『10月29日(火)』 第一一九三話 『6大天守閣-口無しの塔-』(10.29.火) 「...赤、緑....青...っか でも、これって....。 (“核色”ってこんなに 少なかったっけ? ...まぁ、良いや...でも、問題は...。)」 転がってきた幾つかの宝石を手にし 大事な物として扱う 『洋子』は『ルクレツァ』を置いて 先の場へ向かわんとするのだが 「外は...さっきのオカマだかニューハーフだかが 放った『幻残』【シャドウ】で 溢れ返っていそうな気がするし...。 かと言ってこのまま無茶して飛び出して餌食に なるのはヤバイわ...。 さて、どうしようかな...?」 もう南極大陸はシャドウらが覆い尽くし そこより滞った悪意と連なって 世界各地へ分散していた 現状、表へ出ればその波に飲まれ 生きて他の場所へ移動するのは 不可能だろう、それを彼女は直感で 感じ取っていた... 「ん?...発想を逆に考えるのは どうだろう...ぼくの“力”を使って 無理ヤリ他のとこに押し通る、それは 簡単だけど...そう旨く辿り着くのか不明。 つまり....奴らはぼくらを倒した後、どうやって 此処から消えるか?...それが解れば! (...それが、“能力”だったらお終まいだけどねーッ。)」 こんな事をしている間にルクレツァの傷も 大分良くなる程直せる様な 気がしないでもないと思っていた矢先ーーーー 『ガシュアァァァァッァァッッ!!!!』 「これは....何か、通路??? もしかして....これが隠しルート!」 …ふとした瞬間!!!… 彼女の触れた壁面突起が押し込まれ 薄暗い道を持つ隠し通路が出現した!! 悪意の頂点『裏月乃』【リバース・ツキノ】を筆頭に それを守護する純正5人の最強能力者達、通称 『マスター・オブ・ナンバー’ズ』【死真神】が根城とする 最果ての地、別名『永遠の氷河期』【エターナル・アイス・エイジ】へ 14人は遂に乗り込み各々の因縁を持った 死闘を開始した、そこには 6つの建物が存在し...1つの建物を 守護するべく5つは星型の配置で点在していた 「...どう言う企みかしらぁ〜ん? それとも...『異界の闇覇者』として Rebirth...復活を果たすのぉ〜ん??」 洋子が通路を抜けて行った その数十分の後、3つの影が現れる 「いや、そうじゃないよ...。 確かに...僕らは仲間だけど、彼らも また...僕らの友だろう? ...さぁ、借りただろ、恩をさ?? だから、それを返しに行こう!」 1つの影は四肢すらまともに 動かせぬルクレツァへ声を掛けると ゆっくりと瞼を閉じた 「Think so,そう.... そう思うわ....。 まだ、そして....この為に... コレもまた、Exsitする...。」 『パキュアァァァァァァァァッァッッッッン!!!!』 もう瀕死の傷を受けた『スキルマスター』【特殊能力者】を 蘇らす程の力を持つ者は、彼を置いて 存在しないだろう、その名はーーーーーーー 「『4大天使召喚』.... 僕の願いに応えーーーーーーー 水の大天使よ光臨せよ!!」 大天使と魔王を集わす者『海驢 貴弘』!!! 「世界へ悪意が散らばり そこへ歴史の悪残が蔓延するまで... 残りも数時間...。 我らも相応しく、対する敵も もう...この世界より失せる...。 最後のゲームだ...存分に同士達よ楽しむがいい!!!」 全ての配下が消えた場で 彼奴は高らかに声を上げた 『選ばれし異界の闇を打ち砕く覇者達』、その 彼ら彼女達だけが自分達を仇成すモノだと 理解しているから、そしてーーーー 「...これで、人間の歴史は終わる...。 そして、妖(あやか)しの時代が...訪れる...!!」 この闘争の結末は最初から仕組まれていたから...。 『10月30日(水)』 第一一九四話 『6大天守閣-悪意の天守閣-』(10.30.水) 「こいつぁ〜また、奇遇だねぇ〜 ....ったく、一回倒した奴はーーーー その地に移行されるんじゃなかったっけか?」 『光助』は『勇二』を 抱え起こし『獣化』したまま 両方の腰へ備え付けられた小刀が抜き構える 「そっか、『絶陽地帯』は ....オーストラリアなんだものね!」 ポンっ!と手を打って少年は 彼の言葉へ納得する、と [ひょひょ〜そうですなぁ...。 じゃが...選ばれた.... 『幻魔』...いや、もう よろしかろうて...わすはーーーーー 『幻残』【シャドウ】なのですじゃよ...他の ソレとは違うのですじゃて?] ラクダ姿の紳士服を着込み さも執事である事をアピールする シャドウはゆっくり口を開き 『ぱらららららららららっっっっっ!!!!!』 「あぁ〜!!!(驚) 何か...前より....数増えてるよぉ〜(脂汗) カード!!光助カード!」 「あっ...あぁ、そうだね...。 つーか....何だ... コイツ、前と感じが違う...。 (オレっちでさえ...カードを取り出す瞬間を 見失っていた....まさか...コイツは!!)」 何時の間にか取り出した カードの束を一瞬で宙へ舞わせ これをまた手元へ綺麗に戻す!!っと言う [おや、気付かれましたじゃか? ...ひょひょ〜....あの時は お世話になりましたじゃて...。] 得体の知れない芸当を見せると 「本気....少しも出して なかったんだってばよ.... こっちも、な?」 何かに感づいた光助を 鋭い眼光で突き刺した...。 「えっ?!えっ!?えっ!?! (何が何だか解らないけどぉ〜 とにかく、大変...そう???)」 まだ話しの展開に付いて行って いない勇二を余所で 会話が続き、お互いのボルテージも高まる、と [ぼくたんも仲間にいれろや〜 この野郎!!....まったく、 デブ君の汗吸収したってんで?] …その時!!!… 『ぽっっっっふぅっっっっっん....!!』 少年の纏っていた衣服の フードの箇所が持ち上がり頭へ 覆いかぶさると今までまったく 口をつぐんでいた『翌期の水狐』【スカイ・ビュ】が 突然!!口を挟み意志を現した 「うぉ、寝てたんじゃないのか? ってか、驚くから いきなし喋るの止めてくれー!!」 [ほぉほぉ、ほほぉ〜 本当にその者に取り付きおったかのぉ〜 よぉやった....もう、戻ってもいいぞい?] すると、ニタリと笑みをこぼし 『絶大なる双コブラクダ』【マスター・キャメル】は まるで解っていたかのごとく 声と同時に指を差し出した 「え”っ!?....なっ 何...言ってるの??? この子はボク達の仲間だよッ!!」 驚愕する光助を置いて 勇二はキョトンっとした後、即座に叫び 自分の頭の上へ存在する 幻魔へと声を掛ける...しかし、 [.......御免。 ぼくたんな、そう言うことやねんな。] 「そこまで計算してたのか?! オレっちらが....お前を倒して ...こいつを手にして....??? 嘘だろ!?...何ナンだよ...てめぇは!!」 無情だった、スカイ・ビュは それだけ言い残すと学生服と同化していた 一体化を解いて元の姿へ舞い戻り 少年の肩から逃げるように移動して行った...。 [ひょひょ〜〜〜〜〜〜 『マスター・オブ・ナンバー’ズ』【死真神】の方々を 守る為とは言え....中々、難儀でしたよ ...この道は...そして、もうこの姿で わ....いぇ、ボクがいる必要もないでしょう....。] 『ドシュゥウウウウウウウウウウゥゥッッッッン!!!!』 速攻でマスター・キャメルの肩へ 登って行った幻魔は、一体化の “力”を使用し真の姿を現す、そうーーーーーー 「...嘘....だよねぇ.... ボクら....友達じゃない....?」 「ちぃっ....ここまで仕組んで しかも....正体は....人間かよ!!!」 最強の心理学者が一つとなった 優美なるシャドウたる姿を...!!!!! 『10月31日(木)』 第一一九五話 『6大天守閣-ファイナル・ゲート-』(10.31.木) 「...『ファイナル・ゲート』 ...恐ろしい計画を思い付くものよ? なぁ、『甲斐』よ? ...そして、奴らは...当初とは 違っていたが、此処で死ぬだろう。」 『パシュゥウウウウッッッッン!!!!』 「いぇ、俺は..........。 こうなる事までは、計算出来て いませんでした...。 恩方の片割れが...まさか、あの 世界崩壊を乗り越えてまで... 追い付いて来るとは...。」 『礼奈』『真』を始末した マントを羽織る男は中心地へ 直結した通路を通り抜け 彼奴の存在し得る部屋へイノ一番で訪れる... 「...この、『幻残』【シャドウ】...いや 今はまだ『幻魔』である “巨体を持つ魔”...それを こうして創り上げたのは同士の功績 ...そう、甲斐....。」 深々と頭を下げる男は 各々が繰り広げる場での死闘を 見つめながら禍々しい顔つきを魅せる 彼奴の姿を見つめた 「....時に、恩方....。 先にこの間へ、2人の羽虫が 辿り着きし場合...。 俺が出向いても、構いませんね?」 その後、彼奴は醜悪な笑みをこぼして 頷き全てを仕組む計画の 「あの....豚共が ここまで辿り着く事はーーーーー 万が一でも有りえん...しかし、 この地を汚している事は確かだからな...。 奴に...『ユング』と『フロイト』に 勝利出来るとは思えんが...好きにすると良い?」 その一旦すら知らぬ14人の事等 まるで相手としなかった...まったく完璧なまで 運命を掌握する様に...!! ー14人が最後の戦いへ向かうー …この頃、現世各所… 「うっっっぎゃぁぁぁっっっっ!?!!」 『どぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぁぁっっ!!!!』 異世界崩壊の後、悪意が放たれ 世界各地へ幻魔は拡散する!! [ぎゃははははぁぁぁっっっっ!!! 貴様らの感情全てが 我らを引き起こし、強くするのだ!!] 『支配者』が各地へ存在する限り 幻魔は無限!!! 人の生死すら幻魔が産み出される この糧となっていた、例え 「らっ....ラチあかねーじゃんよ!! 異界よか....敵強よまってねーかぁ!?!」 これを抗わんとする者達が存在しているとは 言へ...それも微々たる“力”でしかない 「こんなの....嘘だ.... ひっヒィイ現実じゃねぇんだぁぁっっっっ!?!?!」 その理由はーーーーーーーー 「あっ!!馬鹿!そっち行くな!!!」 「“能力”がアレば.....くそっ!!だって.... 間に合わない....!!!」 現実世界の人間達のその心にあった.... [キャシャシャァァァッ!!!!!] 倒しても弱い心がまた新たなしかも 強大な幻魔を産み落としてしまう...この連鎖が 崩れない限り、世界は救われない...そしてーーーーー 「....ファイナル・ゲートとは 良く言ったものだ....。 ...そう、正に最後の門さ....。 なぁ?人間共??そう思うだろう???」 最後の砦は破壊される、歴史の悪意が 解き放たれ世界を覆う事で!!!! …拡散する悪意、現世の崩壊はもう 目前だった、そう自らの悪夢に飲み込まれて… まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |