『8月13日(火)』 第一一一六話 『鬼の居ぬ間の束の間の-其の仇-』(8.13.火) それは賭けだった、上空2500メートルもの 命を張った大博打、しかしーーーーーー 「接近戦なら、俺よりpowerが あるんだろ?...らりほぉ〜 見せてみろよ!!その本気を!!!」 『どしゅあぁぁぁぁっっっっっっっ!!!!!』 『幻残』【シャドウ】と呼ばれる 『幻魔』の進化系たる参鬼の内 『ダイス』【雉鬼】と立ち向かうには もうコレしか残されていなかった!! 「あぁ、お前を信じるぜ.... つーか、これはお前と...『レビン』 オレとで切り開く!!!2人にしかできねぇ事だ!!」 内部から骨をドロドロにして溶かしてしまう 『プッシー・キャット』【愛撫の天使】を 間接的ではあるものの受けてしまった 彼らは自分達のソレを失う前に遥か雲の上へと 存在するダイスを倒す為、自らの血液で 動かす鎧から血流を噴射させ 垂直に飛び上がりーーーーーーーー [...Distanceless,Your can't mine body attack on !!!] 「だよね、そう...。 届かないんだよ、あと一歩ね...そして Dice、オマエがそう避けるのも ...解っていたんだ、だから敢えてーーーー 俺は、『tomo』に賭けた!!!!!」 どうにか敵の足元までは完璧に 辿り着く、だがしかし距離があと一歩の距離が 届かない....ホクソ笑むダイス、そして [What are you doing ?!!] 絶望し落下して行かんとしたレビンを “残魔”が見下ろしたーーーーーーーー …その瞬間!!!!… 「おぃ、何処見てんだよ? ...お前、少しは不思議に思わないのか?? オレの姿が見えて無かっただろ??? ...つーか、もう一生オレらを見る事は 叶わないだろーけどなぁ...。 そして、捕らえたぜ!!」 背後へ何時の間にか知也の姿があった、信じられない!っと 「...そう言う事...俺は更なる カタパルト(放射台の意。)だった...。 吹き上げられた勢いで本当に吹き飛んでいたのは 俺を踏みあげて、オマエより遥か上に UP、いやSky Highした知也だったのさ!」 言う表情でダイスが振り返らんとしたーーーーーー …この時!!!!!… 「...おぃ、鳥の化け物野郎...解ってるな? 微塵に吹き飛べっっっっ!! 『気具装』【ウェアー・ディスポティション】ーーー 右腕だけしか纏えねぇが、十分だろ... 装纏術連武“師走”『絶対連打』【アバーティア・ノヴァ】!!!!!」 『ドコッッッドコッッドコッッッドココドコドコッッッッ!!!!!!』 トモのめった乱打が空中で繰り放たれ [ノッッ?!!ごぎゃぁっっ!?!! あぁっああっぐあアアアアああぁぁっっ!?!!!] 「ダッッッ!!!ダっっだだだだだだぁっぁっ!!!! 散ってーーーーーッッッッ消えちまえ!!!!!!」 『どぐしゃぁぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁっっん!!!』 ダイスの顔をや身体をボコボコに殴り続けた挙げ句 「OhーNoーっ....But、やれやれ これで“能力”は解除されたワケだ...。 『B・S』【ブラッディ・ソール】、俺を 保護しながら...tomoを受け止めるぞ?」 空中で華麗にオーバーヘッドキック(回転蹴りの意。)を 喰らわせ地べたへ叩き落とす!!!!! 『ドシュアァァァァッァッッ!!!!』 「『マスター・オブ・ナンバー’ズ』【死真神】から 見込まれていたんだけどな...。 しょせんは、Loserだったか...それより。」 即刻落下しそのまま消滅したダイスを 横目に地表へ着いた少年は、次の落下物へと向けて 「さて...『スキル』【特殊能力】が 解けたは良いが...どうしたものか...。」 鎧を回収に向かわせていた...。 『8月14日(水)』 第一一一七話 『鬼の居ぬ間の束の間の-其の拾-』(8.14.水) 『ユイガ』【猿鬼】そして、『ダイス』【雉鬼】達との 決戦の横で、静かにそれは行われていた 「きゃぁぁっっっ!?! (こっ...こいつ...強い!!)」 鋭い爪の斬撃が『春化』の胸を 制服ごと引き裂きもう少しで 乳房が露となってしまうまで至り 転がる様に少女は受け身を取った [どうした?....主からは既に 戦闘不能者、特有の匂いしかせぬぞ?] まるで弄ぶだけで、小突いているだけの 力しか発揮していないとばかりに 『バラキ』【犬鬼】は言い放ち 彼女が立ち上がるまで腕を組んで見下ろしていた 「はぁはぁはぁ...だから...言ったでしょ? 私は...最初から...もう、貴方と 戦えるに値しない...けど、足止めは それくらいは...させてもらうわ!!」 『霊聖坤』を頼りとして起き上がる ハルカだったが、自分の体力が 最初から捨て駒程度しか残っていない事を 少しだけ悔やみソレを構えた...。 [解っているとは思うが...。 手加減などしないぞ? ...むしろ、全力で死滅させる!!] 『どぎゃぁぁぁぁぁぁっっっすっっ!!!!』 「くっ!?来る!! (...どうする...今の私が出来る事... 絶対諦めちゃダメ...後ろに誰かがいるとか ...そんな弱気になっちゃ駄目!)」 身体能力は確実に敵が上回っている それは例え自分が完全な状態であっても それを理解した上でハルカは [我が武器は爪...。 しかし、爪は両腕だけのモノではない!! 『バイツァ・ツバィサー』【四肢永断】!] 『どぐしゃぁぁぁぁぁっぁぁっっどしゅぁぁぁっ!!!!』 「逃げない!!........霊術式ーーーー 弐ノ型『緋空』!!!」 敢えて下手に避ける事を止め 攻撃だけを特化し、四つ足全部の爪を 剥き出し襲い来るバラキのソレへ対抗せんとする!!...の、だがーーー …次の瞬間!!!!… [気付かぬか?...気付いていないようだが... 主は既に敗北しているのだ、最初の攻撃の時。 もう既に、な!!] 胸から彼女を内側へ引きずり込まんとする様に 真っ黒な風穴がポッカリと開きそれどころでは無くなる!!! 「えっ...これは?! 何を.....くっっ...あぁぁっ!?!」 [『ホール・アヌス』【黍団子】... 曲解が交差する世界で...埋もれろ!!] 何がなんなのか、一切の意味も解らず 胸の一部が消失しドンドンそれが広がる、そして 凶器の爪が鋭く彼女の四肢を穿つ!!!!! 『8月15日(木)』 第一一一八話 『鬼の居ぬ間の束の間の-其の壱拾壱-』(8.15.木) それは少しずつではあったのだが 「...これは...何...なんだか 解らないけど..けして...けして、存在してはいけない ...そんな気がする...この技は一体?!」 初撃の爪で胸を引き裂かれた箇所から 徐々に広がって姿を見せ始めていた [...技じゃない、我が『スキル』だ... 主の触れた爪にはとても異臭の放つ...フフッ 当然か...モノが塗られていた...そもそも それが“力”の一旦なのだが、それを 自らの意志で発動させる事で主に添加したのだ。] 真っ黒い風穴は微妙な速度で侵攻を行い 彼女の身体を内側から蝕み 引きずり込もうとする... 『ずしゅぱぁぁっっすずしゅあぁっぁつ!!!』 「うっ....きゃぁぁぁっっっ!?!! (こいつ...私の両手足の腱を狙って!!)」 [身動きは取らせない...。 確実に異次元へと行くのだ!!!] そして、抵抗をしようにも次の間で 繰り出された爪撃が『春化』の四肢をえぐり 行動不能へ追い込まれてしまう!! 「...あっ...穴が大きく.... これは....私の体に....ブラックホールでも ...創ったと!?いうーーーー」 『ウジュルルルルゥゥッッッッ!!!!』 少女は断末魔の悲鳴すら上げる間も無く 内側に引きずり込まれて、真っ暗な 黒き穴へと吸い込まれて行った [その通りだ...最後の最後で 我が力を見抜いた事は誉めてやろう...。 本来なら主ごときの死にぞこないには 使うまでも無かったのだがな。] 彼女が消え去った後、“残魔”は そう言い残し、次に弱っていると思われた 『幹』を狙わんとしていた....。 ここは....私の声すら響かない 真暗闇の世界がそこにはあった... 「...空間の歪みが... 確か...このまま入れば....そうなのね! 入る時のねじ曲げさえ耐え得れば...でも 私は...このまま...永久にここで?」 絶望だけが残されていた、でも 『霊聖坤』の光が私を照らし本当の暗黒へは 包まれてはいない...けど 「...いやよ...時が止まっているような こんな場所で....私はどうすればいいの? ...出口は....で...何?!!」 私は自分の精神が既にオカしく なりかけていたのを理解していた...この 何も響かない暗闇の中で...助けて...。 『8月16日(金)』 第一一一九話 『鬼の居ぬ間の束の間の-其の壱拾弐-』(8.12.月) 『ずさささささっっっっっ!!!!』 「くっ!?『バラキ』【犬鬼】!! お前、今ナンテ言った!?!」 [何度も言わせるな... 『雪ノ城 春化』は葬り去った、っと 伝えたのだ...我がな!!] バラキの猛攻に耐え得るだけの体力は 殆ど持ち合わせていない中で 『幹』は奇襲を受け窮地へ追い込まれる、そして 「なんだって...?! ...あのハルカがアンタごときに 破れるハズないわ....!」 そこで奴より親友が引導を渡された事を知り驚愕する!! [諦めろ、真実だ...。 そして...主も役目を勤め終えたのだ もう消え去れ...永遠にな。] 同じく彼女もブラックホール内部へ 送り込み、始末せんとバラキはーーー 「...それが例え真実だとしても... 私は彼女を信じる....えぇ、そうよ! バラキ...お前なんかに...ハルカは止められない!!」 [減らず口も聞き飽きた...。 主の“力”では我が『スキル』には勝てんよ!] 爪撃を再び繰り出さんとした...。 だが、彼女が直撃を喰らわんとしていたーーーー …その瞬間!!!!… 『どぐしゃぁぁぁあぁっっっ!!!!』 「...ただいまーーーっっ!!」 突如!!出現した白き穴より 「...ほら、アンタ嘗め過ぎなんだって?」 い出し目映い笑顔の少女より放たれた一閃で これを防がれ逆に顔面へ直撃たる殴打を受け 加速の付いた武器の勢いのまま吹っ飛ばされた!!! まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |