『じゃきゅあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!!』 [................『滅斬り』【めつざん】 ......足掻くな..........!] 交差する様に繰り出された自身を光速まで 高め弾丸として穿ち放つ必殺技を トドメの一撃を撃ち出した“残魔”のソレと併せる [..........そして、既様は....... 再び、吾世界へ取り込まれている...。 ..........果たして、既様の前にいるのが ..........本物なのかな.....?] だがしかし、同じ狼はこうも呟いた [オマエと同ジ....。 馬鹿が、イタ.....まぁ、モウ聞こえていないだろう ケドな....この世界が暗黒に包まれて イルから....ソレは機能シテいたんだろぅうがぁっ!!] 彼が砕いたのは自分の影であると...!! が、これを外し上空へタチ昇った 光の狼は最後の技が外れた事をなんとも 感じてはいなかった、それどころか [...............馬鹿な....。 いや、再度向かおうとも.... .......既様に、吾と、その影が 見破れるハズーーーーーーーーーーーーー] 『ドシュルルルルルルルッッッッッッ!!!!!!』 [オマエの敗因は...簡単な....話しダナ .....オレっちは自分を太陽とした、眩しい 輝きは、影を打ち消した、本体は...つっ立って 勝利宣言をかましていやがった...てめぇだ!!」 急降下し自分の光で影を打ち消し 本体だけを露出させる事に成功した 光助は、唖然とする敵を貫き穿ちドテっ腹に 風穴ならぬ大穴をブチ抜いてやった!!! [がっぎゃぁぁぁっぁあっっっ!?!! この....この吾が....死ぬのか?! 崩れるのか!?....こんなところでえっぇッッ!!] 「やめとけ...オマエの“力”は オレっちが見届けた....お前は、歴史だけなく 凄い人間だったよ...。」 それでも立ち上がりヒトタチを放たんとする 狼だったが、変化が解けてヒトへと 戻った光助の言葉へ静かに頷き、やがて 少しだけ笑みをこぼし消滅して逝った...。 まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |