『12月21日(土)』 第一二四六話 『天使と悪魔の折り重なる日-附加拒絶-』(12.21.土) 「気合い...入れてくれよ? ....多分、これが最後の...僕の攻撃や!! (......『ラファエル』!)」 『上原 勇二』『安大 光助』組は執事を撃破し 先行して中心地の建物内部を突き進む、それを追う形で 『三浦 洋子』は単独に『雹ノ 京香』『月乃 宗久』組 『雪ノ城 春化』『水倉 幹』組そして 『レビン・ネス』『井原 知也』組らも、各建物で 『裏月乃』【リバース・ツキノ】を軸に守護する 5人の最強の『スキルマスター』【特殊能力者】 『マスター・オブ・ナンバー’ズ』【死真神】と 各々決着を付けた後、内部で編み目状にて 広がる通路を駆け抜けていた、しかし 南極大陸、『永遠の氷河期』【エターナル・アイス・エイジ】とは 最強の『幻魔』の内部そのものであった事が 『ハングリィ・グローリィ』【巣喰うモノ】の 口から直接聞かされ『海驢 貴弘』が敵の体液で 汚染され右腕を失う中で、『浜村 礼奈』『月影 真』 『ルクレツァ・S・ノエル』を進ませる事すら 無駄だったと知る... {『風』を司るこのラファエルが ......その願い叶えましょう。} 「....頼んで....おく...よって ....僕の天使達!!」 [ふっ....風の天使か、しかし ...それで加速ぅ?まさかな??それとも 疾風で斬るか??? いや駄目だろう、アンタの身体がもう 持たないぞ...くくっ、ど・う・す・る・ねッ!!] 既に天使の“力”を使った攻撃は 2度も失敗している、勿論 「...。(そこまで読んどるか...まぁ、上等やな!)」 それらが通じない事も熟知している いや、だからこそ彼は最後の賭けに出た!! [全ての物質は.... 反転する...この吾の前で、は...な? 例え、風であろうと...!!] 『ビキビキビキビキビキッッッッ!!!』 空中を漂う風は土と成って 肉の床へボロボロっと落ちて行く 「...うっさいねん!! せやったらなぁ....最初の一撃目で 僕を分解しとけや!」 [吾は生物が苦しむ様が好きなんだよ。 ...まぁ、あと残り4分で アンタは死ぬわけ...だが、さぁっって... ほらぁ〜来なよ?] 幻魔の得体の知れない“能力”は 万物全ての属性反転させてしまう、ヒロには これを完全に防ぐ手立ては残されていない だからこそ敢えてそこを利用する事を思い付く 「あぁ、ラファエル...風の槍を僕に!!」 {よろしい、授けましょう。 『マハガルダイン』...。} 『バシュァァァァァッッッッッン!!』 皮膚が矧がれ、骨が剥き出しとなった 左手の真紅の槍へと風の“力”を 附加したコレを構えつつ走り出したヒロは とある、考えを...策を練って最後の攻撃を開始した [ふむ、吾を倒すには... 水よりも、火よりも...風がふさわしいと? くくくっ...違うよなぁ!君はどうやら、その天使達を 一度召喚すると次の召喚までかなり 精神力を消費するようだな。 では、吾はまったく....無防備で相手してやるよぉ?!] 腕組みしニヤニヤっと笑みをこぼす 敵を無視し、槍からの必殺撃を繰り出す...がーーー 「あふぉかっっ!...こんボケがぁっっ!! 『寸断刃風陣』【ガル・オールベルザンディ】!」 『ぼこっっぼここここここっっっ!!!』 ……次の瞬間!!…… [遅い、圧倒的に速さが 足りねぇよ....で?どうするね?!] それは片腕で受け止められ、土くれと化す...。 だが、しかしこれは承知の上で彼は この攻撃を放っていた、そう 「アフォやなぁ...。 くくっ...えぇで、解放や!!」 最後の天使の力は既に槍へと 篭っていた、そしてーーーーー 『ぞにゅっっぞちゅぁぁぁっっっっ!!!!』 [馬鹿な....何ィッッッ!? 吾の身体が...土くれの槍に吸収されて行く、だと!!?] 本当の最後の一撃が零距離より繰り放たれた!!!! 『12月22日(日)』 第一二四七話 『天使と悪魔の折り重なる日-2つの槍-』(12.22.日) {貴様の呼応に応えん...。 この『ウリエル』の矛、『マグダイン』!!} 『ハングリィ・グローリィ』【巣喰うモノ】の“力” 『囁く奇跡』【ゴシップ・ホラー】の特性を 「...あぁ、おおきに!! 『土遁無欠陣』【マグナ・ギガース】! ...ったく、お前の懐に完璧に 決まるハズや...もう逃げ場もあらへん!!!」 逆利用出来る、この瞬間を『貴弘』は [馬鹿な....アンタ... 吾の“能力”を逆利用して.... ウォオおっっ土が..吾の身体を吸収して行く!?!] 待っていた、だからこそーーーーー 『ズババババババババババババッッッッ!!!!!!!』 風と土の天使を召喚して、真紅の槍へと 宿していたのだ、そして思惑のまま 必殺の一撃は見事直撃しーーーー 「お前が本体やったんやろ? ...せやから、2つの力を持っとたんや! 内部と、外側....そうやな!?!」 土くれに吸収されながら液体の塊であった 『幻魔』は成す術も無く消し去った!!...か、に思えたのだが …次の瞬間!!!… 『ぞにゅっっっぞにゅにゅっっっ...。』 [なんだ、そこまで解っているんだったら... 余計な説明は必要無いなぁ...。 けどさぁ....アンタ本当に馬鹿だよなぁ... 此処、ドコだっけ?] ありとあらゆる場所よりアノ集合体が出現し ヒロを嘲笑う!!! 「...そんな......お前がコアで... それで終わりちゃうんか?!」 [あぁ、そうだけどぉ〜。 内部だろーがぁ...外部だろーがぁ... 吾がいる限り、権限として 液体能力は使えるワケだ...それにわざわざ 本体が危険な真似すっと思うのかよ?] 幻魔の声が幾重にも響き渡り ヒロを取り囲む、それ即ち 「...嘘だろ?... 僕は....負けちゃったのか?」 彼の敗北、それイコール、死... [全力を出し切ったんだろ? 見事だったよ...面白かった、そうそう あと1分でアンタの身体はぐずぐずに崩れて 死ぬ...まぁ、それが運命だ。 アハハハッ!!その様は見ててやるよ?!がははは!] もう残されていなかった、此処から 逆転出来る手など無い、そして やがてこれを理解した青年は気絶したかのごとく 動きも思考も停止させてしまう... 「........死ぬ......。 (.....何の冗談なんだ? 僕は死ぬ....嫌だ....。)」 受け止められない死の恐怖、それを抱え ヒロは床下へ膝を付いて崩れた...。 あかんやん....僕は..... [もう数十秒か...。 くくっ....おらぁ、肉体分離が始まったぜぇ!!] 奴の声なんぞ、もう聴こえていない ...それよりも...僕は...... 死の恐怖に打ち震えていた...まさか 自分が死ぬなんて...そう考えていた時、僕は 初めて内なる声に耳を傾ける事が出来た... 「ぎゃはははははは!!! しけた面しおって! アフォか!!...オマエっちゅー奴は本当に 使えへんなぁ?!...オマエのその槍は... 飾りものなんか?!あぁ??!」 「槍...これは....それに... きみ...いや、そんな....嘘だ?」 そう、これが僕の最後の運命の歯車が 動いた...その瞬間だった...。 『12月23日(月)』 第一二四八話 『天使と悪魔の折り重なる日-辿り着く場所-』(12.23.月) 「えっ.....あれ...やっぱ 僕、死んだんだな...ぁ...。」 「アフォ!ボケ!!カス!!! オマエはまだ生きとるっちゅーねん!!!!」 まるで何処かの国で見た 豊かな草原の世界の中心地に『貴弘』は 何時の間にか立ち尽くしていた 「じゃあ...此処は? それに...奴は!?!」 「ヒロ、オマエ....俺様が呼んどっても 気付きもせんかったやろ? ぎゃははは、ここはオマエん中や!!」 そして、目の前で立ち塞がる 真紅の槍を抱えた青年はあの自分と 一つとなって消失した筈の『海驢 智明』だった...。 「僕の?...中??...はぁ??? ...怪我もしていない...?!」 「ほんまに鈍感やな、俺様は イツもお前と一緒に居ると伝えたハズやで?!」 ヒロの腕には見慣れない槍が 備わっていたが彼はそれを拒否した 「それに....これ....これは もう僕の槍じゃない!!」 『ごっっっすっっっぅ...。』 「コラこら、投げ捨ておってから... これな、これこそが...オマエやねん、ヒロ?」 智明の不意な言葉でヒロは ますます、困惑した 「...もう魔王は呼べない! それに、コレが僕の“力”のハズがない!!」 そして喚く様に叫ぶ彼へと 智明が伝える... 「馬鹿野郎!!...ヒロ、お前がそれを 拒絶しおるから...あんな、雑魚にも 勝てへんのや!何時まで経っても成長せぇへんなぁ! 自分を拒絶しおって...。」 あの力こそが本来の貴弘の源である、っと...。 「馬鹿な...。 それに....何で....お前が...!?」 「....闇や、オマエの中に眠る闇を 引き出されてお前は魔王の力を手にしておったな? せやけどな、光と闇は本来....一つなんよ。 解るな...?」 それを拾い上げて智明は彼へ手渡さんとする 「ずっと....会いたかったのに...! ....今頃になって...!!」 「アフォ...俺様かて少しは会いたかったわぃ... せやけどなぁ....オマエがあんまりに馬鹿やから 内なる声に耳も傾けへんから...がはははっ! まぁ、えぇ、折角やし...俺様も前の姿で 力を貸したるわ...今度こそ、声、聞こえるやろ?」 そして、ヒロは本来自分が辿り着くべき場所を 見据え....これを受け取る!!! 『12月24日(火)』 第一二四九話 『天使と悪魔の折り重なる日-聖なる夜に口付けを-』(12.24.火) (Merry Christmasだヨッ!!) 「.......うん.... 聞こえるよ....『智明』....の声... ちゃんと...聞こえる...。」 そうだ、僕はあの時から 何かが心から抜け落ちてしまったようで まったく...生きる気力すら 失いかけていた...けど、居たんだ! 「やろ?せやからなーーーっ もう泣くなや....そぃでもって受けとるんや!!」 最初から....彼は...僕の中に...!! 「....もう.... もう、拒絶なんてしない... 僕は....ずっと、智明....きみと ...一緒にいるんだって解ったから...。」 『くちゅっっちゅっちゅっっ...。』 「アフォッ...それに、俺様やって... ....好きなんやから....良いとこ魅せたってくれや?」 『貴弘』の言葉の後、不意に智明は 抱き寄せ、これから...もうけして 聞ける事は出来ないであろう台詞をこぼして 彼へと口付けた...。 [んだぁ....気絶か? カッカッカーーーッッ!!!! ショック死かよ?!おめでてーなぁ!!] 『がひゅっっっっっっぅっっっっっ!!!!!』 ……その時!!…… 「....僕は....僕の天使と悪魔を... もう、恐れない!!」 嘲笑する『幻魔』達の前でヒロは 崩れ朽ち行く肉体の中で 神の槍をその手に握り締め立ち上がる!!!! まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |