『11月13日(土)』 第一一三話 『失意』(11.13.土) 『ディアナ』言われて4人は、 黙って大広間に戻って行った... 「...俺様に気を使って言葉をかける 必要はあらへん...俺様のせいやから... あんな近くにいたのに...!!!」 『ドンッッッン!!!!』 『アリア』は、場の空気を 読み取りその場を後にして部屋を出る... 『智明』は、悔しそうにテーブルを その太い両手で叩くと下をうつ向いた ままそれ以外何も言葉を出そうとせず その気持ちをくみ取っていた 『ハウリング』達もあえて何も 言ぉうともしなかった... 「....彼の事...私は、知っていました... 彼が本来...貴方が持つ『闇の部分』を 受け継いでしまっていたこと... そして、こうなるであろう事も...。」 突如、沈黙を破るようにディアナが そう言うと直ぐに智明がそれに 食らいつき叫んだ!! 「なんやと!!もぉ一度言って みろや!!!なんで『ヒロ』の事 ....こうなること知ってて 教えんかったんや!!」 さらに椅子から立ち上がり ディアナの下に興奮して走り寄ると 掴み掛かる....が、それを 「やめなよ....そう言うの みっともないよ...。」 「!!!」 ハウリングに止められる。 「良いんです...智明の行動は、正しいんです だからこそ...私はあえて本当の事を 言ったまでだから...。」 「何が言いたい!!」 ハウリングの“力”に抑えられながら ディアナに向かい叫ぶ智明に 彼女は静かに... 「いま誰に刃を向けるべきか 考えなさい...失ったとは言っても... それが二度と手に入らないものでは ないはず...取り返せばイイでしょう?」 そう言い放ち智明を制した 「....あぁ...わかっとるんや...。」 ハウリングは、ディアナの言葉で 落ち着きを取り戻した 智明がブツブツ呟きながらその場から 出て行くのを見送った... 「....ディアナ...。」 「大丈夫...彼ならきっと立ち上がって 来るから...きっと!!」 『京香』は、ため息をつくと ジッとしていてもしょうがないので 智明がどうにかなるまで、ハウリングと 共にこの世界の謎を紐解いて聞いて 行く事にした...だが、彼女が知っている 情報は元の世界に帰る方法と、それに 伴う理(ことわり)だけで 『異界の闇覇者』等の重大な事は、 聞けなかったが...。 部屋に戻ってベット上に寝転ぶ智明は、 貴弘を自分の手で守れなかった無力さが 今ごろになってまた酷く胸が疼き... 「あの時...あんな...近くにいたんや... ....俺様よりも...くそっ!!」 しかも、またあの黒ずくめの人物に イイようにされたと思うと、どうしようも ない苛立ちに襲われる... 側には、貴弘が置いていった 『黄色の宝石』のような物と 自分が渡した真紅の槍が鈍く 光り輝いていた...。 …運命の歯車は今、確実に廻り始めた... そして、失意に襲われる智明や 他の者達を残し、一旦この世界を離れ 舞台は、いよいよ元の世界へと移行する…。 『11月14日(日)』 第一一四話 『学校ー遭遇ー』(11.14.日) 「...いたた...アレ??? 『ハウリング』達は...???? ここは...学校!?!」 ボクが目を覚まし気付くと.... そこは、見慣れた場所...学校の中...だった そうだ!だいぶ前にボクは、ここから あの世界に移動させられていたんだ... 「...夢じゃないよねぇ...。」 『ギュッ!!』 「痛っ!!?」 自分のほっぺたをつねって 夢じゃない事を確認したボクは... 「どうして?」 とにかく何が起きたのか、わかんなくて ...んっと、起き上がって 「...教室を出てみよう...かなぁ〜。」 取り合えず教室から出てみることにした...。 「ぅあっぁぁっっ!!!」 「ここもダメなのかよぉ!!!」 『勇二』が、教室を出て廊下に 一歩踏み出したとたんに いきなり大きな悲鳴が木霊し、耳をつんざいた! 「...え...誰かいるの!?」 少し、恐いがなんだろぉ?と思った 勇二が声のした方へ行こうとすると その声の持ち主達が、突然走って こっちに向かって来る...その二人は、 勇二を見ると 「ーーー!!!まだ俺らみたいに 生きていた奴がいたのか?!」 「おぃ!なに暢気にやってんだよ!! お前も逃げないと奴らに殺ら れちまうぞっっ!!!」 唐突にそう叫ぶ!! 「?奴ら?...ってナニ?」 「はっ!?」 「化けもんだよ!!」 それを聞いて勇二は、不思議そうな顔を してそう呟くと、二人が何かに追われて いることだけは、なんとなく把握して いたので、徐に 「じゃあさぁ〜教室に隠れれば?」 そう提案した...すると、それを聞いた 二人は、呆れながら 「無駄だって!!奴らは、俺らの いる場所がなんでか解るんだよ!!」 「そうそう、まだ逃げまわっている方が 安全だっちゅ〜の!!」 勇二に言うと、さっさと前を向いて 先に進もうとする...が 「あっ...ぁぁっ!!!」 「ひぃぃっ!!!!」 [みぃ〜つけた!!餌共餌・餌・餌!!] 上下の階段前には、既に先回り していた化け物に塞がれ... [うひゃひゃ!!こっちもムダだぜぃ!! くそったれの人間共!!!] 反対側からも先に追いかけて来ていた 化け物が現れる...八方塞がりの 状況に置かれパニックになる二人は 結局、それを見ても平然とする勇二の 下へ戻って来てしまった...。 「ねぇ....たぶんだけど君達って 『森の蜥蜴』【ラジエター】って 言うんじゃないのかなぁ〜?」 [ん?ガキ...良く俺らの名前を 知っていやがるじゃねぇ〜か!!] [面白い奴だなぁ〜おぃ!!] ボクは『キョウ』に特徴とかを 教えてもらっていたからなんとなく 解ったのでそう言ってみると、 当たっていたので嬉しかった!! でも、なんで元の世界って言うか 学校に『幻魔』がいるんだろ〜 ...まぁいいや!!倒してしまおーっと! ボクは、少しはにかむと...制服の ポケットから鞭を取り出し構えた!! 『11月15日(月)』 第一一五話『学校ー捕食ー』(11.15.月) [!?おぃおぃ...俺達と人間の ...しかもそこのまるっこい君は、闘る 気らしいぜぃ!!] [ケッケッケッ!!ば〜かそう言う時は ちゃんと肉の塊って呼んでやんだよ〜!!] 『勇二』は、素早く『白金の鞭』 【レイジング・ビュート】を取り出し構えると 「いくよ...『幻魔』君達!!」 即座に攻撃を放ち速攻を狙う!! 『ビシャシャッッッ!!!!』 [あっ?] [なに?] 「...って...お前...それ...。」 「当たってないじゃん!!」 が、しかし...いつもならそれ一撃で どこに放っても確実に当たり 打ち倒せる筈なのに、鞭はあらぬ方向に 向かい攻撃を仕掛け、しかも 戻した時に自分の腕に絡まってしまう... 「あっ...あははっ...あれれ!? おかしいなぁ〜...なんで?!」 [...おぃこいつは、ほって後ろの 二匹を狩ろうぜぃ!] [ん〜そうだな、いつでも殺せそう だしな、まずは...お前達からかなぁ〜 ケケケッッッ!!!!] 『ズバシャッ!!』 勇二が、鞭を解くのに苦戦していた その時!!...たったの一瞬で悲鳴を 上げる間もなく片方は、首を引きちぎられ 『ぶちぃぃ...びちぃぃ!!』 「ぐぇえ!!やっやめてぇぇぇ!!!」 『ブギョォウギギッ!!!』 もう片方の生徒は、爪を腹に突き立てられると そのまま生きながら身体を両断された!! 「ひっ!?」 勇二は、何がなんだか解らず 鮮血を巻き散らす生徒達の身体を 補食して弄ぶ幻魔に心底恐怖を覚えた... このままでは、自分も殺される!! 直感で何故かそう感じた勇二は、 恐怖で震えが止まらない身体を 突き動かし何とか教室内に逃げ込む...が [きょきょきょ...さっきまでの 勢いもおしまいか?ブタ君?] [うぎゃぎゃ...俺達は、まだ 腹が減ってるんだ〜...その 腹の肉を喰わせろぉぉ!!!!] 『森の蜥蜴』【ラジエター】の追撃は 直ぐに続き、教室の隅に次第に 追い込まれてゆく...だが、絶体絶命の ピンチを迎えた勇二は、いまこそ 自らの“能力”を使いこの場を脱しようと 「...くっ!!ボクは、負けない!!!」 魔法を使おうと試みるが.... 「あれ!...にゃ....にゃんで魔法が ...ボクの能力は...はぅ...どっ どうなってんの?!さっきから おかしいよぉ〜!!!」 [おかしいのは、お前の脳ミゾだろぉ!!] [ぁぉ〜もう五月蝿ぃからとっとと 死ねよぉ!!!] 何故かそれも使えず...勇二がそれに 再度動揺した、その瞬間!! ラジエターの鋭い爪が襲いかかった!! 『11月16日(火)』 第一一六話『学校ータイプー』(11.16.火) [ウキャキャーーーッッッ!!!] [死にゅらぁ〜!!!!] 『森の蜥蜴』【ラジエター】達は、 二人がかりで『勇二』を狙い攻撃を 仕掛ける...そして、その攻撃が 困惑する勇二を歯牙に掛けようとした …その瞬間!!… 「霊術式弐ノ型『飛苑』ーーっ!!!」 『ズギャギャンッッッ!!!』 ラジエターは、何かの攻撃を喰らい その場から消滅してしまった!! 「大丈夫〜?...ん〜間に合って 良かったっスよぉ〜!」 さらに、何処からともなく現れた少年に 勇二は、声を掛けられ...戸惑う...が、 「あっ...あの有り難うございます ボクを助けてくれて!!」 それでもなんとか返事を返した。 「...誰か...僕をここから出して... 僕を目覚めさせて.....。」 水色の液体の混入されたゲージの 中で裸にされたまま入れられた青年は、 時たま何かを言わんと口を開くが...直ぐに 深い眠りの中に誘われてしまう... 「...助けて...。」 後に『選ばれた者』と『異界の闇覇者』達と 大きく関わる事になる彼は、何者かに 何のために捕らわれているか... それが解った時、事態は最終局面を 迎える事となる...!!! 窮地を救われた勇二は、徐に 助けてくれた少年の顔を見て 自分よりも年下ぽいな〜っと 思いながら話しかけた 「あ...あの、あな...ぅんぅん君は?」 すると、それがピーンっと きたかのようにその少年は、何故か クスクスっと笑いながら 「あはっ、いまおいらが何歳かとか 考えてたでしょ?」 「あははっ...。」 「そう思ってくれていいから!」 それを誤魔化し頬を赤く染めて笑う 勇二に自己紹介をした 「おいらは、からっ...ん〜っと 『空』だよ!よろしくねっ!」 「空...ぅんとボクは、勇二!上原 勇二 だよ!こっちこそ宜しくネッ!」 そして、勇二の自己紹介を聞いてから すぐに空は、 「ここに居ても意味ないから 一緒にきなよぉ!ねっいいでしょ!」 「そうだね、ぅん!そうする!」 そう言うと勇二を連れて教室を 出て行った...。 まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |