『11月1日(金)』 第一一九六話 『【アンカー・ザ・ランカー】-魂の裁き-』(11.1.金) {堂々の…死真神……編!!!!} 『月乃 宗久』と『雹ノ 京香』は 頂点『裏月乃』【リバース・ツキノ】を筆頭に それを守護する5人の最強能力者達 『マスター・オブ・ナンバー’ズ』【死真神】が住まう 南極大陸、別名『永遠の氷河期』【エターナル・アイス・エイジ】へ 存在する建物の一つ『サイクロプス・シックスナイン』【眼無しの御間】へ 様々な課程を得て逃げ込む、勿論ーーーー 「あ”〜ご苦労なこったなぁ〜 あの時、おれらが本気で〜てめえらを 相手してると思っているんだったらよぉ〜 態度、改めた方が良いぜぇ〜?なぁ、おい!」 それは逃げる為であったが、むしろ 『ときゅあぁぁぁっっっっっっっっっ!!!!!』 「これは....僕の中に... 何で....違う...あの5人と 僕は....僕は....“絶望の種子”達???」 「...それはこちらも同じ!!...。 月乃...君は...此処で 無傷で残らなければならない...。 ...此処はあたしだけで十分だ?...。 君も...そう思うだろう???...。」 唯一、彼奴と対抗し得る“力”を持つ 半身でそして『スキルマスター』【特殊能力者】である 彼を生かしてどうにか仲間と合流せんと 闘い続ける事で少女は道を切り開かんとしていた!! 「あ”ぁ〜馬鹿か? ...見えねぇんだろーがよぉ〜!! この釣り糸がよぉ〜〜〜!!!」 だが彼女の身体と精神は本来の 万全な状態では無かった、飛躍的なまで 身体能力は上がっているものの 正直1人でバンダナを頭へ巻いて タバコを吹かすあの男には到底叶わないだろう ...しかし現在、月乃は彼を見てから 突然、自分の半身から影響を受け まったくキョウの声も届かぬ程 記憶が入り混じってやがて歪みへ眠る 何かを浮かび上がらせんとしていた...。 「....無駄だ、あたし達の下には ...釣り糸はもう触れられない!!...。 気圧をコントロールした、今!...。」 『チャリィイィイイイイィィッッッ!!!!』 キャスティングで遠距離から攻撃を 繰り出す男のこれを避けながら 月乃の身を案じる少女はそこへ一瞬だけ 気を取られ針と糸から目を離す、だがーーー …その瞬間!!!… 「あ”〜っと...このよぉ『安度 良本』【あんど よしもと】様がよぉ〜 外すと思ってたのかぁ〜あぁ〜?」 気圧、即ち空気の流れすら これに追い付かなかったのか? 打ち破ってキョウの胸元へと突き刺さる 「...ぐっ.....ぎゃっ!?!....。 しっ....『真』の心を... ...魂を引き上げようとした...。 釣竿...まさか...あたしのソレが ...通じない....この釣竿自体が...“能力”!!...。」 あの釣竿はーーーーーーーー 「あ”ぁ〜京香...? っとか言ったっけなぁ〜だぜぇ〜そう、だぜぇ〜 『アンカー・ザ・ランカー』【全てを生け取る釣竿 】 それが、コイツの名前だ...そして 力は、相手の肉体から魂を釣り上げる事 ....時には、心だけを、なぁ〜!!!」 それ自体が具現化された 特殊能力、そしてこの釣竿の針を 一度でも受けてしまったが最後.... 『ドキュアァァァァァッァァッッッッッッ!!!!』 「...何だ...僕は..... くっ......頭が....はっ!?! きょうかぁぁっっっっっっ!!!!!!」 「あ”〜教えといてやるよぉ〜 そらぁ〜よぉーもがけばもがく程 オクへと食い込むぜ?!!」 魂へ食い込んだそれは、絶対に抜ける事は無い!!! 「...ぐっ....ふぁっ!?...。 (...真が苦しんでいたのは... 肉体じゃない...受けてみて 初めて理解出来た...肉体から心を ...引き剥されて行くこの感覚は... 生きながら...内臓をえぐられている様な... ...ドス黒い感覚!!...。)」 ズブズブっと埋まった針は 心へ到達するとそれを引き上げる為 無理やり身体からソレを引き剥そうとする そして引き抜かれた者は...永遠に死絶える...。 『11月2日(土)』 第一一九七話 『【アンカー・ザ・ランカー】-これは、あたし-』(11.2.土) 『サイクロプス・シックナイン』【眼無しの御間】と 呼ばれるそこには釣竿を持った 像が2つ並びその先の大広間で 『選ばれし異界の闇を砕く者達』を死滅させる為 『マスター・オブ・ナンバー’ズ』【死真神】の 独り『安度 良本』【あんど よしもと】が 存在していた、『月乃』は『裏月乃』【リバース・ツキノ】と 記憶を少しではあるものの共用しているらしく 何故か良本と出会った時、頭を別の 記憶で支配され一時期戦闘不能状態と成ってしまう!! 「...くぅう....あぁっ!!..。。 (...何....我慢が出来ない... 声だって...これは...あたしとあたしが離れて...行く!...。)」 それが仇となってか『京香』は 男の“能力”ーーーーーー 「あ”〜ひゃひゃひゃひゃぁ〜!!! これがよぉ〜『アンカー・ザ・ランカー』【全てを生け取る釣竿】!! どうだぁ〜おれがこのまま引き抜いても てめえは死ぬし、ほらよぉ〜こうやって ...捕縛したまま肉体を蝕む事も可能なんだぜぇーーー 『葬蘭亀縛』...一度?見せたな!」 『どぶしゅあぁぁあっぁぁぁっぁぁあぁぁっ!!!!!』 物凄い速さで食らいついた 糸が彼女の身体を巻き取り この丈夫なソレが一気に引き寄せられる事で キョウの肉体を締め付けジワジワと 擦り切って行く!!! 「....僕は....くっ...なっ!? これは...京香...さん? ....きょうぅうっっっっ!!!!」 「あ”ぁ〜ガハハ!! 眼ぇ覚ましやがったかぁ?あぁん!!? だがよ、てめえはハナっから役不足よ! 女が悶え死(じ)ぬ様をよぉ〜く見てやがれ!!!」 『みちぃっっっみちちちちっっっ!!!!』 ゆっくりと引き裂かれて行く 少女の身体は血飛沫がゆっくりと 真紅へと染めて制服へ至っては半壊する 身体と共に破かれてしまう... 「...あっ....くうっっ!?!...。 馬鹿な....“力”が...出せない?...。 まさか....そうか...貴様の....本当の... ...これの目的は....ーーーあぁぁっんっっっ!!...。」 自力で脱出を試みるキョウ、だが 「あ”ぁ〜、もう気付いたかよ? 流石に早ぇーじゃねぇか...。 そーだぜぇ...てめえの精神と肉体があって 初めて能力は出せるんだろーがよぉッッ!! それを引き剥されればーーーーてめえらは 只の人間、眼にいれてもいたくねぇ程に無力のな!」 自らの持つ力が正確に出せず いやむしろ『スキル』自体が 失われてそして、更にーーーーー 「キョウ!!...コレは..... 彼女の肉体から...針と糸と.... 魂なのか?....心が...もう一つの彼女が 生け捕られようとしている?!」 肉体と精神が剥離した様な感覚へ襲われる...。 目で見えるまで分裂は起こってしまう 「あ”〜そうよ、もう 身体にゃぁ〜戻らせやしねぇーぞ? ...魂は無防備だ...露呈すれば確実に滅びる!!」 ゆっくりと、だが正確に引き抜かれて行く魂 「...これは... あたし....アレは...あたしの...心!!...。」 少女の瞳には自分と必死で 手を伸ばす自分が、見えていた...。 『11月3日(日)』 第一一九八話 『【アンカー・ザ・ランカー】-保管-』(11.3.日) 「あ”〜ほらよっ、もうスカスカだろーが? ....見えるぜぇッッ!てめえの魂が!! あん時は邪魔されたが、そこの 君主の抜け殻じゃぁおれは止められねーだろがぁ?!」 『ずるっっずるるるぅうっっ...。』 引き上げられて行く魂、傷ついて行く 『京香』の肉体はやがてこのままでは 滅びを迎える、だが現在の彼女は“力”を 殆ど使用出来ない... 「...しまった....。 (このままでは....確実に.... ...あたしは...死ぬ?...。 一瞬でも....怯ませる事が...出来れば!!...。)」 賭けだった、絡み付く糸を 無視し肉体を一度だけ自力で動かし 背中の剣へ手を掛けーーーーー …次の瞬間!!!!… 『パキュアァアッァアァァァァッッッッン!!!!』 『光の核色』を使い物凄い発光を起こさせ 敵の目を怯ませ一瞬の隙を生み出さんとする!!! 「くっ!?!....眩しい... これは....そうか!! (盲まし...これなら糸は!)」 だが、しかしーーーーー 「あ”〜どうした? 何かやったのか?? ぎゃはははは、おれにはまったーーーーっく ....どうやら効果無かったなぁ〜!!」 『安度』にはこれが通じていない いやそれよりもむしろ.... 「...ありえない!!!...。 あれ程の光をまともに受ければ ...『月乃』の様に眩しくて 思わず...眼も開けて...眼?...。 (...まさか、貴様は!!...。)」 ソレ自体を受け付けていない まったくもって理解しがたい 出来事だった、だがしかしこれで 「あ”ぁ〜おまえは...くくっ、ははは!!! そうか、そう言う事か?! なら無駄だ...さぁて、消滅しろ!!」 『京香』は理解した、彼の持つ 最大の謎とその答えを!! 『シュパァァァァァァッッッッン!!!!』 漸く彼女が何かを理解した時、無情にも 最後の時が訪れんとしていた...そして 「...くっっっきゃぁぁぁっぁっ!!!...。」 魂が完全に肉体より引き剥されんとするの...だが、しかし …その瞬間!!!… 「『M・S』【メルティ・スクラッチ】 ...きみのその...針と糸は精神力で 具現化..したものだよね? ...なら、問題無い、僕が保管しておくよ その魂も!!」 月乃の右腕の一閃が糸と針を掌握し掻き消す!!!! 『11月4日(月)』 第一一九九話 『【アンカー・ザ・ランカー】-眼-』(11.4.月) 「あ”〜?何だと??おれの??? このおれの......ーーーーーッッッ!! 針と糸を掻き消した...だとぉおおおっっっ!!! (はっ!?しまった....!)」 『ドシュゥウウウウウッッッッッ!!!!!』 「...惜しかったな、でも君は...。 もう、終わりだ...盲目の信者さん?...。」 『月乃』の右手が魂へと絡み付いていた 針と糸を打ち消したーーーー …その時!!… 「その距離はもう、射程内 つまり逃げられない!」 彼女の身体は物凄い勢いで肉体へ 引っ張られて元あるべき場所に収まる、そしてーーー 「あ”ぁ〜ぐしゃぁぁッッ!?!」 『ばぐしゃぁぁぁぁあっっっっ!!!』 光を宿した刃が『京香』より 繰り出され防御手段の消失と、予定外の 攻撃で諸に彼は直撃を受ける、しかし 「...あの状況で...左腕を... 犠牲に...慣性を殺した?...。」 これをとっさで左腕を犠牲とする事で 切り抜け体制を立て直さんとする!! 「...どうして?...目で見るだけの 反応速度では...アレは到底避け切れない!!」 「...眼が見えないから...進化...。 いぇ、発達したのか?...。」 血飛沫を吹き上げる左腕を右手で抑えながら 『安度』はニヤリっと笑って魅せた...。 まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |