『12月17日(火)』 第一二四二話 『天使と悪魔の折り重なる日-右翼(うよく)の守護天使-』(12.17.火) 「せやけどなぁ、僕にも ちゃんとした“力”がありおるから、まっ 見とったってやぁ〜『ガブリエル』来ぃやぁっっ!!」 『パシュアァァァッァッァッッッッン!!!!』 [なっ!?何だーーーッッ!! 吾の体内へ....まったく違和感無く 出現した、だと!ーッうきゃぁぁははは!!!!] 『上原 勇二』と『安大 光助』は執事を撃破し 先行して中心地の建物内部を突き進む、それを追う形で 『三浦 洋子』『雹ノ 京香』『月乃 宗久』 『雪ノ城 春化』『水倉 幹』『レビン・ネス』 『井原 知也』らも各々、各建物で 『裏月乃』【リバース・ツキノ】を軸に守護する 5人の最強の『スキルマスター』【特殊能力者】 『マスター・オブ・ナンバー’ズ』【死真神】と 決着を付けた後、内部で編み目状で 広がる通路を駆け抜けていたの、だが {『水』を司る、ガブリエルがーーーー.... ぎゃはははは、俺様がおる限りっっぃ 硫酸なんぞ屁でもないんやからなッッ!!!} 南極大陸、『永遠の氷河期』【エターナル・アイス・エイジ】とは 最強の『幻魔』そのものであった事が 『ハングリィ・グローリィ』【巣喰うモノ】の 口から直接聞かされてしまう、それも 「出待ち...長すぎるんとちゃうんか?! .....せやけど、これでーーーーー まぁ、形成逆転も可能ってワケやな!!!」 『海驢 貴弘』が敵の体液で 汚染され右腕を失い、しかも『浜村 礼奈』『月影 真』 そして『ルクレツァ・S・ノエル』を 自分がこの幻魔を足止めし、通路へと進ませた後だった!! [....あぁ、思い出した...。 アンタのそれってさぁ〜....確か、現世と異界を 繋ぐ役割をしてたんだっけ? くくっ、間抜けだよねぇ〜!! お互い憎み合っていた奴同士は実は... 一つの精神だったなんてねぇッッ!!!] {...お前それをどこーーーっ.... 貴方は引っ込んでいなさい...。 貴弘...浄化したとは言えど... 微細な体液がまだ身体を蝕んでいます... 彼の力は想像以上ですよ、心得て!!} 何故か彼らの事を知る幻魔は そのゼリーのごとき身体を揺らしながら 腕組みし、失った片腕から自ら 奪い取った真紅の槍を構えるヒロの動きを伺う...。 「あぁ、解った...。 サンキュー、そう...“G”にも 言っといてくれよ? ....はぁっっっっっっ!!!」 『どしゅあぱぁぁぁぁぁぁっっっん!!!』 [同じ攻撃か....。 吾に物理攻撃は通用しないと思うがね?] 幻魔の言葉通り、切り込んだ場所がただ 先と同じく歪みまったく効果を 受け付けてはいなかった {心得ました...。 それから、敢えて言っておきますが...。 付属しておきましたから、『アクアダイン』で 宜しかったですね?} だがしかし、敵が余裕ぶって再び 体液を散弾させようとしていたーーーーー ……その時!!!!…… 「あぁ、十分...だよ、な? 『旋風水栄陣』【アクア・タイドリー】!!!」 『ドギュルルルルァァァァァァァアァッッッッッ!!!!』 [これは?!...馬鹿な...我の...吾の ーーーッッ内部が...いや...内部から!?! 破壊されるっっっううっ!?!!] 真紅の槍を薄い青色のベールが 包み込んでいたのがチラつくと同時に 体液の詰まった内部へ物凄い勢いで刃先より 出現した膨大な量の水が流れ込みそれがーーーー 「...体内がジェルなら...それ以上の 水を送り込んでやるよ? ...それから、僕の天使達は... 無能じゃない、仕事が早いのさ。」 度量限界度を過ぎてもまだ 注入され、ついには破裂を引き起こす!!! 『どぱぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっん!!!!』 [おぎょっっおごごごっっっ!?!! ふあひゃぁっぁぁつあぁぁっっ!!] パンッッ!っと音を上げて破裂したそこには 大量の生水が広がりまるで小さな池のごとく 肉壁へと広がって行った... 「これで、皆も、先に進めるだろ.....」 『ドチュアァァッァァァァッッッ....。』 しかし、青年がそう呟き 後ろへ存在していた天使へ声を掛けんとした …この瞬間!!!… {....馬鹿な....。 くっ.....ヒロォオッッッ!!!!} 水の守護天使は掻き消えてしまう、理由は簡単だ 「えっ...あっ....うっっげふぁっ!? これは.....足を切断したのか???」 [馬鹿か?...間抜けにもホドがあるなぁぁっ!! ギャハハハハハッッ何で体内を水びたしに された位で、吾が死ねるんだよぉっっぅ!?!] 使役していた、ヒロが極度の 危機的状態へと陥ってしまった為だった...。 『12月18日(水)』 第一二四三話 『天使と悪魔の折り重なる日-汚染拡大-』(12.18.水) 槍状となった『ハングリィ・グローリィ』【巣喰うモノ】の しなやかな身体の一部が『貴弘』の右足首を切りつけ 体制を崩し倒れ込んだ瞬時、懐へと 入り込み腹部を穿ってしまう!! 『ぽっっぽたたたぽっっぽたた...!!!』 「はっ?!....ガファッ!! ....つっ....また...身体が... 腐敗しとるやんか!?」 しかも、汚染は拡大し浸食も開始 [くっ....くくくっっアハハハハッッ!!! 水属性の奴に水なんて、愚考、しかも 反撃を受けるなんて、愚の骨頂だよ?] つまり絶体絶命の窮地へ叩き落とされてしまう... 「...くっ....そっ...!! (あかん...身体がもう... 動かせへんやん....せやけどなぁ...!)」 再び身体を形成した『幻魔』は 哀れむ様な目で彼を見下ろし [吾の“能力”は、触れたモノを 全て腐敗させるのと、また... まったく別の“力”があってさぁ〜 で...何でも、そうだと...思うけど... 直(ジカ)ってのはやっぱし、格段違うよねぇ!!] そう、言い放つと同時にトドメの一撃を繰り出す!!! 『ボッッボボッッッゥッッッ!!!』 だがしかし、攻撃がヒロを襲わんとしたーーーー …その瞬間!!!… 「....なら、これならどうよ? 水に水は確かに...相性最悪だったかもな ...けど、火は....ーーーッッどうだぁっっ!!」 火炎の渦が巻き起こり幻魔の 全身を指先から覆い尽くす!...の、だがーーー ……この直後!!!!…… [はぁ?...つーかさ、直は 早いんだって、教えただろ?? もしかして、アンタ...馬鹿ダネッ???] 『バジュルルルルルルルッッッッ!!!!』 その炎はそれら全てーーーーー 「嘘...やろ?! .......炎を....水に変化させた!?!」 [『囁く奇跡』【ゴシップ・ホラー】 ーーーッ吾は全てを還元する。] まったく、真逆の物質へと変化してしまう!!!! そして、滴る水滴が散弾し ヒロを穿つ中で最後の一撃は直撃する...。 『12月19日(木)』 第一二四四話 『天使と悪魔の折り重なる日-感染浸食-』(12.19.木) [やった!始末した!! これから、追って先の人間達も始末する!!! 依然変わりなく、吾の勝利だ。] 確かに一撃は『貴弘』を打ち砕く 「...蜃気楼。 それは蜃気楼だ...錯覚させた... 僕の位置は既にズレとったんや!」 しかしそれは強大な炎が魅せた 淡い幻でしかなく、そして 『幻魔』が穿いたのはーーーー 『ぷしゅぅううぅぅっっっっ!!!!』 [てっ....てめえっっ!?! この吾に自分の肉体を攻撃させやがって!!] 「気付くのが遅かったな? だが、きみの“能力”は評価する。」 自身の肉の壁であった、吹き上がる体液...だがーーーー …次の瞬間!!!… 「そして、今度こそ 消えて貰う...『炎熱尽烈陣』【アギ・エフェクトリィ】!!」 容赦無くヒロの火炎撃が敵を襲う!! 『ドボボボボボボボッッッッッッ!!!!』 真紅の槍へとともった火炎の息吹が 背後より幻魔に襲いかかる、の...だがしかし [還元しちまうんだよなぁ...。 解るか?...それから、吾の中に アンタらは居るんだぜ? ....くくっ....吹き上がった体液は傷を 塞ぐのと同時に、還元した... つまり、反属性にしたのさ..肉に、な!!] 吹き上がった体液が何時のまにか 巨大な個体物となって場へと雨のごとく降り注ぎ 「馬鹿な....まったく... 別物質....それを封じたつもりが?!」 身体を蝕み汚染し、更には [手の平で、アンタは踊る。 そう、間抜けな人形だ。] 青年の行動そのものを封じてしまう...。 「奴の体液は....濃硫酸と腐敗物質? ちゃうやん...それは...奴の...能力が....?!? (待てよ...奴の体液が能力だとすれば... 2つ...少なくとも...2つ“力”を 有している...そして、それはつまり...!!)」 躯は深刻な汚染でボロボロと 皮膚から崩れ落ちていた、しかし彼の眼は まだ死んではいない!!! 『12月20日(金)』 第一二四五話 『天使と悪魔の折り重なる日-異変覚醒-』(12.20.金) 「『ミカエル』召喚!!! 炎よ!奴を燃やし尽くせ!!」 『どしゅぁぁぁぁぁっっっっっ!!!!』 [アンタは所詮、吾の手の中で 踊る道化、さしずめ岩に封じられた猿に過ぎない。] 『ハングリィ・グローリィ』【巣喰うモノ】の前で 成す術なく崩れた『貴弘』であった、が 「くっ...待てよ...。 (....こいつと正面から立ち向かっていたら あの建物全てが奴であるなら...。 僕だけでは勝てないだろう...けど、これは逆に チャンスなんじゃないのか?....なぁ、おぃ!!)」 徐々にとある謎を解き掛けていた [悪足掻きも良いけどぉ、もう 飽きたよ....隠し玉も尽きただろ? そのまま...死ねよ...腐ってなぁあっっっ!!] しかし無情な言葉が掃きかけられ 『幻魔』は手を出さす場を去らんとしていた...。 「まっ待て!!...ぐっ...がぁぁっ?!! (あかん...こんな大事な時やのに... こりゃぁ...一撃でも受けてもーたら... 身体がそげ落ちよるわ...!せやぇけどなぁッ!!!)」 『ぐずっっぐずぐずぐずぐずぐずっっっ!!!』 もう立ち上がるのもやっとであろう その身体を無理やり叩き起こし 左手に槍を構えた彼はもう戦闘不能 手前ながらも敵を打ち倒さんとする、のだがしかし [強がるな、あと5分も アンタの身体は持たないよ? そんな雑魚と戦っても、時間の無駄だ。 くくっ....アバヨーーー] 「おぃ?...誰が奥の手が無い...言うたんや? いつ...この僕が...無いって?!! ....言うてみいィッッ!!!」 無視し場を去らんとする幻魔、だったが 彼は遮り声の限り叫び、敵を止めんとする!! [ーーーっっふーんっ... んじゃ、まだ遊べるってんだね? あははははっっ...で、面白く無かったら... 君、許さないよ?] 旨いこと、言っとくもんやなぁ...せやけど 「けっ....とって置きっちゅーのを 見せたるわい!!! ....そんかし、どうなってもーーーッ もぉ、知らんで?!(僕が、な...。)」 ついあんな事言うてしもぉーた手前 もう、ヤるしか...ほんまあかんやん!!! まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |